手料理を始めるきっかけとなるのが、節約または健康を意識した時
外食を減らすだけで食費は抑えられますし、塩分や糖分を控えることもできます
ですから最初は、仕方なく始めた家事のひとつにすぎないかもしれません
ですが料理は、続けていくうちに身に付く、ひとつのスキルです
食材や調理法の知識が増え、調理道具が揃ってくると、趣味としても楽しめます
家庭菜園も、最初は節約や健康のためかもしれません
そこからガーデニングの面白さにハマっていく人も多いはずです
そして自分が育てた野菜を調理することも、大きな喜びになります
手料理の食材・調理法・調理道具
手料理は、食材を買ってきて、切ったり焼いたりするだけの簡単なものです
すでに下調理された食材も多いので、初心者でも美味しい料理が作れます
それだけでも節約効果、健康効果を実感できるのが手料理の良さ
食材、調理法、調理道具の知識が増えるほどに、レパートリーが広がります
【手料理の食材】
手料理の食材には、肉、魚、野菜、調味料、様々な種類があります
健康を考えるなら、栄養バランスも大事です
色々な食材を使うことで、毎日の食卓に変化をつけられます
四季の行事食などで、季節感を味わうのも食事の愉しみです
食卓に花を飾るだけでなく、料理にも使うと楽しさが広がります。綺麗な花の中には食べられるものが意外と多くあるからです。例えば「バラ」や「食用菊」は代表的なエディブルフラワー。雑草の「たんぽぽ」や「しろつめくさ」も食べられます。彩りとして飾ったり、お茶にして飲んだり、色と香りを楽しめるのが花びら料理です。
パーティ料理にピッタリなのがエディブルフラワーを使った料理。花びらの色や香りが食卓を華やかに演出してくれます。例えば「バラ」は代表的なエディブルフラワーです。無農薬栽培したバラなら、花びらをサラダに散らしたり、ジャムなどに加工できます。雑草の「たんぽぽ」、ハーブの「ラベンダー」も食べられる花。
1月7日に「七草粥」を食べるのは、健康を維持する暮らしの知恵でした。体調を崩しがちな季節の変わり目に、弱った胃腸を休めるためです。7種類の野菜を刻んで粥に入れるだけなので、作るのも簡単。春の七草は、もともと身近に生えていた野草です。
ひな祭りの食べ物には、旬の食材や縁起物が使われます。そこには女の子の健やかな成長を願う意味が込められています。例えば「ひし餅」や「雛あられ」といった桃の花を表したお菓子。縁起物の「はまぐり」や「ちらし寿司」も、ひな祭りの定番です。
どくだみは、葉、花、茎、根、全草が薬草として使えます。どくだみの葉や茎を乾燥させたものが漢方の「十薬」という生薬。主な効能は「殺菌」「利尿」「整腸」です。漢字の「毒矯み(毒を抑える)」が名前の由来です。
パンやケーキを手作りする時には、小麦粉を使い分けします。含まれる「タンパク質」の量によって「粘り」が異なるからです。タンパク質の量で「薄力粉」「中力粉」「強力粉」に分けられます。タンパク質が多い強力粉は、粘りがあり「もちもち」した食感になります。
コリアンダーは香りも味も強く、濃い味付けのエスニック料理に向いています。欧米ではコリアンダーの「葉」や「茎」だけが使われてきました。インドやベトナムなどアジアでは「根」や「種」まで使われます。葉と種で香りが全く異なるのがコリアンダーの特徴です。
海藻から作られる「寒天」は食物繊維が豊富でカロリーゼロ。ダイエット中でスイーツを控えている時には寒天がピッタリです。粉寒天を料理に入れたり、食材として使うこともできます。動物性コラーゲンが含まれている「ゼラチン」は美肌効果が期待できます。ダイエットで肌や髪がパサパサになるのを防ぐのにピッタリ。
天然酵母は身近な食材から簡単に作れます。酵母菌は、身の回りで自然に生きている微生物だからです。野菜や果物、花やハーブの表面には天然酵母が付いています。穀物の粉を水で溶いた状態で放置したら自然に発酵し、そのまま焼いて出来たのが最初のパン。偶然の産物なので、どこに、どんな酵母菌が付いているのかは分かりません。
昔ながらの方法で作るアップルビネガーは、とてもシンプル。基本的には、リンゴから果汁を絞り、リンゴジュースを瓶に入れておくだけです。甘みのあるリンゴをベースにして、酸味のあるリンゴをブレンドすると美味しくなります。
砂糖の原材料は「サトウキビ」「テンサイ」といった植物。植物は太陽による光合成によって、空気中の二酸化炭素と水から糖質を作っています。どんな動物にとっても簡単に食べられる甘味が果物です。人間は蜂蜜やメープルシロップを取り出す方法も編み出しました。
ひとり暮らしの日常を少し優雅にしてくれるのが旬のフルーツ。時間がない時や調理が面倒な時でも、フルーツなら手軽に食べられます。たとえば朝食にピッタリなのがフルーツです。豆乳とシリアルにプラスしたり、ヨーグルトに入れたり。甘いフルーツも朝ならカロリーを気にせず食べられます。
一人暮らしにおすすめなのが野菜の定期宅配。一人だとつい簡単な食事で済ませたり、外食したり、野菜不足が気になります。家で調理すると、簡単に調理できる肉が多くなりがち。スーパーで買い物すると、いつも同じ食材ばかり買ってしまいます。手抜き料理や外食が増えると、食費もかかります。野菜を多めに、自炊すると、健康にも、節約にも、役立ちます。
食べチョクのコンシェルジュ便を利用し始めたのは2019年9月。最初は1000円OFFで試しに注文してみました。一人暮らしだと「Sプラン」の「隔週」がちょうどいい分量と頻度です。少しずつ、色んな野菜が届くのが、一人暮らしには有難い。
2019年9月から利用し続けている食材宅配サービスが「食べチョク定期便」。パスしたり日時変更したりが簡単で、使い勝手も良いので満足しています。生産者さんに直接オーダーして、欲しいものだけ買えるのも良いところです。利用者には、お得情報がメールで届きますので、それをシェアしています。
野菜ごとに最も美味しい食べ方があります
●野菜別レシピ
>アレッタ >エンドウマメ >オクラ >カステルフランコ >カツオ菜 >カブ >カボチャ >カラシナ >カリフラワー >キャベツ >キュウリ >クウシンサイ >ケール >ゴボウ >コールラビ >小松菜 >コリンキー >サツマイモ >里芋 >シシトウ >ジャガイモ >ショウガ >スイスチャード >ズッキーニ >ダイコン >タマネギ >チンゲン菜 >ツルムラサキ >トマト >長ネギ >ナス >菜花 >ニンジン >ニンニク >白菜 >ビーツ >ピーマン >ブロッコリ >ほうれん草 >水菜 >モロヘイヤ >ラディッシュ >ルッコラ >レタス
【手料理の調理法】
調理の基本は「切る」「混ぜる」「焼く」「煮る」とシンプル
ですが、切り方、混ぜ方、焼き方、煮方には、多くのバリエーションがあります
例えば切り方を変えるだけでも食感が違い、見た目も変化させられます
最も簡単な炒め物にも、ちょっとしたコツがあります
時間をかけずに調理できるのが炒め物のメリット。フライパンを強火にかけて材料を入れ、サッと手軽に作れます。材料の下ごしらえを含めても20~30分で出来上がります。
料理の仕上がり、段取りを良くする上で大切なのが下ごしらえです
素材ごとに適した下ごしらえをすることで美味しく仕上がります。料理の下ごしらえには目的があるからです。下ごしらえをしておかないと、旨みを損なったり、臭みが出たり。美味しそうな色に仕上がらないこともあります
漬物は、食材を切って塩に浸けるだけのシンプル調理
糠漬けは家庭で簡単に作れる保存食。意外な野菜が美味しくなります。綺麗な色を保てるのも漬物の良さ。塩だけで漬けるよりも、糠に漬けたほうが栄養価も高まります。少量を冷蔵庫で保存すれば臭いが出ることもありません。
アルコールに浸け込む果実酒も手軽に作れます
生では美味しくない木の実や、小さすぎて食べにくい木の実。果実酒にすれば美味しくなります。例えば「ガマズミ」「ヤマナシ」「サルナシ」「コケモモ」など庭木や街路樹の実です。秋に仕込んだ果実酒はクリスマスや年末に飲めます。
手間ひまかけた加工品も、家庭で作れます
梅干しは、手順さえ間違えなければ誰にでも失敗なく作れます。手間はかかりますが、常温で何年でももつ保存食です。要冷蔵の市販品とは違う本物の梅干しには防腐効果があります。梅は手に入る時期が限られているので、時期を逃さないことも大事です。
かつては「こんにゃく芋」と「わら灰」を使って家庭でコンニャクが作られていたそうです。ですが現在は、こんにゃく芋も、わら灰も、都会では手に入りにくい材料。手作りするなら代替品の「精粉」と「凝固剤」を使います。こんにゃく芋そのものには毒性があり、生では食べられません。茹でてアルカリ処理することによって毒抜きされ、コンニャクになります。
豆腐とゴマ豆腐では、作り方も材料も違います。けれど素材を変えてアレンジできる点では共通しています。大豆の代わりに「黒豆」や「金時豆」を使った豆腐にしたり。ゴマ豆腐の材料は「白ごま」でも「黒ゴマ」でもOK。冷奴として食べるなら「寒天」で固める方法でも作れます。
植物油は、多くが「種」から採ったものです。種子を保護している硬い部分の「核」から採れる油もあります。オリーブやアボカドなどは、果実に油が含まれている植物です。種から油を取る場合には、圧力をかけて絞り出します。果実の場合は、つぶしてから濾して果肉を取り除くだけなので比較的かんたんです。
季節の行事食は、気分も上がります
お花見は、貴族が屋外で開いた春の宴会が、庶民に広まったものと言われています。田の神様を迎えるために、農民たちが桜の木の下で、お酒や食べ物を供えたそうです。行事食として知られているのが「花見だんご」「桜茶」「花見弁当」。春を感じさせる食べ物は、お花見ムードを盛り上げてくれます。
ハロウィンには、お菓子がつきもの。お家でハロウィン・パーティを開く時には、かわいい手作りスイーツで。クッキー、ケーキ、ドーナツ、ちょっとアレンジするだけでもOKです。手づくりクッキーにアイシングするとアレンジ自在です。
恋人や夫婦など、カップルで過ごすのがバレンタインデー。チョコレートを使ったケーキを手作りする時間も幸せな気分です。チョコレートが優しく幸せな気分を運んでくれます。
ちょっとハードルが高いスイーツ作りですが、クッキーは比較的カンタン
手作りクッキーは初心者でも簡単なスイーツ。材料を発酵させる必要がないので時間もかかりません。おやつとして手軽に作ったり、プレゼント用にアレンジしたり。砂糖を変えるだけで、しっとりクッキーにしたり、さくさくクッキーにしたりできます。
甘くないクッキーは食前酒のお供に最適です。様々なアルコールに合わせられ、手軽につまめるからです。例えばチーズを入れた「キャラウェイクッキー」はワインにピッタリ。甘いものが苦手な人にも提供できます。ホワイト・デーのプレゼントにも最適です。
真夏の暑い日、家にある材料で、すぐに冷たいアイスが作れると嬉しい。炎天下の中をコンビニまで買いに行かなくても済みます。アイスクリームの材料は「牛乳」「砂糖」「塩」「氷」。家にあれば「1分」で作れます。しかも急速冷凍なので、なめらかな食感になります。
バターを練り込むパイ生地は超カンタン。アメリカでは最もポピュラーな作り方です。「as easy as pie(パイみたく簡単)」という言い回しがあるほど。バターを折り込むフランス風フィユタージュのように難しくありません。
ふわふわして白いマシュマロは手作りできます。卵白を泡立ててメレンゲにし、ゼラチンで固めるだけだから簡単。手作りしたら、アレンジも自由です。食紅を加えて色を付けたり、クッキーの型を使ってハート形にしたり。白いマシュマロにチョコペンで顔を描くだけでも可愛くなります。
美味しい和菓子はヘルシーなスイーツ。豆を使っているため食物繊維が一緒に摂れるからです。和菓子の基本は豆を使った「あん」と、米粉を使った生地。いんげん豆をあんに使ったり、クルミやアーモンドなどを加えたり。ワラビやヨモギなど身近で摂れる野草を加えたりもできます。
たまには自宅に人を招いてのホームパーティも楽しいものです
簡単に作れて、冷凍保存できるサルサソースとトルティーヤ。サルサソースは材料を煮詰めるだけ。トルティーヤは小麦粉を練ってフライパンで焼くだけです。巻き寿司みたいに、トルティーヤに好きなトッピングを乗せて食べられます。
ホームパーティの料理は「簡単」で「見栄え」のすることが一番。主催者の役割は、料理ではなく「話題」を提供することだからです。手料理に時間をかけすぎて、本番で疲れてしまっては意味がありません。呼ばれた人にとっても、あまり頑張った感がないほうが気楽です。
ホームパーティのメインにはローストした肉料理がピッタリ。簡単なのに豪華に見え、お客さんにも喜ばれます。例えば、牛肉や豚肉のかたまり肉、鶏肉や七面鳥の丸焼き。オーブンで焼いたら大皿に盛り付けて。周りに彩りの良い野菜を並べてテーブルの中央に置くと見栄えがします。
ホームパーティでは、お客さんが自分で作れるドリンクが最適。主催者側が楽なだけでなく、お客さんも気兼ねなくドリンクのおかわりができるからです。親しい人なら、勝手に冷蔵庫を開けて缶ビールを出してもらっても構わないかもしれません。けれど他人の家の冷蔵庫を開けることに抵抗を感じる人もいます。
減量のためと、美味しいものをガマンするとリバウンドしてしまいます
痩せるためには運動より食事のほうが効果的です。多くの人は、空腹感をガマンするくらいなら、運動のほうがいいと考えがち。けれど運動でカロリーを消費しても、体重が減るわけではありません。美味しく食べて空腹を我慢しないでも減量できます。
【手料理の調理道具】
少量でも美味しく炊き上がるのが土鍋での炊飯。御飯は炊飯器で保温するより、すぐに冷凍保存したほうが味が落ちません。電子レンジで温めると炊き立ての味が蘇ります。美味しい新米が出回り始める秋。でも実は、新米が最も美味しくなるのは秋より冬だといいます。
炒め物のような強火での調理に使うフライパン。テフロン加工の危険性が指摘されています。安全なのは「鉄製」「ステンレス製」と言われます。ステンレス製は高価ですが、錆びないことがメリットです。けれど安価な鉄製でも使い方に気を付ければ、錆びず、焦げず、長持ちします。
暖房設備でありながら調理場でもあるのが囲炉裏。炭火だけでなく、薪を燃やすことで調理の幅も広がります。例えば灰に串を刺して直火焼きにしたり、灰の中で蒸し焼きにしたり。基本的には室内での「焚き火」なので、キャンプと同様の調理が可能です。
家庭用コーヒーメーカーの多くが「ドリップ式」。ドリップ式で淹れたコーヒーは、香りの良さが特徴です。お湯をゆっくり注ぐので、コーヒー粉の成分を損ないません。コーヒーの淹れ方は大きく4つに分類されます。
家庭菜園で育てられる食材
家庭菜園は、キッチンでも、マンションのベランダでも始められます
あまり大きくならないハーブや野菜なら、プランターでの栽培が可能です
水だけで栽培できる野菜なら、キッチンの窓辺でも育てられます
イチゴのような小さな果物だけでなく、果樹も鉢植え栽培が可能です
小さくとも庭があれば、自然栽培などに挑戦することもできます
【キッチンでの家庭菜園】
日当たりの悪いキッチンでも、もやし栽培なら可能です
もやし栽培は、水だけで育てられ、早く収穫できることがメリット
栄養価が高い野菜を収穫できます
スプラウトとは「もやし」「かいわれ」のような発芽野菜のことです。もやしは緑豆や大豆、かいわれは大根を人為的に発芽させて作られています。アメリカでよく知られているスプラウトが「アルファルファ」はです。マメ科のムラサキウマゴヤシを発芽させたもので、サラダやサンドイッチに使われます。
調理中に出る野菜クズなどは、コンポストにすると生ごみを減らせます
室内では、虫や臭いが出ない工夫が大事です
室内にコンポスターを置いて堆肥作りをする時は、密閉できる容器を使います。空気を遮断することによって、腐敗臭を抑えるためです。腐敗せずに「発酵」すれば、嫌な臭いはあまり発生しません。そのためには空気を嫌う「嫌気性」の微生物を増やすことがポイントです。臭いを抑えられれば、キッチンなど室内でも堆肥作りがしやすくなります。
小さなイチゴなら鉢植え栽培が可能です
半日蔭を好むので、日当たりの悪いキッチンでも大丈夫
イチゴを育てるには鉢植えやレイズベッドが最適です。地面から離すことで病害虫や土汚れを防げます。例えば「ストロベリーポット」はイチゴ栽培のための鉢です。コンパニオンプランツのボリジと寄せ植えにもできます。バラ科で、原産地は北半球、南アメリカ。
日当たりの良いキッチンなら、鉢植えでハーブなど育てると、料理にすぐ使えて便利
ちょこっとしか使わない彩り用でも、剪定や間引きをしながら使えます
ハーブは丈夫なので、基本的な育て方さえ守れば栽培は簡単です。ただし鉢植えを室内で育てる場合「日当たり」が足りないことがあります。乾燥気味、肥料は少なめ、と言われるハーブでも鉢植えには「水やり」「肥料」が欠かせません。初心者だと加減が分からないために失敗しがちです。
とはいえ多くのハーブは日当たりの良い環境を好むので、ベランダのほうがよく育ちます
【ベランダのプランターで家庭菜園】
地中海沿岸が原産のハーブは、どれも日当たりの良い環境を好みます
ですから、よく日が当たる南側のベランダが最適です
あまり市販していないオレガノやマジョラムも、種なら手に入ります
オレガノはマジョラムの一種で、同じ仲間のハーブ。マジョラムは大きく3種類に分けられ、最も味と香りが強いのがオレガノです。それぞれ「原産地」や「使われる料理」が異なり、呼び名が様々にあります。どれも地中海沿岸地方が原産ですが、ヨーロッパ全土に生えている野草。
コリアンダー、ディル、フェンネル、パセリ、チャービルなどがセリ科のハーブ。人参やアシタバなどの野菜、レースフラワーという花もセリ科です。セリ科の植物には特有の性質があるため、栽培にはコツがあります。例えば、生育初期に競い合うことでよく育つ、移植を嫌うといった性質です。
家庭で果樹を育てる場合は、鉢植えのほうが良いことがあります。管理しやすく、簡単に置き場所を変えられるからです。冬は室内に置けるので、南国果樹でも栽培できます。小さく育てて果実を減らすと、甘味が増すこともメリットです。たわわに実っても家庭では食べきれません。
どんな植物でも最初の「植え付け」と「植え付け後の管理」が重要です。まだ小さな苗木は、病害虫にも弱く、環境が合わなければ成長できません。よその地域から持ってきた苗木を根付かせるには、いくつか注意点があります。
【庭での自然栽培】
常緑の果樹は寒さに弱いものが多く、柑橘類やトロピカルフルーツも常緑果樹です。生育には、年間の平均気温「15~17℃」くらいが適しています。ですから暖地でなければ、庭に植えるのは無理です。けれど「鉢植え」や「温室」でなら、マイナス気温になる地域でも育てられます。
アボカドは本来とても大きくなる果樹。葉が大きく根が浅いため、剪定で小さくしたり、茂りすぎないように管理します。実が付き始めたら「摘果」して数を減らし、養分を集中させるのも大切です。アボカドなど果樹を育てる時に大切なのが「剪定」と「誘引」です。
ゴマは比較的生育が早く、手がかかりません。数本で充分な量が収穫できます。土質も選ばず、極端な酸性土でなければ、どこでも栽培できます。「風通し良く」してジメジメさせないことがポイントです。ゴマは「暑さに強く」夏の日差しが大好き。雨季に発芽して根を伸ばし、乾季の日照りで大きく育ちます。
たんぽぽは「蒲公英(ほこうえい)」と呼ばれ、生薬として使われる薬草。根、葉、茎、花、全草が利用できます。薬効には「美肌」「健胃」「胆汁分泌」などがあります。花や葉は食用にも使え、根はたんぽぽコーヒーにできます。地中に深く伸びる根は養分を地表へと運ぶ役割も果たしています。
コンパニオンプランツとは、植物同士の助け合い。「共栄作物」とも呼ばれ、共に栄える組み合わせです。コンパニオンプランツは、栽培者たちが長年の経験から知った知恵。まだ知られていない組み合わせもあるはずです。その場合は植物の「科」による相性で、ある程度の予想ができます。
ジャガイモは「長ネギ」と交互に栽培するとうまく育ちます。なぜならネギが土を消毒し、連作障害や病害虫を防げるからです。さらに朽ちたジャガイモは、ネギにとって最良の肥料になります。ですからネギとジャガイモを交互に育てると、お互いにとって良い土になっていきます。
カボチャとトウモロコシは、一緒に育てると相性が良い組み合わせ。アメリカ先住民族が古くから行ってきた栽培方法です。トウモロコシを「東側」に植えると、カボチャは太陽に向かって伸びます。するとカボチャがトウモロコシの株元に絡みながらよく生育します。カボチャが地面を覆うため、地面が乾燥しないという効果もあります。
ピーマン類は「豆類」と一緒に育てると、よく育ちます。土を肥沃にする豆類が、ピーマン類に十分な養分を提供するからです。互いに害虫を寄せ付けない組み合わせでもあります。辛くない種類は小さい順にシシトウ、ピーマン、パプリカで、辛い種類がトウガラシ。
豆類と麦類は、交互に植えると良く育ちます。麦類は余分な肥料分を吸い取るので、枝豆の蔓ボケを防ぐからです。連作障害も起きにくくなります。麦類は、枝豆に付く害虫を防ぐ働きもします。豆類に付くアブラムシと麦類に付くアブラムシは別の種類だからです。
トマトとバジルは一緒に料理しても栽培しても良い組み合わせ。近くに植えると、互いに味を良くして風味を高めます。「ニラ」や「バジル」をトマトと一緒に植えると病害虫を抑えられます。トマトの収穫後に栽培できるのが「ニンニク」。抗菌成分があり、強い香りで病害虫を防ぎ、モグラ除けにもなります。
ニンニクは多くの野菜と混植でき、強い香り成分と土中での殺菌効果で病害虫を防ぎます。特に「イチゴ」「トマト」「ナス」「キュウリ」とは相性が良い組み合わせです。マメ科やキャベツとの相性は悪いので一緒に植えないようにします。ニンニクを収穫するには、他の植物とは別に育てる必要があります。
玉ねぎの収穫後に植えると丁度いいのがズッキーニ。栽培する時期が、ちょうどリレーのように続けられるからです。3月から「土の準備」をして「秋」に玉ねぎを植えます。ズッキーニも玉ねぎも「肥沃な土」を好む野菜。玉ねぎの収穫後にズッキーニを栽培すると、余った肥料分が吸収されます。
ニンジンとゴボウは一緒に植えるとよく育ちます。生育適温がニンジンもゴボウも「15~20℃」と同じだからです。どちらも直根で根がまっすぐ深く伸びるので一緒に植えても競合しません。同じ場所で続けて栽培しても連作障害が起きません。セリ科なので、葉はパセリみたいな味と香りがします。
家庭菜園を自然栽培にすると、作業がグッと楽になります。自然栽培は、毎年のように土を耕さず、自然に委ねる育て方だからです。肥料や薬剤を使わないので、施肥や散布の作業が要りません。無農薬で育てた野菜を安心して食べられるのがメリットです。雑草も活かす栽培方法なので、草取りに追われずに済みます。
自然農法や自然栽培は「農薬や肥料を使わない」「自然に委ねる」栽培方法です。どちらも自然の「生態系」を活かすという考え方が基本にあります。ですから「植物」と「動物」との共生関係や食物連鎖がポイントです。
趣味で養蜂を始める人が増えているといいます。あまり費用がかからず、簡単に始められ、手間もいらないというのが理由です。欧米で養蜂を楽しんでいる人たちも、ガーデニングの延長のような感覚です。ただし日本では届け出が必要になります。住宅地では近隣トラブルも発生しがちなので注意が必要です。