玉ねぎ栽培の跡地にズッキーニを植えると、互いに良い環境が作れます
なぜならズッキーニが余分な養分を吸収するため、土がリセットされるからです
そして玉ねぎは、ズッキーニの病害虫を防ぎます
そのため、ちょうどリレーのような交互の栽培が可能です
玉ねぎとズッキーニの栽培プラン
ズッキーニも玉ねぎも「肥沃な土」を好む野菜です
そのため玉ねぎ栽培ができた肥沃な土なら、ズッキーニもよく育ちます
ズッキーニは夏から秋の短い期間で栽培できることもメリットです
なぜなら玉ねぎは植え付け時期が大切で、遅れると苗が育ちません
他の秋野菜を植えてしまうと、玉ねぎの植え付けができなくなってしまいます
●玉ねぎ
生育適温は15~25℃
原産地は中央アジアから中近東の冷涼な地域
育て方のコツは栽培する土の性質です
- 弱酸性~中性の土質
- 比較的肥沃な土
- 水はけの良い土
ほとんど連作障害がないので、同じ場所で毎年育てることができます
【玉ねぎ栽培カレンダー】
玉ねぎは、同じ場所で「連作」するとうまく育ちます
そして玉ねぎ栽培と同時に育てられるのが「豆類」です
なぜなら豆類が土を肥沃にするので、玉ねぎがよく育ちます
とはいえ土の養分が過剰になると発生しやすいのが、ウドンコ病です
そこでズッキーニを植えると、余った養分が使われて土がリセットされます
玉ねぎの収穫が終わるのは6月後半なので、夏野菜を植えるには少し遅い時期
かといって秋野菜を植えると、玉ねぎの植え付けに間に合いません
ですから玉ねぎの収穫後に植えて、10月までに収穫が終わるズッキーニが最適です
【玉ねぎ栽培の準備】
まずは3月から玉ねぎ栽培の土を準備しておきます
植え付け場所は「100cm四方」か「100×200cm」くらいです
作った堆肥を土に入れておくと、植え付け時期までに熟して丁度良くなります
堆肥の効果は、大別すると「土壌改良」と「肥料効果」の2つです。そのため目的に応じて堆肥の種類は異なります。例えば、植物を植える前には土壌改良、植物が成長する時期には肥料として。そして土壌改良と肥料とでは、堆肥に使う材料も違います。
玉ねぎの種まきは「9月中旬」なので、1カ月前の8月には、堆肥などを入れておきます
1m四方の土に入れる分量の目安
- 完熟堆肥(3~5リットル)
- もみ殻燻炭(5リットル)
- 油粕(1リットル)
堆肥を購入する場合は、完熟したものを選ぶことが大切です
もみ殻燻炭は根づまりを防ぎ、生育を良くします
油粕は発酵済みのものを使うと植物に良く、臭いもしません
地面を浅く掘って、漉き込んでおきます
火山灰土の場合には、リン酸分を補うために「バットグアノ」を一振りすると効果的です
バットグアノはコウモリの糞で、養分たっぷりなのでバラなど花付きも良くなります
【玉ねぎの種まき】
玉ねぎの種は販売期間が限られるので、お気に入り登録しておくと時期を逃しません
固定種なら種をとって翌年にまけます
玉ねぎの種は1列に「5mm」間隔で、10cm離して2列に点々とまきます
そして厚さ5mmの「土」をかけ、「もみ殻」を上にまき、足で踏んで押さえます
玉ねぎの芽が出て「本葉が出てきたら」間引いて苗に使うものだけ残します
苗は「割り箸」くらいの太さのものを選びます
細すぎる苗は寒さで枯れやすく、太すぎるとトウ立ちしやすくなります
理想的な苗は「葉が3~4枚」で「草丈25~26cm」「根元の太さが5~6mm」くらい
葉が長い場合には、先端を切って草丈30cmくらいにし、根も1cm長さに切っておくと発根が促されます
【玉ねぎの植え付け】
玉ねぎ栽培では、「12cm」間隔で植えると元気に育ちます
なぜなら隣同士の玉ねぎが協力し合って、一斉に水分を吸いあげるからです
とはいえ12cm以上離すと草に負けてしまいます
幅100cmの場所なら、まず端から10cmくらいのところに1列目の玉ねぎを植えます
植え付けは「白い部分が隠れる程度の深さ」です
それから土をかけて覆い、足で踏んで押さえます
そして15~25cmくらい離して2列目の玉ねぎを植えます
玉ねぎの苗を植えたら、すぐに「油粕1:米ぬか1」を混ぜて間に置きます
地面に漉き込まず「地表」に置くだけでOK
すると春までにゆっくり分解されて成長期の養分となります
米ぬかは、堆肥作り、糠漬け作り、ウドンコ病の予防など色々と使えます
植え付けして養分も置いたら、その上から刈り取った「草」を敷きます
【玉ねぎの収穫】
玉ねぎがトウ立ちして「ネギ坊主」が伸び始めたら、収穫して葉玉ねぎとして利用できます
葉が倒れたものから、少しずつ収穫もできます
そして玉ねぎの葉が5~8割くらい倒れたら一斉に収穫する適期です
晴れの日が続いて「土が乾燥している時」に収穫します
玉ねぎを収穫したら「天日で2~3日乾燥」させ「軒下に吊るして保存」します
玉ねぎを収穫したら、その日のうちにズッキーニの苗または種をまきます
収穫後の「玉ねぎの葉」を地面に敷くと、ズッキーニに付きやすいウリハムシが寄りつきません
ズッキーニの栽培
ズッキーニを育てるコツは「肥沃で水はけの良い土」で栽培すること
だからといって肥料を与えないことがポイントです
茎が短く葉が密集しているため、ウドンコ病が発生しやすいからです
ウドンコ病は、風通しを良くすることでも防げます
大きく育つので「1m四方に1~2株だけ」植えると密集しすぎず風が通ります
2株を植えると受粉しやすいので、「1か所に2本」または「1本ずつ2か所」に植えます
●ズッキーニ
生育適温は15~20℃
原産地は中南米で、カボチャと同じウリ科
ペポカボチャと呼ばれる系統で、北米南部の乾燥地域で育ちました
【ズッキーニの種まき】
玉ねぎが植わっていた跡地で、1か所に3~4粒「方向を揃えて」種をまきます
ズッキーニは、やや「西寄りに配置」すると最終的には中央になります
なぜなら蔓が東へ向かって伸びるからです
土で覆った上に刈り取った草を敷くだけで、水やりは不要です
【ズッキーニの植え付け】
ズッキーニは「2株」以上で育てると受粉しやすくなります
100cm四方の場合なら1か所に2株で二本立ちに、100×200cmの場所なら1本ずつ2か所に
ズッキーニの芽が出てきたら、健全な株を残して間引きます
2本以上を植えると自然と受粉しますが、人工授粉をすると確実に実を付けます
人工授粉のやり方は、綿棒などで花粉を取って雌しべに付けるだけです
ただしウリ科は「朝6~7時ころしか受粉できない」ので、人工授粉は早朝に行います
雑草が旺盛に伸びる夏は、ズッキーニの大きな葉が草の勢いを抑えることもメリットです
とはいえ伸びてきた夏草は、ズッキーニの外葉がある「周囲15cm」くらい刈り取ります
そして刈り取った草は地面に敷いておきます
【ズッキーニの収穫】
実の長さが「20cm」くらいになったら収穫の適期です
ズッキーニは、霜が降りる頃まで収穫できます
ですが玉ねぎを植える場合には、10月に入ったらズッキーニを全て収穫してしまいます
そして株元で切って茎や葉を地面に敷き、すぐに玉ねぎを植えます
玉ねぎとソラマメの栽培
玉ねぎ栽培の時にソラマメを一緒に植えると、土が肥沃になって玉ねぎがよく育ちます
そしてソラマメの両サイドに植えた玉ねぎが、アブラムシなどの虫よけになります
まず先に「ソラマメ」の種をまき、芽が出たら両サイドに玉ねぎ苗を植えます
そのためソラマメの種まき時期に合わせて、玉ねぎの苗を準備しておく必要があります
ソラマメの種まきは、10月中旬~11月中旬です
【ソラマメの種まき】
30cm間隔で「黒い筋を揃えて」2~3粒ずつ、6か所くらいにソラマメをまきます
すると11月中旬~12月上旬、ソラマメの芽が出てきます
【玉ねぎ苗の植え付け】
ソラマメの芽が出たら、その両サイドに玉ねぎの苗を植えます
まず深さ5~8cmの溝を掘り、その「片側に寄せて」10~12cm間隔で玉ねぎを植え付けます
ソラマメには肥料を与えなくてOK
玉ねぎに与えた分の肥料で充分だからです
むしろ養分が多すぎると、アブラムシが付きやすくなります
霜柱で浮いた場合には「暖かい日」に根を土の中に植え直します
【草の管理と水やり】
春になって草が伸びてきたら、背の高い「草」を刈り取って、株元に敷きます
草刈りに使いやすいのは、鎌よりハサミです
錆びにくく、切れ味も抜群なステンレス刃のハサミが重宝します
1週間以上雨が降らない場合には、日中にたっぷり水やりします
ソラマメの収穫時期は「さやが水平~斜め下向き」に傾いた頃です
自然菜園
自然栽培で、ゆっくり無農薬の野菜を少量ずつ作ると、食卓が豊かになります
家庭菜園を自然栽培にすると、作業がグッと楽になります。自然栽培は、毎年のように土を耕さず、自然に委ねる育て方だからです。
そして家の庭なら、畑にしてしまわず、美しい景観を保っておきたいものです
野菜とハーブだけでなく、花や果樹も組み合わせた美しい庭。例えばバラの足元にパセリを植えたり、ユリとミニトマトを混植したり。植物としての「相性」を考慮して植えれば、花も野菜もよく育ちます。
自然菜園の作り方は、竹内孝功さんの本がとても参考になります
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