コリアンダーは、濃い味付けのエスニック料理に向くスパイスです。
香りも味も強く、タイ料理や中華料理によく使われます。
英語圏での呼び方が「コリアンダー」。
別名では「チャイニーズ・パセリ」「コエンドロ」。
タイでは「パクチー」、中国では「シャンツァイ(香菜)」です。
日本では「カメムシソウ」とも呼ばれています。
独特な臭いが苦手な人とクセになる人と、好き嫌いがハッキリ分かれるハーブです。
コリアンダーの葉と種の違い

コリアンダーは「葉」と「種」の風味が全く異なるというのが特徴です。
- カメムシのような臭いがあるのは「葉」
- コリアンダーの「種」は、ナツメグに似た土っぽい匂い
コリアンダーは「種」も「葉」も「根」も食べられます。
欧米ではコリアンダーの「葉」や「茎」だけが使われてきました。
インドやベトナムなどアジアでは「根」や「種」まで使われます。
メキシコ料理にも欠かせない香辛料です。
コリアンダーの「種」を使った美味しい料理

カレーに使われることが多いのがコリアンダーの「種」です。
煮込み料理に「コリアンダー」と「クミン」を加えるのはエスニック料理の定番。
メキシコ料理、トルコ料理などにも使われます。
完熟した種を粉末状にしたものが「コリアンダー・シード」として市販されています。
ピクルス、マリネ、ケーキなどに加えても、オレンジに似た甘い香りがします。
●ナシのピクルス

コリアンダー・シードの風味をつけた梨のピクルス。
様々な肉料理の付け合わせに使えます。
生ハムなどに添えても美味しい。
欧米では肉料理に甘いソースがよく使われます。
例えばローストポークにアップルソースなど。
- 硬めの西洋梨(900g)の皮をむき、変色しないよう酢水に浸けておく
- 大きめの鍋に砂糖(450g)とワインビネガー(1+1/4カップ)を入れる
- クローブ(8粒)、オールスパイス(小さじ1)、コリアンダー・シード(大さじ2)を加える
- 鍋を弱火にかけて砂糖が溶けるまでかきまぜる
- 梨を加えて沸騰させ、弱火にして梨が柔らかくなるまで煮る
- ザルとボウルを重ねて梨とシロップを移して梨の汁気を切り、保存瓶に入れる
- シロップだけ鍋に戻して火にかけ、沸騰させてから弱火にして煮詰める
- 梨を入れた瓶に加えて蓋をし、4週間くらい置くとできあがり
コリアンダーの「葉」を使った美味しい料理

コリアンダーの柔らかい「葉」の部分は、ベトナム料理の生春巻きによく合います。
「茎」や「根」の部分は、細かく刻んでスープやソースに加えると風味が増します。
●コリアンダーソース

サワークリームにコリアンダーの葉を加えたソース。
蒸したネギなど強い味の野菜に合います。
- オリーブオイル(1/4カップ)、ワインビネガー(大さじ1)、塩コショウを混ぜる
- サワークリーム、ヨーグルト、マヨネーズ、みじん切りした新鮮なコリアンダーの葉(それぞれ大さじ2)を混ぜる
- 西洋葱のリーキや下仁田ネギ(450g)を10分くらい蒸して水気を切る
- ネギを皿に並べ、温かいうちにビネガーソースをかける
- ヨーグルトソースをネギの上にかけ、コリアンダーの柔らかい葉を飾って出来上がり
●コリアンダー・サルサ

トマトソースにコリアンダーの葉を加えたサルサソース。
トルティーヤに添えてメキシコ料理に。
ナンに添えてインド料理に。
チップスやセロリなどの野菜スティックに添えてディップとしても使えます。
- クミン・シード(小さじ1/2)を香ばしく乾煎りする
- 冷ましてから、すりつぶして細かくする
- 青唐辛子(1本)は種を採って刻む
- 新鮮なコリアンダーの葉(50g)をブレンダーかフードプロセッサーに入れる
- 砕いたクミン・シード、刻んだ青唐辛子、レモン汁(大さじ1)、塩コショウを加える
- なめらかになるまで攪拌したら出来上がり
コリアンダーの栽培法

コリアンダーは、あまり大きくならないので、プランターでも育てやすいハーブです。
種は「深めのプランター」に直接まき、そのまま「植え替えしない」で育てます。
コリアンダーは根がまっすぐ下へ伸びる性質があるからです。
【コリアンダーの種まき】
コリアンダーの種まきは「春」か「秋」。
- 柔らかな葉を収穫するのなら3~5月の春に
- 種を収穫するなら9~10月の秋に
夏に種まきすると虫が付きやすくなります。
秋に種をまいて冬の間に室内で栽培すると、気温が高くなる頃に花が咲き始めます。
種が採れますが、葉は硬くなるので料理には不向きです。
種をまく「鉢」は深さ18cmくらいのものを使います。
気温が20℃くらいあると発芽します。
生育の良いものだけ残しながら間引きますが、間引いた苗も料理に使えます。
最終的には間隔が5cmくらいにして育てます。
【コリアンダーの鉢植え】
コリアンダーの苗は「春」に出回ります。

購入した苗は、根についた土をくずさないようにして植え付けます。
コリアンダーは地中海沿岸地域が原産のハーブです。
「日当たり」を好みますが「乾燥に弱く」「水を好む」ので水が切れないように注意。
「蒸し暑さには弱い」ので「風通し良く」すると根腐れなどを防げます。
【コリアンダーの収穫時期】
「高さ20cm」くらいになったら、外側の葉から切って使います。
種を採る場合でなければ、花は切り取ったほうが葉が硬くなりません。
- 春に種まきしたものは10~12月ころが収穫期
- 秋に種まきしたものは3~7月ころが収穫期
真夏になって気温が上がるとアブラムシなどの害虫がつきやすくなります。
生育も悪くなってくるので、葉や茎の収穫は夏前までです。
コリアンダーの種を収穫すると、2粒の種がくっついて球形になっています。
翌年に種まきする時には手でほぐして割るようにしておきます。
●コリアンダーの薬効
コリアンダーの香り成分には「整腸」「健胃」「解毒作用」があると言われます。
「ストレスを抑える」「不眠を解消する」「抗酸化作用」もあります。
体内の有害物質を取り除く「デトックス効果」もあるとされています。
コリアンダーを使ったサルサソースも簡単に手作りできます。

簡単に作れて、冷凍保存できるサルサソースとトルティーヤ。サルサソースは材料を煮詰めるだけ。トルティーヤは小麦粉を練ってフライパンで焼くだけ。
トルティーヤに具材を巻いて、巻き寿司みたいに食べるのが楽しい。
夏のホームパーティにピッタリです。
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