ハーブは丈夫なので、基本的な育て方さえ守れば栽培は簡単です。
ただし鉢植えを室内で育てる場合「日当たり」が足りないことがあります。
乾燥気味、肥料は少なめ、と言われるハーブでも鉢植えには「水やり」「肥料」が欠かせません。
初心者だと加減が分からないために失敗しがちです。
ハーブ苗の選び方

収穫してハーブティや料理に使うなら、食用に使えることを確認する必要があります。
観賞用ハーブの多くには「矮化剤」という農薬が使われているからです。
矮化剤とは植物を形よく育てるために使われる農薬。
花など観賞用の植物苗には必ずといっていいほど使われているそうです。
園芸用なら形よく育てることが優先されます。
特にハーブは勢いよく生長するため形が悪くなりがちです。
良心的なショップなら「園芸用なのでハーブティには利用できません」と明記しています。
無農薬で栽培された苗は形が悪いかもしれません。
でも伸びすぎた枝を切って整理すれば形を整えることは簡単です。
切ったところから新しい枝葉が伸びてきます。
種からでも育てやすいハーブ

食用ハーブなら、無農薬で種から育てたほうが安心。
種からでも育てやすいのは「一年草」のハーブです。
- ジャーマンカモミール
- バジル
- ルッコラ
- イタリアンパセリ
- ナスタチューム
- ディル
- コリアンダー(パクチー)
- チャービル
- ボリジ
種が発芽して、本葉が出てきたら、葉が触れ合わない程度に間引きます。
ハーブの場合は、間引いた苗を料理やハーブティに使えるのがメリットです。
残った数本を大切に育て、生育の良いものから鉢に植え替えていきます。
苗を育てる時に最適なのが「スリット鉢」です。
鉢底に隙間と突起があり、鉢の中で根がぐるぐる巻いてしまうのを防げます。
ラベンダーやローズマリーなどの多年草は、発芽までに時間がかかります。
水やり、植え替え、間引きなどに慣れてから挑戦したほうが失敗しません。
ハーブ苗の置き場所

買ってきたばかりの苗は、すぐ植え替えしなくてOKです。
むしろ数日そのまま置いて、自宅の環境に慣れさせた方がうまく育ちます。
ハーブ苗は温室など整った環境で育てられています。
店頭に並んでいる間は、そこに慣れていきます。
ですから自宅に置いた時には、また異なる環境に馴染まなくてはなりません。
この時期の植え替えは、苗を弱らせる原因となりがちです。
鉢植えを室内で育てる場合、東から南の明るい窓辺が最適です。
日当たりが足りないと、ひょりょひょろ伸びて弱々しくなります。
真夏に強い西日が当たる場所では葉焼けを起こしてしまいます。
風通しが悪くてジメジメした場所もハーブには向きません。
生育が悪いようなら置き場所を変えて様子を見ます。
その場所に馴染んで順調に育っていれば、新しい葉が出てきます。
植え替えをするのは「鉢の底穴から根が出てきてから」です。
ハーブ苗の植え替え

ハーブは成長が早いので、少し大きめの鉢に植え替えしても大丈夫。
新しく植える鉢は先に準備をしておきます。
土がこぼれないよう底穴にネットなどを敷きます。
底穴のネットは害虫の侵入も防ぎます。
水はけを良くするため、鉢の底には2~3cm深さまで小石を入れておきます。
小石はネットの袋などに入れておくと、次の植え替えの時に取り出しやすくて便利です。

ハーブを育てる基本は、原産地の環境に合わせること。
高温多湿のアジア原産か、冷涼乾燥した地域が原産かで育て方が違います。
地中海沿岸が原産のハーブなら、石灰質の土に植えなければ育ちません。
ハーブ用に市販されている培養土を使うのが確実です。
植え替えする前は水やりをせず、土を乾燥させておきます。
するっとポットから出せるので根を傷めません。
鉢に土を入れ、ポットから出した苗を入れてみて高さを調節します。
ハーブ基本的な育て方

初心者が失敗しがちなのが「水やり」と「肥料」。
与えすぎたり、少なすぎたりして、枯らす原因となります。
【水やりの仕方】
多くのハーブが乾燥気味の土を好むので「水をやりすぎない」ことがポイントです。
水やりの基本は「土の表面が乾いてから」。
土が乾いている時期もないと根腐れしやすくなります。
水を与える時は「鉢底から流れ出るまで、たっぷり」。
鉢底から流れるまで水やりしないと根の先端まで水が行きわたりません。
どんどん洗い流して「微塵」を取り除くことも水やりの目的です。
土の中の細かな微塵が鉢底に溜まると、土が硬くなって水はけが悪くなっていきます。
水やりで土の中に空気を入れることも大切です。
根も呼吸しているので、先端まで新鮮な空気が行きわたると元気に育ちます。
【肥料は少なくていい】
ハーブに多くの肥料は必要ありません。
もともと養分が少ない土地に生えているハーブが多いからです。
とはいえ鉢植えの場合は少し与えた方が生育が良くなります。
ただし肥料の与えすぎは枯らしてしまうことがあります。
養分が足りなければ肥料を加えればいいのですが、多すぎる養分を取り除くのは無理です。
多年草なら、植え替えの時に「固形肥料」を土に混ぜておけば充分です。
弱っている時や、花が咲いた後には、追加で液体肥料を与えます。
- 葉が黄色くなっている時
- 茎が細くヒョロヒョロしている時
液体肥料は即効性が高いだけに、弱っている時に与えすぎると逆効果です。
元気がないなと思った時に「薄めて」与えて様子を見ます。
毎回の水やりに加えるのでは多すぎです。
1カ月ほどで効果がなくなるので、その頃まだ弱々しかったら追加して様子を見ます。
ミントは丈夫で育てやすく、ハーブティや防虫など様々に活用できるハーブです。

ミントは、どんどん摘み取って活用したいハーブ。丈夫で成長が早く、地下茎を伸ばしてどんどん増えるからです。バラの足元に植えたりすると、ミントが繁りすぎてバラが負けそうになるほど。
ラベンダーは様々な品種があるので、気候や目的に合わせて選べます。

ラベンダーは目的に応じて品種を選べるハーブ。原産地や品種改良によって、多くの種類があるからです。品種によって活用方法も違ってきます。










