カボチャとトウモロコシは、一緒に育てると相性が良い組み合わせ。
アメリカ先住民族が古くから行ってきた栽培方法です。
トウモロコシを「東側」に植えると、カボチャは太陽に向かって伸びます。
するとカボチャがトウモロコシの株元に絡みながらよく生育します。
カボチャが地面を覆うため、地面が乾燥しないという効果もあります。
同じ組み合わせで連作も可能です。
カボチャとトウモロコシの栽培プラン

カボチャは種を直まきせず、ポットで苗を育ててから植え付けします。
東西方向に長く「幅100cm×長さ200cm」のスペースに。
まず「東側」にトウモロコシの種をまきます。
トウモロコシが発芽してから「西側」にカボチャの苗2株を植えます。
するとカボチャはトウモロコシの方へと伸びて、蔓を絡ませながら成長します。
カボチャとトウモロコシは連作障害がないので、毎年同じ場所で栽培できます。
場所を変えずに毎年同じくらい収穫できます。
【栽培カレンダー】

トウモロコシの種まきは、カボチャを植え付けする「10日前」までに。
カボチャよりトウモロコシを先に発芽させるためです。
するとトウモロコシがカボチャの葉の陰にならず、よく育ちます。
【カボチャのコンパニオンプランツ】
カボチャと相性が良いのが「ネギ」「ラディッシュ」「豆類」。
長ネギは、ウリ科のつる割れ病などの発生を抑えます。
カボチャを植え付けする時に、同時に植えつけます。
根を接触させて植えつけるのがコツです。

ラディッシュは、ウリ科に付くウリハムシを寄せ付けません。
ウリハムシは、ウリ科野菜の根元に産卵し、幼虫が根を、成虫が葉を食害します。
ラディッシュを3cm間隔で筋状に種まきし、間引きしながら収穫します。
5月上旬に種まきすれば30~40日くらいで収穫できます。

マメ科の植物は、土を肥沃にするのでカボチャが良く育ちます。

カボチャを収穫した跡地では、9月から冬野菜の栽培ができます。
キャベツ、ブロッコリ、小松菜、ほうれん草などの葉菜類。
かぶ、ダイコン、ニンジンなどの根菜類も育てられます。
【トウモロコシのコンパニオンプランツ】
トウモロコシのコンパニオンプランツは「つるありインゲン」と「カボチャ」。
つるありインゲンは、トウモロコシを支柱代わりにして育ちます。
インゲンの種は、トウモロコシの草丈が1m以上に育ったらまきます。
トウモロコシの株元から15cm以上離れた場所に、1か所3粒ずつ点まき。
収穫した後のトウモロコシを切らずにおくと晩秋まで支柱として使えます。

つるありササゲなど、生育時期が同じ蔓性野菜なら同様に育てられます。
トウモロコシは肥料分を吸収するので、次作には過剰な養分を嫌う野菜を。
大根、ニンジン、サツマイモなどの根菜類を植えると、きれいに育ちます。
【畑の準備】
植え付けする1カ月前に、植え穴の底と、少し離れた場所に「堆肥」を入れておきます。
ただし、良く肥えた畑の場合には、堆肥は入れません。
肥沃すぎると、つるボケしてしまうからです。
直径15cm、深さ20cmくらいの穴を掘り、完熟堆肥を一握り入れて土を埋め戻します。
土を埋め戻した植え穴は、こんもり土を盛り上げておきます。
こうすると初期の生育が良くなります。

トウモロコシ栽培

トウモロコシは、必ず同じ品種だけ植えます。
違う品種が近くにあると、花粉が付いて味が落ちるからです。
変わった品種を栽培するのも面白いですが、交雑しないよう注意が必要。
近所でトウモロコシを育てている場合も、花粉が飛んで迷惑になります。
雄穂の花粉が風で運ばれて雌穂に付きます。
10株以上を2列にして育てると、受粉しやすくなります。
よく栽培されているのは未熟なうちに収穫する「スイートコーン」。
完熟させる「フリントコーン」「ポップコーン」「デントコーン」は飼料用です。
種を採るなら固定種を選びます。

イネ科とマメ科は相性が良いので、間に植えると、どちらも良く育ちます。
●トウモロコシ(イネ科)
生育適温は25~30℃。
原産地は中央アメリカ。
育て方のコツは、酸性~中性で水はけの良い乾いた土で栽培すること。
【トウモロコシの種まき】
栽培スペースは「幅100cm×長さ200cm」くらい。
中央に2列、列の間を30cmあけてトウモロコシを7か所ずつまきます。
花粉が風で運ばれるので「10株以上」を「2列」にして植えると受粉しやすくなります。
トウモロコシの種は、1か所に2~3粒を点まきします。
種の尖ったほうを下にして植えると発芽率が良くなります。
鳥に食べられないよう、土をかぶせてから刈り取った草を敷いておきます。
1週間ずらして2回に分けて種まきすると収穫期間が長くなります。
1列目は5月上旬に、2列目は5月中旬に。
豆類と一緒に育てると、マメ科に付く根粒菌の働きで土が肥沃になってよく育ちます。
枝豆や大豆がトウモロコシの陰になり、種や発芽した双葉を鳥に食べられにくくなります。
中晩生の枝豆や大豆は、列の間を広めに45~50cm開けて種まき。
種まきから収穫まで90~120日と長いので、日当たり良くするためです。

早生の枝豆ならトウモロコシの間に植えて育てることもできます。
1列に6か所ずつ。
片側は6月中旬、反対側は6月下旬に。
時期をずらしてまきます。
【トウモロコシの間引き】
トウモロコシの葉が3~4枚になったら間引きます。
3本のうち元気な1本だけ残して、株元をハサミで切ります。
1か所にトウモロコシは「1本」だけ、枝豆や大豆は「2本」を残します。
トウモロコシの株元から出る脇芽は、そのままにします。
風などで倒れるのを防ぐことができるからです。
葉色が薄く下葉が枯れたら草マルチの上から「米ぬか」か「ボカシ肥料」をまきます。

草が伸びてきたら刈り取って地面に敷いておきます。
【トウモロコシの受粉と虫対策】
花粉は風で運ばれるので自然に受粉します。
雌穂が受粉したら、雄穂は切り取ります。
雄穂の香りに誘われてアワノメイガが飛来し、産卵するからです。
アワノメイガの幼虫は、実を食害します。
花粉を出し終わった雄穂を、すぐに切り取ると被害が少なくなります。
切った時に、花粉を他の株の雌穂に付けておくと確実に受粉させられます。
カラスなどの被害が多い場合には、雌穂に玉ねぎネットなどをかぶせます。
【トウモロコシの収穫】
最初にヒゲが付いたものを残し、その下に出る雌穂は早めに取ります。
採った雌穂はヤングコーンとして食べられます。
残った雌穂のヒゲが茶色くなったら収穫時期。
皮を少しむいて、実が大きくなっているかを確認してから収穫します。
収穫したら、すぐに茎と葉を株元で切り、枝豆や大豆に日が当たるようにします。
カボチャの栽培方法

育て方のコツは、肥沃で水はけの良い土で、風通しの良い場所で栽培すること。
果実を付けすぎないのがコツです。
2株以上を近くで育てると、受粉しやすくなります。
種類によって生育の適温が異なります。
- 西洋カボチャは、冷涼なアンデス山脈で育ち、比較的寒さに強い
- 日本カボチャは、熱帯のメキシコ産で、寒さには弱い
- ズッキーニは、北米南部の乾燥地帯で育つペポ系
原産地に応じて栽培開始時期を調整します。
●カボチャ(ウリ科)
生育適温は17~20℃。
原産地は中南米。
【カボチャの苗づくり】
カボチャは温かくなってから種をまき、苗を育ててから植え付けします。
本葉が3~4枚になってから若い苗を植え付けすると、安定して実付きが良くなります。
比較的寒さに強い「西洋カボチャ」や「ズッキーニ」は4月中旬から種まき。

味が良いバターナッツ。

ハロウィンにピッタリなオレンジ色のカボチャ。

寒さに弱い「日本カボチャ」は、4月下旬からポットに種まきします。

【カボチャ苗の植え付け】
5月中旬~下旬、本葉3~4枚に育ったら植え付けします。
準備しておいた植穴の土を掘り、ネギを入れて根を広げます。
ネギの根が触れるように、その上にカボチャ苗を置いて土をかけます。
植え付けしたら周囲の草を刈り取って地面に敷きます。
苗の周囲に3本の支柱を立て、ビニールで覆って風よけにします。
【カボチャのつる管理】
カボチャの蔓が伸びている30cm先まで「草」を刈り取って地面に敷きます。
6月上旬~中旬、カボチャの蔓が地面を覆う前に、全面を刈り取った草で覆います。
6月中旬~下旬、畝の外側へ伸びている蔓は、先端を畝の中へ戻します。
健全な株は、つるの先端が少し持ち上がっています。
7月初旬にはカボチャの葉が茂るので、自然と草も抑えられます。
カボチャの花が咲き始めたら、草は刈りません。
【カボチャの収穫】
西洋カボチャは、果実の付け根がコルク状になったら収穫時期。
ホクホク系で甘く、収穫してから2週間以上おくと甘さが増します。
煮物、天ぷら、茹でてサラダやポタージュにできます。
日本カボチャは、果実の表面に粉が吹いて白くなったら収穫時期。
ねっとり系で甘みがなく出汁をよく吸うので、煮物や天ぷらに向いています。
ズッキーニは20cmくらいになったら収穫できます。
【カボチャの種を採取する】
種の採取用の実は、完全に熟してから収穫します。
- 西洋カボチャは、付け根が完全にコルク状になってから
- 日本カボチャは、皮の色が赤くなってから
- ズッキーニは、50cmくらいになってから
2か月くらい放置し、皮の色がボケてきたら収穫。
1週間以上は日陰に置き、追熟させます。
採った種は水の中に入れてみます。
- 日本カボチャは、水に沈んだ種
- 西洋カボチャは、水に沈まなくても充実している種
- ズッキーニは、その中間で、なるべく沈んだ種
ズッキーニは玉ねぎと交互でもよく育ちます。

玉ねぎの収穫後に植えると丁度いいのがズッキーニ。栽培する時期が、ちょうどリレーのように続けられるからです。3月から「土の準備」をして「秋」に玉ねぎを植えます。
ハロウィン用のカボチャを育てるとジャック・オ・ランタンが作れます。
大小のカボチャを飾るだけでも可愛くなります。

ハロウィンの楽しみは、かぼちゃのランタン作り。キャンドルを灯すと思いがけない表情を見せるからです。
自然栽培おすすめ本
自然菜園の作り方は、竹内孝功さんの本がとても参考になります。
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