桃の節句に食べるのが、三色お菓子、散らし寿司、はまぐり
これらに女の子の健康や幸福を願う意味が込められています
そのため旬の食材であること共に、縁起物でもあります
そして桃の節句に飲む「白酒」や「甘酒」は、宮廷の宴席で出された行事食
花を浸した飲み物から始まり、子供も飲める甘酒にもなりました
桃の節句の「散らし寿司」

散らし寿司は、おめでたい日に食べる定番の行事食
様々な縁起物が使われ、見た目にも華やかなので、お祝いの席に最適です
それぞれの食材にも意味が込められています
- れんこん:先の見通しが良くなることの象徴
- エビ:腰が曲がるまでの長寿を象徴
- 錦糸卵:金銀の財宝を象徴
- 豆:マメに働くことの象徴
「サヤエンドウ」と「エビ」は塩茹で
「菜の花」を塩ゆでして乗せても春を感じさせます
「イクラ」の醤油漬け、「マグロ」の刺身など赤い食材があると華やかです
れんこん、錦糸卵などの具材は、前日に作っておくと当日の準備が楽になります
【酢れんこんの作り方】
<材料>
- れんこん(300g)
- 昆布だし(180ml)
- 酢(120ml)
- 砂糖(大さじ5)
- 塩(小さじ1/2)
<作り方>
- 調味料を混ぜ合わせて保存容器に入れる
- れんこんの皮をむき、輪切りして、酢を少し入れた水にさらす
- 鍋に湯を沸かし、塩(小さじ1)を加えてレンコンを3~4分ゆでる
- レンコンをザルに上げ、塩(2つまみ)を振って混ぜる
- 粗熱が取れたら調味料に浸け、冷蔵庫で2~3時間なじませる
冷蔵庫で1週間くらいは保存できます
【錦糸卵の作り方】
前日に作って冷蔵しておけます
<材料>
- 卵(3個)
- 砂糖(大さじ1)
- 酒(大さじ1)
- 塩(少々:1gくらい)
<作り方>
- ボウルに卵を割り入れ、箸で混ぜてほぐす
- 調味料を加えて混ぜる
- フライパンにサラダ油(小さじ1/2)を入れて中火で熱する
- 卵を入れて薄焼きにする
- 火からおろして蓋をし、濡れ布巾に乗せて1~2分おく
- 表面が焼けていない場合は、裏返して弱火で軽く焼く
- 皿などに取り出し、残りの卵も同様にして焼く
- 薄焼き卵を重ねて細切りする
焼く前にザルで卵を濾すと、より綺麗に仕上がります
【干し椎茸とニンジンの煮物】
寿司飯に混ぜ込む具材も作り置きできます
<材料>
- 干し椎茸(30g)
- にんじん(1本:150g)
- 醤油(大さじ2)
- みりん(大さじ2)
- 砂糖(大さじ2)
<作り方>
- 干し椎茸は水(200ml)に4~5時間くらい入れて戻す
- 戻し汁は取っておき、椎茸を取り出して水気を切る
- ニンジンは皮をむいて三等分に切り、細切りしてから千切り
- 戻した椎茸も細切りしてから千切り
- 鍋にニンジンと椎茸を入れる
- 椎茸の戻し汁に水を加えて200mlにしてから加える
- 調味料を加えて中火にかける
- アクを取ってから弱火にし、落し蓋をして15分くらい煮る
- 蓋を外して5~6分くらい煮詰める
冷蔵庫で5~6日くらい保存できます
ニンジンは、大きめに切ったものも煮ておくと飾り用に使えます
花の形に型抜きすると綺麗
【寿司飯の作り方】
ごはん(3合:約1㎏):寿司酢(100ml)
- 米酢(大さじ5:75ml)
- 砂糖(大さじ2)
- 塩(小さじ1・1/3:7.5g)
ごはん2合の場合
- 米酢(大さじ3・1/3:50ml)
- 砂糖(大さじ1・1/3)
- 塩(小さじ1:5g)
炊き立てのご飯に合わせ酢を入れ、しゃもじでかき混ぜます
そして椎茸と人参の煮物を混ぜてから器に盛りつけます
仕上げは上に刻み海苔を乗せ、錦糸卵を乗せてから、具材を散らします
桃の節句に「はまぐり」

はまぐりは婚礼の縁起物として使われます
なぜなら、ぴったり合うのは対の貝殻だけだからです
そのため良い結婚ができることを願い、ひな祭りにも食べられます
そして、はまぐりの旬が2~4月であることからも、ひな祭りにピッタリです
●はまぐりお吸い物の作り方
<材料>
- はまぐり(200g)
- 昆布(5×5cm)
- 酒(大さじ1)
- 塩(ひとつまみ)
<作り方>
- はまぐりは海水くらいの塩水に1~2時間くらい浸けて砂出しする
- 水洗いしたはまぐり、昆布、水(500ml)を鍋に入れ、弱火にかける
- アクを取り、沸騰したら昆布を取り除く
- はまぐりが開いたら塩を加えて火を止める
器に入れ、刻みネギや木の芽などを乗せます
桃の節句に食べる三色お菓子

ひな祭りに食べる「ひし餅」「雛あられ」は、三色です
なぜなら3つの色に、意味が込められているからです
- 桃色:優しさ、明るさ
- 白:清らかさ、純粋さ
- 緑色:健康、成長
そして色の重ね方や、お菓子の形にも意味があります
【ひし餅】
ひし餅は、緑色の草が、白い雪の下から芽吹き、桃色の花が咲く様子を表現したもの
そのため緑、白、桃色の順番に餅を重ねてあります
さらに、ひし形は「成長」や「繁栄」のシンボルとされてきた形です

【雛あられ】
雛あられは、ひし餅を屋外でも食べられるようにした携帯食
これは、ひな人形を持って出かける風習になってから作られました
関東と関西で形が異なりますが、色は、ひし餅と同じ三色です
米粒状の雛あられが関東風
関西の雛あられは丸い形が主流です
高知では、3色に色付けしたポップコーンを食べるそうです

季節限定品なので、贈り物に使うと喜ばれそうです
桃の節句に飲む「白酒」と「甘酒」

桃の節句には、お酒に桃の花を浸して飲む習慣がありました
そこから、ひな祭りの飲み物として白酒が広まったと言われます
白酒は、「もち米」と「麹」を加えて作った焼酎や酒です

アルコール度数は5%くらいあるため、未成年者は飲めません
そこで子供でも飲めるようにしたのが「甘酒」です

米と米麹のみで作った甘酒は、砂糖が入っていないのに甘くて美味しいです
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花茶、花酒、花のデザートなど、手作りするのも楽しい

食卓に花を飾るだけでなく、料理にも使うと楽しさが広がります。綺麗な花の中には食べられるものが意外と多くあるからです。例えば「バラ」や「食用菊」は代表的なエディブルフラワー。乾燥や酢漬けなど、保存食にしておくと季節を問わず花の料理を楽しめます。
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ひな祭りに飾る雛人形は、昔の宮廷における、貴族の遊びが元になっています
小さく作った宮廷の中に人形を飾る、ドールハウスみたいなものです

ひな祭りには、ミニ雛人形と桃の花を飾るだけでも、気持ちは華やぎます。ペーパークラフトで飾ったり、折り紙で雛人形を作たりしても楽しいはず。子供と一緒に作れる簡単なペーパークラフトもあります。










