食卓に花を飾るだけでなく、料理にも使うと楽しさが広がります。
綺麗な花の中には食べられるものが意外と多くあるからです。
例えば「バラ」や「食用菊」は代表的なエディブルフラワー。
雑草の「たんぽぽ」や「しろつめくさ」も食べられます。
彩りとして飾ったり、お茶にして飲んだり、色と香りを楽しめるのが花びら料理です。
乾燥や酢漬けなど、保存食にしておくと季節を問わず花の料理を楽しめます。
花の料理

料理に使う花は、主に彩りと香りづけ。
ですから火を通さないほうが色と香りを残せます。
例えば「サラダ」や「酢の物」などです。
日持ちしないので、その日に食べる分だけ作って食卓に出します。
見栄えがするのでパーティ料理などにピッタリです。
【花びらサラダ】
エディブルフラワーを活かせるのがサラダ。
綺麗な色の花びらを散らすだけで、パッと華やかになります。

例えば「たんぽぽ」の黄色い花びら
たんぽぽは全草が食べられます。
ですから花ごと飾ることができます。
春のサラダにピッタリ
春から秋の柔らかなタンポポの葉もサラダにすると美味しく食べられます。

バラの花びらを散らしても綺麗
白バラやピンクのバラがおすすめ
深紅のバラは苦みがあります
桜の花びらも使えます
エディブルフラワーとして食べるのは主に「花びら」の部分です。
花によっては茎や葉に毒性があるものもあります。
料理に使う場合には「食用」であることを確認することが重要です。
お花屋さんで買った花は食べられません。
食用花として市販されている物なら安心して食べられます。

意外と多くの花が食べられることに驚くはずです。
【花びら酢の物】
さっと火を通して酢漬けした花びらも綺麗です。
漬けこむと色が褪せるので、保存には向きません。

たんぽぽは咲き始めが最も美味しい時期
開ききる前の花びらをほぐして酢の物に
散らし寿司にも使えます
他の花びらにも応用できます
熱湯にサッとくぐらせてから冷水に放して冷まし
ザルに上げて水気を切ってから三杯酢をかけます
- 酢(大さじ4)
- 醤油(小さじ1)
- 砂糖(大さじ1)
こちらの動画ではデイリリーのピクルスを作っています。
- デイリリーの蕾を茹でてガラス瓶に入れる
- クローブ、シナモン、ジンジャーを加える
- 塩とメープルシロップをかける
- ビネガーを注ぐ

デイリリーはユリのような野草
ユリ科ではなくススキノキ科
「蕾」を摘み取って酢漬けにします
別名「カンゾウ」「ワスレグサ」
本州より南の野原などに自生する野草です。
毒草「キツネノカミソリ」に似ていることには注意が必要です。
キツネノカミソリは開花期、周囲の草が茂ってくると葉を落とすことが特徴。
デイリリーは、花茎の根元に葉があることで見分けられます。
【花びらバター】

香りのよいカモミールやラベンダーで
花びらを混ぜ込んだバター
乾燥させた花を使います
バターにハチミツを混ぜても美味しい
パンやクラッカーに塗って食べられます。
エディブルフラワーを飾ったり、イチゴなどの果物やドライフルーツを乗せても綺麗。
花の色と香りを楽しめます。
【花びらクリームチーズ】

エディブルフラワーをまぶしたクリームチーズ
見栄えがするのでパーティ料理にもピッタリ
ラップで包んで冷蔵庫に入れておくと馴染みます
パンやクラッカーなどを添えて
フラワーチーズはワインなどのおつまみにもなります。
【花びらの砂糖菓子】

デザートのトッピングにぴったりなバラの砂糖漬け
ヨーグルト、アイスクリーム、手作りケーキ、プリン
飾りつけに使えます
花びらの色がうっすら見えて綺麗
「グラニュー糖」をまぶすとキラキラし、「粉砂糖」を使うと柔らかな色合い
花びらを水洗いして水気を切り、溶きほぐした「卵白」をブラシで塗ります。
茶こしで砂糖を振りかけ、ザルなどに広げて乾かしたらできあがり。
卵白を使うので長持ちしませんが、冷蔵庫で数日なら保存できます。
アカシアやライラックのように小さな花なら、卵白の代わりに「シロップ」で。
水やホワイトリカーに砂糖を溶かし、花房を浸してからザルに上げ、砂糖をまぶします。
花のドリンク

ドリンクに使うエディブルフラワーは彩りと香りづけ。
見栄えがするので、お客さんが来た時に出すのにもピッタリ。
ホームパーティでの話題作りにも役立ちます。
【花びらティ】
庭に咲いた花を摘んでお茶に淹れると、なんだか豊かな気分。
ガラスのティーポットに入れて、じんわり色が出てくるのを待ちます。

桜の花茶
カモミール、バラ、ラベンダー、桜など
乾燥しておくと、いつでも使えます
瓶に入れておいても綺麗
摘み取った花をザルなどに広げ、風通しが良く直射日光が当たらない場所で乾燥させるだけ。
こちらの動画ではライラック・ティーを作っています。
ライラックの爽やかな香りを楽しめます。
●たんぽぽティー

たんぽぽの根を刻んで乾燥させたものがタンポポティ
カフェインを含まず、母乳の出が良くなる効果があるため
助産院でも使われることがあります
お湯に入れて煎じたり、急須で入れて飲みます
たんぽぽの根と葉は、洗ってジューサーにかけるだけでも飲めます。
●たんぽぽコーヒー

コーヒー好きの妊婦さんでも飲めるのがタンポポコーヒー
カフェインが含まれていないので、寝る前でも飲めます
タンポポの根を5mmくらいに切って乾燥させ
フライパンで乾煎り
グラインダーで粉にし、ドリップすればOK
【花びらリキュール】

梅酒を作るようにして、花を氷砂糖とホワイトリカーに漬けこんでリキュールにできます。
蜂蜜やメープルシロップを加えたり、ワインやブランデーに漬けたり、アレンジも可能です。

乾燥した葉や花ならいつでも作れます
生の葉や花なら摘み取ってすぐ漬けこみます
「生花300g:アルコール1800㏄」または
「乾燥花150g:アルコール1800㏄」くらいの割合
花びらの半量から同量くらいの氷砂糖を交互に重ねながら瓶に入れ、アルコールを注ぎます。
ときどき混ぜながら2~4カ月くらい冷暗所に置き、氷砂糖が溶けたら飲めます。
ザルなどで濾し、液体だけ密閉容器に入れて常温または冷蔵庫で保存。
長く漬けるほど濃いエキスになり、炭酸で割ると、より香りが立ちます。
取り出した花や葉は入浴剤などに使えます。
●たんぽぽワイン

タンポポの花びらを洗い
3~4時間ほど日に当てて乾燥させてから瓶詰めします
花びらの2倍の量の焼酎に5~6日ほど浸け
濾して花びらを取り除き
3~5カ月おいたら飲み頃
【花びらアイスキューブ】

製氷皿にバラなどの花びらと水を加えて氷に
冷たいドリンクに使えます
氷は透明な方が花びらの色を活かせます
透明な氷を作るためのポイントは2点
- 水に不純物が含まれていない
- ゆっくり凍らせる
「蒸留水」を使うか、凍らせる前に水を「沸騰させる」と透明な氷が作れます。
硬度の高いミネラルウォーターは不向きです。
冷凍庫の設定温度を下げ、製氷皿の下に「割り箸」や「発泡スチロール」を敷くと、ゆっくり凍ります。
丸い氷をつくれる製氷器を使うと、ゆっくり氷が溶け、ドリンクが水っぽくなりません。

花の保存食

食べられる花は、野菜やハーブと同じように保存が可能です。
「乾燥」「塩漬け」「酢漬け」「シロップ漬け」「味噌漬け」など。
ガラス瓶に入れておくと、飾っても綺麗です。
【花びらの乾燥】

花や葉を水洗いしてから
花や葉を平たく並べたり、茎を束ねて吊るしたりして
風通しの良い場所で乾燥させます
パリパリに乾いたら密閉容器に入れて保存
長期保存ができ、お茶や入浴剤として使ったり、水で戻してスープの具に使ったりできます。
【花びらのジャム】

たんぽぽ、カモミール、バラ、アカシアなど
花びらをジャムにできます
花を水洗いしてザルに上げ
鍋に入れて水を注いで火にかけます
オレンジの皮をすりおろして加え
砂糖とレモン汁も加えて煮込むだけ
ニセアカシアの白い花でジャムを作っている動画。
瓶詰めしておくと紅茶に入れたり、パンに塗ったり、フルーツジャムと同じように使えます。
【花びらのシロップ】

バラ、ライラック、ラベンダーなど
色が綺麗な花は、シロップにしておくと便利
炭酸で割ったり、お茶に入れたりしてドリンクにできます
たっぷりの花びらを水洗いしてザルに上げ
瓶に入れて砂糖と熱湯を注ぎ、毛布などで包んで十分に色が出たらザルに上げて液体だけ瓶づめします。
ライラックの花でシロップを作っている動画があります。
さらに砂糖とレモン汁を加えて煮詰めると、パンケーキなどにかけるソースにできます。
【花びらの塩漬け】

七分咲きの八重桜または枝垂桜
花を軸ごと摘み取って
桜の3~4割ほどの塩を振り
桜が浸るくらいのレモン汁または梅酢を加えます
重石をして1週間ほどおいてからペーパータオルの上に広げて水気を切り
2~3日ほど陰干ししたら完成
ヨーグルトやアイスのトッピング、クッキーやケーキの飾りに。
鯛めしやおにぎりに混ぜたり、吸い物の具にしたり、様々な使い方ができます。
【花びらの味噌漬け】

タンポポの花を味噌漬け
野菜スティックのソースや御飯のおかずにピッタリです
瓶に入れて冷蔵庫で保存できます
花びらをサッと茹で
冷水にくぐらせて冷ましてからザルに上げ
20分くらいおいて水気を切ります
みりん、酒、味噌を混ぜ合わせ、水気を切った花びらを加えて混ぜて保存。
食べられる花には色んな種類があります。

パーティ料理にピッタリなのがエディブルフラワーを使った料理。花びらの色や香りが食卓を華やかに演出してくれます。例えば「バラ」は代表的なエディブルフラワーです。
観賞用の花の多くは食べられません。

野菜やハーブであっても、部位によっては食べられません。薬草や生薬に使われている植物でも、食べすぎると中毒を起こすことがあります。植物を見分けられず、正しい知識を持たずに、野草を食べるのは非常に危険です。
中には死に至るほどの猛毒を持つ植物もあるので注意が必要です。
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