どくだみの薬草としての効能を活かせる使い方

どくだみは、葉、花、茎、根、全草が薬草として使えます

どくだみの葉や茎を乾燥させたものが漢方の「十薬」という生薬

主な効能は「殺菌」「利尿」「整腸」です

漢字の「毒矯み(毒を抑える)」が名前の由来です



住宅地や道端の半日蔭に生え、5~8月に白い花を咲かせる身近な雑草

山間部など、人がいない場所には生えないと言われます

どくだみとは

どくだみ

日本の三大薬草が「ゲンノショウコ」「センブリ」「ドクダミ」。

どくだみは「ドクダミ科」の多年草で、日本、中国南部、東南アジアが原産。

独特の臭いがあります。

乾燥させると匂いが弱まりますが、殺菌力があるのは生の葉の匂い成分です。

東南アジアでは、野菜やハーブとして食用に使われます。

欧米では「Fish Mint」とか「Fishwort」というハーブとして売られています。

どくだみの班入り葉

観賞用のどくだみも栽培されています。

八重咲、黄色や赤い花、模様入りの葉など。

背が低いのでグランドカバーにできます。

半日蔭で育てられる植物です。

【どくだみの成分・栄養素と効能・効果】

どくだみの成分、栄養素、効能・効果の一覧表

どくだみには様々な「ミネラル」「ビタミン」「フラボノイド」が含まれます。

フラボノイドとは植物の「色素」のことです。

ポリフェノールの一種で、ウイルスなどに対する抵抗力を付けます。

●美肌効果

どくだみは、肌に塗っても、服用しても美肌効果があります。

化粧水は炎症を抑え、抗菌力があるため「ニキビ」「吹き出物」に効果的。

香り成分に抗菌性があり、アトピーなど皮膚疾患を和らげる作用があります。

乳児の頭や頸にできる慢性皮膚病(胎毒)にも効果があります。

授乳期には母親がドクダミを煎じて飲み、母乳を通して与えます。

●デトックス効果

どくだみ茶は、デトックス効果によって美肌効果が得られます。

「利尿」と「便秘解消」の作用があるため、体内の余分な水分や毒素を排出できるからです。

老廃物を排出することにより新陳代謝が促され、肌の調子を整えます。

利尿と便秘解消により、むくみの改善や減量にも繋がります。

体に水分が溜まりやすい生理中も、利尿作用によって不快感が軽減します。

●血行を良くする

植物色素の「フラボノイド」は毛細血管を丈夫にして血流を良くする働きがあります。

そのため血液に関わる「動脈硬化」「脳梗塞」「心筋梗塞」などの予防が期待できます。

血流が改善することで「肩こり」や「冷え性」の改善にも繋がります。

どくだみに含まれる「カリウム」は、ナトリウムや塩分の排出を促します。

高血圧の要因となるナトリウムを排出するので、血圧を下げる働きがあります。

【どくだみの副作用・注意点】



どくだみ服用で注意が必要なのは「妊娠初期」と「腎臓病」の場合です。

どくだみが子宮を収縮させる場合があります。

ですから妊娠初期には控えた方が安全。

妊婦が服用する場合、妊娠安定期や授乳期になってからのほうが安心です。

腎臓が弱っている人の場合は、高カリウム血症の危険性があります。

利尿剤を服用している場合には、摂取しないほうが安全です。

一度にたくさん飲むよりも、少しずつ続けて飲む方が効果的。

一日に摂取する量は「全草10~15gを水800mlで煎じたもの」です。

一度に飲むのではなく、2回に分けて飲むことが奨励されています。

便秘が解消されますが、健康な人でも飲みすぎると下痢を起こすことがあります。

大量に飲むと光線過敏症になることもあります。

化粧水や入浴剤が「肌」に合わない場合もあります。

皮膚に塗る場合は必ずパッチテストを行ってから。

腕の内側に塗り、半日~1日おいても異常がなければ大丈夫です。

ドクダミの食用・飲用での使い方

どくだみの炒め物

どくだみの服用方法は、主に「お茶」「青汁」「お酒」「料理」。

ベトナム料理、タイ料理などでは生で使います。

中華料理なら炒め物などに使います。

生だと強すぎる匂いも、乾燥させると気にならなくなります。

【ドクダミ茶】



どくだみ茶は「便秘の解消」になり肌の調子も整います。

カフェインを含まないドクダミ茶は、寝る前でも飲めます。

お茶にして飲む時には、煎じるより急須で淹れたほうが飲みやすくなります。

●急須で淹れる方法

乾燥させた葉(5g)ティースプーン1杯くらい

急須に入れて熱湯を注ぎ、3~4分おいてから器に注いで飲みます。

●煮だして飲む方法

煎じたドクダミは「利尿」「動脈硬化予防」「解熱」「解毒」「糖尿病」などに効果的。

鍋などで煮だしますが、鉄鍋は成分が変質するので使いません。

お茶パックに入れてから煮ると取り出すのが簡単です。

  • 乾燥させた葉(5~30g)
  • 水(500~1000㏄)

鍋かヤカンに入れて弱火にかけ、じっくり煮てから火を止め、茶こしで濾します。

火を通しすぎると薬効成分が失われるので「沸騰させない」ようにするのがコツです。

【どくだみ青汁】



生のどくだみは「糖尿病」や「痔」に効果があります。

  • 糖尿病には「生葉」の青汁
  • 痔には「生の根」の青汁

ミキサーにかけて絞ります。

匂いが強いので、フルーツジュースなどに混ぜると飲みやすくなります。

【ドクダミ酒】



薬効成分が有効に働くのが、お酒に浸けて飲む方法。

保存もききますし、毎日少しずつ飲むことで血行が良くなります。

どくだみ酒は「強壮剤」になり、特に高齢者の体力低下や意欲減退に効果的です。

  1. どくだみの「生葉」をジューサーにかけてから瓶に入れる
  2. 1/5~1/6くらいの量の「ハチミツ」を加える
  3. 空気が入る「布」などで蓋をし、3カ月くらい冷暗所に置く
  4. 上のほうに出てくるカビを取り除く
  5. 底に沈んでいる沈殿物が混ざらないよう「上澄み」部分をすくって別な容器に移す

半年くらいで飲み切るようにします。

もし酸っぱくなっても薬効は変わらないので、ハチミツを足せば飲めます。

【ドクダミ料理】

どくだみの根

ベトナムでは生の葉をサラダに加えます。

中国では根を水にさらしてから炒め物にします。

  • 生葉の天ぷら
  • 根を水にさらしてキンピラにする

熱を加えると匂いは抑えられます。

ドクダミ化粧水など外用での使い方

ドクダミの花

どくだみの生葉は、あらゆる皮膚病に効き、美肌効果が高い薬草です。

抗菌作用があり、膿を吸い出す働きがあります。

匂い成分に殺菌効果があるため「生の葉」を使います。

患部を洗い、葉をもんで傷口に当てるだけでも治りが早く、腫れも引きます。

軟膏にして「吹き出物」や「にきび」に塗ると、膿を吸い出します。

化膿を抑えるため「鼻詰まり」や「蓄膿症」にも効果的。

生の葉を丸めて鼻に詰めたり、生葉を塩でもんでから鼻に詰めます。

同時に煎じたものを飲むと、さらに効果が高まります。

どくだみの生葉は、化粧水、入浴剤、湿布など様々な肌トラブルに使えます。

【どくだみ化粧水】



どくだみ化粧水は「ニキビ」に効果的。

殺菌作用があり、炎症を抑えるからです。

「かぶれ」「虫刺され」「カミソリ負け」「あせも」「湿疹」にも効果があります。

生の葉が手に入る時には絞り汁を使います。

どくだみの絞り汁(50ml)を日本酒か焼酎(50ml)に混ぜるだけ。

使うアルコールは35度以上の「焼酎」「ホワイトリカー」「日本酒」など。

7~10日くらいおくと使えます。

3週間以上、3か月くらい浸けると効果が高まります。

ガーゼで濾して「グリセリン(100ml)」を加え、スプレーボトルなどに入れます。

グリセリンの量を増やすと保湿力が高まります。

「ごま油」や「オリーブオイル」など少量の植物油を混ぜてもOKです。

使う時に容器を振って、洗顔後や入浴後の肌に塗ります。

冷蔵庫で保存し、2週間くらいで使い切ります。

絞り汁の強い匂いは、1~2日くらい冷蔵庫に入れておくと気にならなくなります。

電子レンジで30秒~1分くらい沸騰させないように加熱すると早く臭いが取れます。

どくだみの生葉がない場合には市販の乾燥どくだみ葉(十薬)で。

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乾燥させた「どくだみの葉(50g)」を2.5倍の量のアルコールに浸け込みます。

【どくだみ軟膏】



どくだみ軟膏は生葉を「蒸し焼き」または「絞り汁を煮詰めた」もの。

ドロドロになったものを肌に塗ると、様々な肌トラブルに効果があります。

  • 皮膚の化膿、ひょうそ(指の化膿性炎症)
  • にきび
  • しっしん
  • はれもの、打ち身
  • いんきん
  • たむし
  • 切り傷、カミソリ負け

軟膏にしたものは湿布としても使え「殺菌」「浄血」「止血」の作用があります。

  • どくだみの生葉をもんで貼る
  • ミキサーにかけて汁を肌に塗る

「蓄膿症」「耳だれ」「中耳炎」には、どくだみを湿布にして貼ります。

【どくだみ風呂】



どくだみ風呂は「あせも」「ニキビ」「水虫」「痔」「たむし」などに効果的。

乾燥させた葉をティーバックに入れて湯船に入れるだけです。

鍋に入れて水を注ぎ、15分くらい煮だした液を湯船に入れてもOK

【虫よけスプレー】



アルコールに漬けたドクダミの葉は、観葉植物などの虫除けにできます。

  • 乾燥させた「どくだみの葉(50g)」
  • 35度以上の「焼酎」

密閉容器に入れ、冷暗所に置いて、3週間くらい漬けこみます。

水で薄めてからスプレーボトルに入れ、鉢植えなどにかけます。

どくだみの育て方

どくだみを入れたカゴ

どくだみ苗の植え付けは、真冬でなければ、いつでもOK

温かくなった「4月」、涼しくなった「10月」が最も根付きやすい時期です。

植え付けする場所は、直射日光が当たらない半日蔭が適しています。

葉に模様が入った園芸品種なら、日当たりの良い場所に。

日陰だと葉色が変わることがあります。

地面が凍結する場所では枯れてしまうので、北国では鉢植えに。

ほどよく湿り気のある土だとよく育ちます。

地面に植えた場合は水やりの必要がありません。

鉢植えの場合だけ、土の表面が乾いた時に水やりします。

いちど根付いたドクダミは、地下茎を伸ばして株を増やします。

根が残っていれば新しい株が出てきます。

太い地下茎を伸ばして広範囲に広がるため、駆除するのが難しくなります。

増えすぎて駆除したい場合には、土を掘り起こして根を取り除きます。

出てきたばかりの赤みがかった葉が大きくなる前に抜くと減らせます。

 どくだみ保存法

どくだみの生葉

どくだみは、花が咲いている時期が最も薬効が多くなっています。

5~6月に花が咲くので、この頃に摘み取って保存しておくと便利です。

葉、花、茎、全て使えるので、地上から5cmくらいのところで刈り取ります。

【乾燥どくだみ】



どくだみを乾燥させておくと長期保存ができます。

お茶として飲んだり、入浴剤として使ったりできます。

水洗いしてから茎を束ね、風通しの良い場所に吊るして乾燥させます。

天気が良ければ3~7日くらいで乾燥します。

葉がパリパリに乾いたら密閉容器に入れて保存します。

乾きにくい時にはフライパンで乾煎りして水分を飛ばします。

焦げないよう、弱火で5分くらい、軽く煎る程度に。

保存する時には「乾燥剤」を入れておくと安心です。

お茶にすると芳ばしく、渋みがなく、まろやかな味。

どくだみ100%の国産どくだみ茶も市販されています。

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粉末、ティーバッグ、ブレンド茶など飲みやすいドクダミ茶もあります。

どくだみにはカフェインが含まれませんが、ブレンド茶の場合は表示をチェック。

混ぜてある他の茶葉にカフェインが含まれている場合があるからです。

【どくだみエキス】



焼酎やホワイトリカーに漬けただけのエキスも保存がききます。

うがいに使うと「口内炎」「歯槽膿漏」「喉の腫れ」を改善します。

化粧水、入浴剤、湿布、様々に使えるので作っておくと便利。

生の葉は日持ちしないので、摘み取ったら、すぐアルコールに浸け込みます。

生葉の場合は、2倍以上の分量が必要です。

乾燥させた葉なら、いつでも作れます。

  • どくだみを乾燥させた葉(150g)
  • 焼酎かホワイトリカー(1.8リットル)

ときどき混ぜながら2~4カ月くらい冷暗所に置きます。

長く漬けるほど濃いエキスになります。

ザルなどで濾して葉を取り除き、密閉容器に入れ、常温で保存。

取り出した葉は入浴剤として使えます。

繁殖力が強いため、日本では雑草として嫌われることもあります。

地下茎で増えるため、どくだみを根絶するのは大変。

でも薬効と利用方法が分かると、駆除してしまうのが惜しくなるはずです。

薬草に関しては、こちらの本を参考にしています。

雑草の中には有毒の物もあり、薬草とよく似ているものもあります。

ですから確実に見分けられる雑草でなければ、使わない方が安全です。

タンポポやドクダミは見分けやすく、安心して使える薬草です

たんぽぽ全草が 美容と健康に役立つ♪ 「根」「花」「葉」の使い方

【雑草】春たんぽぽ収穫すれば薬草にできる♪

たんぽぽは「蒲公英(ほこうえい)」と呼ばれ、生薬として使われる薬草。根、葉、茎、花、全草が利用でき「美肌」「健胃」「胆汁分泌」といった薬効があります。花や葉は食用にも使え、根はたんぽぽコーヒーにできます。

当ブログの記事を整理してアマゾンKindleの電子書籍と紙の本で出版しています

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