セリ科には特有の性質があるため、栽培にはコツがあります
例えば、生育初期に競い合うことでよく育つ、移植を嫌うといった性質です
そのため性質を考慮して育てないと、発芽しにくかったり、移植後に弱ったりします
例えばコリアンダー、ディル、フェンネル、パセリ、チャービルなどがセリ科のハーブ
あるいは人参やアシタバなどの野菜、レースフラワーという花もセリ科です
セリ科の特徴と育て方
セリ科の植物は、小さな花がパラソル型に集まって咲くという特徴があります
例えば英語でセリ科は「Umbelliferae」で、名前からも傘のような花を表しています
そして葉に強い香りがあることもセリ科の特徴です
野草のセリとドクゼリを見分ける時には、香りのあるなしがポイントになります
根菜の人参もセリ科で、葉はパセリに似た香りがし、パセリ代わりに使えます
セリ科の植物を育てるときのポイントは3つあります
- 移植を嫌う
- 生育初期に競い合うことでよく育つ
- 水を好むが加湿は嫌う
【セリ科は移植を嫌う】
根がまっすぐ深く伸びるセリ科は、移植を嫌うという特徴があります
そのため種は土に直接まき、そのまま「植え替えしない」で育てるのがコツです
植え替えせずに育てるために、鉢植えなら深さ18cmくらいの鉢に種まきします
【生育初期に競い合うことでよく育つ】
セリ科の植物は、生育初期に競い合うことでよく育ちます
そのため「種は多めに蒔く」のがコツです
発芽して本葉が触れ合うようになったら、細い方を地際で切り取って間引きます
そうすると生育状態の良いものだけが残っていきます
例えば地面なら5~6cm間隔くらい、鉢植えなら2~3cm間隔くらいににすれば十分です
【セリ科は水を好むが加湿は嫌う】
土が常に湿ってジメジメした状態にならないよう注意が必要です
そのため「水はけの良い土」に植えます
とはいえ水分が足りないと生育が悪くなるので「水が切れない」ことも大切です
そのため土の表面が乾いたら、たっぷり水やりします
例えば鉢植えなら、底から水が流れ出るまで水を与えることがコツです
まだ地表面が湿っている時には水を与える必要はありません。
セリ科のコリアンダーを育てる方法
欧米ではコリアンダーの「葉」や「茎」だけが使われてきました
インドやベトナムなどアジアでは「根」や「種」まで使われます
コリアンダーは、葉と種で香りが全く異なることが特徴です
葉を収穫する場合と、種を収穫する場合で、種まきの時期が異なります
【コリアンダーの「葉」を収穫する場合】
葉を収穫するなら、3~5月の「春」に種をまきます
例えば夏は、虫が付きやすいため種まきには不向きです
気温が20℃くらいになると発芽します
そして葉が触れ合うようになったら、先に伸びた苗から切って使いながら間引きます
苗を購入して植え替えする場合は、根についた土を崩さないことがコツです
高さ20cmくらいになったら葉を収穫できるので「外側の葉」から切って使います
花が咲くと葉が硬くなるので、蕾のうちに切り取ります
料理に使えるのは、花が咲く前の葉が柔らかな時期です
真夏になって気温が上がるとアブラムシなどの害虫がつきやすくなります
さらに生育も悪くなってくるので、葉や茎の収穫は夏前までです
【コリアンダーの「種」を収穫する場合】
種を収穫する場合には、9~10月の「秋」に種をまきます
寒い地方なら鉢植えにして、冬の間は室内で育てるほうが確実です
すると翌春に花が咲いて種を採れます
とはいえ花が咲くと葉が硬くなるため、葉は収穫できません
そして採取した種を春に蒔くと、夏前に葉を収穫できます
コリアンダーの種は2粒の種がくっついて球形になっているので、手でほぐして割っておきます
あるいは種を乾燥させて保存しておけば、スパイスとして使うことが可能です
乾燥させた種はグラインダーなどで挽いて粉にしておくと様々な料理に使えます
コリアンダーは香りも味も強く、濃い味付けのエスニック料理に向いています。欧米ではコリアンダーの「葉」や「茎」だけが使われてきました。インドやベトナムなどアジアでは「根」や「種」まで使われます。葉と種で香りが全く異なるのがコリアンダーの特徴です。
例えばコリアンダーを使ったサルサソースでメキシコ料理を作ると夏のホームパーティにピッタリです
簡単に作れて、冷凍保存できるサルサソースとトルティーヤ。サルサソースは材料を煮詰めるだけ。トルティーヤは小麦粉を練ってフライパンで焼くだけです。巻き寿司みたいに、トルティーヤに好きなトッピングを乗せて食べられます。
セリ科の植物
【ディル】
魚料理にピッタリなのがディル
魚介のマリネ、スモークサーモンなどによく使われます
【フェンネル】
ディルは一年草で、フェンネルは多年草
よく似たハーブですが、フェンネルはセロリのように根元が太くなります
【パセリ】
クセが少ないイタリアンパセリはサラダ、スープなど色んな料理に使えて便利
香りの強いカーリーパセリは料理の付け合わせなどにも使われます
【チャービル】
フランス語でセルフィーユとも呼ばれるチャービルは繊細な香りでオムレツにぴったりです
【アシタバ】
主に若葉を、おひたし、和え物、炒め物などにする野菜の明日葉
【レースフラワー】
食べることはできませんが、細かな白い花が綺麗なレースフラワー
【ニンジン】
人参は「発芽に光を必要とする」という特徴もあります
ゴボウと一緒に育てられるので、きんぴらごぼうが作れます
ニンジンとゴボウは一緒に植えるとよく育ちます。生育適温がニンジンもゴボウも「15~20℃」と同じだからです。どちらも直根で根がまっすぐ深く伸びるので一緒に植えても競合しません。同じ場所で続けて栽培しても連作障害が起きません。セリ科なので、葉はパセリみたいな味と香りがします。
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