ジャガイモは「長ネギ」と交互に栽培するとうまく育ちます。
なぜならネギが土を消毒し、連作障害や病害虫を防げるからです。
さらに朽ちたジャガイモは、ネギにとって最良の肥料になります。
ですからネギとジャガイモを交互に育てると、お互いにとって良い土になっていきます。
ジャガイモとネギの栽培プラン

ジャガイモは「専用の場所」で育てるのがベスト。
栽培期間が長いので、収穫後に植えられる野菜は限られるからです。
ジャガイモ専用の場所で、ネギと交互に、場所を交代しながら栽培します。
理由は、同じ場所で育て続けると生育が悪くなる「連作障害」を防ぐため。
ナス科の野菜には連作障害が多く、特にジャガイモは連作障害が出やすい野菜です。
●栽培カレンダー

幅100cmくらいが手入れしやすいサイズです。
栽培スペースを南北に分け、北半分にジャガイモ、南半分にネギを植えます。
そうして交互に場所を交代しながら育てると連作障害が起きず上手く育てられます。
- ジャガイモの植え付けに適した時期は「桜」の花が咲いた時
- 長ネギ苗の植え付けに適した時期は「菜の花」が満開になる頃
7~8月にジャガイモを掘り上げたら、そこへ南にあったネギを移植。
9月上旬になったら、長ネギを植えていた場所にジャガイモを植えます。
土に未熟の有機物などがあると、ジャガイモは腐りやすくなります。
ところがネギは、そんな未熟な有機物を分解してくれます。
ネギには病害虫を防ぐ働きもあるので、ジャガイモの生育が良くなります。
未熟なジャガイモや茎が朽ちた「アンモニア態窒素」は、ネギにとって最良の肥料です。
ジャガイモは、アブラナ科とは相性が悪い植物。
近くに植えないほうがよい組み合わせです。
特にアブラナ科の「キャベツ」は、ジャガイモの近くに植えると結球しません。
●アブラナ科の植物
アブラナ、水菜、チンゲン菜、カブ、白菜、キャベツ、カラシナ、クレソン、大根、ワサビ、カリフラワー、ブロッコリ、小松菜、ラディッシュ、ルッコラ、ストック、イベリス、アリッサム
ジャガイモの栽培

ジャガイモを育てるコツは「あまり肥料分を与えない」こと。
原産地のアンデス山脈は、養分の少ない高地です。
高温になると枯れますが、霜にも弱い野菜です。
生育適温は15~20℃。
雨が少なく冷涼な気候を好みます。

ギシギシはジャガイモのコンパニオン。
酸性土壌に生える雑草です。
ジャガイモは酸性土壌でも育ちます。
近くにギシギシがあると、そちらへ害虫は引き寄せられていきます。
そのためジャガイモの害虫を減らす働きがあります。
虫が付いたギシギシを刈り取って処分すれば、駆除も簡単です。
【種イモの準備】
「桜」が咲いたら春ジャガを植え付けする時期。
その前に種芋を準備しておきます。
種イモの準備は「植え付け5日前」くらいです。
天気の良い日が続く時期に、種イモを60~80gくらいの大きさに切ります。
先端の芽が多い部分は切り落とし、使いません。
Mサイズなら縦半分、Sサイズならそのまま。
切り口を5日間くらい「天日干し」して乾燥させます。
天日干しすれば、灰をまぶさなくてもOKです。
秋ジャガを種イモにする場合は、腐りやすいので切りません。
1週間くらい「冷蔵庫の野菜室」に入れて休眠を破ってから植え付けします。
【ジャガイモの植え付け】
植え付ける場所は「イモの倍くらいの深さ」の穴を掘ります。
種イモは「30cm間隔」で3個くらい。
2列にするなら「50cm」離した場所に。
種イモの「切り口を上」にして並べます。
わざと逆さまに植えると、病気や霜による害を減らせるからです。
下側から芽が出て茎が長くなるので、イモが地表に露出しにくくなります。
ジャガイモを長ネギの跡地に植える場合は、深さ15cmの溝を掘って。
そこへ30cm間隔で植えます。
【土寄せ】
ジャガイモの芽が出たら、芽が出るたびに少しずつ土を寄せてかけておきます。
これは「茎」が常に隠れるようにして、病気を防ぐためです。
霜が降りそうなときは、芽を土で覆っても構いません。
芽が5~6本出た場合は「3~4本」程度に間引くと大きなイモができます。
「太い芽」を残すのがコツです。
【草マルチ】
生えてきた周囲の雑草は、刈り取って、ジャガイモの株元に敷きます。
土寄せする時には、草を埋めないように。
一度草を移動させてから土を寄せ、草を敷き直します。
「花」が咲いたら、土寄せを止めます。
花後は、「地表面」に、より厚く刈り取った草を敷きます。
イモが地表に出て「日光に当てない」ようにするためです。
日に当たると表面が緑色になって、食べられなくなります。
【収穫】
「晴天が数日続いた後」に掘り上げると、イモが腐りにくくなります。
ジャガイモをすぐ食べる場合は「茎と葉」が黄色く枯れたら収穫します。
長期保存する場合は「完全に」茎と葉が枯れてから。
掘り上げたら、すぐ「涼しい日陰」に置いて乾かします。
7~8月にジャガイモを収穫したら、その日のうちにネギを植えます。
長ネギの栽培

ネギを育てるコツは「肥沃」で「水はけ」の良い土に植えること。
堆肥を施して栽培すると、土の生き物が活発化して土が良くなります。
未熟な有機物があっても、ネギは上手に分解して利用できます。
ネギの原産地は中国西部で、生育適温は「15~20℃」です。
長ネギは根深ネギとも呼ばれ、主に関東地方で好まれます。
株元に土寄せして育て、軟白した長い葉が特徴です。

関西地方では緑の葉を利用する葉ネギが多く栽培されています。

【ネギの植え付け】
芋を収穫した場所に、すぐ長ネギを移植します。
苗の「太さを揃える」ことがコツです。
太さが違うと、細いネギが消えてしまいます。
長ネギは「西側」に倒して斜めに「5cm間隔」で2列に植えます。
「緑と白の間」の部分にある呼吸穴をふさがないように土をかけます。
全面に厚くマルチを敷いて保湿し、地温を下げると芽が出やすくなります。
【長ネギの土寄せ】
長ネギは、植え付けして1週間後「起き上がってきたら」土寄せしはじめます。
一気に土を深くかけると株元の空気口をふさいで弱ってしまいます。
ですから生長につれて少しずつ「根の部分」に土をかけるのがコツです。
【ネギの収穫】
「ネギ坊主」ができたら早めに切ります。
そのままにしておくと、養分が実に取られてネギが太くなりません。
長ネギの収穫適期は「11月以降」。
寒さに当たったほうが甘みが出ます。
ですが初霜に当たる前に収穫します。
12月~翌1月、ジャガイモを植える予定の場所にネギを植えておきます。
ジャガイモを植えるまでは、ネギを少しずつ収穫しながら育てます。
【ネギの植え替え】
ジャガイモの植え付け時期になったら、ネギは場所を交代して植え直します。
ネギは違う場所に植え替えるとリフレッシュします。

冬が旬の長ネギは鍋物にピッタリです。火を通すと苦みがなくなり、甘みが引き立ちます。ネギだけで一品料理になるほどの美味しさです。
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