ニンジンとゴボウは一緒に植えるとよく育ちます
生育適温がニンジンもゴボウも「15~20℃」と同じだからです
どちらも直根で根がまっすぐ深く伸びるので一緒に植えても競合しません
同じ場所で続けて栽培しても連作障害が起きません
セリ科なので、葉はパセリみたいな味と香りがします
栽培カレンダー
●ニンジン
原産地はアフガニスタン周辺の中央アジア。
早くから中国へ伝わっていたのが細長い東洋系の品種。
明治以降に伝わったのが、短い西洋系の品種です。
ニンジンは、長さによって三寸、四寸、五寸があり、1寸は約3cmです。
育て方のコツは「水持ち」「水はけ」の良い土に植えること。
痩せ気味の土壌でもよく育ちます。
むしろ未熟な有機物や石などがあると根が二股になってしまいます。
春に種まきすると夏~秋に収穫できます。
あるいは夏に種まきして雪の下から収穫すると甘いニンジンになります。
種を採る場合には「固定種」が適しています。
●ゴボウ
原産地はユーラシア大陸の北部。
育てやすいのは根が短い「大浦太ゴボウ」という品種。
スが入っても美味しく、あまり土を壊さずに掘り上げできます。
人参よりも「深く土を耕しておく」のが育て方のコツです。
キク科の植物なので綺麗な花が咲きます。
ニンジンとゴボウの育て方
ニンジンの根が二股や三股に分かれることがあります。
これは土に「未熟な有機物」や「石」が残っている場合です。
前作から1カ月以上あけると有機物が分解されます。
ジャガイモやサツマイモなどの根菜やネギを栽培した後地でもOK
種まきする前に、土の中の石は取り除きます。
【種まき】
ニンジンは発芽させるのが難しい野菜。
それは発芽する時に「光」を必要とするからです。
光が通るよう、土を薄くかけると水分を保ちにくくなります。
しっかり「土を押さえ」て種と土を密着させるのがコツです。
「雨の日の翌日」か「曇りの日の夕方」が種まきに適しています。
種をまく場所は「溝を広め」にし「凹凸がない」よう均一にならします。
掘った「溝の底が湿っている」よう深めに掘ります。
溝の底が乾いている場合には、土の上からたっぷり水やりします。
種は5mm間隔くらいのばらまき、または3~4粒ずつの点まき。
- 「点まき」したほうが間引きが少なくて済み、草管理も楽
- 「ばらまき」した場合は、本葉1枚が出たら頻繁に間引きが必要
覆う土は種の厚さの1~2倍くらい、種が隠れる程度に「薄く」土をかけます。
乾きやすい場所では、土を押さえてから「籾殻」を撒いて押さえておきます。
それ以降の水やりは不要です。
10日経っても発芽しない場合には、もう一度まき直します。
ニンジンは「種を多めに蒔き」本葉が出てきたら間引きます。
セリ科のニンジンは、生育初期に競い合うことでよく育つからです。
●夏~秋に種まきする場合
7月にニンジンの種まきをし、8~9月にゴボウの種まきをします。
100cm四方の畑なら、両端から15cmの場所に、幅10cmの溝2本を掘ります。
溝と溝の間隔は50cm離れた状態です。
ニンジンは、5mm間隔くらいのばらまき、または3~4粒ずつの点まき。
ゴボウは、溝の中央部分に、1か所に3粒ずつ、15cm間隔でまきます。
●春~夏に種まきする場合
4月にニンジンとゴボウを同時に種まき。
春まき用か四季まき用品種のニンジンを選びます。
ニンジンは「4月」と「7月」の2回に分けて種まきすると長く収穫できます。
100cm四方の場所なら、半分ずつニンジンとゴボウの植え場所にします。
片側から10cmの位置に、幅10cmの溝を2本、20cm離して2列を掘ります。
2列の溝のうち、外側の1本にニンジンの種をまきます。
5mm間隔くらいのばらまき、または3~4粒ずつの点まき。
もう片方の場所には、ゴボウの種を1か所に3粒ずつ、15cm間隔の点まき。
7月に、残しておいた「内側」の溝にニンジンの種をまきます。
ゴボウの日陰になり、土が乾きにくく、発芽しやすくなります。
ニンジンの「生育初期」には草を抜き取ります。
草に負けるとニンジンが太く育たないからです。
その後は最終的な間引きが終わるまで草を刈り取って地面に敷きます。
【本葉が出てきたら間引く】
間引いて、収穫しながら株間を広げます。
- 本葉2~3枚になったら5cm間隔に間引く
- 本葉6~7枚になったら10cm間隔に間引く
葉ニンジンは「おひたし」「サラダ」「天ぷら」で美味しく食べられます。
葉が触れ合わない程度に、本葉10枚までに最終的な間隔にします。
最終的な株間は、人参の長さと同じくらいに。
- 3寸(9cm)の人参なら9cm間隔
- 4寸(12cm)の人参なら12cm間隔
- 5寸(15cm)の人参なら15cm間隔
充分な間隔を開けないと、ニンジンが太くなりません。
ゴボウは本葉2~3枚までに間引いて1本にします。
葉が綺麗に伸びたものを残して。
【草を刈り取って地面に敷く】
間引いた後は、刈り取った周囲の草を地面に敷いて乾燥を防ぎます。
根が太り始めてからは「やや乾燥ぎみ」にします。
急に水やりすると根が裂ける原因になるからです。
とはいえ夏は乾燥しすぎてしまいます。
草マルチで保湿を一定にすると、水やりの必要がなく、綺麗に育ちます。
【ニンジンとゴボウの収穫】
ニンジンは「根の上部」が「直径2cm」くらいになったら収穫します。
1円玉より少し大きいくらいの太さです。
太りすぎると根が割れることがあります。
根が長い品種の場合は、一度スコップで掘って穴を作ります。
そして、その穴の「片側」に移植ゴテを差し込みます。
片側だけ移植ゴテで掘り、人参を傾けるようにして引き抜きます。
ゴボウは「雨の日の翌日」に少しずつ収穫。
掘る前に「水」をかけて土を柔らかくしておきます。
まず片側を根の先までスコップで掘ります。
それから株元をつかんで、傾けるようにして引き抜きます。
収穫したら「葉」をすぐに切り落とします。
土の表面に出ていなければ、冬もそのままの状態で保管できます。
上に土をかけて、埋めておいてもOKです。
ニンジン、ゴボウのコンパニオンプランツ
「ほうれん草」や「カブ」は、人参ともゴボウとも相性が良い組み合わせ。
同時に種まきすると、互いの虫よけにもなります。
ニンジンは「豆類」と一緒に種まきするとよく育ちます。
枝豆なら、春まき人参と同時に種まきできます。
1m四方の場所で育てる場合。
両端に枝豆と人参を30cm間隔で点まき。
中央に、ほうれん草の種を筋状にまきます。
端からほうれん草、ニンジンまたはゴボウ、カブの3列でもOK。
ニンジンは「連作」すると次第に肌が綺麗になります。
ですから毎年「同じ場所」で「無肥料」で育てると安定します。
ニンジンやゴボウを育てた後の土では、ほぼどんな野菜でも育てられます。
●相性が悪い組み合わせ
ゴボウは、ナスやオクラとは相性が悪い組み合わせです。
ニンジンを、インゲンやキュウリを育てた場所に植える時は注意。
ネコブセンチュウが発生した場合、同じ被害にあいやすくなります。
自然栽培おすすめ本
自然菜園の作り方は、竹内孝功さんの本がとても参考になります。
同時期に育てて収穫したニンジン、ゴボウはキンピラゴボウに。
ゴボウは糠みそ漬けにしても美味しくなります。
コンパニオンプランツ一覧はこちら
コンパニオンプランツとは、植物同士の助け合い。「共栄作物」とも呼ばれ、共に栄える組み合わせです。相性の悪い組み合わせもあります。
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