美味しい和菓子はヘルシーなスイーツ
豆を使っているため食物繊維が一緒に摂れるからです
和菓子の基本は豆を使った「あん」と、米粉を使った生地
いんげん豆をあんに使ったり、クルミやアーモンドなどを加えたり
ワラビやヨモギなど身近で摂れる野草を加えたりもできます
昔は家庭で作っていたくらいですから意外と簡単です
和菓子の材料
和菓子の材料は、米などを使った「粉類」と、豆などを使った「あん」が基本。
粉の原料は主に「米」「もち米」ですが、小麦粉や片栗粉も使われます。
米を使った粉
- 上新粉(米を水洗いして乾燥させてから製粉した粉)
- 上用粉(上新粉より粒子が細かい粉)
もち米を使った粉
- もち粉(もち米を水洗いして乾燥させてから製粉した粉)
- 白玉粉(もち米に水を加えて石臼で砕き水にさらして脱水してから乾燥させた粉)
- 道明寺粉(もち米を蒸して乾燥させてから砕いた粉)
- 上南粉(道明寺粉を細かくして炒った粉。粒が大きな真挽き粉は「おこし」の材料で、そのままでも食べられる)
- 寒梅粉(もち米を蒸して板状の餅にして焼いたものを砕いた粉。干菓子の材料で、そのまま食べられる)
その他の粉
- 浮き粉(小麦粉に水を加え、こねてから水洗いし、水中のデンプンを乾燥させた粉)
- 片栗粉(ジャガイモのデンプン)
- 葛粉(葛のデンプン)
- わらび粉(わらびのデンプン)
あんの材料
- 小豆(こしあん、粒あんの原料。北海道、丹波、備中のものが高級品)
- いんげん豆(白あんの原料)
- グリーンピース、イモ類
水あめは糖分が低く、粘り気があり、保水力があるため、乾燥を防ぐ働きをします。
デンプンから作られる甘みで、あんに加えるとツヤが出て固くなるのを防ぎます。
あんの作り方
豆を柔らかく茹でて布で濾したものが「あん」です。
こしあんの材料は「あん10:砂糖6:水2」の割合。
ですが粒あんにする場合には、糖分を50~55%くらいに控えます。
砂糖を少なくすると、小豆の皮が硬くならないからです。
【こしあんの作り方】
目の細かい濾し器で濾すと、なめらかなアンになります。
- 小豆を水洗いしてから一晩水に浸けておく
- 小豆を鍋に入れ、1.5倍くらいの水を加えて火にかけて沸騰させ、さらに1.5倍の水を加える
- 再び沸騰したらザルに上げて水をかける
- 小豆を入れたザルをボウルに重ね、水を加えながらスプーンなどでつぶして濾す
- アンが水に沈んだら、静かに水を2~3回くらい取り替える
- あんを布巾などで包み、硬く絞ってから重さを測っておく
- あんの重さ60%くらいの「グラニュー糖」と、20%くらいの「水」を鍋に入れる
- 鍋を火にかけ、あんの1/3を加えて練り混ぜる
- よく混ざってから残りのアンも加え、練り上げたら出来上がり
白いんげんを使うと白あんが作れます。
皮が固い白いんげんは、煮ている間に皮がむけてきます。
そうしたら皮だけ取り除いて豆を柔らかく煮ます。
【粒あんの作り方】
粒あんにする場合には糖分を控えめにします。
「小豆500g:グラニュー糖250~275g:水200㏄:水あめ25g」
- 小豆を水洗いしてから一晩水に浸けておく
- 小豆を鍋に入れ、1.5倍くらいの水を加えて火にかけて沸騰させる
- さらに1.5倍の水を加え、再び沸騰したらザルに上げ、煮汁は捨てる
- 水(200㏄)に、グラニュー糖(250~275g)の半量だけ鍋に入れて火にかける
- 小豆を入れて沸騰させてから、そのまま一晩おく
- 残りのグラニュー糖を加えて火にかける
- 沸騰したら、重ねたザルとボウルに移して豆と煮汁を分ける
- 鍋に煮汁だけ入れて煮詰め、豆を戻し入れてから水あめ(25g)を加えて練り混ぜる
ぎゅうひの作り方
もち米の粉に水と砂糖を加えて練り上げたものが「ぎゅうひ」。
砂糖を多く入れるので、固くなりません。
「あん」として使ったり、「ねりきり」のつなぎに使ったり、そのまま「あんみつ」に入れたりします。
練った白玉粉を蒸して作りますが、電子レンジで簡単にできます。
- 白玉粉(100g)に水(150㏄)を少しずつ加え、なめらかになるまで練る
- 砂糖(200㏄)を加えて混ぜ、耐熱容器に入れる
- 電子レンジで2分くらい加熱してから混ぜ、さらに2分くらい加熱して混ぜる
- 1分くらいずつ加熱を繰り返しながら混ぜ、スプーンですくって40~50cmくらい伸びればOK
- バットに片栗粉を広げて入れ、ぎゅうひを置いてまぶす
ぎゅうひ(牛皮、求肥)は唐時代に日本に伝わったものだそうです。
当初は精白していない玄米もち米を使っていたため、薄い色がついていました。
それが牛の皮の色に似てることから牛皮と呼ばれるようになったといわれます。
春らしいうぐいす餅
春を告げる鳥うぐいす色の「きな粉」をまぶした和菓子。
きな粉は味が落ちやすいので、新鮮なものを使います。
もち粉を使った和菓子は「ぎゅうひ」に近いものです。
- もち粉(70g)と砂糖(70g)をよく混ぜ、水(70㏄)を加えて混ぜる
- 蒸し器に入れて強火で15~20分くらい蒸し、鍋に移す
- 鍋を弱火にかけて卵白(5g)を加えて練り、きな粉の上に乗せて10等分する
- 小豆のこしあん(250g)を10等分して丸め、生地で包んで丸くする
松の実(10g)を軽く炒ってから刻み、あんに加えても美味しいです。
道明寺粉を使った桜餅
関西では桜餅を「道明寺粉」で作ることが多いようですが、普通の白玉粉でもOK
道明寺粉は、戦国時代の携帯食として用いられていたそうです。
- 道明寺粉(70g)に水(105㏄)を加えて混ぜ、30分おく
- 砂糖(45g)と水(35㏄)を鍋に入れて煮立て、食紅で桜色にする
- 30分おいた道明寺粉と水を加えて加熱してから火を止め、20~30分そのまま置く
- 桜の花(少々)を刻んで白あん(200g)に混ぜ、10等分して丸める
- 道明寺粉も10等分し、あんを包んで丸める
- 桜の葉(10枚)は軽く水洗いしてから水気を拭き取り、桜餅を包む
丸める時に寒天液を手につけておくと作業しやすくなります。
「水(100㏄)に寒天(1g)を入れて煮溶かし、砂糖(100g)を加えて煮た液」
くるみ(10g)を軽く炒ってから刻んで加えても美味しいです。
桜の花は、3~5分咲きの八重桜を塩漬けしてから梅酢に漬けます。
桜の葉は、柔らかい若葉を塩漬けしたものです。
早春を感じさせる「よもぎ餅」
上新粉を水で練って蒸すと、もちもちした食感が美味しい。
よもぎを入れた草餅は、香りも春らしい和菓子です。
- 上新粉(70g)、もち粉(30g)、砂糖(70g)をボウルに入れ、水(90㏄)を加えて混ぜる
- 乾燥よもぎ(5g)は、ひたひたの水に浸けておく
- 混ぜた粉と戻したよもぎを別々の容器に入れて蒸し器に入れる
- 蒸し器を強火にかけ、5分したらよもぎだけ取り出し、粉はさらに10~15くらい蒸す
- 蒸しあがった生地をボウルに移してこね、ヨモギを加えて混ぜ合わせる
- 生地と小豆の粒あん(350g)を10等分し、丸めた粒あんを生地で包む
- 底にきな粉を少し付けておく
よもぎには体を温め痛みを和らげる働きがあります。
ですから風邪をひきやすい季節の変わり目にピッタリです。
柏餅の作り方
端午の節句に食べる柏餅。
もとは「ちまき」を食べることが多かったのですが、江戸時代ころから柏餅が定着したといいます。
材料
- 上新粉(120g)
- もち粉(45g)
- 小麦粉(15g)
- 片栗粉(15g)
- 上南粉(7g)
- 小豆のこしあん(200g)
- 柏の葉(10枚)
作り方
- ボウルに上新粉、もち粉、小麦粉、片栗粉、上南粉を入れて混ぜ合わせる
- 生地を蒸し器に入れ、強火で15分くらい蒸す
- 蒸しあがった生地をボウルに移し、布巾で包み、もんで滑らかにする
- こしあんを10等分して丸め、楕円形にしておく
- 生地を10等分して丸め、小判型に伸ばし、あんを包む
- 蒸し器に並べて5分くらい蒸してから冷まし、柏の葉で包む
大福餅の作り方
大福は入れる材料でアレンジしやすい和菓子。
生地にクルミ、黒豆、干しブドウを入れたり。
あんにカボチャ、白あん、黒ゴマ、落花生など入れたりしても美味しい。
材料
- くるみ(40g)
- もち粉(100g)
- 砂糖(50g)
- 浮粉(30g)
- 塩(ひとつまみ)
- 水(150㏄)
- かぼちゃ(150g)
- 白あん(150g)
- 砕いた落花生(20g)
- 黒ゴマ(10g)
作り方
- くるみ(40g)は砕いてから沸騰した湯で5~6分ゆでておく
- もち粉、砂糖、浮粉、塩をボウルに入れて混ぜ合わせる
- 水を加えて混ぜたらクルミも加えて混ぜる
- かぼちゃは蒸してからつぶす
- 白あん、砕いた落花生、黒ゴマを加えて混ぜ、12等分して丸める
- 蒸しあがった生地をボウルでまとめ、手に片栗粉を付けて12等分する
- あんを生地に包んで形を整える
クルミやレーズンを入れた大福はコーヒーにも合います。
和菓子に合う抹茶は、お湯を注いで茶筅で混ぜるだけ。
インスタントコーヒー並みに手軽な飲み物なので、作法など気にせずカジュアルに。
茶道で使う茶碗を、フランス人はカフェオレ・ボウルとして使っていました。
おしゃれなカフェオレ・ボウルで抹茶を飲んでも良さそう。
ダイエット中なら「ゼリー」や「寒天」を使ったスイーツがおすすめです。
海藻から作られる「寒天」は食物繊維が豊富でカロリーゼロ。ダイエット中でスイーツを控えている時には寒天がピッタリです。粉寒天を料理に入れたり、食材として使うこともできます。動物性コラーゲンが含まれている「ゼラチン」は美肌効果が期待できます。ダイエットで肌や髪がパサパサになるのを防ぐのにピッタリ。
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