【雑草】春たんぽぽは収穫して薬草として活用

たんぽぽは「蒲公英(ほこうえい)」と呼ばれ、生薬として使われる薬草

根、葉、茎、花、全草が利用できます

薬効には「美肌」「健胃」「胆汁分泌」などがあります

花や葉は食用にも使え、根はたんぽぽコーヒーにできます

地中に深く伸びる根は養分を地表へと運ぶ役割も果たしています

春に地上部を刈り取って、秋に根を掘り出して活用

そうすれば庭一面に増えすぎるのを防げます

たんぽぽ葉の利用法

タンポポの葉

タンポポの「葉」は、年間を通じて食べられます。

12~4月の葉には苦みが少ないので「サラダ」にできます。

5~11月ころの葉には苦みがありますが、加熱すると苦みが減ります。

「炒め物」「天ぷら」、茹でて「和え物」「お浸し」「酢の物」に。

【タンポポの春サラダ】

たんぽぽ葉と茹で卵のサラダ

早春のタンポポは葉が柔らかいのでサラダにピッタリ

茹で卵を添えて、玉ねぎドレッシングをプラス

  • 玉ねぎ(1個)…スライサーで極薄切りにする
  • オイル(1カップ)
  • ビネガー(1カップ)
  • 塩(小さじ1)
  • マスタード(大さじ2)
  • パプリカパウダー(小さじ1)

玉ねぎは、みじん切りでもOK

新鮮なバジルの葉があれば、刻んで加えると美味しくなります。

花が咲くころになったら、花も摘んでサラダにプラス

たんぽぽサラダ

ルッコラなど柔らかな葉物野菜を加えると、よく合います

シンプルなフレンチドレッシングで

  • オイル1:ビネガー1
  • コショウ

オイルとビネガーの種類で様々な変化が付く基本のドレッシングです。

クセのない普通のサラダ油と酢が美味しいと感じます。

タンポポのほろ苦さがアクセントになります。

たんぽぽの葉、花、茹で卵に松の実をプラス

タンポポの花サラダ

ナッツ類を加えると、サラダに香ばしさがプラスされて美味しい。

柔らかな松の実が、よく合います。

【たんぽぽ葉の餃子】

たんぽぽ餃子

みじん切りしたタンポポの葉は餃子の具にオススメです。

野菜よりコシがあり、冷蔵庫に入れておいても水っぽくなりません。

苦みのある時期の葉でも使え、ニラのような臭みがないので口臭も気になりません。

みじん切りした葉は、お好み焼きやハンバーグなどにも使えます。

たんぽぽ花の利用法

たんぽぽ花びら

たんぽぽの花は咲き始めが一番おいしく食べられます。

ほぐした花びらをサラダに散らすと鮮やかな黄色がグリーンに映えます。

刺身のツマとして、菊花の代わりにすることもできます。

開ききる前のタンポポの花びらは、酢の物にピッタリです。

【たんぽぽ花の酢の物】



散らし寿司の御飯に混ぜたり、彩りとして散らしても綺麗です。

  1. ほぐしたタンポポの花びらを熱湯にサッとくぐらせ、冷水で冷ましてザルに上げる
  2. 酢(大さじ4)、醤油(小さじ1)、砂糖(大さじ1)を混ぜ合わせる
  3. 花びらを三杯酢で和え、冷蔵庫で冷やしておく

キュウリや玉ねぎの酢の物に混ぜてもOKです。

【たんぽぽ花の味噌漬け】



タンポポの花を味噌漬けしておくと使いやすい保存食になります。

瓶に入れて冷蔵庫に入れておけば、いつでも手軽に食べられます。

野菜スティックのソースや御飯のおかずにピッタリです。

  1. たんぽぽの花びらをサッと茹で、ザルに上げてから冷水で冷やす
  2. 水から出し、20分くらいおいて自然に水気を切る
  3. みりん、酒、味噌を混ぜ合わせ、水けをきったタンポポの花びらを漬けておく



【たんぽぽワイン】

タンポポの花とワイン

たんぽぽワインは健康にも良い薬用酒。

血行を良くする働きがあります。

簡単な作り方は、タンポポの花を焼酎に浸けるだけ。

  1. タンポポの花びらを洗い、3~4時間日に当てて乾燥させる
  2. 花びらの2倍の量の焼酎に5~6日ほど浸ける
  3. 濾して花びらを取り除き、3~5カ月おいたら飲み頃

もう少し時間と手間をかけると、たんぽぽ酒がグッと美味しくなります。

  1. 「たんぽぽ花(100g)」を耐熱容器に入れ「熱湯(100㏄)」を注いで蓋をする
  2. 毎日1~2回くらい混ぜ、5日ほど経ったらザルに上げて濾して液体だけ鍋に入れる
  3. 「砂糖(50g)」「みじん切りオレンジかレモン(5g)」「レーズン(50g)」を加える
  4. 強火にかけて沸騰させ、20分くらい煮てから耐熱容器に入れる
  5. 冷めてから「トーストした食パン(1枚)」と「ドライイースト(1袋)」を加える
  6. きっちり蓋をすると発酵して瓶が割れることがあるので「布」をかぶせて3~7日おく
  7. 布巾を敷いたザルに上げて濾し、保存瓶に入れて冷暗所に置く

1年くらい熟成させると飲めますが、さらに2~3年おくほどに美味しくなります。

たんぽぽ根の利用法

タンポポの根

タンポポの根を掘り起こすのは秋。

根菜と同様に、養分を蓄えて大きく育っています。

根が深いので掘り起こすのは大変ですが「30~50cm」くらい土を掘って引き抜けば十分です。

それ以上に深い部分は根が細くて使えません。

掘り出した根は、ゴボウのようにキンピラにしたり、お茶やコーヒーにできます。

【根と葉のジュース】



最も簡単な利用法は、たんぽぽの根と葉のジュース。

根を掘り出す時に地上部の葉も一緒に摘み取り、洗ってジューサーにかけるだけ。

乾燥させたり、煎じたり、炒ったり、といった手間がかかりません。

タンポポの生葉と根には「抗菌作用」があります。

飲むと「糖尿病」「肝臓病」「貧血」にも効果があると言われます。

【たんぽぽティ】



刻んだ根だけを乾燥さたタンポポティは、ママと赤ちゃんに安心なハーブティ。

多くの薬効があり、カフェインを含まないので子供や妊婦さんでも飲めます。

乾燥させた根を湯に入れて煎じたり、急須で入れるのが簡単。

たんぽぽティは「母乳の出が良くなる」ことから助産院でも使われることがあります。

さらに「強壮剤」になり「消化不良」を助ける効果もあるそうです。

オーガニックのタンポポ茶が市販されています。

飲みやすいのが粉末状になったタンポポティ。

庭や近隣にタンポポがあれば、わざわざ買わずに済みます。

でも買ってでも飲む価値があるのが、たんぽぽティです。

【たんぽぽコーヒー】



コーヒー好きの妊婦さんでも飲めるのがタンポポコーヒーです。

カフェインが含まれていないので、寝る前でも飲めます。

  1. タンポポの根を5mmくらいに切って乾燥させる
  2. フライパンで乾煎りする
  3. グラインダーで粉にして、ドリップコーヒーにする

加熱すると香りがなくなるので、サイフォンよりドリップが向いています。

深煎りして濃い色をつけるとコーヒー風味。

浅煎りするとハーブティのような感じになります。

たんぽぽコーヒーのティーバッグは手軽に飲めます。

ヨーロッパで一般的なのはチコリコーヒーです。

タンポポに似たキク科の多年草ですが、ブルーの花が咲きます。

日本ではトレヴィスという野菜として流通しています。



美容にも役立つタンポポの薬効

タンポポ全草

タンポポは、全草が余すところなく使える薬草です。

「根」「茎」「白い液」「葉」に薬効があります。

たんぽぽ全草を乾燥させたタンポポティには大量の「カリウム」が含まれます。

カリウムは「むくみ」を取り、デトックス効果で美肌にも役立ちます。

特に「花が咲いている時期」の全草に薬効が豊富だと言われます。

1日に20gくらいを煎じて飲むと「美容効果」「精神安定」に役立つそうです。

【肌トラブルに効果的な白い汁】



たんぽぽの茎や根から出る白い汁は、肌トラブルを解消する薬です。

肌に塗っても、飲んでも薬効が得られます。

「いぼ」「とげ」「しもやけ」には塗ることで効果が現れます。

お酒に入れて飲んでも「いぼ」「できもの」「消化器系の潰瘍」「食道ガン」に良いとされます。

【便秘の解消に役立つ根】



たんぽぽの根は、便秘にも下痢にも効果的。

乾燥させたタンポポの根には「整腸作用」があるからです。

たんぽぽティ、たんぽぽコーヒーにして飲むことで、お腹の調子が整います。

水溶性の「食物繊維」が豊富なので、老廃物を排出する働きもあります。

庭にも役立つタンポポの働き

タンポポと蔓バラ

タンポポは、庭の土を改良する一助となります。

根が深くまで伸びるので、硬い土をほぐす働きがあります。

そしてタンポポの根は、地中深くにある水分や養分を地表へ運んでいます。

地表に広がる葉はグランドカバーとなり、地面の乾燥を防いでいます。

早春の葉、春の花、秋の根、収穫して利用すれば、庭中はびこることはありません。

キク科は「バラ科」「アブラナ科」「ウリ科」とは良い相性です。

バラや野菜のコンパニオンプランツとしても活用できます。

  • アブラナ科:キャベツ、大根、カリフラワー、ブロッコリ、小松菜、ルッコラ
  • ウリ科:カボチャ、キューリ、ゴーヤ
  • バラ科:バラ、イチゴ、桜、梅、桃

植物を「科」で分類してみると、雑草もコンパニオンプランツになります。

野菜やハーブは相性の良い組み合わせで収量アップ!

【菜園】コンパニオンプランツ組み合わせ一覧

コンパニオンプランツとは、植物同士の助け合い。「共栄作物」とも呼ばれ、共に栄える組み合わせです。



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