ホームパーティの料理は「簡単」で「見栄え」のすることが一番。
主催者の役割は、料理ではなく「話題」を提供することだからです。
手料理に時間をかけすぎて、本番で疲れてしまっては意味がありません。
呼ばれた人にとっても、あまり頑張った感がないほうが気楽です。
ゲストが各自で取り分けたり、後片付けしやすく食器を減らしたり。
パーティ料理は、楽しめる雰囲気を作ることを最優先に。
招かれる人も気楽な持ち寄りパーティ

ホームパーティでは手土産をリクエストするほうが親切。
招かれた人は、何を持参しようか悩むものです。
いつも集まる気の置けない仲間なら、何を持っていけば喜ばれるか分かります。
でも初めて訪れる人にとっては、何を持参したらいいか分かりません。
初めて訪れる他人の家というのは緊張するもの。
メインの料理は主催者が作って、お客さんには「つまみ」や「前菜」をリクエスト。
お皿に盛り付けたりしてもらうと手持無沙汰になりません。
主催者がキッチンで料理の支度をしている間ジッとテーブルで待っているのは気づまり。
キッチンへ行って手伝ったほうがいいのか。
会話を盛り上げたらいいのか。
自己紹介をしたらいいのか。
気を遣って緊張して戸惑ってしまうこともあります。
テーブルに前菜などが並んでいたとしても、なかなか手を出しにくいもの。
でも自分が持参したものなら、気兼ねなく開封できます。
盛り付けながら互いに持って来たものの説明をすることで、会話の糸口になります。
ドリンクも各自で作って飲んでいるうちにリラックスしてきます。
初対面の人同士でも話題を見つけやすく、場の空気が自然とできてきます。
手土産は、分担して持ってきてもらうものをリクエストすると主催者側も招かれるほうも楽。
- ワインやビールなどのドリンク
- 食卓に飾る花
- デザートに食べられるスイーツ
最初の気づまりと手持無沙汰を解消することが手土産リクエストの目的です。
お客さんに気を遣わせない工夫

ホームパーティを楽しんでもらうには、気を遣わせないことが大事。
自宅に人を呼ぶのは気を遣いますが、呼ばれる人も気を遣うものです。
ホームパーティは、自慢の手料理やインテリアを披露することが目的ではありません。
- 招いた人と招かれた人の親交を深める
- 初対面の人同士が仲良くなれる
- 来てくれた人が楽しい時間を過ごせる
そんなパーティなら成功です。
アルバムやコレクションなどを披露して、自慢ばかりにならないように。
招かれた人にとっては退屈なことがあります。
会話の流れで、相手が興味を示したら披露すればいいことです。
手料理を披露することばかり考えたり、家中ピカピカにして飾りつけたり。
そんなことで疲れてしまっては意味がありません。
頑張りすぎない作り慣れた料理でもてなし、お客さんにも参加してもらうことが大事です。
パーティ料理は会話しやすさが大事

パーティ料理は「食べやすい」ことが第一条件。
会話を楽しみ、交友を深めることがパーティの目的だからです。
例えばカニなんかは殻をむいて食べる作業に集中してしまいます。
口に入れて飲み込むまでに時間がかかる硬いものも会話しにくいものです。
ナイフとフォークで切り分ける手間が要らないほうが簡単。
会話の合間に口へ運べるよう、小さくて食べやすい料理なら最適。
ちょっとビックリするようなアイディア料理も手をかけずに作れます。
料理そのものについてなら、参加者も話題を見つけやすいものです。
食べやすい一口大の前菜

テーブルに用意して置ける前菜があるとスムーズ。
ゲストが食べている間にメイン料理を仕上げることができるからです。
室内に入った時パッと目を引く彩りがポイント。
それだけで雰囲気が盛り上がり、会話の糸口になります。
例えば旬の野菜があると、自然と季節の話題が出てきやすいものです。
【手軽につまめるディップ】
前菜に最適なのが「ディップ」と「野菜」。
手軽につまめるし、カラフルな野菜がテーブルを華やかにします。
一口大の野菜やチップスを添えるだけだから簡単です。
野菜は「彩り」を考えて選び、食べやすい大きさに切っておきます。
- 赤と黄色の「パプリカ」「ニンジン」
- 緑の「ズッキーニ」「スナップエンドウ」「ブロッコリ」
- 白い「ジャガイモ」「カブ」「カリフラワー」
グラスに立てた野菜スティックでもOK
ソースを何種類か作っておくと選ぶ楽しさも加わります。
●簡単に作れるディップ
マヨネーズ+ケチャップ サルサソース+アボカド 味噌+マヨネーズ
ディップは種類が豊富。
メイン料理に合わせて、色んなディップが作れます。
夏のホームパーティならサルサソースとコーンチップスが簡単。
サルサソースは手作りでき、保存もできます。

簡単に作れて、冷凍保存できるサルサソースとトルティーヤ。サルサソースは材料を煮詰めるだけ。トルティーヤは小麦粉を練ってフライパンで焼くだけです。
【冬のホームパーティに最適なバーニャカウダ】
温かいバーニャカウダを前菜にすると、お客さんが自由につまめます。
バーニャカウダとは「熱いソース」のことで、イタリアでは冬の定番。
フォンデュのようにソースを温めながら食べる一種の鍋料理です。
ソースは「オリーブオイル」「ニンニク」「アンチョビ」を「牛乳」で伸ばしたもの。
●バーニャカウダの作り方
- にんにく(5~6片)は薄皮をむいてつぶす
- 小さめの鍋に牛乳(250ml)とニンニクを入れ、弱火にかけて煮る
- にんにくが柔らかくなったらマッシャーでつぶす
- アンチョビ(6尾)を加え、形がなくなるまでほぐしながら混ぜる
- オリーブオイル(50ml)を加えて伸ばす
ニンニクをつぶす時は、包丁の刃を水平に当てて、上から握りこぶしで叩くと簡単。
「カレーパウダー」を加えても美味しい。
「パプリカ」を加えて色をつけると綺麗です。
ココットなど小さな器にバーニャカウダを入れます。
大きめの皿の中央にココットを置き、周囲に野菜を盛り付けます。
野菜のほか、茹でた鶏肉などを加えてもOK。
メインディッシュは「パスタ」や「ラザニア」などイタリアンに。
ゲストが食べている間にメインの料理を仕上げることができます。
【フードプロセッサで作れるリエット】

リエットとは、パテに似たフランスの肉料理。
本来はパンにつけて食べるものです。
でも野菜スティックにつけても美味しい。
豚バラ肉やひき肉、鶏肉、魚などが使われます。
「ツナ缶」を使ってフードプロセッサで作れば簡単。
●簡単リエットの材料
- ツナ缶(210g:3缶)
- ケーパー(大さじ2)
- サワークリーム(100g)
- レモン汁(小さじ1)
- 顆粒のコンソメ(小さじ1/2)
●作り方
- ツナ缶とケーパーは水気を切る
- フードプロセッサに入れて「5秒」くらい攪拌
- サワークリーム、レモン汁、顆粒のコンソメを加えて5秒攪拌
- 味見してみて足りないようなら塩を少し加えて再び攪拌
- テーブルに出すまで冷蔵庫で冷やしておく
好みでタバスコ、黒コショウなどを加えてもOK
小さめの器にリエットを入れ、上に刻んだディルやパセリを飾ります。
薄切りした「バケット」や細長く切った「トースト」を大きめの皿に並べて。
リエットを入れた器を中央に置いてテーブルへ出します。
パンをハート型や星型などのクッキーの型で抜いても可愛い。
型抜きしてからトーストして並べます。
【ゼラチンで作る前菜】
本格的なテリーヌはテラコッタの土鍋を使ったオーブン料理。
でも粉ゼラチンを使えば簡単に作れ、見栄えのする前菜になります。
簡単なのに手の込んだ料理に見えるところが嬉しい。
四角い型に入れて固めてから、1cm幅くらいに切って並べるだけ。
大皿に盛って、各自で取り分けるようにすると出すのも楽です。
●簡単テリーヌの作り方
- 「粉ゼラチン(大さじ1)」は「水(大さじ3)」を加えてふやかしておく
- 材料を混ぜ合わせる
- 鍋に「水(40ml)」を沸騰させ、ふやけたゼラチンを入れて溶かす
- 溶けたゼラチンを材料に加えて混ぜる
- 型に流し入れ、冷蔵庫で冷やして固める
18cmくらいの長方形のケーキ型を使う場合の分量です。
冷蔵庫で冷やして固めるので、タッパーなどを使ってもOK
中に入れる食材にカラフルなものを使って彩りを良くするのがコツです。
●ツナ缶のテリーヌ
- みじん切りした「玉ねぎ(大さじ1)」
- みじん切りした「パセリ(大さじ1)」
- ほぐした「ツナ缶(180g:1缶)」
- マヨネーズ(大さじ6)
- 塩(小さじ1/2)
- ケチャップ(小さじ1)
- レモン汁(大さじ1)
- ウスターソース(小さじ1/2)
- 泡立てた「生クリーム(100ml)」
●ハムとコンソメのテリーヌ
- 1cm角くらいに切った「ロースハム(300g)」
- お湯に溶かした「コンソメスープ(200ml)」
- みじん切りした「パセリ(1枝)」
コンソメスープの半量に粉ゼラチン(18g)を入れてふやかします。
電子レンジの500Wで1分加熱して溶かすのが簡単です。
もし溶けていなければ、さらに30秒くらい加熱。
ゼラチンを完全に溶かしてから残りのコンソメスープも加えて混ぜます。
塩コショウで味を整え、ハムも一緒に型に流し入れ、冷蔵庫へ。
固まったら、切り分けて皿に並べます。
小さな器に入れた「粒マスタード」にスプーンを添えて。
食べる時に好みでマスタードを取れるようにしておきます。
話題性のあるカラフル野菜サラダ

野菜を切るだけのサラダでも、盛り付けを変えるだけでパーティ料理に変身。
彩りよく、食べやすく、がポイントです。
【グラスに入れたミルフィーユサラダ】
野菜を重ねたミルフィーユサラダは夏のパーティにピッタリ。
透明グラスを使うので、見た目が綺麗で涼しげだからです。
同じ大きさに切った材料を順番に入れるだけなので簡単。
野菜のほかに、お刺身など加えてもOK
彩りを考えて材料を選ぶのがポイントです。
- 緑:アボカド、キューリ、レモン汁をかけたセロリ
- 赤:マグロの刺身、トマト、赤パプリカ
- 白:タイやヒラメの刺身、レモン汁をかけた玉ねぎ
- 黄:缶詰のコーン、黄パプリカ
- 紫:紫キャベツ
材料は全て「5mm角」に切り揃えます。
透明なグラスに1~2cmくらいずつ順番に入れます。
つぶれやすいトマトは上に飾ると綺麗。
ドレッシングの材料は同量ずつ混ぜておきます。
白ワインビネガー オリーブオイル ケーパー
グラスごとトレイに並べておくと、ゲストが来たらサッと持ち運べます。
【餃子の皮で作る一口サラダ】

餃子の皮を器にしたサラダ。
一口大にすると、丸ごと食べられます。
小さな小鉢が足りない時に便利です。
最初は餃子の皮だと分からないので、話題性もあります。
中に入れるものは、ツナサラダとかポテトサラダとかでOK。
容器を作るのが面倒なら「レンゲ」や「スプーン」に一口分ずつ乗せて皿に並べてもOK
●餃子の皮で作る器
薄く油を塗った耐熱容器に餃子の皮を入れ、内側に添わせる 餃子の皮にも薄く油を塗り、トースターかオーブンで焼く
こんがり軽く色づいて、器の形になればOK
餃子の皮で作った容器にサラダを盛り付けて皿に並べます。
●彩の良いサラダ
- 白:皮をむいた洋ナシ、茹でたカリフラワー
- 緑:アボカド、ケーパー、万能ねぎ
- 赤:赤パプリカ、刺身用サーモンやマグロ
- 紫:紫キャベツ、茹でた紫芋
それぞれ5mm角に切り揃えます。
餃子の皮に入れるので、水気が多いトマトや玉ねぎは不向き。
みじん切りした紫玉ねぎなどはドレッシングに加え、出す直前にかけます。
●ドレッシング
- オリーブオイル(大さじ3)
- 白ワインビネガー(大さじ1)
- 塩(小さじ1/3)
- コショウ(少々)
刺身など魚を使う場合には「ディル(大さじ1)」を加えると美味しくなります。
大皿に盛りつけて各自が取り分けるメインディッシュ

メインの料理は、ローストした肉や魚にすると楽。
オーブンに入れるだけだから、ずっとキッチンにいなくて済みます。
タイマーセットさえしておけばOK
【簡単で見栄えする肉巻き野菜】

切り分けた時の彩りが綺麗な野菜の肉巻き。
薄切り肉で巻いてフライパンで焼くだけ。
食べやすく、ボリューム感も出せます。
豚肉、牛肉の薄切りを使うと簡単。
薄切りした鶏もも肉を使っても作れます。
大皿に盛り付けて各自で取り分けて食べるようにすると、盛り付けも後片付けも楽。
●ロールチキンの作り方
4人分くらいの分量です。
1.アスパラ(4本)は根元の皮をむいてから、硬めに茹でます
2.赤パプリカ(1個)は、ヘタと種を取り除いてから5mm幅の細切りにします
3.鶏もも肉(500g:2枚くらい)は、厚みのある部分は水平に切り目を入れて開きます
4.全体の厚さを均一にしてから塩こしょう
5.鶏肉の皮を下にして置き、手前1cmくらいを空けてアスパラとパプリカを乗せます
6.くるくると巻いてタコ糸で縛っておきます
(爪楊枝で止めてもOK)
7.200℃に熱したオーブンで20~25分くらい焼く
(フライパンを弱火にかけて、蓋をして焼いてもOK)
8.タコ糸や爪楊枝を外して6等分に切り分け、皿に並べ、茹でたパスタや野菜を添えます
【一口大で食べやすいショートパスタ】

パーティに最適なのがショートパスタ。
大皿に盛り付け、各自で取り分けられます。
細長いパスタは一人分を取り分けにくい。
食べるのも面倒です。
短いパスタならスプーンですくえるので、食べる人にとっても楽。
ショートパスタには色々な形があり、見た目もにぎやかにできます。
よく見かけるのがマカロニやペンネ。

トマトソースで和えるだけ。
市販のソースでもOK
庭で採れたトマトで手作りすれば家庭菜園の話題で盛り上がれます。
貝のような形をしたコンキリエも一口大で食べやすいパスタ。

中が空洞なので短時間で茹でられます。
イタリア語で「貝殻」という意味の複数形で、単数形なら「コンキリア」です。
蝶の形をしたファルファーレを使うと華やか。

イタリア語で「蝶」の複数形。
ソースがからみやすいパスタでクリームソースにも合います。
サラダに使っても可愛くなります。

ねじれたマカロニが「フジッリ」。

イタリア語の「ライフル」が語源とされ、ライフル銃の、らせん部分を指しています。
アメリカでは「ロティーニ」とも呼ばれます。
ハート型のカラフルなパスタを使うのも可愛い。

米粉で作ったパスタなら小麦粉のアレルギーでも安心して食べられます。
大人数の場合は使い捨て食器を利用したっていいんです。
作るのも後片付けも簡単にすれば、主催者も会話に参加できます。
- 食べやすい
- 見た目が華やか
- 話題性がある
こんな料理ならホームパーティにピッタリ。
エディブルフラワーを使った料理も食卓を華やかに演出してくれます。

パーティ料理にピッタリなのがエディブルフラワーを使った料理。花びらの色や香りが食卓を華やかに演出してくれます。例えば「バラ」は代表的なエディブルフラワーです。
普段から作り慣れているならマッシュポテトやグレイヴィソースまで作ると本格的。

ホームパーティのメインにはローストした肉料理がピッタリ。簡単なのに豪華に見え、お客さんにも喜ばれます。
けれど、あまり気合を入れすぎると疲れてしまいます。
パーティだからといって作ったことのない料理に挑戦するのも危険。
初めての料理に挑戦するのは失敗のもとです。
いつも作っている料理をちょっとアレンジして「盛り付け」で演出。
作り慣れている料理なら失敗せず自信を持って出せます。
野菜は彩りも綺麗なのでホームパーティにはピッタリです。
珍しい野菜なら話題作りにもなります。
色んな生産者から届く宅配野菜を利用し始めてから2年以上になるのが「食べチョク」の定期便。


珍しい野菜をリクエストしているので、毎回どんな野菜が入っているかが楽しみ。
知らなかった野菜なども生産者が食べ方を教えてくれます。
普段から作っているので料理のレパートリーも広がりました。
ホームパーティではウェルカムドリンクを用意しておくと便利です。

ホームパーティでは、お客さんが自分で作れるドリンクが最適。主催者側が楽なだけでなく、お客さんも気兼ねなくドリンクのおかわりができるからです。










