素材ごとに適した下ごしらえをすることで美味しく仕上がります
料理の下ごしらえには目的があるからです
- 旨味を引き出す
- 臭みを消す
- 色を綺麗にする
下ごしらえをしておかないと、旨みを損なったり、臭みが出たり
美味しそうな色に仕上がらないこともあります
「肉」「魚」「野菜」それぞれ下ごしらえの方法が違います
肉料理の旨味を引き出す下ごしらえ
ステーキや炒め物の肉は「焼く直前に塩」を振るのがコツ。
塩を振って長くおくと、水分が抜けて硬くなり、旨味も抜けてしまいます。
調味料に漬け込んでから肉を焼く場合は、漬けダレに砂糖やみりんなど「糖分」を加えておきます。
糖分が加わると、肉が柔らかく仕上がるためです。
シチューにワインなどのアルコールを加えると肉が柔らかくなるのも糖分による働きです。
魚料理の臭みを消す下ごしらえ
魚は「火を通す15分前に塩」を振るのがコツです。
塩を振ることで得られる効果は主に2つあります。
- 余分な水分が抜けて身が締まり、煮崩れを防ぐ
- 生臭さが抜ける
出てきた水分はキッチンペーパーで拭き取ってから調理。
生臭みが取れて旨味を閉じ込め、美味しく仕上がります。
野菜の色を綺麗にする下ごしらえ
野菜の下ごしらえには2つの目的があります。
- 色を綺麗にする
- 旨味を損なわない
「葉物野菜」と「豆類」それぞれに下ごしらえのコツがあります。
【葉物野菜の下ごしらえ】
ほうれん草や小松菜などの葉物野菜の下ごしらえは、塩ゆですること。
ポイントは2点あります。
- 水に塩を少し入れ、沸騰させてから茹でる
- サッと茹でて、すぐ冷水に取る
塩を少し入れた水を火にかけると沸点が上がって素早く火が通ります。
そのため野菜の色が鮮やかになり、塩によって野菜の繊維が柔らかくなります。
長く煮るとクタクタになってしまうので、サッと火を通す程度に。
お湯に入れたらすぐ色が変るので、きれいな緑色に変わったら引き上げます。
すぐ冷たい水に入れ、一気に温度を下げることで変色を防いで綺麗な色を保てます。
【そら豆の美味しい茹で方】
そら豆は薄皮の黒い部分「おはぐろ」に切り目を入れてから茹でます。
おはぐろ部分に切り目を入れておくと、色が良くなるからです。
切り目は縦でも横でも構いません。
塩を入れた熱湯で4分茹で、ザルに上げ、そのまま冷ますのがポイント。
水に入れると旨味が逃げてしまいます。
切り目を入れておくと、食べる時にも薄皮がむきやすいというメリットもあります。
【枝豆の美味しい茹で方】
枝豆は「両端」を切って「塩もみ」してから茹でます。
両端を切っておくと色よく茹で上がるからです。
塩もみしておくと産毛が取れるので食感がよくなります。
塩かげんは海水より濃いめの4%が最適です。
1.5リットルのお湯に対し、塩もみする時の塩も含めて大さじ4杯くらい。
お湯を沸騰させてから、塩もみした塩ごと入れて茹でます。
熱湯で「7~8分」茹でたらザルに上げ、熱いうちに「塩」を振ります。
うちわであおいで「急速に冷ます」と色が綺麗に仕上がります。
「だだ茶豆」と「黒豆の枝豆」は、茹で時間を少し長めにしたほうが美味しく茹で上がります。
乾物を美味しくする戻し方
干ししいたけは「冷たい水」で戻し「短時間で加熱」するのがコツ。
戻す時の水温が高くなるほど旨味も香りも減少し、長く煮ると香りがなくなるからです。
干しシイタケの旨味成分グアニル酸は「水温5℃」の水で戻す過程で多く生成されます。
香り成分レンチオニンも冷たい水のほうが多く発生します。
40℃を超えると旨味成分は全く生成されません。
水に浸けて10~20分くらい経ったら、笠の裏側を洗って水を変えます。
雑味の原因となるゴミやホコリが取れて美味しくなるからです。
旨み成分は「5時間」かけて戻した時に、生成量が最大になります。
「加熱時間は5分」を超えると香り成分がなくなるので、短時間で煮ます。
火にかけて沸騰した時に「アクを取る」と美味しい出汁が取れます。