手作りパンは、使う小麦粉によって3通りの作り方ができます
なぜなら「薄力粉」「中力粉」「強力粉」によって、膨らみ方が違うからです
例えば、強力粉は膨らみにくいため、イーストで発酵させる必要があります
一方で薄力粉は、ベーキングパウダーでも膨らみます
そしてナンやトルティーヤは、膨らませる必要のないパンです
手作りパンの種類と材料

手作りパンの種類は、材料によって大きく分けて3つあります
- トルティーヤのような、膨らませずに作る薄いパン
- パンケーキやナンのような、ベーキングパウダーで膨らませるパン
- 食パンや菓子パンのような、イーストで膨らませるパン
膨らみやすい薄力粉にはベーキングパウダーを使います
逆に強力粉はベーキングパウダーでは膨らまないため、イーストで発酵させます
例えばトルティーヤは、メキシコ料理に使われる薄いパンです

材料は「小麦粉」「塩」「お湯」だけで、フライパンで焼ける簡単なパン
生地を寝かせたり発酵させる手間が要りません
焼いた肉や野菜を乗せ、巻いて食べます
薄力粉だけでも作れますが、強力粉を混ぜたり、中力粉を使うと、しっかり肉などを巻きやすくなります

簡単に作れて、冷凍保存できるサルサソースとトルティーヤ。サルサソースは材料を煮詰めるだけ。トルティーヤは小麦粉を練ってフライパンで焼くだけです。
【小麦粉の種類】

小麦粉は、含まれるタンパク質の含有量によって3種類に分けられます
例えば強力粉のタンパク質は12%、中力粉10%、薄力粉8%くらいです
タンパク質が多いほどグルテンが多く、粘りがあって膨らみ、柔らかく仕上がります
小麦粉のタンパク質は「粘り」が強いグリアジン8割と「弾力性」の強いグルテニン2割
水を加えてこねることで「弾力と粘り」のあるグルテンに変わります
【ベーキングパウダーとイーストの違い】
薄力粉は、ベーキングパウダーでも膨らむ小麦粉です
火を通す段階で、炭酸ガスを発生させて膨らみます
強力粉は、ベーキングパウダーでは膨らまず、固くなってしまいます
そのためイーストを使って発酵させる必要があります
イースト菌はタンパク質の糖分を分解して働くため、タンパク質が多い強力粉が適しています
ドライイーストは、膨らみにくい強力粉でも膨らませる力があります
そして大きく膨らんだ分だけ、焼くと大きな気泡ができます
強力粉は粘りが強いため、もちもちした食感になることが特徴です
例えばピザ生地を作る場合にイーストを使うと、もっちりしたパン生地になります
薄いピザ生地なら、ベーキングパウダーで十分です
そして加える「塩」や「砂糖」にも大切な役割があります
【塩】
塩はパンの味を決める大切な素材
ごく少量でも入れないと味が格段に落ちます
塩にはイーストの力を抑えたりグルテンを強化する働きもあります
入れないと生地が膨らみすぎ、グルテンが弱まるためキメの粗いパンになってしまいます
計量する前にフライパンで乾煎りし、水分を飛ばしたほうが正確に測れます
岩塩を使うと旨味が増します
【砂糖】
砂糖は、パンを柔らかくする働きをします
生地が膨らむほど柔らかくなります
砂糖を加えるとイースト菌が活動しやすく、生地が膨らみます
イースト菌は小麦粉に含まれるデンプンの糖分を分解します
それだけでガスを発生させて生地を膨らませます
足りない糖分を砂糖で補うことで、ふっくら膨らんで柔らかくなります
糖分はイースト菌に食べられて分解されるので、パンは甘くなりません
パン作りに適しているのは「グラニュー糖」ですが「上白糖」でもOK
ミネラル分が豊富な「粗糖」を使うとコクが出ます
ミネラル分が多い「きび砂糖」を使うと、生地が軟らかくなるので作業しにくくなります
てんさい糖、水あめ、メープルシュガー、使う糖分の種類によって味わいが変化します
【バター】
パン作りにバターを加えるのは風味を増すためです
バターを使ったパンは焼きたてが一番おいしいので、その日のうちに食べる場合に適しています
一般的には「無塩バター」を使いますが、有塩バターを使う場合には加える塩を少なくします
そして冷蔵庫から出したバターを麺棒で叩き、柔らかくしてから生地に練り込みます
溶けたバターを混ぜると、さっくりとしたパンに焼きあがります
【卵】
パン作りには「卵黄」だけ使ったほうが柔らかく仕上がります
手作りパンの作り方

パンを焼く時には「強力粉」と「ドライイースト」を使います
なぜなら粘りの強い強力粉でモチモチ感を出し、イースト菌で大きく膨らませて弾力を出すためです
イースト菌は、糖分を分解して炭酸ガスを出すことで膨らませます
そのため1~2時間くらい発酵させる必要があります
そして充分に生地を膨らませてから、オーブンで焼きあげます
イースト菌を使うので、砂糖を加えるほど発酵しやすく大きく膨らみます
バター、オリーブオイル、卵、と加える材料によって口当たりや風味が変わります
【フォカッチャの作り方】

岩塩とたっぷりのオリーブオイルの風味が美味しいフォカッチャ
フォカッチャはピザの原型となったイタリアのパンで、ワインや前菜と一緒に食べます
本来のフォカッチャには卵や砂糖を入れませんが、砂糖を入れたほうが発酵しやすく大きく膨らみます
糖分は発酵によって分解されるので、甘みは残りません
材料
- ドライイースト(3g)
- ぬるま湯(100㏄)
- 強力粉(150g)
- 砂糖(大さじ1)
- 塩(小さじ1/3)
- オリーブオイル
- オリーブの実(7~8個)
- 岩塩
作り方
- ドライイーストは、ぬるま湯に溶かしておく
- 強力粉、砂糖、塩、オリーブオイル(大さじ1)を混ぜる
- 溶かしたドライイーストを加えて混ぜたら丸くまとめる
- まな板などの上に生地を乗せてこね、粘りが出てきたら丸める
- たたきつけるようにしてガスを抜き、滑らかになるまでこねる
- 生地をボウルに戻してラップをかけ、温かい場所に40~50分おいて発酵させる
- 生地が2倍に膨らんだら麺棒で厚めに伸ばし、耐熱皿に入る大きさに丸める
- 耐熱皿に「オリーブオイル」を薄く塗り、「強力粉」をまぶす
- 生地を入れ、さらに20分くらい発酵させる
- 生地の表面にオリーブの実を押し入れる
- 表面にオリーブオイル」を塗り、岩塩を振りかける
- オーブンを210℃に熱してから、生地の入った耐熱皿を入れて15分くらい焼く
バジルを振りかけるなら、焼き上がってから表面に
加熱するとバジルは苦くなるからです
【ピザ用パン生地の作り方】
フォカッチャを応用したのがピザ用パン生地です
材料
- ドライイースト(大さじ1)
- 塩(ひとつまみ)
- 強力粉(1+3/4カップ)
- オリーブオイル(大さじ1)
- ぬるま湯(1カップ)
作り方
- ドライイーストと塩を強力粉に加える
- オリーブオイルを加えて混ぜる
- ぬるま湯を少しずつ加えながら手でこねて、柔らかな生地にする
- ラップで覆って暖かい場所に2時間くらいおいて発酵させる
- ピザ生地がふくらんだら手でこねて丸め、生地の周囲を少し厚めにしながら薄く丸く伸ばす
あとは好みのトッピングを乗せてオーブンで焼くだけです
【天然酵母とドライイーストの違い】
天然酵母とドライイーストの違いは「発酵力」の強さ
ドライイーストも、もともとは自然から採った酵母から作られています
リン酸塩、窒素、アンモニア、硫酸などを添加して発酵力を強くしたものです
インスタント・ドライイーストを使うと、予備発酵が必要ないので手軽に作れます
ドライイーストで焼いたパンにも特有のイースト臭があります
●サフ赤ラベルのドライイースト
使いやすいのがフランス製「サフ」のドライイースト
種類によって糖分量や発酵時間が異なります
赤ラベルのドライイーストは最もポピュラーなイースト
糖分が12%くらいまでの甘くないパンに適しています
柔らかいパンもハード系のパンも焼けます
●サフ青ラベルのドライイースト
青ラベルのイーストは、イースト臭が少ないのが特徴
甘くないパンに適したイーストで、柔らかいパンもハード系のパンも焼けます
食パンを焼く時に穴があきにくく、きめ細かな仕上がりになります
フランスパン、食パン、バターロール、クロワッサンなどに適したイーストです
●サフ金ラベルのドライイースト
金ラベルのドライイーストは、糖分13%以上の甘いパンに適しています
酵母菌を育ててパンを焼くことも可能です

天然酵母は身近な食材から簡単に作れます。酵母菌は、身の回りで自然に生きている微生物だからです。野菜や果物、花やハーブの表面には天然酵母が付いています。穀物の粉を水で溶いた状態で放置したら自然に発酵し、そのまま焼いて出来たのが最初のパン。
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