豆類と麦類は、交互に植えると良く育ちます。
麦類は余分な肥料分を吸い取るので、枝豆の蔓ボケを防ぐからです。
連作障害も起きにくくなります。
麦類は、枝豆に付く害虫を防ぐ働きもします。
豆類に付くアブラムシと麦類に付くアブラムシは別の種類だからです。
アブラムシやカメムシの天敵が棲みつき、繁殖しにくくなります。
枝豆と麦の栽培プラン

小麦や大麦の「穂」が付く頃に、枝豆の種まきをします。
すると豆の「種」や発芽後の「双葉」が麦類の陰になり鳥から守られます。
●栽培カレンダー

小麦、大麦をまくと、その年の「春」に極早生の枝豆を混植できます。
枝豆3列の間に、麦を1列ずつ、15cm間隔くらいで5列を植えます。
4月下旬~6月上旬「早生」か「極早生」の枝豆を種まきします。
中央に1列、両端1列ずつ、計3列に、30~40cm間隔で種まき。
「枝豆の間」に2列、小麦か大麦の種を15cm間隔でまきます。
極早生か早生の枝豆なら、種まきから収穫まで60~85日。
「6月下旬~9月上旬」に枝豆を収穫できます。
麦は刈り取って地面に敷いておきます。
翌年から小麦、大麦も収穫でき、枝豆と交互に連作できます。
「10月中旬~11月下旬」に麦の種まきをし、翌年の「5月下旬~6月下旬」に収穫。
麦に穂が付き始めたら、6月くらいまでに枝豆の種まきをします。
10~11月に枝豆の収穫が終わったら、再び麦類の栽培。
「枝豆の跡地」で麦類、「麦類の跡地」で枝豆、と交互に栽培していきます。
麦類の栽培

初年度は3月10日過ぎに「大麦」「燕麦」「ライ麦」などを「緑肥」としてまきます。
畝の両サイドに株間30cmくらいで、10粒ずつ点まき。
穂が付く「前」に刈り取って地面に敷きます。
穂が出る前が最も栄養が多く、緑肥効果があるからです。
例えば枝豆の本葉が5~6枚の時に、麦を青刈りして周囲の地面に敷きます。

ライムギは草丈が「2m」近くなるので、枝豆と混植する時には列と列の間を広くします。
穂が実り、種ができると、こぼれ種でも芽が出ます。
【麦類の種まき】
麦類は、最低温度3~5℃の「10~11月」に種まきをします。
早く種まきすると年内に大きくなって冬の寒さで枯れてしまいます。
遅く種まきすると翌春に分げつが遅れて収量が減ります。
収穫用の「小麦」は、水栽培でスプラウトとして食べることもできます。
麦の種は、1か所に「5~10粒」まきます。
よく肥えた土なら10粒、土作りの途中なら5粒です。
【麦踏み】
冬の間に数回の「麦踏み」をします。
霜で浮いた根を戻し、根張りを強くし、穂が付く茎の数を増やすためです。
晴れた日に、麦の「株の上」を歩いていくのが麦踏み。
葉が「3枚」出たら、麦踏みを始めます。
12~2月に「30~45日」間隔で2~3回の麦踏みをしておきます。
【麦の収穫と青刈り】
大麦の穂が出るのは「4月下旬」、小麦の穂が出るのは「5月上旬」です。
「穂」を噛んでみて、カリっと音がするようになったら収穫適期。
晴天の日に株元から刈り取って脱穀します。
小麦は金たらいなどに「叩く」と粒が落ちます。
量が多い場合は、シートの上に穂を乗せ、ビール瓶などで叩いて脱穀します。
大麦は穂を軍手でもんでも脱穀できます。
残った「茎」と「葉」は、敷き藁にするため地面に置いて乾燥させておきます。
麦類を収穫できたら自家製パンも焼けます。
天然酵母を育ててのパン作りにも挑戦してみたくなります。

天然酵母は身近な食材から簡単に作れます。酵母菌は、身の回りで自然に生きている微生物だからです。野菜や果物、花やハーブの表面には天然酵母が付いています。
小麦粉で簡単に作れるのがメキシコ料理のトルティーヤ。
発酵なしでフライパンで焼ける薄いパンです。

簡単に作れて、冷凍保存できるサルサソースとトルティーヤ。サルサソースは材料を煮詰めるだけ。トルティーヤは小麦粉を練ってフライパンで焼くだけ。巻き寿司みたいに、トルティーヤに好きなトッピングを乗せて食べられます。
豆類の栽培

豆類を栽培する時には肥料を与えません。
肥えすぎた土だと蔓ボケしやすく風味も失われるからです。
大豆や晩生エダマメは、株間を広めに取って「日当たり」「風通し」を良く。
「開花期」に水切れすると実付きが悪くなります。
ですから「花」が咲き始めたら草マルチの上から水やりして保湿します。
【栽培する豆の種類】
混植する場合には早生、「味」を重視するなら晩生。
極早生は種まきから収穫まで「60~75日」くらいです。
早生は種まきから収穫まで「75~85日」くらい。
中晩生は、種まきから収穫まで「90~120日」くらい。
株が大きく育つので、株間を十分に取ります。
草丈が高く、枝分かれして、こんもり茂ります。

大豆を枝豆として収穫しても美味しく食べられます。
【豆類の種まき】
6~7月に豆類の種まきをします。
早く種まきすると蔓ボケしやすく、遅く種まきすると十分に実りません。
大豆や枝豆は、栽培期間の似た「小豆」を同時に植えると、互いによく育ちます。
土が肥沃になり、それぞれの生育が促進されるからです。
異なる種類の根粒菌が根に付き、それぞれが空中の窒素を土に固定します。
「枝豆」は「小豆」より草丈が高くなるので、中央に植えます。
晩生の枝豆か大豆を「1か所に3粒」ずつ1列まきます。
枝豆の両端に、小豆を1列ずつまきます。
小豆は「1か所に4粒」ずつ、列の間を「45cm」くらい開けて2列に。
豆類は「鳥」に食べられやすいので、夕方に種まきすると見つかりにくくなります。
種まきした列のすぐ上に「紐」を張っておくのも鳥よけになります。
列の両端に支柱を立て、地面ぎりぎりに張った紐に沿って種をまきます。
まき終わったら紐の高さを15cmくらいに上げておきます。
植え穴の周囲の草を刈り取り、種をまいた上に敷いておきます。
双葉の時期は、周囲の草が目隠しになって鳥の被害が少なくなります。
種の上に張った紐を外しても大丈夫です。
発芽しにくい場合は「燻炭」を種と同量くらいまきます。

【豆類の病害虫】
カメムシは口針を差して、さやの中の養分を吸います。
すると、さやの中に実が入らなかったり、大きくならなくなります。
株間を40~45cmくらい広めに取って「風通し良く」すると虫を抑えられます。
【豆類のコンパニオンプランツ】
枝豆は多くの野菜と相性が良く、コンパニオンプランツとして使えます。
- トウモロコシ
- トマト
- ナス
- ピーマン
- カボチャ
10~11月には豆類の栽培が終わります。
跡地では、年内に栽培し始められる「玉ねぎ」「高菜」などが適しています。
大豆、小豆の後に「エンドウ」や「ソラマメ」を育てても大丈夫です。
【豆類の間引き】
本葉が出たら間引いて「2本」にすると育てやすくなります。
小豆と大豆や枝豆は「本葉の出方」が違うので注意が必要です。

小豆は、双葉が地中に残り、地上に2枚の葉が出ます。
これが双葉のように見えますが「初生葉」と呼ばれるもの。
その上に本葉が出てきたら間引きを始められます。
大豆、枝豆は、地上に双葉が出てきて、次に2枚の「初生葉」が出てきます。
その上から出てくるのが本葉です。
地上に双葉が出てこない小豆。
地上に双葉が出てくる大豆と枝豆。
本葉の位置が違って見えるので、間引くタイミングを間違えがちです。
【草刈りと水やり】
本葉が数枚になったら、周囲の草を全て刈り取って地面に敷きます。
風通しが良くなり、マメコガネやカメムシなどの発生を減らせます。
花が咲き始めるまで、こまめに草を刈って敷き、草マルチを厚くします。
梅雨明けからが本格的な生育期です。
花が咲いてから「1週間」くらい雨が降らないと実が付かなくなります。
ですから乾燥が続いた場合は、周囲にたっぷり水やりします。
大豆、小豆には、米ぬかや油粕をまきません。
肥料分が多いと蔓ボケするので、ぼかし肥料も使いません。
【豆類の収穫】
枝豆にするなら「9月」ころ、さやに実が8割くらい詰まったら収穫します。
枝豆の収穫適期は「3日間」くらいなので早めに刈り取ります。
さやだけ、または枝に付いたまま収穫し、半日以内に調理します。
少しずつ試食しながら収穫し、葉は落としてその場に敷きます。
すぐに塩茹でしておけば、枝豆は冷凍保存できます。
大豆は、葉が枯れて落ち、さやがカラカラ音を立てるようになったら株ごと刈り取ります。
そのまま立てて天日干しし、よく乾燥させてから収穫して脱穀します。
小豆は「10月」ころから収穫し始めます。
さやを振ってみてカラカラ音がするようになったら収穫時期。
そのまま放置していると、弾けて実が飛び散ってしまいます。
収穫後の大豆や小豆は「ペットボトル」で保存が便利。
8割くらいまで豆を入れ、フタを「緩めに」して立てておきます。
すると種が呼吸してペットボトル内の酸素が薄くなり、二酸化炭素が充満してきます。
1カ月くらい経ってから蓋をきつく締め直すと、ゾウムシなどの発生を抑えられるそうです。
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