庭に生えてくる雑草の中には、捨ててしまうのが惜しいものがあります
なぜなら野菜やハーブのように活用できる草があるからです
市販されているハーブも、原産地では雑草と同じく自然に生えています
そして、その土地の気候や土質に適応している雑草は、育てるにも手間いらず
それなら、どんどん摘み取って利用すれば、草取りが楽しい収穫に変わります
食べられる雑草
春の七草とは、もともと自然に生えていた雑草です
他にも食べられる雑草は意外と多くあります
例えば、タンポポ、クローバー、ドクダミ、スギナ、ヨモギ、ハコベなど
ただし、よく似た毒草もあるので、確実に見分けられる草でなければ口にしないほうが安全です
【春の七草とは】
諸説ありますが、一般的には以下の7つを春の七草としています
- セリ
- ナズナ(ぺんぺん草)
- ゴギョウ(ハハコグサ)
- ハコベ
- ホトケノザ(コオニタビラコ)
- スズナ(カブまたはノビル)
- スズシロ(大根またはヨメナ)
昔から、1月7日に「七草粥」を食べるという習慣がありました
七草を刻んで粥に入れるだけなので作り方も簡単です
七草粥とは、健康を維持するための暮らしの知恵でした。体調を崩しがちな季節の変わり目に、体調を整えるからです。例えば風邪気味で弱った胃腸を休めるなどの効果があります。
【たんぽぽの食べ方】
たんぽぽは「葉」「花」「根」全てが食べられます
例えば、葉と花は「サラダ」にしたり「天ぷら」「おひたし」「酢の物」に
そして根は「きんぴら」にしたり「お茶」や「コーヒー」にできます
花を付け込んだ「たんぽぽワイン」は血行を良くすると言われます
たんぽぽティやたんぽぽコーヒーは市販もされており、カフェインレスで薬効もあるハーブティです
春たんぽぽは「収穫」して利用したほうが得策。白い綿毛になると、どんどん増えてしまいます。春に地上部を刈り取って、秋に根を掘り出せば、庭一面に増えすぎるのを防げます。
庭にはびこる「タンポポ」も、収穫して使っているうちに減っていきます
お茶にできる雑草
お茶に出来る雑草なら、大量に生えてきても活用できます
なぜなら乾燥させておけば保存でき、量も減るからです
そして手づくりして保存する場合には、「乾燥剤」を入れておくと安心
例えばスギナ、ドクダミ、シロツメクサ、ヨモギ、タンポポなどが、お茶にできます
これらは市販もされているほどで、様々な薬効もあるハーブティです
【スギナ茶の作り方】
まず春に、スギナの葉を茎ごと刈り取ります
- 水洗いしてザルに上げ、水気を切る
- 数日から1週間ほど陰干しして乾燥させる
- 1~2cm長さに刻み、フライパンで乾煎りする
- 茶こしや急須に入れて湯を注ぎ、2~3分ほど蒸らす
弱火で煎ると時間はかかりますが、風味が良くなります
強火で煎れば短時間ででき、色の濃いお茶になります
そして煎って乾燥させた茶葉は、容器などに入れて保存しておくと便利です
【どくだみ茶の作り方】
どくだみの「葉」を乾燥させるだけなので簡単
フライパンなどで乾煎りすると早く乾燥できます
急須で淹れる場合は、大さじ1杯ほどの茶葉に湯を注いで数分ほど蒸らします
あるいはヤカンや鍋に入れて弱火にかけ、煎じてから茶こしで濾してもOK
急須で淹れた方が飲みやすいですが、煎じると薬効が高まります
どくだみは「利尿」などデトックス効果の高い薬草です
ただし「妊娠初期」や「腎臓病」で利尿剤を服用している時には要注意
そして大量に飲むと、光線過敏症になる場合もあります
とはいえドクダミは、スキンケアにも使える薬草です
どくだみは、葉、花、茎、根、全草が薬草として使えます。漢字の「毒矯み(毒を抑える)」が名前の由来です。どくだみの葉や茎を乾燥させたものが漢方の「十薬」という生薬。主な効能は「殺菌」「利尿」「整腸」です。
【たんぽぽコーヒーの作り方】
まずは秋に、タンポポの「根」を掘り出します
- 根を洗って水けを切る
- 乾いた根を5mm角くらいに刻む
- フライパンに入れて乾煎りする
- 茶色くカラカラになったらグラインダーで粉にする
- ペーパードリップに入れて湯を注ぐ
フライパンを揺すりながら煎り、焦がさないよう注意します
少量ならゴマを煎る容器が便利です
乾燥させた根を刻んで湯を注げば、たんぽぽティとして飲めます
カゴ編みに使える雑草
食べたり肌に塗ったりできない草でも、カゴ編みに使えば有効活用できます
例えば庭にはびこる蔓性の植物や、背が高くなる草など
カゴ編み材料は身近なところに沢山あります。どんな植物でも、細長い「ひも」にすれば編めるからです。例えば短い「草」や「藁」は束ねて継ぎ足しながら糸を巻き付けると長くできます。ですから葉が細長いイネ科の雑草などもカゴ編みに使えます。
カゴ編み材料として見ると、捨ててしまうのが惜しくなるはずです
庭の土質を改良する雑草
どんな雑草も、庭の堆肥になら使えます
自然と生えてきた草は、その土地に必要な養分を蓄えていることもメリットです
刈り取った草を地面に敷いておくだけでも自然と枯れて堆肥になります
地表面の乾燥を防ぐ「マルチング」の働きもします
土に有機物が増えると、土壌生物が増えて病原菌の増加を抑えます
堆肥を作る時に大事なのは、有機物を十分に「発酵」させることです。完熟していない堆肥を土に混ぜると植物の根を傷めることがあるからです。
雑草の活用法を知ると、ただ捨ててしまうのが惜しくなります
収穫して暮らしに利用していくうちに、自然と雑草は減っていきます
むしろ残して育てたい雑草もあるはずです
庭に活かせる雑草
綺麗な花が咲く雑草なら、そのまま残して庭に活かせます
花が綺麗な雑草は、抜かずに庭に活かすと手間がかかりません。自然と生えてくる草なら、その場所の土質や気候に適応しています。バラなど園芸品種の花と組み合わせても綺麗です。
小さな雑草なら、グランドカバーとして生かせます
背の低い雑草は、抜かずに残すとグランドカバーとして活かせます。大きくなる草だけ抜いていけばいいので簡単。そして地面を草が覆っていると、他の雑草は生えなくなっていきます。雑草は、その場所に適応しているので手間も要りません。勝手に増えて拡がり、しかも地表の乾燥を防いでくれます。
とはいえ通路や椅子を置く場所など、雑草を抑えたい場所もあります
庭の雑草を抑えるために敷く「砂利」「レンガ」「敷石」。コンクリートやモルタルを使わなければ、素人でも施工できます。例えば「砂」でレンガを固定する方法です。とはいえ、それぞれメリット、デメリットがあります。そのため敷いた後のメンテナンスまで考慮して場所を選ぶのがコツです。
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