鉢植え初心者でも育てやすいのは、丈夫な草花
一年草でも、こぼれ種で勝手に芽を出すことがあります
多年草や球根なら、剪定や植え替えさえすれば毎年ちゃんと咲いてくれます
一年を通して楽しむコツは、開花期の異なる草花を取り揃えることです
丈夫な一年草の草花
丈夫な一年草は、開花期が長いことも魅力です
種まきしてからの成長も早いので、すぐに楽しめます
鉢植えなら、冬でも室内で育てられます
【スイートピー】
スイートピーは酸性度、窒素過多、移植を嫌います
土に石灰を加え、窒素肥料は控えます
根が深く伸びるので、深さ30~40cmの鉢に種を多めに蒔き、間引きながら育てます
発芽の適温は15℃
種まきは4月または10月~11月中旬
一晩ほど種を水に浸けてから蒔くと発芽しやすくなります
十分に湿らせた土に種を蒔き、1cm厚さほどの土で覆い、発芽したら日に当てます
本葉が出たら弱々しい方をハサミで切り取って間引きます
本葉が3段くらい出たら、先端を切って脇芽を伸ばすと形よく育ちます
【マリーゴールド】
発芽適温は20~25℃
種まきの適期は3~5月または7月~8月中旬
湿らせた土に種をばら蒔きし、5mm厚さくらいの土で覆います
5~6日で発芽するので、日当たりの良い場所に置きます
本葉が2~4枚くらいになったらポットに植え替えして育てます
小苗のうちは月1度くらい液体肥料を与えて窒素分を補い、葉を茂らせるのがポイントです
小さいうちに花が咲くと成長が止まってしまいます
開花期が長いので、定植する時は土に元肥を入れておき、花が咲き始めたら月1度ほど追肥を与えます
【コスモス】
メキシコ原産のコスモスは、発芽温度が15~20℃。
十分に温かくなってから種まきします。
発芽しやすく、移植は容易なので、地面に直接まいても、ポットで育てて植え付けしても大丈夫です。
本葉が出たら葉が軽く触れ合う程度に間引きます。
茎が細いので、密に植えた方が、支え合って倒れにくくなります。
丈夫な草花ですが「加湿に弱い」ことに注意が必要です。
日当たりと風通しの良い場所が適しています。
窒素分が多いと葉が茂り過ぎ、茎が柔らかくなり、倒れやすくなってしまいます。
もともと荒れ地に咲く花なので、あまり肥料は必要ありません。
鉢植えの場合は、植えつける時に固形肥料を置いておけば充分です。
【ヒマワリ】
発芽温度は20~25度
日当たりの良い場所を好みます。
水はけが良く、肥沃な土が適しています。
背が高く、根も深く伸びるため、土は深くまで耕し、鉢植えなら深めの鉢に植えます。
移植を嫌うので、育てる場所に種をまき、間引きながら育てます。
発芽するまでの1週間は水を切らさないよう注意が必要です。
本葉が出たら週に1回くらい液体肥料を与えると生育が良くなります。
背が高くなる品種は、本葉が4枚くらい出た頃に先端を切り詰めると形よく育ちます。
晴天が続いて土が乾くと下葉が落ちやすいので、地表にマルチを敷いておきます。
土の表面が乾いたら、たっぷりの水やりが欠かせません。
蕾が付き始めると重みで倒れやすいため、支柱で支えておきます。
咲き終えた花を切り取ると、次々と花が咲き続けます。
種取り用の株は花が枯れるまで育て、充分に熟した種を採って保存すると翌年に使えます。
【朝顔】
発芽温度は20~25度
肥沃な土、暑さ、強い日差しを好みます
直播でも、ポットで育ててから定植しても大丈夫です
種の表面に軽く傷をつけておくと発芽しやすくなります
発芽したら十分に日が当たるようにします
本葉が出たら生育の良いほうを残して間引きます
土の表面が乾いたら、たっぷり水やりします
週1度くらい液体肥料を与えるとよく生育します
【パンジー】
発芽温度は20℃
寒冷地では十分に温かくなってから種まきして秋に咲かせます
室内でポットに植えると翌年の春に定植できます
温かい地域なら秋に種まきして冬から翌年の春まで長く花を楽しめます
日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます
酸性土壌を嫌うので、土に石灰を混ぜて調整します
芽が出たら、徒長しないよう十分な日光に当ててやることが大切です
土の表面が乾いたら水やりし、加湿にならないよう注意します
本葉が出たら薄い液体肥料を与えると生育が良くなります
本葉が5~6枚になったら植え替えできます
小さな苗に強い風や雨に当たると傷むので、鉢植えなら雨風の当たらない場所に移動すると安心です
根鉢が固まっている場合は、少しほぐしてから植え付けします
鉢植えの場合は、月に1度くらい固形肥料を与えておくと花付きが良くなります
咲き終えた花は早めに切り取っておくと、病害虫の予防にも効果的です
表面の土が固まると根の生育が妨げられるので、棒など付き差してほぐしておきます
【キンセンカ(カレンデュラ】
発芽温度は15~20℃
肥沃で弱アルカリ性の土を好みます
酸性の土を嫌うので、苦土石灰での酸度調整が必要です
寒い地域なら春に室内で種まきし、温かくなってから定植します
温かい地域なら秋に種まきして翌年の春に咲かせます
暖地なら、四季咲きの品種を選んで夏に種まきすると、冬から春まで長く咲いています
夏に種まきする場合は、直射日光に当たらないようにすることがポイントです
発芽したら、よく日が当たるようにします
本葉が出たら間引き、週1回ほど薄い液体肥料を与えると丈夫に育ちます
本葉が4~6枚くらいになったら定植できます
【デイジー(ヒナギク)】
発芽温度は20℃
肥沃で弱アルカリ性の土を好みます
酸性の土を嫌うので、苦土石灰での酸度調整が必要です
種が小さく、発芽に光を必要とするので、土をかぶせません
受け皿に水を溜めて底穴から水がしみわたるようにします
吸水した後は受け皿の水を捨て、ジメジメしないよう注意が必要大切です
3~4日で発芽するので、芽が出たら日向に置きます
本葉が2~3枚になったら移植し、2週間に1度くらい液体肥料を与えて生育を促します
本葉が10枚くらい出たら、根を少しほぐしてから定植し、日当たりの良い場所に置きます
乾燥に弱いので、水は多めに与えることが大切です
秋に種まきして定植すると、翌年の春に開花します
冬の気温が9℃以下になる地域では、春に室内で種まきし、定食は温かくなってから
開花後の花、枯葉は切り取って清潔に保つと虫がつきにくくなります
多年草の草花
多年草でも、鉢植えの場合は植えっぱなしというわけにいきません
数年ごとに植え替えしないと、鉢の中で根がいっぱいになってしまうからです
土を替え、肥料を足して植え替えし、枝葉の剪定をすることで形を維持します
【スミレ】
発芽温度は15~20℃で、25℃以上になると発芽しにくくなります
暑さ、寒さ、乾燥に強い植物です
植え付けする時に元肥を与え、開花期は月2~3回ほど液体肥料を与えます
雨に当たると病気にかかりやすくなるので、梅雨時などは置き場所を変えて予防が大切です
棚の上などに置くほうが病害虫を予防できます
花が咲き終わったら果実ができ、放置していると種が飛び出します
果実に袋をかぶせておくと種を採取できます
低温に当てると発芽しやすくなるので、湿らせた砂に混ぜて冷蔵庫で保管しておきます
種が飛びだす前に果実を割って取り出した種は、すぐに種まきできます
毎年、秋に植え替えが必要です
植え替えの時に株分けして増やすことができます
【ゼラニウム】
雨に当たると傷みやすいので、梅雨時などは軒下に移動させることが大切です
加湿を嫌うので、水やりは土が乾いてから、冬は特に乾かし気味に管理します
開花期に肥料が多すぎると弱るので、植え替えの時に元肥を施す程度で十分です
弱アルカリ性の土を好むので、苦土石灰で酸度調整します
咲き終わった花と枯れた葉は、すぐに切り取っておくと次々と新しい芽が出てきます
真夏と冬を除けば、いつでも植え付け、植え替えができます
植える時には根鉢をほぐしてから土に入れます
根腐れしている場合は、根を切って小さい鉢に植え替えると元気を取り戻します
春と秋に枝を切って剪定し、切った枝は挿し木して増やすことが可能です
【クリムソンクローバー(ストロベリーキャンドル)】
発芽温度は20℃
暑さに弱いので、秋に種まきして越冬させると春に開花します
寒さには強く、高温多湿が苦手です
マメ科で根から窒素を出すので肥料は必要ありません
日当たりが悪いと生育しにくいので、屋外での栽培が適しています
カラカラに乾かない程度に水やりをし、ジメジメさせないことが大切です
【ミニバラ】
寒さにも暑さにも強く、鉢植えで育てやすいのがミニバラです
ジメジメするとウドンコ病にかかりやすいので、風通しの良い場所におきます
根が浅めなので、乾燥しすぎないようマルチを敷いておくと安心です
定期的に固形肥料や液体肥料を与えると生育が良くなります
真夏でなければ、いつでも植え付け、植え替えが可能です
咲き終わった花は切り取り、枝を1/3くらい切っておくと新芽が出て次々と咲きます
【ハギ】
寒さにも暑さにも強い低木です
マメ科で根粒菌が窒素分を生成するため肥料は必要ありません
水はけさえよければ、どんな土質でも育ちます
夏の高温期には水切れしないよう注意が必要です
乾燥しすぎるとアブラムシなどがつきます
植え付け、植え替えは、葉が落ちている時期が適しています
植え替えの時に株分けして増やすことが可能です
花が咲き終わったら株元から枝を切ると、春に新芽が出て秋に開花します
【マーガレット】
水はけの良いアルカリ性の土を好みます
酸性土壌の場合は苦土石灰で酸度調整が必要です
寒さにも暑さにも弱いので、冬は日当たりの良い室内に置き、夏は直射日光の当たらない日向に置きます
高温多湿を嫌うので、梅雨時は風通しの良い軒下などに移動しておきます
夏は乾かし気味に管理し、開花中の花に水がかからないよう注意が必要です
春と秋に固形の肥料を土の上に置き、冬から春には液体肥料を与えます
夏は成長が止まるので、肥料は与えません
根詰まりしやすいので、毎年の植え替えは欠かせません
春か秋に、根をほぐして新しい土に植えます
剪定は春か秋に行いますが、葉を残さないと枯れてしまうことがあります
切り取った5~7cm長さの枝を挿し木して増やすことができます
球根
球根は、花が終わったら土から掘り上げて乾燥させ、翌年に植え付けし直します。
【フリージア】
南アフリカ原産で寒さに弱いので、冬は日当たりの良い室内で管理します
冬でも成長しているので、よく日に当てることが大事です
気温23~25℃くらいで発芽しますが、30℃を保つと発芽しません
秋に球根を植えますが、根が寒さに当たらないよう、球根の高さと同じくらいの深さに植えます
直径12~18cmの鉢なら球根4~6個です
植え付けの時に元肥を入れず、肥料は葉が2~3枚ほど出てから与えます
球根の下に元肥を入れると病気にかかりやすくなるからです
窒素肥料が多すぎると病害虫がつきやすくなるので、月に2~3回ほど液体肥料を与える程度で十分です
葉が5~6枚になり、蕾が付いたら、支柱を立てておくと倒れる心配がありません
花が全て咲き終わったら、花房の下で切り取っておきます
種が付くと球根が育たないからです
5月中旬ごろまでは球根が大きく育つ時期なので、肥料を与えます
25℃を超える日が2~3日ほど続くと休眠しはじめるので、水やりを止めます
土がカラカラに乾いたら球根を掘り出し、風通しの良い場所で保管しておきます
【チューリップ】
地温が10℃以上ある秋、水はけの良い土に球根を植えます
球根の高さ2~3倍ほど深めに植えると、しっかり育ちます
直径18cmの鉢なら球根5~6個です
日当たりが良く、風通しの良い場所が理想的です
冬の間に土が乾くと生育が悪くなるので、水切れしないよう管理します
肥料は必要ありませんが、与えると大きく色鮮やかな花が咲きます
花が咲くまでは充分な日に当て、開花後は半日蔭に置くと花もちが良くなります
分球した小さな球根は花が咲きませんが、土に植えて肥料を与えて大きく育てると花が咲くようになります
【ヒヤシンス】
寒さに強く、水栽培もできます
寒さに当てることで花芽がつくので、秋に植えて冬越しさせることがポイントです
根が長く伸びるので、土に植える場合は柔らかな土であることが大切です
球根の頭が出るくらい浅く植えます
直径15cmの鉢に球根1個が目安です
複数の球根を植える場合は、球根の1.5~2倍くらい間隔を開けます
水はけの良い土であることが大事ですが、乾燥すると枯れてしまいます
特に生育期間の10~5月は水切れしないよう注意が必要です
日当たりが悪いと花付きが悪くなるので、室内なら日当たりの良い窓辺などに置きます
発芽してから花が終わるまで、しっかり日に当てる必要があります
芽が出てから開花するまでは10日に1度くらい液体肥料を与えると花付きが良くなります
窒素分が多すぎると葉ばかり成長するので、リン酸分が多めの肥料が最適です
咲き終わった花は切り取り、種が付かないようにします
花が終わってからも液体肥料を与えておくと球根が養分を取り戻します
暑さに弱く、夏は休眠しているので、球根は掘り上げて秋に植え直します
地上部が枯れ始めたら水やりを止め、土が乾いたら球根を掘り出して保存しておきます
梅雨前に掘り上げると病気を防ぐことができます
【ユリ】
秋に、球根1個分くらいの深さに植え、上の方の根が十分に張ることが大切です
球根の直径より3倍の大きさで、深い鉢が適しています
元肥を入れた土に植え、植え付け後から花が終わるまで、水切れしないよう注意が必要です
寒さには強いですが、直射日光が当たるような場所は苦手です
涼しく、風通しの良い場所が適しています
雨に当たると病気にかかりやすいので、土の表面にマルチを敷いておくと予防になります
咲き終わった花は切り取り、葉は残しておきます
地上部が枯れたら水やりを止め、土が乾いたら球根を掘り上げて保存します
【アマリリス】
熱帯の植物なので、寒さには弱く、温かく日当たりの良い場所を好みます
桜の葉が出るころになってから、球根より5cmくらい大きな鉢に植えます
通気性があり、重みのある、素焼きの鉢が最適です
深植えを嫌うので、球根の1/2~1/3が埋まるくらいの深さにします
倒れないよう支柱を立てておくと安心です
有機質の土に植えると生育が良くなるので、腐葉土を2~3割くらい入れておきます
植え付け直後に肥料を与えると根腐れしやすいので、元肥は入れません
葉がで始めたら元肥を置き、1カ月に2回くらい液体肥料を与えます
植え付けする前日から土を水に浸けて十分に湿らせておき、植え付け10日後くらいまでは水やりしません
植えてすぐに水やりすると根腐れしやすいからです
植え付け後は、温かく、日の当たらない場所に10日ほど置いてから日向に移動させます
2~3週間ほどして葉と花穂が伸び始めたら、球根に水がかからないよう気を付けながら水やりします
球根が養分を使って小さくなったら、周囲の土を寄せて隙間を埋めておきます
花が終わったら葉を残し、日当たりの良い場所に置いておきます
雨に当たると病気にかかりやすいので、軒下などに移動させるのが予防策です
秋になって増えた葉が8枚あれば、翌年も花が咲くくらいに球根が大きくなっています
気温が下がって葉が黄色くなりはじめたら水やりを控えて休眠させます
休眠中も土がカラカラにならないよう、湿り気を与えておくことが大切です
鉢植えの基本的な手入れ法は、こちらの記事もご覧ください
鉢植えに必要な手入れは「水やり」「肥料」「植え替え」の3つ。ところが初心者は、やりすぎたり、足りなすぎたりして、枯らしてしまいがち。やりすぎるよりは、ちょっと足りないくらいのほうが失敗が少なくて済みます。足りないものは加えられるけれど、やりすぎを取り除くのは難しいからです。手入れのタイミングや目安が分かれば、そんな失敗を避けられます。
ハーブの鉢植え栽培のコツは、こちらで解説しています
ハーブは丈夫なので、基本的な育て方さえ守れば栽培は簡単です。ただし鉢植えを室内で育てる場合「日当たり」が足りないことがあります。乾燥気味、肥料は少なめ、と言われるハーブでも鉢植えには「水やり」「肥料」が欠かせません。初心者だと加減が分からないために失敗しがちです。
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