鉢植え初心者でも育てやすいのは、あまり大きくならない草花
なぜなら大きくなる草花だと剪定などの作業が必要になるからです
例えば一年草なら、こぼれ種で勝手に芽を出すような丈夫な草花が楽
そして丈夫な一年草は、開花期が長いことも魅力です
さらに種まきしてからの成長も早いので、すぐに楽しめます
鉢植え初心者におすすめ丈夫な一年草
大きくならない「パンジー」「キンセンカ」「デイジー」は鉢植え初心者でも育てやすい花です
冬の室内でも咲いてくれますし、咲き終えた花を摘み取ると次々に咲きます
種からでも簡単に育てられます
【パンジー】
Viola 食用パンジーはViola tricolor
・発芽の適温:20℃前後
・種まき時期:寒冷地は6~7月、暖地は8~9月
・植え付け:寒冷地は8~10月、暖地は10~11月 15~20cm間隔
酸性の土の場合は苦土石灰でペーハー調整が必要
日当たり、風通しの良い場所が適しています
発芽したら、徒長しないようよく日に当てることが大事です
そして本葉2~3枚になったら、直径6cmのポット鉢に1株ずつ植えて育て
鉢底から根が出るようになったら、子葉が土に埋まらないようにして定植です
咲き終わった花を摘み取ると次々と咲きます
さらにリン酸の多い肥料を与え、土が固まらないようほぐしてやると花付きが良くなります
【キンセンカ(カレンデュラ】
Calendula officinalis キク科キンセンカ属の一年草または越年草
草丈15~60cmで、4~7月にオレンジや黄色の花が咲きます
・発芽温度:15~20℃
・種まき時期:寒冷地は3~4月または7~8月、暖地は8~10月
・植え付け:寒冷地は4~6月または8~9月、暖地は10~12月
寒さには強い花です
とはいえ夏に種まきする場合は、遮光して涼しくする必要があります
酸性土の場合は植え付け2週間前に苦土石灰を加えてペーハー調整しておきます
子葉が出たら日に当てて、徒長しないように管理することが大切です
そして本葉が出てきたら間引いて1本にし、肥料を与えて育てます
本葉が4~6枚くらいになったら定植できます
【デイジー(ヒナギク)】
Bellis perennis キク科ヒナギク属の多年草
草丈15~40cmで、12~5月に白、ピンク、赤などの花が咲きます
・発芽温度:20℃
・種まき時期:寒冷地は3~4月または7~8月、暖地は8~10月
・植え付け:寒冷地は4~6月または8~9月、暖地は10~12月
酸性土の場合は苦土石灰での酸度調整が必要です
種が小さく、発芽に光を必要とするので、土をかぶせません
受け皿に水を溜めて底穴から水を吸わせ、吸水した後は受け皿の水を捨てます
3~4日で発芽するので、芽が出たら日向に置きます
本葉が2~3枚になったら移植し、2週間に1度くらい液体肥料を与えて生育を促します
そして本葉が10枚くらい出たら、根を少しほぐしてから定植し、日当たりの良い場所に置きます
乾燥に弱いので、水は多めに与えることが大切です
【マリーゴールド】
カレンデュラ、ポットマリーゴールド(Calendula officinalis)は葉と花を食用にできる品種です
キク科コウオウソウ属の一年草
草丈30~120cmの一年草で、5~11月に黄色やオレンジ色の花が咲きます
・発芽適温:20~25℃
・種まき適期:寒冷地は4~5月、暖地は3~4月または7月~8月
・植え付け:寒冷地は6~7月、暖地は4~6月または8~9月
湿らせた土に種をばら蒔きし、5mm厚さくらいの土で覆います
5~6日で発芽するので、日当たりの良い場所に置きます
そして本葉が2~4枚くらいになったらポットに植え替えして育てます
小苗のうちは月1度くらい液体肥料を与えて窒素分を補い、葉を茂らせるのがポイントです
なぜなら小さいうちに花が咲くと成長が止まってしまうからです
開花期が長いので、定植する時は土に元肥を入れておき、花が咲き始めたら月1度ほど追肥を与えます
【朝顔】
発芽温度は20~25度
肥沃な土、暑さ、強い日差しを好みます
直播でも、ポットで育ててから定植しても大丈夫です
まず種の表面に軽く傷をつけておくと発芽しやすくなります
そして発芽したら十分に日が当たるようにします
本葉が出たら、生育の良いほうを残して間引きます
土の表面が乾いたら、たっぷり水やりします
さらに週1度くらい液体肥料を与えるとよく生育します
鉢植え初心者におすすめの多年草
多年草でも、鉢植えの場合は植えっぱなしというわけにいきません
なぜなら数年ごとに植え替えしないと、鉢の中で根がいっぱいになってしまうからです
土を替え、肥料を足して植え替えし、枝葉の剪定をすることで形を維持します
【スミレ】
暑さ、寒さ、乾燥に強い植物です
とはいえ25℃以上になると発芽しにくくなります
・発芽温度:15~20℃
・種まき時期:1~2月または5~8月
・植え付け:2~3月または9月
植え付け時に元肥を与え、開花期は月2~3回ほど液体肥料を与えます
雨に当たると病気にかかりやすくなるので、棚の上などに置くと予防できます
花が咲き終わり、果実ができたら、袋をかぶせて種を採取できます
放置すると種が飛び出します
果実に低温に当てると発芽しやすくなるので、湿らせた砂に混ぜて冷蔵庫で保管しておきます
毎年、秋に植え替えが必要で、植え替えの時に株分けして増やすことができます
【ゼラニウム】
雨に当たると傷みやすいので、梅雨時などは軒下に移動させることが大切です
加湿を嫌うので、水やりは土が乾いてから、冬は特に乾かし気味に管理します
開花期に肥料が多すぎると弱るので、植え替えの時に元肥を施す程度で十分です
弱アルカリ性の土を好むので、苦土石灰で酸度調整します
咲き終わった花と枯れた葉は、すぐに切り取っておくと次々と新しい芽が出てきます
真夏と冬を除けば、いつでも植え付け、植え替えができます
植える時には根鉢をほぐしてから土に入れます
根腐れしている場合は、根を切って小さい鉢に植え替えると元気を取り戻します
そして春と秋に枝を切って剪定し、切った枝は挿し木して増やすことが可能です
【クリムソンクローバー(ストロベリーキャンドル)】
発芽温度は20℃
寒さには強いですが、高温多湿が苦手です
そのため秋に種まきして越冬させると春に開花します
マメ科で根から窒素を出すので肥料は必要ありません
日当たりが悪いと生育しにくいので、屋外での栽培が適しています
カラカラに乾かない程度に水やりをし、ジメジメさせないことが大切です
【ミニバラ】
寒さにも暑さにも強く、鉢植えで育てやすいのがミニバラです
ジメジメするとウドンコ病にかかりやすいので、風通しの良い場所におきます
とはいえ根が浅めなので、乾燥しすぎないようマルチを敷いておくと安心です
さらに定期的に固形肥料や液体肥料を与えると生育が良くなります
真夏でなければ、いつでも植え付け、植え替えが可能です
咲き終わった花は切り取り、枝を1/3くらい切っておくと新芽が出て次々と咲きます
【マーガレット】
水はけの良いアルカリ性の土を好みます
そのため酸性土壌の場合は苦土石灰で酸度調整が必要です
寒さにも暑さにも弱いので、冬は日当たりの良い室内に置き、夏は直射日光の当たらない日向に置きます
とはいえ高温多湿を嫌うので、梅雨時は風通しの良い軒下などに移動しておきます
そして夏は乾かし気味に管理し、開花中の花に水がかからないよう注意が必要です
春と秋に固形の肥料を土の上に置き、冬から春には液体肥料を与えます
夏は成長が止まるので、肥料は与えません
根詰まりしやすいので、毎年の植え替えは欠かせません
そのため春か秋に、根をほぐして新しい土に植えます
剪定は春か秋に行いますが、葉を残さないと枯れてしまうことがあります
切り取った5~7cm長さの枝を挿し木して増やすことができます
鉢植え初心者におすすめの球根
球根は、花が終わったら土から掘り上げて乾燥させ、翌年に植え付けし直します
【ヒヤシンス】
寒さに強く、水栽培もできるヒヤシンスは、鉢植え初心者にも育てやすい花
寒さに当てることで花芽がつくので、秋に植えて冬越しさせることがポイントです
そして根が長く伸びるので、土に植える場合は柔らかな土であることが大切です
球根の頭が出るくらい浅く植えます
例えば直径15cmの鉢に球根1個が目安です
複数の球根を植える場合は、球根の1.5~2倍くらい間隔を開けます
水はけの良い土であることが大事ですが、乾燥すると枯れてしまいます
特に生育期間の10~5月は水切れしないよう注意が必要です
日当たりが悪いと花付きが悪くなるので、室内なら日当たりの良い窓辺などに置きます
そして発芽してから花が終わるまで、しっかり日に当てる必要があります
芽が出てから開花するまでは10日に1度くらい液体肥料を与えると花付きが良くなります
窒素分が多すぎると葉ばかり成長するので、リン酸分が多めの肥料が最適です
咲き終わった花は切り取り、種が付かないようにします
花が終わってからも液体肥料を与えておくと球根が養分を取り戻します
暑さに弱く、夏は休眠しているので、球根は掘り上げて秋に植え直します
地上部が枯れ始めたら水やりを止め、土が乾いたら球根を掘り出して保存しておきます
梅雨前に掘り上げると病気を防ぐことができます
【フリージア】
南アフリカ原産で寒さに弱いので、冬は日当たりの良い室内で管理します
冬でも成長しているので、よく日に当てることが大事です
気温23~25℃くらいで発芽しますが、30℃を保つと発芽しません
秋に球根を植えますが、根が寒さに当たらないよう、球根の高さと同じくらいの深さに植えます
直径12~18cmの鉢なら球根4~6個です
植え付けの時に元肥を入れず、肥料は葉が2~3枚ほど出てから与えます
球根の下に元肥を入れると病気にかかりやすくなるからです
窒素肥料が多すぎると病害虫がつきやすくなるので、月に2~3回ほど液体肥料を与える程度で十分です
葉が5~6枚になり、蕾が付いたら、支柱を立てておくと倒れる心配がありません
花が全て咲き終わったら、花房の下で切り取っておきます
種が付くと球根が育たないからです
5月中旬ごろまでは球根が大きく育つ時期なので、肥料を与えます
25℃を超える日が2~3日ほど続くと休眠しはじめるので、水やりを止めます
土がカラカラに乾いたら球根を掘り出し、風通しの良い場所で保管しておきます
【チューリップ】
寒さにも暑さにも強い花です
・植え付け:9~10月 2~5cm間隔、2~3cm深さ
地温が10℃以上ある秋、水はけの良い土に球根を植えます
直径18cmの鉢なら球根5~6個です
球根の高さ2~3倍ほど深めに植えると、しっかり育ちます
日当たりが良く、風通しの良い場所が理想的です
冬の間に土が乾くと生育が悪くなるので、水切れしないよう管理します
肥料は必要ありませんが、与えると大きく色鮮やかな花が咲きます
花が咲くまでは充分な日に当て、開花後は半日蔭に置くと花もちが良くなります
分球した小さな球根は花が咲きませんが、土に植えて肥料を与え、大きく育てると花が咲くようになります
【アマリリス】
熱帯の植物なので、寒さには弱く、温かく日当たりの良い場所を好みます
植え付け
通気性があり、重みのある、素焼きの鉢が最適です
有機質の土に植えると生育が良くなるので、腐葉土を2~3割くらい入れておきます
植え付け直後に肥料を与えると根腐れしやすいので、元肥は入れません
11~1月または桜の葉が出るころになってから、球根より5cmくらい大きな鉢に植えます
植え付けする前日から土を水に浸けて十分に湿らせておき、植え付け10日後くらいまでは水やりしません
植えてすぐに水やりすると根腐れしやすいからです
深植えを嫌うので、球根の1/2~1/3が埋まるくらいの深さにします
倒れないよう支柱を立てておくと安心です
植え付け後の管理
植え付け後は、温かく、日の当たらない場所に10日ほど置いてから日向に移動させます
葉が出始めたら元肥を置き、1カ月に2回くらい液体肥料を与えます
2~3週間ほどして葉と花穂が伸び始めたら、球根に水がかからないよう気を付けながら水やりします
球根が養分を使って小さくなったら、周囲の土を寄せて隙間を埋めておきます
花が終わったら葉を残し、日当たりの良い場所に置いておきます
雨に当たると病気にかかりやすいので、軒下などに移動させるのが予防策です
秋になって増えた葉が8枚あれば、翌年も花が咲くくらいに球根が大きくなっています
気温が下がって葉が黄色くなりはじめたら水やりを控えて休眠させます
休眠中も土がカラカラにならないよう、湿り気を与えておくことが大切です
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