花が綺麗な雑草は、抜かずに庭に活かすと手間がかかりません。
自然と生えてくる草なら、その場所の土質や気候に適応しています。
バラなど園芸品種の花と組み合わせても綺麗です。
雑草の小さな花が、周囲の花を引き立ててくれます。
花の少ない季節に咲いている雑草もあります。
雑草の開花時期と花色

花が咲いていない時期だと雑草としか思えない草に、意外と綺麗な花が咲きます。
例えば「カンゾウ」はユリのような花が咲き、市販もされているほど。
引き抜いてしまうには惜しいほど綺麗です。
雑草の開花時期と葉の形を知っておくと、抜いてしまわずに済みます。
●一年草

●多年草

バラなどと組み合わせれば、雑草もそのまま庭に活かせます。
早春に咲いている雑草

早春に咲く「オオイヌノフグリ」「スミレ」「タネツケバナ」「コオニタビラコ」。
まだ肌寒い日が残る、花の少ない時期に開花する貴重な草です。
可愛い花で庭を彩ってくれます。
夏になると葉だけになるので、うっかり刈り取ってしまいがちです。
【オオイヌノフグリ】

2~5月ころに咲いている草で、青い花が綺麗です
草丈は10~20cm
オオバコ科クワガタソウ属
越年草で、秋に発芽して冬に育ちます。
雪が積もらない地域なら、冬に緑の葉を伸ばしています。
春の終わりには枯れて、夏は種子で過ごします。
道端や畑の畦道など、湿った土地に生える草です。
葉は1~2cmの卵型で、ふちがギザギザしています。
【スミレ】

3~5月に紫色の花が咲き、草丈は5~12cmほど
スミレ科スミレ属
平地から山間部まで生え、寒さにも暑さにも強い草です。
根元から、先端が丸みのある細長い葉がたくさん出ます。
パンジーやビオラなど、園芸品種も多く市販されています。

野生のスミレは食べられますが、ニオイスミレなどは有毒です。
【タネツケバナ】

3~5月に白い小さな花が開花し、草丈は10~30cm
アブラナ科の越年草または一年草
水田に群生しているような草で、水に浸かって生えていることもあります。
茎の両側に小さな葉が左右対称について、クレソンに似ています。
アイヌ料理では、鮭料理の香辛料として使われます。
【コオニタビラコ】

3~5月に黄色い花が咲き、草丈は10cmくらい
キク科の越年草
花が終わると丸い実が膨らみます
湿地を好む草で、田んぼの畦道などに生えています。

細長い茎の両側に
丸みのある葉
春の七草のひとつです
「仏の座」と呼ばれます。
紫色の花が咲く「ホトケノザ」のほうは有毒で食べられません。
【ナズナ】

2~6月に開花し、草丈は10~50cmくらい
アブラナ科ナズナ属
ぺんぺん草とも呼ばれます
株元の葉は大きく切れ込みがあり、大根の葉に似ています。
春の七草のひとつで、1月7日に七草粥として食べます。
若葉には鉄分などのミネラルが豊富に含まれます。
春の七草で七草粥を作って食べると健康でいられると言われます。
初夏に咲く雑草

春バラが咲き終わった頃に咲いてくれる雑草があると、庭が寂しくなりません。
周囲の草を刈り取ると、雑草も綺麗です。
背の高い草なら、切り花にして飾ることもできます。
【カラスノエンドウ】

3~6月スイートピーに似た花が咲き、草丈は10~150cm
マメ科ソラマメ属の越年草
ヤハズエンドウとも呼ばれます。
花が終わると黒いサヤができ、中の豆は食べられます。
つる性ですが、直立して伸び、こじんまりしています。
楕円形の葉が左右対称について、先端から巻きヒゲが出ています。
【ハルジオン】

3~7月に白い花が咲き、草丈は30~80cm
キク科ヨモギ属
道端や空き地でも、よく見かける花です。
ヒメジョオンより花びらが細く、秋になると花が咲かなくなります。
【クリムソンクローバー】

マメ科の多年草で、草丈は20~60cm
4~6月に花が咲きます。
赤い花が目を引く草です。
ヨーロッパから西アジア原産。
暑さに弱いため日本では夏に枯れてしまいます。
日当たりと風通しの良い場所で、水はけの良い土に植えるとよく育ちます。
根づけば乾燥に強い草です。
肥料は必要なく、咲いた花を切って減らすと、長く花が咲き続けます。
【ユキノシタ】

ユキノシタ科の多年草で、草丈は20~50cm
5~7月に白い花が咲きます
ロックガーデンに似合う花です。
もともと岩場や石垣に自生する山野草。
低く湿った谷川沿いとか半日陰に生えています。

日当たりの悪い場所でも育ち、常緑なので冬も緑の葉が残っています。
真夏も咲いている雑草

バラは春と秋に咲き、真夏になると花が少なくなります。
そんな時期をカバーしてくれる雑草があると楽です。
真夏の炎天下に水やりなどしなくても、雑草は元気に育ちます。
【アカツメクサ】

マメ科の多年草で、草丈は20~80cm。
4~8月にピンクの花が咲きます。
葉が丸いシロツメクサとは違います。
アカツメクサの葉は細い形の三つ葉。
草丈もシロツメクサより高くなります。
「ムラサキツメクサ」「赤クローバー」とも呼ばれます。
【トキワツユクサ】

ツユクサ科の多年草で、草丈は50cmくらい。
5~8月の初夏に三角形の白い花を咲かせます。
湿り気のある場所を好み、日陰や水辺に生えます。
南米原産で観賞用として持ち込まれてから野性化しています。
【ヒメジョオン】

5~10月に白い花が咲き、草丈は30~50cm。
キク科ヨモギ属。
ハルジオンとよく似ていますが、開花期が異なります。
秋まで咲いているのがヒメジョオンです。
茎に空洞がなく、葉が外向きに開いて上のほうにあるので根元がスッキリしています。
【シャジクソウ】

6~8月に紫色の花が咲き、草丈は15~50cm
マメ科シャジクソウ属の多年草
クローバーの仲間ですが葉の形はまるで違います。
三つ葉なのは下の方の葉だけで、上のほうは5枚葉。
小さな葉が放射線状に出ています。
1本の茎が伸びて、その先に10~20個たくさんの花が咲きます。
車輪や笠のように見えるため「車軸草」「阿弥陀笠」「菩薩草」とも呼ばれます。
本州北部から北海道まで、海岸の岩場や山地の乾燥した場所に自生しています。
【ワスレグサ/カンゾウ】

7~8月にオレンジ色の花が咲き、草丈は80cmくらい
ユリ科の多年草。
日本は「ユリ大国」と呼ばれるほど、野生のユリが多い国です。
開花時期に探すと河原などに自生しているのが見つかる場合があります。
花は一日しか咲かないので、英語ではDaylilyと呼ばれています。
秋に咲いている雑草

秋バラと同じころに咲く雑草は、バラを引き立ててくれます。
花が少なくなる時期に、彩りを添えてくれる草たちです。
【ヨメナ】

7~10月に薄紫や白い花が咲き、草丈は50~100cm
キク科の多年草で、可憐な花を咲かせる野菊の一種
本州の中部から九州までに生えている草です。
やや湿った場所を好み、地下茎で増えるため群生することがあります。
駆除するのが難しい雑草ですが、優し気な風情のある花です。
【ハギ】

7~10月に赤紫の花が咲き、草丈は100~150cm
マメ科の落葉低木で、茎が木質化して硬くなります。
根元から多くの茎が伸びてきて、先端は垂れ下がり、風情があります。
たくさんの花が付くので、庭木の足元に植えておいても綺麗。
ハギは秋の七草のひとつ。
中秋の名月には「ハギの花」と「ススキ」を「月見団子」に添えて月を眺めるという風習がありました。
マメ科なので緑肥としても使えます。
【ゲンノショウコ】

7~10月に白い花が咲き、草丈30~50cm
フウロソウ科の多年草で、綺麗な花が目を引きます。
赤紫または白に薄紫の線が入った花びらが特徴的。

日本中の山や道端など、日当たりの良い場所に生えています。
【セイタカアワダチソウ】

10~11月に黄色い花が咲き、草丈は100~250cm。
キク科の多年草で、北米原産の帰化植物です。
切り花など観賞用として日本に入ってきました。
肥沃な土地だと350~450cmにも達することがあります。
地下茎で増えるので群生しやすく、要注意外来生物に指定されています。
サポニンを含むので石鹸として使え、薬草風呂として浴槽に入れると泡立ちます。
花粉症の原因となる「ブタクサ」に似ていますが花粉は飛びません。
セイタカアワダチソウは風媒花ではなく虫媒花だからです。
雑草も庭に活かすと、手間がかかりません。
背が高くならない草、地面を這うように伸びる草はグランドカバーとして使えます。

背の低い雑草は、抜かずに残すとグランドカバーとして活かせます。背が高くなる草だけ抜いていけばいいからです。地面を覆うように草が生えていれば、他の雑草は生えなくなっていきます。
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