カゴ編み材料として使える身近な植物の集め方

カゴ編み材料は、身近なところに沢山あります

どんな植物でも、細長い「ひも」にすれば編めるからです

例えば短い「草」や「藁」は束ねて継ぎ足しながら糸を巻き付けると長くできます

ですから旺盛に伸びて繁殖する庭の雑草だってカゴ編み材料です

かご編み素材として採取すると思えば草取りも楽しくなります

カゴ編みに使える植物と下準備の方法

葛のカゴ

十分な量を採集できたら編めますが、足りない場合は下処理だけして保存しておけばOK

保存中にカビが生えないよう、風通しの良い場所に置きます


材料の種類と採集する部分や時期によって、下準備の仕方や編む時の水に浸す時間が異なります

【蔓でカゴ編み】

そのままカゴ編みできるのが「蔓」植物で、特にカゴ編みしやすいのは、しなやかで細長い枝

つる植物なら「若い枝」のほうが柔らかいので編むのが楽です

茶色くなった古い枝は硬いので、水に浸すなど下準備をすれば編めるようになります

●スイカズラ

スイカズラ

まず1~2年目の蔓を晩秋から早春までに採集します

そして沸騰した湯で3~4時間茹でてから、素早くタオルでこすって樹皮を取り除いておきます

かご編みする時には「ぬるま湯に20分」浸します

●フジ、ブドウ、ツタ

アオツヅラフジ

しなやかで長い蔓を「秋」か「早春」に採集し、冷暗所に吊るして乾燥させます

そして緩んでいる皮は剥いておきます

かご編みに使う時に「ぬるま湯に一晩」浸します

●ブラックベリー/ラズベリー

ブラックベリー

1~2年目の緑の枝を採集するなら「晩秋」に

トゲがあるので、厚手の手袋をして枝をこすり、トゲを取り除いておきます

いつでも採集できるのは古く茶色くなった枝で、トゲを取り除いたら3~4時間くらい茹でておきます

かご編みに使う時は「ぬるま湯に20分」浸してから編み始めます

【木の枝でカゴ編み】

●柳

1年目に伸びた緑色の枝は春に採集して、すぐ使用するか、乾燥させて保存します

古くなった茶色の枝は晩秋か冬に採集し、4~6時間茹でるか、3~4日水に浸します

そして樹皮をはがしてから使用します

かご編みに使う時に「ぬるま湯に30分」浸します


●カエデ・ハナミズキなどの広葉樹

サトウカエデ

1年目の細い枝を「春」か「秋」に採集し、そのまま枝を裂いて使用します

さらに皮を剥くと仕上がりが綺麗です

かご編みする時には、ほとんど水に浸す必要はありません


【トウモロコシの皮でカゴ編み】

トウモロコシ2

ネイティブアメリカンは「トウモロコシの皮」でカゴを作っていました

とうもろこしが熟した時に、内側の淡い緑色の葉を採集して使います

まずは「冷暗所」に広げるか吊るして、ゆっくり1週間くらいかけて乾燥させます

あえて「天日干し」すると自然と色が抜けるので、白っぽいカゴにすることもできます

例えばトウモロコシの皮などは、日に干すと色が抜けて白くなります


カゴ編みする時には「ぬるま湯に1~5分」浸します

手編みカゴ

トウモロコシの皮に「麻ヒモ」や「柳の細枝」などを巻きつけながら繋げていきます


【葉でカゴ編み】

細長い紐状にするには、葉を少しずつ足しながら「三つ編み」していく方法もあります

この方法なら「クロッカス」などの短い葉でも繋げながら編んでいけます

柔らかな葉や藁は、そのまま編むと収縮してしまうので干して乾燥させておきます


●アイリス・クロッカス・水仙

成長した緑色の葉は「晩春」から「夏」に採集し、冷暗所で乾燥させます

あるいは天日で乾燥させて漂白することもできます

茶色く枯れた葉は「最初の霜の後」に採集し、すぐ使用するか、日陰に広げて乾燥させておきます


かご編みに使う時には「水に浸すか軽く霧吹き」します

●細長い草

雑草

青々した緑の草は「春」か「夏」に採集し、吊るすか広げて冷暗所に置いて乾燥させます

あるいは拡げて天日干しすると漂白されます

枯れた茶色い草は「晩夏」または「秋」に採集し、すぐ使用するか、涼しく乾燥した場所に保管

かご編みに使う時には「冷水に30分」浸します

●松の葉

針葉樹と家

いつでも採集できるのが緑色の長い葉で、葉がついた枝を逆さまに吊るして乾かします

あるいは地面に広げて乾燥させてもOK

茶色の長い葉は乾燥した日に採集し、きれいに洗っておきます

かご編みに使う時に「ぬるま湯に柔らかくなるまで」浸します


【茎でカゴ編み】

●蒲(キャットテイル)

まず「初秋」に葉と茎を採集します


育ち盛りの若い葉は、根元のぬめりをきれいに落としてから、葉を広げるか吊るして乾燥させます

完全に成長した茎は、先端部分を取り除いて根元を洗い、半分に割いて乾燥させます

そして、さらに半分に割いて1/4の太さにしておきます

かご編みする時には「ぬるま湯に5~10分」浸します

●わら

わら

枯れた茎を「晩夏」か「初秋」に採集し、地面に広げるか、逆さに吊るして乾かします

そして、かご編みする時に「ぬるま湯に10~20分」浸します

特に日本では、昔から稲わらを使った工芸品が多く作られてきました


カゴ編みの技法

かごいろいろ

カゴ編みの技法は無数にあります

素人でも簡単にできるのが「渦巻き状」「編み込み」「格子状」のカゴです

【渦巻き状のカゴ】

コイルバスケット蔓

渦巻き状のカゴは、細長い素材をクルクル丸めていく作り方です

特に簡単ですし、「わら」「松葉」「草」など短い草でも作れます

短い草は、束ねて「柳の細枝」などを巻きつけると細長くできるからです


藁や草のような弱くてもろい素材でも丈夫なカゴにできます

●素材の下準備

まず材料450~800gに対して、それらを包む「柳の枝」75~100本ほどを採集します


柳は、まっすぐで長く脇芽がない、今年になってから出てきた新芽を選びます

そして一晩水に浸けてから半分に割きます

ちょうど真ん中の部分で、枝の先端5cmほどに鋭いナイフで切り込みを入れて2本に分けます


わらは直径1~2cmの束にして膝に叩きつけ、指かクシですいて短い部分を取り除きます

10分ほど水に浸けて柔らかくしてから、湿らせたタオルに包んで巻いていきます

●素材の巻き始め

1.わらの束に柳の紐を斜めに巻きつけ、交差させて先端を固定する

2.わらの端を柳の紐ギリギリで斜めに切り落とす

3.わらの束に柳を 4回くらい巻きつけたら渦巻き状に丸め、5回ほど中心に柳を通して引っ張り固定する

4.わらの隙間に竹串などを差し込んで柳を通し、束を巻きながら渦巻き状に丸めていく

●カゴ作り

随時わらを継ぎ足しながら、カゴの底を作っていきます

柳を追加する場合は、新しい柳を隙間に通してから先端を渦巻きの間に隠します

底面の大きさが十分になったら、徐々に上向きにカーブさせてボウル型にしていきます

そして側面が希望通りの高さになったら、わらの端を斜めに切り落とし、柳を巻き付けて包み込みます

カゴの縁の部分は、これまで巻いた柳と交差するように重ねて巻き付け、補強しておきます

藁や葉を足しながら作っていくので、途中で色を変えて模様を描くこともできます

渋い色合いでもカラフルな色でも、エスニックなカゴによく見られるデザインです


【編み込みのカゴ】

バスケタリー

編み込みカゴは、十字にした芯に細長い素材を通していく作り方です

特に蔓の曲がり具合が面白い風合いとなります


大きなカゴにしても丈夫なので、ピクニック、畑の野菜入れ、洗濯物カゴなど、様々な用途に使えます



「ブラックベリー」「ブドウ」「アイビー」「アサガオ」「スイカズラ」

つる植物なら何でも使えます

特にスイカズラは丈夫な蔓が豊富に得られ、扱いやすく、くねくねした質感が魅力です

●カゴの編み始め

まずは直径1cmほどの太めの「蔓」を骨組みにします

そこに直径5~6mmほどの細い蔓を巻き付けながら編み込んでいきます

カゴに編みやすいのは、まっすぐで太さが均一な蔓です


最初に必要な材料を準備します

  • 長さ150〜180cmの骨組み用の蔓6本
  • 長さ120cmの編み込み用の蔓15~20本

編み込みには最低でも6mほどの蔓が必要です

途中で折れてしまうものもあるので余分に用意しておくと安心です

持ち手の部分には、長さ90cmほどの「太い蔓」を探しておきます

1.長さ180cmの蔓6本を3本ずつ束ねて十字に重ねる

2.編み込み用の細い蔓は、片側が短くなるよう二つ折りしておく

3.十字にした骨組みの上3本に細い蔓の折った部分で挟む

4.細い蔓を交差させながら、十字の部分に3回ほど巻き付ける

5.十字にした6本の骨組み1本ずつに細い蔓を交差させながら巻いていく

●カゴ編み

巻き付けていく細い蔓は、絡めながら継ぎ足していきます

底の部分が十分な大きさになったら骨組みを折り曲げて側面を作っていきます

蔓が硬ければ、水で濡らすと曲げやすくなります

側面の高さが十分になったら、縁を編み込んで仕上げます

骨組みの蔓を折り曲げ、隣の蔓を交互にくぐらせながら編み込んでいきます

●持ち手を縁に取り付ける

持ち手の蔓には、細い蔓1本ずつ数本を巻き付けて補強します

長さ60cmくらいの束にした細い蔓をカゴの縁に差し込み、縁の間に通して固定します

【格子状のカゴ】

格子状のカゴは、同じ太さの細長い素材を縦横交互に通していく作り方です


木や竹を薄く剥いで材料にします

紙バンドなどでも編めるカゴです

●カゴ編み材料

25×30cmの四角いカゴを作る場合、2.5cm幅の材料を3種類、まず準備します

  • 長さ60cmのもの9本
  • 長さ50cmのもの11本
  • 長さ180cmのもの7本

その他に必要なものは2点

  • 縁を補強するための蔓
  • 持ち手にする直径0.6~1.2cmくらいの枝

●カゴ編み

持ち手にする枝は一晩水に浸けておき、U字型に曲げておきます

長さ50cmと60cmの薄板を交互に重ねながら格子状に編んでいきます

底の部分ができたら薄板を曲げて立ち上げ、周囲を180cm長さの薄板で編んでいきます

側面ができたら、上部に出ている薄板の幅を半分にカットしてから縁に挟み込みます

180cm長さの薄板2本で縁を補強し、細い蔓を巻き付けて固定します

蔓の先端は、カゴ内側で編み目に通しておきます

U字型にした持ち手をカゴに差し込み、細い蔓を巻いて固定します

かご編みに使えると思うと、生い茂る雑草ですら「素材」になります

取っても取ってもはびこるツタなどは豊富なカゴ編み素材

練習用として使うには最適です


かご編み以外でも、雑草は様々に活用できます

庭の雑草の活かし方 土質を改良する草 暮らしに使える草

【雑草】庭づくりや日常生活に役立てる活用法

庭に生えてくる雑草の中には、捨ててしまうのが惜しいものがあります。なぜなら野菜やハーブのように活用できる草があるからです。市販されているハーブも、原産地では雑草と同じく自然に生えています。そして、その土地の気候や土質に適応している雑草は、育てるにも手間いらず。



当ブログの記事を整理してアマゾンKindleの電子書籍と紙の本で出版しています

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