背の低い雑草は、抜かずに残すとグランドカバーとして活かせます。
背が高くなる草だけ抜いていけばいいので簡単。
地面を草が覆っていれば、他の雑草は生えなくなっていきます。
雑草は、その場所に適応しているので手間いらず。
勝手に増えて拡がり、地表の乾燥を防いでくれます。
背が高くならない雑草

草丈が10cmほどの草なら、刈り取らなくても邪魔になりません。
例えば日本どこでも生えている「クローバー」や「カタバミ」。
葉が柔らかいので、子供やペットが遊ぶ場所でも安心です。
【三つ葉のクローバー】
「クローバー」とは、三つ葉の総称。
欧米では「シャムロック」と呼ばれます。
シロツメクサ、レンゲ、カタバミなどが含まれます。
植物としては別の種類に分類されるものもあります。
- 「シロツメクサ」や「レンゲ」はマメ科の植物
- 「カタバミ」はカタバミ科の植物
マメ科は養分となる窒素を地中に残しますが、カタバミ科は窒素を地中に残しません。
●シロツメクサ

日本全国どこでも生えているシロツメクサ。
草丈は5~10cm。
5~9月ころに丸い花が咲きます。
ヨーロッパ原産。
マメ科シャジクソウ属。
ピンクの花が咲くアカツメクサは草丈20~60cmと背が高めです。
●カタバミ

葉がハート形のカタバミ。
草丈は10cmくらい。
5~10月に黄色い花が咲きます。
カタバミ科カタバミ属。
日当たりの良い場所を好み、乾燥気味で硬い土に生えます。
球根と地面を這う茎で広がり、種を3mも飛ばして増えます。
紫色の花が咲く「ムラサキカタバミ」は草丈30cmくらい。
南米原産ですが、江戸時代に観賞用として持ち込まれてから野生化しました。
【湿った場所を好む雑草】
日当たりが悪い場所は、ジメジメしがち。
湿った場所を好む背の低い雑草をグランドカバーにできます。
●スズメノカタビラ

イネ科の一年草または越年草。
草丈は5~20cmくらい。
季節を問わず小さな円錐形の花をつけます。
全体的に黄緑色で柔らかい草です。
地下茎はなく、数本が株立ちになります。
【乾燥に強い雑草】
乾燥に強い雑草なら、水やりしなくても青々と茂っています。
真夏の「水やり」も「草取り」も軽減できて一石二鳥。
地表面の乾燥を防ぐので、他の植物にとってもメリットがあります。
●コニシキソウ

草丈2~10cm。
6~9月に目立たない小さな花が咲きます。
乾燥に強く丈夫です。
茎が枝分かれしながら横へと伸びます。
上に立ち上がらない草です。
コンクリートの割れ目などからも生える草で、アリが種を運んでいます。
地面を這う雑草

地面を這うようにして広がる雑草もグランドカバーにピッタリ。
地表面を広範囲に覆ってくれます。
ただし花茎は伸びて立ち上がる場合があるので、花が咲く前に刈り取ると背が低いまま維持できます。
【日当たりの良い場所に生える草】
日当たりの良い場所は土が乾燥しがち。
グランドカバーで埃が舞い上がるのも防げます。
●スベリヒユ

日本全土に生えるスベリヒユ科の一年草。
草丈は5cmくらい。
6~9月に黄色い小さな花が咲きます。
赤紫色の茎が地面を這うように伸びます。
光沢のある多肉植物。
日当たりの良い場所を好みます。
寒さには弱く、気温が低いと発芽しません。
ヨーロッパでは「パースレイン」というハーブ。
炒めたりサラダに使われます。

アクが強いので、水に浸してから茹でて、お浸しなどに向いています。
●ジシバリ/イワニガナ

日当たりの良い場所に生える草。
草丈8~15cm。
4~6月に黄色い花が咲きます。
茎からも根を出し地面を這うように広がります。
地面を縛るようにして根が伸びるのが名前の由来。
岩の上でも育つのでロックガーデンにも使えます。
キク科ニガナ属の多年草で、日本全国の田畑、市街地に自生しています。
【湿った場所に生える草】
湿った場所を好む草は、木陰や池のふちなどに生えます。
花が咲くと背が高くなりがちなので、通路にすると邪魔です。
歩く場所やベンチなどを置く場所には、レンガなど敷くと過ごしやすくなります。
●ツユクサ

日本全土に生えるツユクサ科の一年草。
草丈は15~50cmくらい。
6~9月に青い花が咲きます。
茎は直立せず地面を這います。
花は朝だけ咲いて昼にはしぼみます。
花が咲いている時期は食用にも薬用にもなります。
●レンゲソウ

ゲンゲ、レンゲとも呼ばれます。
草丈は10~25cm。
4月に赤紫の花が咲きます。
マメ科ゲンゲ属。
中国原産。
湿った土に生える草です。
根元で枝分かれして地面を這うのでグランドカバーにピッタリ。
暖地なら茎が地面を這って60~150cmにも伸びます。
種をまけば簡単に育てられる丈夫な草です。
マメ科の中でも特に窒素を固定する力が強いため緑肥に使われます。
化学肥料が使われる前は稲刈りした後にレンゲの種をまいていました。
翌年の春に咲くレンゲは、水田の風物詩だったといいます。
●ヘビイチゴ

バラ科キジムシロ属の多年草。
草丈5~10cm。
4~6月に黄色い花が咲きます。
茎は地面を這って伸びます。
ランナーで増えて広がります。
秋に生る真っ赤な実は、ジャムなどに加工すれば食用も可能。
ドクイチゴとも呼ばれますが、毒はありません。
ヘビイチゴとも呼ばれますが、実には味がなく、ヘビも食べません。
湿り気のある土を好みます。

日当たりの良い場所から半日陰まで、湿った草地なら日本全国に生えている草です。
●カキドオシ

シソ科カキドオシ属の多年草。
草丈5~25cm。
4~5月に薄紫色の花が咲きます。
茎が伸びてくると蔓状になります。
地面を横へ這うようにして伸びる草です。
香りが良く、茎や葉から精油を採ることもあります。
日なたから半日陰まで生えます。
水はけの良い土を好みますが、乾燥に弱い草。
適度な湿り気のある土が適しています。

グランドカバーにできる適度な草が生えていない場合もあるでしょう。
その場合は、背が低く、早く増えて拡がる草を植えると草刈りの手間を軽減できます。

グランドカバープランツとは、背が低く地面を覆うように増える植物のこと。びっしり地面に生えていれば雑草は生えてこなくなります。何かしら植物が生えていることで、地表の乾燥を防ぐ働きもします。
自然と生えてくる雑草は、土質を判断するバロメーターともなります。

庭に生えている雑草は、土の性質を判断する指標にできます。なぜなら土質に合った雑草しか発芽して成長できないからからです。土に落ちた無数の種の中から、環境に合ったものだけが芽を出します。
可愛い花が咲く雑草なら、そのまま庭に残しても綺麗です。

花が綺麗な雑草は庭に活かすと手間がかかりません。自然と生えてくる草なら、その場所の土質や気候に適応しているからです。バラなど園芸品種の花と組み合わせたり、グランドカバーにしたりできます。
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