自然栽培は無農薬で、植物の病害虫を防ぐ方法です
なぜなら農薬は地力を弱め、害虫が耐性を持つと効かなくなってしまうからです
例えば、農薬をまくことで、地中の益虫も死滅してしまいます
微生物のバランスが崩れると、むしろ害虫や病気が増えることもあります
そのため土壌生物や害虫の天敵を、生かすことが大事です
自然栽培~無農薬での「害虫」対策

害虫対策で大切なのが「養分」量の調整です
なぜなら、肥料が多すぎても、少なすぎても、害虫が増えるからです
まずは「葉」の状態を見ます
- 葉が茂りすぎていたら肥料を控える
- 葉が黄色くなっていたら肥料を加える
とはいえ与えすぎた肥料を土から取り除くことは、できません
そんな時には「イネ科」の植物が養分を吸収してくれます
そのため雑草も、緑肥や堆肥として活用できる肥料です

自然栽培の肥料には「緑肥」と「堆肥」の2種類があります。緑肥とは、地中に窒素分を残すマメ科の植物などを植える方法。堆肥は、植物などを発酵させてから土に混ぜます。どちらも効き目は緩やかですが、植物を傷めず、安心して使える肥料です。植物の養分になると同時に、土を肥沃にして、地力を高めます。
とはいえ、堆肥は害虫のエサにもなります
そのため与えすぎると害虫を増やすことがあります
そして肥料が足りなくて弱った植物も、害虫にとってはエサです
【害虫を寄せ付けない方法】
安心して使えるのが、コンパニオンプランツや、食品を使った防虫スプレーです
例えば、強い香りのハーブは、多くの虫を寄せ付けません
野菜や草花との相性も考慮して植えると効果的です

害虫対策として使われるのが、コンパニオンプランツです。植物で虫除けができれば、農薬を使わずに済みます。例えば、香りが強いハーブなど、虫が嫌う植物で追い払う方法です。逆に虫が好む植物を「おとり」として植えて、他の植物を守る方法もあります。あるいは害虫の「天敵」が好む植物を植えておくと、寄ってきた天敵が害虫を食べてくれます。
食品から作った防虫スプレーも安心して使えます

病害虫から植物を守るためとはいえ、家庭菜園や庭では薬品を使いたくありません。そんな場合に使えるのが、食品を使ったスプレーや、薬剤を使わない対処法です。例えば、ニンニク、酢、薬草などで防虫スプレーを作ることができます。植物の手入れや庭の掃除も、病害虫の対策になります。
これらは害虫を追い払うだけで、殺すわけではありません
そのため虫が出る前の、予防として使える方法です
【害虫を駆除する方法】
発生してしまった害虫は、早めに取り除いて処分します
例えば、割り箸やガムテープなどで取り、ビニール袋に入れて捨てるか焼却します
アブラムシは「米ぬか」や「牛乳」を塗って窒息死させることができます
カイガラムシは「歯ブラシ」などで、こそげ落とすしかありません
ナメクジをビールで誘引して溺れさせるなら、充分な深さがないと効果がありません
夜行性なので夕方に、深い容器を地中に埋めておきます
あるいは「天敵」に駆除してもらう方法もあります

庭や家庭菜園を無農薬で栽培するなら、天敵を利用すると楽。小鳥などが、セッセと虫を食べてくれます。肉食の昆虫や爬虫類も、植物を食害せず虫を食べてくれます。
自然栽培~無農薬での「病気」対策

植物の病気を防ぐには「ジメジメさせない」ことが大切です
なぜなら多くの場合「カビ菌」が病気の原因だからです
そのため「剪定」や「草刈り」をして「風通し」を良くします
「剪定」と「水やり」の2点に注意するだけで、防げる病害虫は少なくありません
鉢植えのバラなども、無農薬で栽培することができます

バラの鉢植えで、病害虫を防ぐポイントは「湿度」に注意すること。なぜなら病害虫の発生は「乾燥」や「湿気」が原因のことが多いからです。例えば乾燥しすぎると、害虫が付きやすくなるので「水やり」が欠かせません。かといってジメジメすると、カビが原因の病気が発生しやすくなります。そのため「剪定」で風通し良くすることが、病気予防になります。
病原菌を抑える植物を植えたり、土壌改善で防げる病気もあります
【病原菌を抑える植物】

病気が出やすい場所には「ネギ類」を育ててから他の野菜を植え付けします
なぜなら、ネギ類の根に付く微生物が抗生物質を出し、病原菌を抑えるからです
特に「ナス科」や「ウリ科」に付く病原菌には効果があります
そのためネギとジャガイモを交互に育てると、お互いにとって良い土になっていきます

ジャガイモ栽培のコツは、ネギと交互に植えることです。なぜならネギとジャガイモは、互いに助け合える組み合わせだからです。例えばネギが土を消毒する役割を果たし、ジャガイモの連作障害や病害虫を防ぎます。また朽ちたジャガイモが肥料となって、ネギもよく育ちます。
【土壌改善での病気対策】

葉が黄色くなって元気がないのは「酸素不足」が原因
土の中に水分が溜まり、根に障害が起こっています
そのため「砂」を混ぜて土を柔らかくし、水はけを良くすると改善できます
苗がしおれて枯れてしまうのは「土の乾燥」が原因
土に「有機物」を加えて保水力を高めると改善できます
あるいは「地表面」に「枯草」や「藁」を敷いて、水分の蒸発を抑えるのも効果的です
●トマトの病気対策

枝が太くなって実が付きにくいのは「養分が多すぎる」のが原因
そのため「肥料を控える」ことで改善できます
肥料は一度に多く与えず、植物の状態を見ながら少しずつ与えるのがコツです
さらに「イネ科」の植物を植えると、余分な養分を吸収してくれます
トマトは特に窒素分が多すぎると、実が黒くなって腐る尻腐れ病が出やすくなります
そのため、「有機石灰」を加えてカルシウムを補給すると改善できます
畑が肥沃な場合には、植え付け前に有機石灰を土に混ぜるのも効果的です

トマト栽培の時にはバジルを一緒に植えるのが定番の組み合わせ。近くに植えることで、互いに味を良くして風味を高めます。さらに「ニラ」も一緒に植えると病害虫を抑えられます。そしてトマトの収穫後に栽培できるのが「ニンニク」です。抗菌成分があり、強い香りで病害虫を防ぎ、モグラ除けにもなります。
●根菜の根コブ病対策

根菜にコブがたくさん付くのは「水はけが悪い」のが原因
特にアブラナ科のカブに出やすい症状です
土に「砂」や「有機物」を混ぜて水はけを良くすると改善できます
とはいえ同じ場所に同じ野菜を植えると病気が再発します
そのため収穫した跡には、違う野菜を植えて土をリセットさせると防止できます
●連作障害

連作障害が出やすい野菜も、植え場所を変えながら栽培するのがコツです
例えば「ナス科」「ウリ科」「マメ科」「アブラナ科」の野菜
- ナス科:トマト、ナス、ジャガイモ、ピーマン
- ウリ科:キュウリ、スイカ、メロン、カボチャ、ズッキーニ
- マメ科:エンドウ、ソラマメ、インゲン、エダマメ
- アブラナ科:キャベツ、ダイコン、ハクサイ、ブロッコリー
豆類は「麦類」と「交互に」育てると効率的に栽培できます

マメ栽培では、毎年、違う種類の豆を植えるのがコツです。なぜなら同じマメ科でも、属が違えば連作障害を防げるからです。例えば大豆はダイズ属、小豆はササゲ属、えんどう豆はエンドウ属、そら豆はソラマメ属。そのため同じ場所には違う種類を植えると、上手く育ちます。
●病害虫が少ない秋冬
秋から冬にかけて栽培できる野菜もあります
病害虫が少ないため、無農薬での栽培がしやすい時期
寒さに当たって甘みが増し、美味しくなることも秋に植える野菜のメリットです

秋に植える野菜は、病害虫の被害が少ないことが最大のメリット。薬剤の使い方が分からない初心者、無農薬栽培をしたい人に最適です。種まきから収穫まで短期間で育つ野菜なら、冬が来る前に栽培できます。あるいは秋から冬、春まで長く収穫できる野菜もあります。
●自然栽培の参考書
自然菜園の具体例が豊富な竹内孝功さんの本を参考にしています
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