土壌改良効果が高い植物性堆肥の種類と作り方

土壌改良の目的で堆肥を使う場合は、植物性の堆肥が適しています

なぜなら植物性堆肥は、窒素などの養分や微生物のバランスがいいからです

それに比べ動物性堆肥は、養分が多いだけに病原菌や害虫も集まってきます


特に庭や畑を作り始める段階では、若い苗を植えることが多いものです

そうすると、まだ病害虫に対する抵抗力が弱いため枯れてしまうことがあります


改良する必要のある土では、植物も弱っていることが多いので、養分が多すぎると逆効果です


土壌改良の目的

土中に伸びた植物の根

土壌改良をするのは、植物が根を伸ばしやすい土にするためです

まずは、しっかり根を伸ばさないと、水分や養分を吸収できません

それには柔らかく湿り気があり、しかも通気性と水はけが良い土が理想です


そんな土は、団子の中に粒が散らばっている「団粒構造」といいます

団子と団子の間には隙間があり、粒の中には水分や養分を蓄えています


そうした団粒構造の土に変えていくのが、土の中にいる生物たちです

堆肥は、微生物に分解されて植物の養分となります

ミミズなども集まってきて、水や空気の通り道を作ります


堆肥は、そういった土壌生物たちのエサとなるものです


土壌改良する植物性堆肥の種類

コンポスターに入れるもの

植物性堆肥を作る時には、植物であれば何でも使えるというわけではありません

植物によっては、分解しにくかったり、発酵しにくかったりするものもあるからです


例えば、松など針葉樹の堅い葉や、椿など肉厚の葉は、なかなか分解されません

堅い樹皮を使ったバーク堆肥を作る場合も、松のようなヤニが多いものは使いません

松脂や椿油などの油分が発酵を妨げるからです


家庭で作る場合には「野菜クズ」「雑草」「落ち葉」などが使われます

これらは一般家庭でも手に入りやすく、分解しやすいためです


【生ごみ堆肥】

家庭で出る生ごみを堆肥にすれば、ゴミの量を減らすことができます

とはいえ何でも使えるわけではありません


例えば肉や魚などは、腐敗しやすく悪臭が出ます

調理済みの食材には塩分が含まれているため、植物の生育を妨げます

玉ねぎの皮などは、なかなか分解しません


堆肥作りに適しているのは、調理する前の野菜クズです

それも細かく切ったほうが、早く分解されます


【雑草堆肥】

庭の雑草も、堆肥作りに活かせる材料となります

しかも自然と生えてくる雑草は、その土地に必要な養分を蓄えているというメリットがあります

ただし「チガヤ」「ヨモギ」の地下茎などは分解しにくいので、堆肥作りには適しません


最も簡単なのは、刈り取った草を植物の「マルチ」として地面に敷いておくことです

こうすることで土の乾燥を防ぐ効果もあります


敷いておくだけでも自然と堆肥に変わっていきますが、時間がかかります

早く土壌改良するためには、堆肥枠の中で発酵させたほうが効率的です


【落ち葉堆肥】

落ち葉堆肥には「ケヤキ」「ブナ」「ナラ」など広葉樹の葉が適しています

それは水分と樹脂が少なく、発酵しやすいためです


マツやスギなどの針葉樹は樹脂が多く発酵しにくいので、腐葉土や堆肥には不向きです


たとえ広葉樹でも、葉が肉厚で艶のあるクスノキやイチョウなどは堆肥や腐葉土に向きません

水分が多いため発酵しにくいからです

落ち葉がボロボロになっていれば、堆肥として使えるようになります

そのままビニール袋などに入れて保存することもできます

さらに「2年」ほど寝かせると腐葉土になり、苗床などに使えるようになります


【バーク堆肥】

バーク堆肥とは、樹木の皮を使った堆肥です

固い樹皮は分解しにくいですが、「通気性」と「保水性」が良いことが特徴です

水分や養分を蓄えつつ、空気や水が通りやすい理想的な土に変えます


作り方は雑草堆肥や落ち葉堆肥と同じですが、堆肥になるまで時間がかかります

そのため細かく粉砕してから、雑草や落ち葉などと混ぜて堆肥化します


土壌改良する堆肥の作り方

木枠のコンポスター

堆肥を作る時には、発酵を促すために「土」や「米ぬか」などを加えます


発酵させるのは、腐敗臭や病原菌を抑えるためです

微生物が集まって有機物を分解する時に出るガスが腐敗臭になります

ですが分解が進み発酵が始まると、熱が出て、水や空気が減るためガスも少なくなります


【堆肥作りに使う材料】

堆肥材料と土や米ぬかの割合は「植物2:土や米ぬか1」くらいです

庭で堆肥を作る場合なら、雑草や落ち葉2:土1の割合にして、そこへ米ぬかを少し振りかけます


さらに「草木灰」も一緒に混ぜると、バランス良く養分を補えます

落ち葉だけでも、雑草だけでも、雑草と落ち葉を混ぜてもかまいません


【堆肥作りの容器】

キッチンなど室内で堆肥を作る場合は、臭いが出にくい密閉式の容器が適しています

室内コンポスター 密閉式で空気を遮断 臭いが出ない材料で

生ごみ堆肥を室内で作るコンポスターと注意点

生ごみ堆肥を室内で作る場合には、密閉できる容器を使います。空気を遮断することによって、腐敗臭を抑えるためです。腐敗せずに「発酵」すれば、嫌な臭いはあまり発生しません。そのためには空気を嫌う「嫌気性」の微生物を増やすことがポイントです。

庭で雑草堆肥を作る時に便利なのが「木枠」のコンポスターです

木枠コンポスター 手作りできる! 切り返しも簡単♪

堆肥作りが早く簡単にできる木枠コンポスター

堆肥作りを手早く、簡単にできるのが、木枠を使ったコンポスター。廃材でも作れ、材料の上下を入れ替える「切り返し」作業も楽にできます。邪魔にならない場所に集めておくだけで、土壌改良に使える堆肥になります。


【完成した堆肥の使い方】

出来上がった雑草堆肥を使う時には「1㎡の土に20~40リットル」が目安です

雑草堆肥は、土に混ぜ込んでも、地表に蒔いても構いません


堆肥を入れて土が肥沃になってくると、生えてくる雑草も自然と変化してきます

酸性土壌を好む雑草 土が変わると 生えてくる雑草も変わる

雑草は土の酸性度や肥沃度の指標にできる♪

庭に生えている雑草は、土の性質を判断する指標にできます。なぜなら自然界では「土質に合った」雑草しか生えられないからです。土の中には無数の種が落ちていて、環境に合ったものだけが芽を出します。雑草で土質を判断し、現状に合った植物を植えれば、あまり手がかかりません。


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