堆肥作りが早く簡単にできる木枠コンポスター

堆肥作りが手早く、簡単にできるのが、木枠を使ったコンポスターです

廃材でも作れ、材料の上下を入れ替える「切り返し」作業も楽にできます


田舎暮らしや庭づくりを始める時、まず必要なのが草刈りや庭木の剪定です

そんな刈り取った草や、木の枝を有効活用できます

木枠を邪魔にならない場所に置いて集めておくだけで、土壌改良に使える堆肥になります

堆肥作りの木枠コンポスター

木枠のコンポスター

まず用意するものは、3つの木枠です

堆肥作りをする時に枠を移動させるので、両手で持ちやすい大きさにしておきます

そのため大きくても縦横90cm、高さ30cmくらいが適度なサイズです


もし使えそうな木箱があれば、再利用もできます

その場合は、底を取り外し、重ねて使います

木箱

野生動物やカラスに荒らされやすい場合は、蓋を取り付けると安全です

蓋つき木枠コンポスター

1つの大きさが90×90×30cmの木枠を3個つくる場合


まず「幅30cm×長さ90cm」くらいの板を12枚、長さ「30cmの角材」12本を用意します

板に数か所の穴を開けておくと、通気性が良くなります


次に4枚の板を組み合わせ、4隅に角材をクギ打ちして枠にします

ポイントは角材の位置を少しずらして、板の上に出るようにしておくこと

なぜなら角材が少し飛び出ていることで、重ねた時ずれなくなるからです


角材の外側を斜めに削っておくと、重ねやすくなります


同様にして、同じ大きさの木枠3個ができたら完成です

この枠を「日当たり」と「風通し」の良い場所に設置すれば準備OK



木枠コンポスターでの堆肥作り方法

木製コンポスターに入った完熟堆肥

まず用意した3つの枠に、堆肥作りの材料を投入していきます

一段目が一杯になりそうになったら二段目を重ねます

そして三段目まで一杯になったら準備OKです


【最初に入れるもの】

堆肥枠の底5~7cmくらいまでに入れるのは「トウモロコシの茎」「小枝」「わら」「おがくず」

粗い材料を入れることで空気が入り、通気性を良くするためです

【二番目に入れるもの】

次の7~25cmくらいまでは細断した「刈り草」「枯れ葉」「野菜クズ」などの有機物を入れます

【三番目に入れるもの】

次の5~7cmには、窒素分の多い材料を入れます

例えば「野菜クズ」「クローバー」「油かす」「米ぬか」「鶏糞」などが窒素分が多い材料です

【一番上に入れるもの】

一番上は、「地表の土」や「出来上がった堆肥」を薄く敷きます

枠の上まで、この4層の繰り返しです

「粗い材料5:細かな有機物7:窒素分5」くらいの割合に気を付ければOK

一番上にかける表土は、堆肥作りの材料が隠れる程度で十分です

枠の上まで層状に材料を積み重ねたら、中央部分を凹ませて水が浸透しやすくしておきます


堆肥作りに使う材料

コンポスターに入れるもの

堆肥作りに使うのは「落ち葉」「刈り草」「野菜クズ」といった植物性のものだけです

調味料が加えられた食材を入れると発酵しにくく、動物性の肉や魚を入れると腐敗しやすくなります

短期間で堆肥作りをするには「細断」とたっぷりの「窒素」がカギです

フードプロセッサーや回転草刈り釜などで、材料を細かく刻むと分解が早く進みます

窒素分の多い「油かす」「米ぬか」「鶏糞」を加えることでも分解を早められます


堆肥と有機肥料の違い 堆肥は土壌改良剤で 土壌生物のエサ

【堆肥】コンポスターに投入する有機物の種類

堆肥は土中に棲む「微生物のエサ」となるもので、植物の肥料ではありません。植物は堆肥そのものを直接、取り込むことができないからです。有機物が微生物によって分解されることで、植物が吸収できる「養分」に変わります。


堆肥作りの切り替えし作業

シャベルですくった堆肥

まず材料を積み上げて層にし、水を与えることで微生物が活性化して発酵します

すると下の方は熱が上がらず、上の方は乾燥などによって発酵が妨げられます

そのため行うのが、上下を入れ替える「切り返し」作業です

木枠コンポスターの良い点は、この切り返し作業を容易にできる点です


【切り返しをするタイミング】

堆肥作りの基本は、細菌や菌類の生物学的作用によって、材料の内部を65℃まで上げることです

それによって雑草の種子や病原体が死滅します

そのため切り返しをする時に温度計で堆肥内部の温度を測ると上手くいきます


・2日目と3日目:台所用温度計を差し込んでみて、材料の温度と水分量をチェック 

 水分量が適切で、温度が「65℃」くらいになると発酵が始まります

 この時に、カサカサしているようなら上から水をかけて補います

 温度が上がらないようなら、窒素分の多い「油かす」「米ぬか」「鶏糞」を加えると効果的です

・4日目と7日目:切り返しをして温度と水分をチェック

 まず一番上の枠を外して隣に置き、中の材料を移します

 そして一段目が一杯になったら、二段目を重ね、残りの材料を移していきます

 この頃には材料のカサが減って、二段目で一杯になるかもしれません

 

 この時に余った枠には、次の堆肥作り材料を投入しておけます

・10日目:切り返し

 前回と同じように、上の枠を外して隣に置き、中の材料を移します

 一段目だけで一杯になるようなら、二段目の枠は次の堆肥作りに使えます

 

・14日目:堆肥の準備が整う

 順調に発酵が終わっていれば、14日目くらいには使える堆肥になっているはずです


【堆肥作りで大切な水分調整】

良好な堆肥作りには、水分の含有量が重要です

乾燥しすぎると、分解プロセスが遅くなり、止ってしまいます

湿りすぎると、カビや病原菌が増えるなど、望ましくない生化学反応が発生します

適切な水分量は「絞ったばかりのスポンジ」くらいの湿り気です

晴天が続く場合には、数日ごとに水を与えます

雨が多い場合は、ビニールシートなどで覆います

切り返しを行って上下を入れ替えることで分解が促進され、臭いが抑えられます

堆肥作りが完成した目安

木製コンポスターに入った完熟堆肥

堆肥は、完熟させてから土に入れることが大切です

未熟な堆肥を土に入れると、土の中でも発酵が進み、植物の根を傷めることがあります

発酵が進むと、温度が上がったり、ガスが出たりするからです

臭いや熱がなくなり、投入した材料が茶色く細かくなれば、堆肥は使用できます

堆肥が完成しているかどうかの目安は3点

  • 色」は、中まで黒く均一
  • 「臭い」は、かすかにカビのがあっても腐敗臭はない
  • 「硬さ」は、握ってみると、しっとりして固まり、ほろほろ崩れる


腐った匂いがしたり、カサカサしていたら、まだ完成していません

切り替えしと水分調整をしながら、さらに時間をかける必要があります

  • 乾燥してカサカサしているようなら「水」をかけて水分を補う
  • 水分が多くベタベタしているなら「土」「枯葉」「もみ殻」など「乾いた材料」を加える

水分量は、手で強く握った時に水が滴り落ちないくらいが適量です

堆肥が完熟しているかどうかを調べるには、水を入れた「空き瓶」などに堆肥を少し入れてみます

もし堆肥が「沈む」ようなら熟成しています

堆肥より多めの「水」を加えて「蓋」をし、「10日」くらい放置しても臭いがなければ完熟しています

木枠コンポスターは、そのままレイズベッドとして使うことも可能です

完熟堆肥の上に土を入れ、苗を植え付けるだけ

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堆肥作りは、身近にある材料や道具を使える有効活用の方法です

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