キッチン収納を「動線」に合わせて配置すると、調理はとっても楽になります。
動線に沿って作業を進められるので、体で覚えてしまうからです。
例えば「作業ごと」に物が配置してあれば、手際よく使え、片付けるのも楽です。
キッチンに置くより、別の場所に置いた方がよい調理器具や食器もあります。
キッチンに置かなくていいものを追い出す

まず見直す場所は2か所。
- 吊戸棚に入れてある普段は使わないもの
- 電源の近くにあるキッチン家電
普段は使わない物まで狭いキッチンに置くのはスペースの無駄。
電源の近くにある家電も、別の場所でいいかもしれません。
例えば食事の時に使う物なら、テーブル近くのほうが便利です。
- 炊飯器
- お茶やコーヒー用品
- ホットプレート
- タコ焼き機
- 卓上コンロ
- チーズフォンデュセット
テーブル下や近くに置ける「棚」や「ワゴン」へ移動できます。
【キッチン家電の収納場所】
キッチン家電は、案外キッチンになくてもいいもの。
調理中に使うのは、下ごしらえをする家電だけだからです。
- 食材を切ったり混ぜたりする「フードプロセッサ」
- 解凍や過熱をする「電子レンジ」
これらはキッチンにあるほうが便利です。
キッチン家電を調理場付近に置くと汚れやすくなります。
丸洗いできるものでもないので、キッチンには置かないほうが手入れも楽。
表面の汚れはアルコール製剤などで拭き取ると綺麗になります。

キッチンに置かなくていいのが「炊飯器」。
中の釜だけキッチンに運べば済むからです。
キッチンで使うのは米を入れて洗う時だけ。
食卓の近くに置いたほうが、ごはんをよそいやすい。
おかわりする時にもキッチンまで行かずに済みます。
キャスター付きワゴンに載せ、食卓の下に入れておくと邪魔になりません。
ワゴンには「御飯茶碗」「へら」「箸」なども一緒に収納しておけます。

「コーヒーメーカー」「電気ケトル」も同様。
キッチンで必要なのは水を入れる時だけです。
お茶やコーヒーを飲む場所のほうが注ぎやすい。
ペットボトルの水があれば、その場でOK
ウォーターサーバーの近くでも便利です。
リビングの食器棚やワゴンに置いて、お茶やコーヒー専用コーナーに。
【食器類の収納場所】
食事中に使う食器類もキッチンに置く必要がないものです。
- 取り皿、ごはん茶碗
- スプーンやフォーク、箸
後片付けの時にはトレイで食卓から運び、洗い終わった食器は元の場所へ。
キッチンに置くのは、料理を盛り付ける皿やボウルだけ。
食器棚をキッチンに置いている場合でも、食事の時しか使わない物は食卓へ移動。
すると空いたスペースに調理道具や調味料などが収納できます。
棚収納は「横に1列」が基本。
奥行き「20~30cm」の浅い棚が便利です。

並べるのは大きめの皿やボウル、重ねるのは「同じ種類」だけにします。
違う種類の食器を重ねると、下の食器が取り出しにくくなります。
棚板を増やして「1段に1種類」ずつ並べた方が出し入れが楽です。
食器を前後に置いた場合も、奥の食器は取りにくい。
小鉢や小皿なら重ねて「引き出し」に収納するほうが、見やすく取りやすいもの。
間にクシャっとさせた「ラップ」をはさむと食器同士がぶつかりません。
棚に収まらない大きな皿は「立てて収納」すると省スペース。
ファイルボックスなどに入れ、間に1枚ずつ「厚紙」を挟んでおけば傷つきません。
カップとソーサーは別々に、それぞれ重ねておくと取りやすくなります。

カップとソーサーをセットで収納するなら、カップの上にソーサーを乗せて重ねます。

皿とカップの「上下を逆」にすると、オープン棚でもカップにホコリが入りません。
使う時には1客ずつセットで取り出せるので便利です。
専用コーナーにすると淹れるのもスムーズ。
来客用ならリビングや客間に、お茶菓子なども一緒にして。
ティータイム専用コーナーが作れます。
【ストック食品や調味料の収納場所】
調味料は「小分け」して、「使う場所に」分散して収納。
あちこちに置いたほうが使いやすく、余分なストックを買い置きする必要もなくなります。
頻繁に使う「塩」「醤油」「酢」「油」なども小分け収納が便利です。
- 下ごしらえ用は「シンク」近くに
- 調理の仕上げ用は「ガス台」近くに
- 食事中に使う分は「食卓」に
1本を全て小さな容器に小分けして入れ替えれば本体の容器は捨てられます。
食卓で使う分はテーブルの上や近くの棚に。

醤油や酢なら冷蔵庫に入れておき、調理する時に食材と一緒に出して。
あちこちにあれば、買い置きを忘れていても別の場所から持ってくれば済みます。
ストック食品は同じ容器に入れて収納すると重ねたり並べたりできます。

保存容器は一袋が全部入る大きさのものを用意。
入りきらないと別に収納しなければなりません。
容量が少ないものも同じ容器に入れたほうが重ねられます。
- 「粉類」は口が広い容器に:小麦粉、パン粉、砂糖、塩
- 「液体」は口が細い瓶に:醤油、油、酢、酒、みりん
- 「乾物」は密閉容器に:パスタ、干し椎茸、ドライフルーツ

棚に並べると見やすく、残量も一目で分かります。
ファイルボックスに「立てる」収納も省スペースです。

- レトルト食品
- 海苔
冷蔵庫の中ならプラスチックケースに立てられます。

ジップロックなどで平たく冷凍しても立てて収納できます。
ストック食品は頻繁に出し入れしないので、手が届きにくい場所でも構いません。
- 「干しシイタケ」「昆布」「ゴマ」「海苔」など乾物や軽い調味料なら吊戸棚に
- 「液体の調味料」や「粉類」など重いものは下に
それぞれカゴや箱にまとめて入れておけば、補充する時だけ出せば済みます。
段取り良く調理できる「導線」を作る収納

調理中に使わないものは、キッチン以外の場所に移動すると余裕が生まれます。
段取りに沿って導線を作れば、スムーズに作業できます。
- 献立を考える
- 使う材料と道具を揃える
- 下準備を済ませる
- 仕上げて盛り付ける
調理に使うものは「水回り」「火回り」の2か所に分けて置きます。
- 水回りには「下ごしらえ」と「後片付け」の道具を置く
- 火回りには「仕上げ」と「盛り付け」の道具を置く
まとめて作業できる配置がポイントです。
同じ作業は一気に済ませると、あちこち移動せずに済みます。
一気に切って、一気に焼いて、一気に洗って仕舞う。
そんな習慣がつくと、キッチンはいつもスッキリします。
【水(シンク)回りに収納するもの】
シンクでの作業は、主に「調理の下準備」「洗い物」の2つ。
- 切る「包丁」「まな板」
- 洗う「ザル」
- 下味をつける「ボウル」「計量カップ」「調味料」
- 洗う「おけ」「布巾」「ごみ入れ」
シンク下に入れるのは「重たいもの」と「湿気を気にしなくていいもの」です。

シンク下は目に見えない場所だからといって何でも入れないことがポイントです。
湿気がこもりやすいので、食材の保存にも適しません。
シンク下を全てゴミ置き場にしてしまうと、分別して置けます。
- 食材を下ゆでする・片手鍋
- 食材を包む・ラップ、ポリ袋
- ゴミを入れる・ゴミ袋、水切りネット
シンク上に置くのは「頻繁に使う物」「乾燥させておきたいもの」です。
- 食材を洗う、切る・ボウル・ザル・まな板、包丁・スライサー、皮むき器
- 下味をつける・調味料
- 食材を混ぜる・ボウル、バット・泡だて器、ゴムベラ・ブレンダー、フードプロセッサ
- 料理や食材を入れる・タッパー類・保存容器
- 食器を洗う・スポンジ、ブラシ、タワシ・洗剤・洗い桶・布巾・食器洗浄機
- 食卓や作業台を拭く・台拭き
まな板はフックに掛けておくと水が切れて清潔。

シンク奥の壁なら濡れたままでも掛けられます。
まな板を立てかけるなら下の部分に湿り気が残らないよう通気性通気性を良く。

スチールワイヤーのスタンドなら清潔です。
まな板と包丁は近くに置くのがベスト。
マグネットで壁に包丁をくっつけても便利です。
邪魔にならず、すぐ手に取れます。

包丁まな板を一緒にしておけるスタンドも便利です。

水回りでは洗い物もするので水しぶきが飛びやすい場所。
あまり物を置かないほうが、サッと拭けます。
広々した作業スペースを確保しておくと調理がしやすくなります。
たくさんあるハーブ類は奥行きが浅いスパイスラックに並べて収納。
一目で見渡せ、選びやすくなります。

前後に置くと奥のものが見えにくくなります。
横にして引き出しや浅いトレーに入れておけば、汚れにくく見やすくなります。
キッチンの吊戸棚は、軽くてさかばるストック品の収納場所に。
- キッチンペーパー
- ラップ類
- ティッシュ
箱などに入れて下の方に取っ手を付けておけば、引き出して取ることができます。
吊戸棚の収納にピッタリなボックスがこちら。
下の方に取っ手が付いているので、楽に取り出せます。
シンプルな白だから、オープン棚でも綺麗に収納できます。
普段に使う大きな食器類を吊戸棚に入れるなら「手が届く高さ」まで。
高い位置に入れるのは「年に一度」くらいしか使わないような食器だけ。
例えば、お正月やクリスマスにしか使わないようなものです。
細々した小さなものが多いお弁当グッズは専用の引き出しやカゴを決めて収納。

一か所に集めると手際よく準備できます。
- お弁当箱
- 間仕切りグッズやピック類
- お弁当を包む袋や布
カゴなら電子レンジの上、キッチンワゴン、冷蔵庫の上などに置けます。
軽いものなら「紙袋」や「カゴ」に入れて、S字フックで吊り下げ収納でもOK

上のほうなら空いてるスペースがあるものです。
予備のスポンジやブラシなどの収納にも便利。
小さなビニール袋はティッシュボックスに収納。
一枚ずつ取り出しやすく、ギュッと押し込んでおくだけだから入れるのも簡単。
プラスチック製のティッシュボックスならシンク近くに置けます。

シンク周りに置きたいのが水拭き掃除の道具。

食器用の「スポンジ」と「食器洗剤」は最も取りやすい場所に。
「食器拭き」「台拭き」「ペーパータオル類」もサッと取れる場所に置きたいものです。
- バケツ
- モップ
- 雑巾
- たらい
【火(ガスコンロ)回りに収納するもの】
火回りは、あまり物を置かないほうが掃除が楽。
ガスコンロの周囲は油と湯気で汚れやすいからです。
加熱するための「調理」道具と、盛り付けする「食器」だけ収納します。
- 加熱する時に使う「油」「フライパン」「菜箸」「フライ返し」「木べら」
- 味付けに使う「調味料」「味見用の小皿」
- 盛り付ける「食器」「菜箸」「トング」「お玉」「ゴムベラ」
吊り下げ収納するなら、こまごま小さなものを吊り下げないことがポイント。
壁に余分なものが掛かっていると、洗うのも拭くのも面倒になります。

フライパンの収納はガス台下でもOK
ファイルボックスに1つずつ立てて、蓋は使わないことも多いので別にして。

汚れたら洗える素材が清潔です。
- ガス台下が「深い引き出し」タイプなら持ち手を上に
- ガス台下が「オープン」なスペースなら持ち手を手前に
冷蔵庫を使いやすくする収納

火を通さない刺身やサラダなどは、盛り付けするまで冷蔵庫に入れておきます。
ですから冷蔵庫は「シンクの近く」に置くと使いやすいものです。
【チューブ類が収納しやすいボトル】
収納しにくい「マヨネーズ」や「ケチャップ」は口が細いドレッシングボトルが便利です。

倒れないので冷蔵庫内が汚れません。
蓋を外して詰め替えできます。
本体部分を手で握れば少しずつ出せます。

ゴマなど入れておくと、少しだけ振りかける時に便利です。
ボトル本体が透明なら中身が分かりやすくて使いやすい。
【野菜室は袋で仕分けて立てる収納】

葉物野菜などは、立てて収納したほうが長持ちします。
紙製の袋に入れておくと仕切りになります。
買ってきた時のビニール袋そのままでもOK
上のほうを開けておけば取り出しやすいし、残量も分かります。
【金属製の食品ケースで冷蔵庫整理】

冷蔵庫の中はガラスや金属製ケースが最適。
食品が冷えやすいので長持ちします。
ステンレスの蓋つきケースなら重ねられます。
トレイに並べておけば出し入れも簡単。
プラスチックと違い、色や臭いが移らず、油汚れもスッキリ落ちて気持ち良く使えます。

別売りのザルもセットにすると水切りできます。
一人暮らし・狭い台所のキッチン収納

一人暮らしの狭いキッチンでは、頻繁に使うものだけしか置けません。
狭いキッチンでは出来る調理も限られます。
少ない道具を「使いまわして」調理することがポイントです。
大小の鍋と大小のフライパンがあれば、あとは電子レンジで調理できます。
食器も大小の皿と大小のボウルがあれば充分。
友達を自宅に呼ぶ時の食器などは吊戸棚などに収納しておくか紙皿などでもいいはず。
気に入ったものだけ置いたスッキリしたキッチンを実現できるのが一人暮らしです。
【一人暮らしの調理道具と冷蔵庫】
電子レンジとフライパンだけでも間に合います。
- 「煮る」「蒸す」調理は全て電子レンジで
- 「炒める」調理の時だけフライパンで
パスタを茹でられる電子レンジ用のタッパーが100円ショップでも売っています。
同じようなタッパーで御飯を炊けるもの、野菜などを蒸すものもあります。
お湯で煮るよりも、電子レンジで煮たほうが栄養分が溶けださないといいます。
オーブンレンジなら、パンやケーキを作ったり、肉のローストなどもできます。
●手軽なカセットコンロ
炒め料理だけなら、ガスコンロも一口で間に合います。
賃貸でガスコンロが備え付けの場合もありますが、なければカセットコンロ1台でも十分。
停電した時にも使えるので、カセットコンロとガスボンベは持っておきたいものです。
大きなガスコンロは掃除が面倒。
カセットコンロは上の部分だけ外して丸洗いできるので吹きこぼれなども気になりません。
●いろいろな調理に使える鍋
一人暮らしでは、大小の鍋を多く持つ必要はありません。
- 煮物を多めに作り置きする時の鍋
- パスタやソバなどを茹でる鍋
深めのフライパンは、パスタなど茹でる時にも使えます。
【おすすめキッチン収納アイテム】
キッチンの収納アイテムは、何を入れるか決めてから購入すべきです。
買ってから入れる物を考えると、中途半端になって結局なんでも入れてしまいます。
例えば、おしゃれなスパイスラックとかワインラック。
キッチンに置いてみたら、ラックそのものが邪魔だったりします。
まずは使いやすい置き場所と、頻繁に使うものの量を確認。
それがピッタリ収まる収納アイテムを探すのが失敗しないコツです。
収納場所がないならキッチンワゴンをプラス。

こまごましたものの収納に適しています。
保存用の食品やストック品の置き場所にもできます。
重たい液体類や米などはキャスター付きワゴンに。
キッチンの隅などに置いても移動しやすく、詰め替えする時などに便利です。
ワゴンの上には物を置かずに開けておくと詰め替え作業しやすくなります。
中途半端に空いたスペースには隙間収納が便利。
10cmくらいの隙間ならラップ類が入ります。
オープン棚なら目障りにならないように。
例えばシンプルな容器にカトラリーを入れて収納。

グルーピングして置き場所を決めるのがポイントです。
缶詰や消耗品のストックなどをまとめて置く場所としても使えます。
色や形がバラバラなものはカゴに入れて。

棚+カゴの定番パターン。
洗えるカゴを使うと手入れが楽です。
透明でないカゴにはラベルに内容物を書いておくとパッと見つけられます。
木製やスチール製の本棚はキッチン収納にピッタリ。
扉などないほうが使いやすいからです。
奥行は20~30cmくらい。
物を置きやすく取りだしやすいサイズです。

前後に物を置かず「横1列に並べる」のが基本。
前後に入れると奥のものが取り出しにくいからです。
片付けるのも億劫になります。
棚の手前側にスペースが空いていると、つい他のものを置いてしまいがち。
細々したものが置きっぱなしになると、整理整頓できなくなってしまいます。
棚の奥行より小さなものはカゴに入れて。
棚の奥行に合わせたカゴに入れ、カゴの中を仕切ります。
棚板の位置と高さは、使う頻度によって決め、しょっちゅう使う物は取りやすい高さに。
- 立ったまま腕を下した時の手の位置
- 腕を上げた時の手の位置
この間が最も使いやすい場所です。

身長155cmの私なら「床から60~180cm」の高さ。
まず床から60cmの位置に棚板を1枚取り付けました。
そこに最も頻繁に使うものを置きます。
置いた物の高さに合わせて上の棚板を付けていきます。
置く順番は、使用頻度と重さで決めます。
重たい物を上のほうに置くと棚が不安定になるし、落ちた時に危険だからです。
- 重い鍋、米などは下の棚
- 軽いフライパン、乾物などは上の棚
同じくらいの「高さ」のものを一段に並べます。
それらの高さに合わせて次の棚を設置すると無駄なくスペースを使えます。
両サイドの横棒にはS字フックを掛けて、カゴなどを掛けて使えます。
スチール本棚は20年ちかく使っていますが、丈夫なので壊れることもありません。
ちょっと高いなと思ったのですが、20年以上も使えるのですから結局は得でした。
安いカラーボックスのような家具は壊れやすく、全て処分してしまったからです。
引っ越す時には分解して運べるし、引っ越し先に合わせて使い道も自由に変えられます。
今キッチンで使っているのは幅60cmの本棚で、セシールで購入したものです。
天井に突っ張る部分は「壁側の2本」だけの方が邪魔になりません。
キッチンは、その家の清潔度が現れる場所です。
掃除が面倒にならない工夫で、常にキレイにしておけます。

キッチンはキレイを保つのが難しい場所。使用頻度が高く、水と油の汚れが溜まりやすいからです。使うたびにサッと拭き取っておけば汚れはすぐ取れます。
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