キッチン動線は、調理の手順に合わせることがポイントになります
なぜなら調理には、決まった手順があるからです
例えば、まず食材を出して、洗って、切って、調理して、盛り付ける、という順番
そのため順番通りに収納や調理器具が並んでいるとスムーズに動けます
逆に配置がバラバラだと、あちこち、行ったり来たりすることになります
キッチン動線と調理の手順
調理をする時には、最初に材料を全て出しておくと作業が楽です
そのためには冷蔵庫や食品庫など、食材の置き場所がスタート地点になります
まずは食材を洗ったり切ったりするので、シンク近くの作業台が次に移動する場所です
そして加熱調理するためのガスコンロなどへと移動します
最後が、盛り付けするための作業台です
キッチン動線を整えるためには、調理の手順を考える必要があります
キッチン動線のスタート地点:食材の置き場所
食材の置き場となる冷蔵庫が、キッチン動線のスタート地点
冷蔵庫に入れない乾物や缶詰などの食材も、近くにあると一緒に出せます
電子レンジの上なども置き場所として使えます
火を通さない刺身やサラダなどは、盛り付けするまで冷蔵庫に入れておきます
そのため冷蔵庫は「シンクの近く」に置くと使いやすいものです
キッチン動線の2番目:洗ったり切ったりする水回り
キッチン動線の2番目が、食材を洗ったり切ったりする水回りです
そのためシンク周りには洗う道具、切る道具を集めて置きます
さらには食材を計量したり、下味をつけたりする道具も近くにあると便利です
下準備は一気に行い、まとめて調理すると手早く作業できます
そのため計量した調味料、切った食材、それぞれボウルなどに入れておくとスムーズです
例えば火を通さないサラダやマリネなどは、冷蔵庫に入れておくとスペースが空きます
【切る道具】
シンク下の扉に包丁差しが付いていることがありますが、シンク下は不衛生になりがちです
引き出しがあるなら、そこに包丁を入れると出し入れしやすくなります
あるいはマグネットで壁に包丁をくっつけても便利
邪魔にならず、すぐ手に取れ、清潔です
まな板と包丁は近くに置くのがベスト
立てかけるなら、下の部分に湿り気が残らないよう、通気性を良く
例えばスチールワイヤーのスタンドなら、すぐに乾きます
あるいは包丁まな板を一緒にしておけるスタンドも便利です
まな板は、フックに掛けておいても水が切れます
水回りは、洗い物もするので水しぶきが飛びやすい場所です
そのため、あまり物を置かないほうが、サッと拭けます
そして広々した作業スペースを確保しておくと、調理もしやすくなります
【シンク下の使い方】
シンク下に入れるのは「重たいもの」と「湿気を気にしなくていいもの」です
湿気がこもりやすいので、食材の保存には適しません
例えば、シンク下を全てゴミ置き場にしてしまうと、キッチンにゴミ箱を置かなくて済みます
そして生ごみは、紙に包んでからゴミ袋に入れるとコバエや臭いが発生しません
さらにビン、缶、ペットボトル、プラスチック、それぞれゴミ袋に入れて分別
ゴミ袋がいっぱいになって収集日に出したら、サッと拭いておくと清潔です
【洗う道具】
シンク周りに置きたいのが、洗う道具
例えば「ザル」「ボウル」「スポンジ」「洗剤」「布巾」「台拭き」「ペーパータオル」「水切りカゴ」
洗い物おけは、ボウルなどで代用すると不要になります
水切りカゴも、畳んで仕舞っておけるスライド式ラックが便利です
調理中はシンクの中を広々使え、洗った野菜などを置く場所としても使えます
【下味を付ける道具】
下味を付ける時の「ボウル」「計量カップ」「調味料」もシンク周りに置きたいものです
例えば小さいものは引き出しに、大きなものは吊り棚に
とはいえ壁掛けラックは便利ですが、小物が多いと掃除が大変です
しかもラックそのものも汚れます
キッチンの壁は、毎日、頻繁に使うものだけにして、できるだけ開けておくほうがサッと拭けます
キッチン動線の3番目:加熱調理する火周り
炒め物に使うフライパンは、ガス台の近くが便利
ですが茹でたり煮たり、水を加える鍋類は、シンク周りのほうが便利です
オーブン料理なら、調味した食材を入れてタイマーをセットするだけ
煮物なら、調味料と食材を入れた鍋を火にかけます
その間に、洗い物や炒め物などができます
火の周りは油と湯気で汚れやすいので、あまり物を置かないほうが掃除が楽です
吊り下げ収納をしているものが火や油の上に落ちて、危険なこともあります
吊り下げ収納するなら、こまごま小さなものを吊り下げないことがポイントです
壁に余分なものが掛かっていると、洗うのも拭くのも面倒になります
フライパンの収納はガス台下でもOK
ガス台下が「深い引き出し」タイプなら、ファイルボックスに1つずつ立てて
持ち手が上になるので、サッと出し入れできます
ガス台下が「オープン」スペースなら、薄い棚に置いて持ち手を手前に
炒め物に使う油などもガス台に置きたくなりますが、コンロの奥だと汚れがち
ガス台の下または後ろの棚などに置いた方が安全です
食器棚やワゴンなどを置いている場合、ガス台の近くに入れるのは、盛り付けする食器だけ
キッチン動線の最終地点:盛り付けする作業台
キッチン動線の最後は、盛り付けするための作業台です
シンク横のスペースに洗い物カゴなど置いてあると作業台が足りません
ですからカウンターやワゴンなどがあると、盛り付けスペースとして重宝します
コの字型のキッチンが使いやすいのは、シンク、ガス台、作業台それぞれを確保できるからです
一般的なキッチンなら、後ろにカウンターや食器棚を置く配置になります
シンクで使う物、ガス台で使う物、それぞれ近くに、まとめて置くはずです
配膳台として使える、何も置いていないスペースを確保することが大切です
お椀や小鉢などを置ける配膳台として、スペースを空けておくと盛り付けが楽です
お玉や菜箸なども、配膳台の近くに仕舞っておきます
キッチン動線に沿って、まとめて1つの作業を済ませる癖をつけると、調理も片づけも楽
煮物、水切り、電子レンジやオーブンを使っている間は、洗い物などができます
キッチンは、ごちゃごちゃしがちな場所。大小さまざまな道具があり、食材も、食器も、ゴミもあります。買い物してきたら、とりあえずキッチンに置いて、そのままということも。頻繁に使う場所だけに、慣れると気にならなくなってしまいます。キッチンに置くより、別の場所に置いた方がよい調理器具や食器もあります。