囲炉裏の良さとは「経済性」「機能性」「快適性」の3点です。
細い枝なども薪として使え、調理もでき、足元から温まります。
とはいえデメリットもあります。
煙が出るため室内がヤニで汚れますし、換気設備が必要です。
囲炉裏のメリットとデメリット

日常生活に囲炉裏を使うとしたら、良いことばかりではありません。
火を使うので、「煙」「換気」「火傷」「火災」など十分に注意すべきです。
例えば1000円札の肖像になった野口英世さんは、囲炉裏の「灰」で手に大やけどしました。
囲炉裏の「煙」によって目を傷めた人も多かったと言います。
「臭い」や「汚れ」も多く、手間がかかることは確かです。
【囲炉裏のデメリット】
囲炉裏のデメリットは、とにかく「手間」がかかること。
- 火をおこす手間
- 薪を足す手間
- 灰を捨てる手間
- 部屋につく「臭い」や「汚れ」を掃除する手間
都会のマンションのような白い壁を保つことは無理です。
窓ガラスやカーテンも「ヤニ」で汚れます。
床には灰が落ち、室内は常にホコリっぽい状態になりがち。
布類には煙や調理した食べ物の「匂い」が移ります。
ですから神経質な人、潔癖な人、掃除嫌いな人にはストレスが多いはずです。
- 少しくらい汚れてても平気
- 古びた色合いのインテリアが好き
- 掃除はエクササイズと考えている
こんな人なら囲炉裏も楽しめると思います。
【囲炉裏のメリット】
私自身は囲炉裏を使ったことがないので、本で読んだ知識しかありません。
けれど暖炉と薪ストーブでの生活は経験したので、想像上の比較はできます。
- 囲炉裏は経済的で省エネ
- 囲炉裏で調理ができる
- 囲炉裏は温かい
- 囲炉裏部屋は夏も快適
- 囲炉裏は自作も可能
以上の5点で、囲炉裏は暖炉や薪ストーブより優れています。
囲炉裏は経済的で省エネ

囲炉裏のメリットは「経済的」という点です。
灰の上で薪や炭を燃やすので火が長持ちし、少ない薪で済みます。
庭木を剪定した時の枝、地面に落ちている枯れ枝など、細い木も使えます。
薪割り頻度が減ったと『囲炉裏と薪火暮らしの本』には書いてありました。
薄く灰を掛けておくと炭になり、熾火として翌朝すぐに使えます。
灰の中で炭になったものを保存しておき、火鉢などで使うこともできます。
暖房しながら「調理」ができるという点でも省エネで経済的です。
囲炉裏で調理ができる

多くの人が感じる囲炉裏の魅力は「調理」できることだと思います。
民宿や料理店で体験した、囲炉裏端での料理がイメージされるからです。
囲炉裏端で、火を見ながら、家族や仲間と一緒に食事する時間。
それは何ともリラックスでき、心地よく、楽しいひとときです。
お酒を飲みながら語り合うにもピッタリなのが囲炉裏端。
暖房しながら調理もできるという点では、薪ストーブも同様。
けれど調理のレパートリーという点では囲炉裏のほうが優れています。

暖房設備でありながら、調理場でもあるのが囲炉裏。炭火だけでなく、薪を燃やすことで調理の幅も広がります。灰に串を刺したり、蒸し焼きにしたりもできます。
囲炉裏は室内で焚き火をしているようなもの。
キャンプの時にするような料理が可能です。
囲炉裏は暖かい

囲炉裏と暖炉の共通点は「直火」で、この点では薪ストーブより暖かく感じます。
さらに囲炉裏は「床」からの暖かさが加わる点が優れています。
囲炉裏は床下に作った石などの基礎に蓄熱されるからです。
囲炉裏も暖炉も薪ストーブも、離れるほど暖かさが届かなくなるのは同じ。
ただし囲炉裏の上に吊るした「火棚」が上昇した熱を循環させます。
囲炉裏は暖炉や薪ストーブと比べ、多機能に使える暖房設備です。
囲炉裏と暖炉や薪ストーブとの違いは「煙突」があるかないか。
煙突のない囲炉裏では、室内に煙窓を設けるなどの工夫が必要です。
囲炉裏部屋は夏も快適

煙突のない囲炉裏では、煙が上昇して天井裏に溜まります。
そして天井裏へと昇った煙によって虫や小動物が寄りつかない効果があります。
天井裏にネズミなどが棲みつく心配がありません。
囲炉裏は室内で火を焚くことによって木造家屋を「乾燥」させます。
ですから室内の湿気を取り除くため、夏も囲炉裏の火を絶やしません。
夏の室内で焚き火をしたら暑くなりそうですが、実は快適。
湿気を取り除き、対流で風を起こすからです。

囲炉裏では夏も火を絶やさず焚いているといいます。夏の室内で火を焚いたら、暑いのでは? そんな疑問が湧いてきますが、むしろ涼しく過ごせるそうです。それは「湿気が取り除かれ」「風が通り抜ける」から。
囲炉裏は自作も可能

囲炉裏そのものは原始的な作り。
床下に石を積んで粘土で固め、灰を入れてあるだけです。
ですから木造家屋ならDIYで自作することだって可能です。

囲炉裏の構造は、実に原始的でシンプル。縄文時代の竪穴式住居で使われていたものが原型です。喩えるなら「不燃材」で作られた「床下収納庫」のような形。
囲炉裏だけなら簡単ですが、難しいのが囲炉裏部屋の作り。
煙窓など排煙設備を設けなければ一酸化炭素中毒の危険もあります。
冬も夏も快適に過ごすためには、部屋の構造なども重要です。

囲炉裏そのものは簡単ですが「囲炉裏部屋」の構造のほうが肝心です。囲炉裏は室内で焚き火しているようなもの。ですから「煙」や「炎」の管理と「換気」できる構造が必要です。
囲炉裏の良さを知ったのは『囲炉裏と薪火暮らしの本』という本。
著者の体験をイラストで詳しく解説しています。
囲炉裏の作り方、使い方、楽しみ方は、これ1冊で分かります。
囲炉裏のある家だからといって和風の暮らしをしなくてもいい。
むしろ洋風の靴を履いたままの暮らしのほうが囲炉裏を使いやすいはず。
これはアメリカで暖炉と薪ストーブの暮らしをした経験からの実感です。
暮らしは洋風になったのに、室内では靴を脱ぐ習慣を続けているのが今の日本。
私は和風の暮らしに、室内でも靴を履く洋風生活を取り入れたいと思っています。
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