【囲炉裏】作り方は簡単でも部屋の構造が大事

木造家屋であれば、囲炉裏は手作りできるほどシンプルな構造です

例えるなら床板を四角く切り取って「床下収納庫」を作るイメージ

囲炉裏そのものは簡単ですが「囲炉裏部屋」の構造のほうが肝心です

囲炉裏は室内で焚き火しているようなもの

ですから「煙」や「炎」の管理と「換気」できる設備が必要になります

囲炉裏を作る部屋に必要な設備

夏の囲炉裏部屋

囲炉裏部屋に必要なのが「煙窓」「換気窓」「火棚」の3つ。

排煙するために天井板を切ったり、煙窓を開けたりできるかどうか。

家の構造を確かめたうえで囲炉裏を作る場所を決める必要があります。

煙突のない囲炉裏では、特に「排煙」と「換気」が重要です。

炭による一酸化炭素中毒の危険もあります。

【煙を外へ出す煙窓】



煙を出すための設備は「囲炉裏の真上」にあります。

風のない室内では、煙は真っ直ぐ上に昇っていきます。

例えば「吹き抜け天井」や「天井板に開けた穴」などです。

囲炉裏部屋の煙窓

屋根にあるのが「煙窓」で、これが煙突の代わりです。

天井裏に昇った煙を外へ逃がします。

煙窓は「東西」方向に「2か所」を開けることで煙が出やすくなります。

屋根工事をするとなると大掛かりなので屋根裏の「壁」に換気窓を開けるほうが簡単です。

天井裏には煙が充満し、虫除けやネズミよけができるメリットもあります。

煙によって天井板が燻され、湿気を取り払う働きもします。

【換気窓】



囲炉裏部屋の換気窓を使うのは主に夏。

夏でも囲炉裏の火は絶やさないからです。

新鮮な空気を入れることで暑い空気が上昇し、対流が起こります。

すると空気が循環し、湿気が取り除かれ、暑さが和らぎます。

ですから部屋の低い位置に窓があると、外から風が入って涼しくなります。

【古民家】 囲炉裏では 夏も火を絶やさない 理由とは?

囲炉裏で夏も火を絶やさないのには理由がある

囲炉裏では夏も火を絶やさず焚いているといいます。夏の室内で火を焚いたら、暑いのでは?そんな疑問が湧いてきますが、むしろ涼しく過ごせるそうです。それは「湿気が取り除かれ」「風が通り抜ける」から。

閉め切っている冬期間も換気は重要。

炭火を使っていると一酸化炭素中毒の危険があります。

ですから囲炉裏部屋は広々として「通気性」が良いことも大事です。

囲炉裏は床下にあるため床暖房のような効果があります。

足元から温まり、直火なので暖炉に比べても温かく過ごせます。

そして部屋全体を温める役割も果たすのが「火棚」です。

【天井板に飛ぶ火の粉を防ぐ火棚】

囲炉裏と火棚

囲炉裏の真上に付けるのが「火棚」で、火の粉が天井裏に飛ぶのを防ぐものです。

ですから燃えにくい厚い板が使われます。

火棚で熱が反射されると室内も温まります。

吹き抜け天井では熱はどんどん天井へ逃げていきます。

その熱を反射させて下へ戻すのが火棚の役割です。

そのため本来の火棚は一枚板で、格子状にしているのは装飾的な効果のため。

この火棚に「自在鉤」を付け、鍋やヤカンを吊るします。

燻製を作ったり、濡れた衣服やタオルを乾かしたりもできます。

【囲炉裏部屋の場所】

囲炉裏は床下に作るので「床下の構造」によって位置や形も制限されます。

料理を楽しむなら台所の近くに囲炉裏があると便利。

菜園に近い出入り口の先に囲炉裏部屋があると理想的です。

寒い玄関の土間に囲炉裏を設置する場合もあります。

囲炉裏を作るための材料

囲炉裏と鉄瓶

囲炉裏に必要な材料は大きく3つあります。

  • 灰を入れる部分の「燃えない」材料
  • 室内に灰がこぼれないための「炉縁」の材料
  • 囲炉裏に入れる「灰」

床板を切り取って穴を開け、床下に囲炉裏を作ります。

イメージとしては「不燃材」で囲った床下収納庫をような感じです。

【基礎部分を作る材料】



囲炉裏の基礎部分に必要なのが「不燃性」のもの。

  • 耐火レンガ
  • コンクリートブロック
  • 金属板

床下の地面から床までを囲い、「粘土」や「セメント」で固めます。

昔ながらの囲炉裏に使われているのが「石」と「粘土」です。

粘土は、地面の土に水を加えて練り、小さく切った枯草などを混ぜて作れます。

【炉縁を作る材料】



囲炉裏の周囲に取り付けるのが「炉縁」です。

灰が室内にこぼれないようにするためのもの。

角材を四角く組んだだけのシンプルなものが一般的です。

炉縁の幅を広くすれば「テーブル代わり」に使うこともできます。

けれど広すぎると火から遠くなり、暖房効果が小さくなってしまいます。

【囲炉裏に入れる灰】



囲炉裏には大量の「灰」が必要です。

かといって囲炉裏ができてから、室内で大量の薪を燃やすのは危険。

ですから薪ストーブや屋外の焚き火で、あらかじめ灰を集めておきます。

灰の量は、囲炉裏の縁から「10cm」くらい下まで。

囲炉裏の底に砂や小石を敷いておくと灰の量を減らせます。

囲炉裏の作り方

高さのある囲炉裏

囲炉裏そのものは非常にシンプル。

レンガなどで作るバーベキューコンロを床下に作るようなものです。

  1. 設置場所の「床板」を切り取る
  2. 石やレンガで囲った「基礎」を作る
  3. 角材などで囲炉裏の「縁」を作る
  4. 囲炉裏の上に「火棚」を作る
  5. 火棚に「自在鉤」を吊るす

基礎と縁が出来上がって灰を入れれば使えるようになります。

【設置場所の「床板」を切り取る】

床板を外してみると、地面の上にコンクリートの基礎があるはずです。

コンクリート基礎の上に太い柱が立てられ、家全体を支えています。

この太い柱を動かすと家が傾いてしまうので取り外すわけにはいきません。

囲炉裏を設置できるのは「基礎に立てられている柱と柱の間」です。

コンクリートの基礎部分には、90cm間隔くらいで太い柱が立てられています。

家を支える太い柱の上に細い板が渡してあり、その上に床板を敷いてあるはずです。

その細い板の部分を四角く切り取って囲炉裏にします。

真上に排煙できる位置で、切り取る根太の部分を決めます。

【石やレンガで囲った「基礎」を作る】

簡単なのは「コンクリートブロック」や「レンガ」を積んで作る基礎。

地面に並べて積み上げ「モルタル」や「コンクリート」で固めます。

石垣を作る要領で「石」を積み上げても作れます。

石を固めるには「土壁用」や「陶芸用」の「粘土」が使えます。

隙間に粘土を押し付けるように入れながら石を積み、乾かして固めます。

炉縁の木材を保護するため、内側全体に「粘土」を塗って仕上げます。

【角材などで囲炉裏の「縁」を作る】

炉縁は一般的に「木」や「レンガ」などで作られています。

高さは10cmくらいあれば良いので、角材を四角く組むだけでも作れます。

熱で木材が収縮するため、角の部分は「ほぞ」を作って、しっかり組んでおきます。

火の熱が当たる部分なので、金属だと熱くなりすぎます。

【囲炉裏の上に火棚を作る】

火棚は「一枚板」を吊るすだけでも充分です。

4隅に縄を取り付け、天井や梁から吊り下げればOK

火や熱が当たる部分なので、プラスチックのロープなどは使えません。

丈夫で太い「麻縄」が、燃えにくくて最適です。

デザイン性を良くするなら「格子状」に組んで作ります。

竹を並べて組んでも作れます。

【火棚に自在鉤を吊るす】

自在鉤は、高さを上下させることで火力を調節するためのもの。

囲炉裏で調理する場合に使います。

自在鉤を自作することも可能。

丈夫な「麻縄」の先端に「木の枝」の二股部分を取り付けるだけでも代用できます。

火に当たる部分で使い、重たい鍋を掛けるため、素材や強度には注意が必要です。


骨董店や古道具店などでも見つかるかもしれませんが高価。

古いものだと傷んでいて修繕が必要な場合もあります。

通販で新品も見つけられます。

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囲炉裏を作るための参考書

囲炉裏のある家に住んでみたいと思うようになったのは1冊の本がきっかけです。

イラストレーターの大内正伸さんの『囲炉裏と薪火暮らしの本』

実際に囲炉裏を自作し、生活で使っている体験がもとになっています。

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イラストで詳しく解説されているので、私でも作れそうだと思いました。

山で暮らし、林業に携わった経験による知見も豊富です。

安易な懐古趣味とは違った、生活に根付いた囲炉裏の使い方が紹介されています。

地域の資源を無駄なく使う、生活環境を清潔にする、といった考え方にも共感します。

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囲炉裏は効率的な暖房であると同時に楽しい調理器具。

さらに煙で虫除けになり、家を乾燥させるというメリットもあります。

【古民家】 囲炉裏では 夏も火を絶やさない 理由とは?

囲炉裏で夏も火を絶やさないのには理由がある

夏の室内で火を焚いても暑くないのでしょうか? そんな疑問が湧いてきますが、むしろ涼しく過ごせるそうです。それは「湿気が取り除かれ」「風が通り抜ける」から。

とはいえ室内が汚れるなどのデメリットもあります。

真っ白な壁を維持することは、ほぼ不可能。

窓ガラスなどもヤニで黄ばんでしまいます。

暮らしに 取り入れてみたくなる 囲炉裏の魅力と注意点

囲炉裏の良さとは?メリット・デメリットまとめ

暮らしは洋風のほうが合理的で快適だと思っています。けれど囲炉裏だけは生活に取り入れてみたいと思うほど夢中。理由は「経済性」「機能性」「快適性」の3点です。

私はアメリカのように室内でも靴を履いた生活をしたいと思っています。

部屋の掃除はエクササイズですし、常にピカピカでなくても平気です。

煙で虫除けでき、室内の湿気を取り除ける、という部分で囲炉裏に魅力を感じています。

当ブログ記事を整理して電子書籍で出版しています。

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