【機織り】やり方はシンプル~織り機の仕組みとは

機織りは、やり方を知ると非常にシンプル

昔は家庭の主婦がやっていたことなので難しくはありません


機織り機とは、たくさんのタテ糸を固定しておくためのものです

そのため原始的な織り機でも布は織れます

それはタテ糸を結び付けるためのピンを、枠に打っただけの、シンプルなものです

フレームでの機織り

手織り

枠にピンを打った織り機は、手作りできるほどシンプルなものです

例えば「段ボール」にカッターで溝をつけたり

「木枠」にクギを打ち付けたりして、タテ糸を固定します


クギの間隔は1cmくらいなので、目の詰まった布は織れません

そのため太い糸で、ざっくりした布を織るのに適しています


枠の大きさによって布のサイズが決まるので、大きな布を織る場合には大きな枠が必要です

木枠の手織り機

例えばラグを織るためには、地面に立てかけた木枠を使っていました



【フレーム織りの道具】

織り機にタテ糸を張ったら、ヨコ糸を通す道具と、通したヨコ糸を詰める道具が必要です

ヨコ糸を通すには「編み針」や「箸」など、先端が細い道具が適しています

通したヨコ糸を詰めるには「ヘアコーム」などが使えます


フレーム織りは、太い糸やリボンで、ざっくり織りあげます

そのためコースターや小さなマットくらいなら、すぐに織りあげることができます

ダンボール織り機でおしゃれこもの」という本に詳しく解説されています



【フレーム織り機】

フレーム織り機は、初心者の練習用にピッタリです


ドイツ製ヘルムート・ミューラー社のフレーム織り機「手おり」は「溝」でタテ糸を固定するタイプ

フレームの大きさは28.5×19cmで、織り幅は16.5cm

小さいので場所を取らず、コースターくらいの布が織れます

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

手おり・小 / ヘルムート・ミューラー社
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さらに少し大きめの卓上手織り機なら、ランチョンマットやクッションカバーくらいのものも織れます

手づくりできそうなほどシンプルですが、値段も手ごろなのでプレゼントにも丁度いい価格とサイズです


【機織りとは】

機織り

機織り(はたおり)とは、タテ糸とヨコ糸を交差させて布を織ること

そのため1本の糸を絡ませていく「編み物」とは構造が全く違います

例えば編み物なら、編みながら幅と長さを変えていけます

するとセーターの袖や首の部分など、形を作りながら編むことができます

さらには、糸を絡めながら編むので、伸縮性もあります

その一方で、織り物は途中で長さや幅を変えることはできません

最初に出来上がりの「幅」と「長さ」を決めてから織りあげます

機織り機

織り機ではタテ糸を「輪」にして布を折り返しながら織り進みます

こうすることで常に手元でヨコ糸を通せるからです

端から端までは織れないので、余ったタテ糸は「房」として残したり、縫い込んだりして始末します


機織り機の種類~卓上 or 足踏み

卓上手織り機

機織り機には、卓上サイズのものから、据え置き型の大きなものまであります


Clover 手織り機 咲きおり」は、最も手間のかかるタテ糸を張る作業が楽にできます


細かな溝が付いたバーにタテ糸を引っ掛けるだけです

そして手前にあるボードに糸を引っ掛けて、タテ糸の長さを決めます


ハンドルを回すとバーが持ち上がり、タテ糸が1本ずつ上下に分かれます

その間にヨコ糸を通していくと、布が織れるという仕組みです


幅40cmと60cmがあり、 40cm幅の織り機で最大3.5m長さの布が織れます

60cm幅の織り機なら4mまでの長さを織ることが可能です



大きな布を織る場合や、細い糸で薄い布を織る場合には、本格的な織り機が必要です

機織り機のある部屋

足踏み式の機織り機は、ニュージーランド製や国産のものがネットで販売されています

効率的に、たくさんの布を織れますが、全くの初心者だと操作を覚えるのは大変です

大きなものなので場所も取るし、値段も張ります


例えばニュージーランド製の機織り機は、受注生産なので3カ月くらいかかります

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機織りのやり方

機織りのやり方

1本の糸を絡ませていく編み物とは違い、織り物は途中で長さや幅を変えることはできません

なぜなら、織り機にタテ糸をセットしてから織り始めるからです

そのため機織りでは最初に出来上がりの「幅」と「長さ」を決めます


基本的な機織り作業には3ステップあります


 1. タテ糸を織り機に掛ける

 2. ヨコ糸を通して織る

 3. 織り終わりの糸を始末する


織り始める前に機織り機に結ぶ糸を「経糸(タテ糸)」と呼びます

最初のタテ糸を準備する工程が作業の7~8割と言われます

必要な長さを測り、絡まないよう1本ずつ掛ける必要があるからです


まずはタテ糸の長さを測ったり本数を決めたり、といった準備が必要です


経糸の長さを測る道具が「整経台」です

四角い木枠の周囲に短い棒が打ち込んであるだけのシンプルな道具

ここに糸を掛けることで長さを測り、本数を決めます

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機織りは糸を引っ張りながら織るので、織り機から外すと縮みます

洗うとさらに縮むので、その分を見越して大きめに織ることが肝心です

【タテ糸を張る】

どんな織り機を使う場合でも、まず最初にするのが「タテ糸を張る」作業

まず必要なタテ糸の長さを測って、必要な本数を揃える「整経(せいけい)」

そして整経したタテ糸を、織り機にかける「機上げ(はたあげ)」

2つの作業があります

フレーム織りなら、上下のピンや溝に、糸をジグザグに引っ掛けるだけです

タテ糸を張ったら、次は上下に糸で「鎖編み」を巻き付けておきます

これはタテ糸の間隔を均等に揃えるためです

上下に巻いた鎖編みの間が「布」になります

そして鎖編みから外側が「房(フリンジ)」です

そのため仕上げたい布の長さに応じて鎖編みを付けておきます

経糸1本おきに定規などを通し、鎖編みの糸を水平に整えたら準備完了

ヨコ糸を通して織り始めることができます

【ヨコ糸を通して織る】

機織り

まずは1本おきに持ち上げたタテ糸の下に、ヨコ糸を通していきます

そのためタテ糸の1本おきに定規など挟んでおくと作業が楽です


そして端までヨコ糸を通したら、「クシ」などでヨコ糸を引き下げて押さえます

2段目は、タテ糸を1段目とは上下を逆にして持ち上げ、その下にヨコ糸を通します

そして3段目は、またタテ糸の上下を逆に持ち上げて、その下にヨコ糸を通す

あとは、この繰り返しです

【織り終わりの始末】

布の端

布が織れたら織り機から外して端を始末します

手織り布は目が粗いので、ほつれやすいからです

最も簡単なのは、タテ糸を2本ずつ縛って房(フリンジ)にする方法

フリンジにしない場合は3つの方法があります

  • 余ったタテ糸を1本ずつ布に「縫い込む」
  • 「ジグザグミシン」をかけてからタテ糸を切る
  • バイアステープでくるんでミシン縫いしておく



【お湯に通して仕上げる】

布の織り目

織りあがった布は「お湯に通す」と織り目が落ち着きます

特にウールは洗って仕上げた方が風合いが良くなります

湯通しの方法は、ぬるま湯に入れて「軽く押し洗い」するだけ

ネットなどに広げ、日陰に干して乾かします

生乾きのうちに「アイロン」をかけておくと仕上がりが綺麗です

【織り方による生地の違い】

織り方は様々ありますが、最初は単純な「平織」が練習になります

平織とは1本のタテ糸に1本のヨコ糸を通していく基本の織り方です

織りやすく、丈夫な布が作れます


密に織るほど詰まってハリのある生地になります

逆に粗く織った生地は、透け感のあるガーゼのような風合いです


さらには糸の太さによって、硬さや厚みが変わってきます


●細い糸を密に織った生地

コットンローン

細い糸を密に平織りした生地には「シャンブレー」や「ローン」などがあります

ローンは、より細い糸を使ったものです

薄手でありながら程よくハリがあり、ふんわりと軽い風合いになります

そのため夏のブラウスなどに最適です


●中程度の糸を中程度の密度で織った生地

チェックのリネン生地

最も縫いやすいのが、太さが中程度の糸を、中くらいの密度で織った生地です

厚すぎず薄すぎず、ほどよく重みもあります

カーテン、テーブルクロス、キッチンクロス、ソファカバーなど

インテリアファブリックにも適しています


●中程度の糸を粗く織った生地

リネン生地

太さが中程度の糸を粗く織ると、うっすら透け感のある生地になります

洗うと縮みますが、より柔らかくなり、ガーゼのような肌触りです

そのためストールやショールなどにも向いています


●太い糸を粗く織った生地

クロスステッチを差したリネン生地

太い糸を粗く織ると、厚みのあるガーゼのような生地になります

縦糸と横糸がハッキリ見えるので刺繍しやすい生地です

布巾やハンカチなどに向いています


●太い糸を密に織った生地

丸めたリネン生地

太い糸を密に織ると、丈夫で厚みがあるキャンバス地になります

しっかりしているので椅子の座面などにも使えます

クッションカバー、バッグ、ジャケットなどを作る時にピッタリです


綿や麻を育てて布に織りあげることもできます

ガーデニングと機織り 植物から作る 衣類と雑貨

【麻】植物の繊維から糸を作って布に織る方法

昔の主婦は「糸紡ぎ」や「機織り」を家事として日常的に行っていました。現在でも、趣味として糸紡ぎや機織りをする人がいます。黙々と手を動かすだけの単純作業をしている時は、まるで瞑想のような時間です。



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