【機織り】やり方と織り機のシンプルな仕組み

機織りは、やり方を知ると非常にシンプル。

額縁のような四角い「枠」だけでも布が織れ、自作もできそうなほど単純な作りです。

現在でも、シンプルな木枠の機織り機は市販されています。

戦後28年もジャングルで生活していた横井庄一さんは、木の枝を組んだ枠で布を織りました。

植物の繊維から糸を作り、魚の骨で針を作って洋服に仕立てたそうです。

機織り機の作り方

手織り

「木枠」の機織り機は、経糸を引っ掛けるための「クギ」を打ち付けてあるだけ。

枠の大きさで布の「幅」と「長さ」が決まります。

ですから大きな布を織る場合には、大きな枠が必要です。

地面に立てた大きな木枠なら、ゴザやラグを織ることができます。

木枠の手織り機

クギの間隔は5mmくらいなので、目の詰まった布は織れません。

ですからシンプルなフレーム織り機は、太い糸でザックリした布が織れます。

緯糸を通す道具は「定規」などで代用できます。

ダンボールでも機織りできます。

糸が太いと、織りあがるのにも時間がかかりません。

【機織り機とは】



機織り機とは、たくさんのタテ糸を固定しておくためのもの。

タテ糸を固定する「棒」と、その棒を固定する「枠」が、原始的な織り機です。

織りあがった布をずらしながら、手元で作業できるようになっています。

手織り原始

シンプルなフレーム織り機は市販もされています。

ドイツ製のフレーム織り機は「溝」でタテ糸を固定するタイプ。

フレームの大きさは28.5×19cmで、織り幅は16.5cm。

小さいので場所を取らず、コースターくらいの布が織れます。

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少し大きめのフレーム織り機ならクッションカバーくらいのものも織れます。

サイズは49×64cm(インチ表示で25.2″H x 19.3″W)。

説明書は英語ですが、仕組みはシンプルなので、図を見て組み立てできそうです。

手づくりできそうなほどシンプルですが、値段も手ごろでプレゼントにも丁度いい価格とサイズ。

初心者の練習用として「コースター」や「ランチョンマット」など織るのにピッタリです。


【機織りとは】

機織り

機織り(はたおり)とは、タテ糸とヨコ糸を交差させて布を織ること。

1本の糸を絡ませていく「編み物」とは構造が全く違います。

例えば編み物なら、編みながら幅と長さを変えていけます。

ですからセーターの袖や首の部分など、形を作りながら編むことができます。

糸を絡めながら編むので、伸縮性もあります。

織り物は、途中で長さや幅を変えることはできません。

最初に出来上がりの「幅」と「長さ」を決めてから織りあげます。

機織りのやり方

機織りのやり方

織り方は様々ありますが、最初は単純な「平織」が練習になります。

平織とは1本のタテ糸に1本のヨコ糸を通していく織り方で、丈夫な布が作れます。

基本的な機織り作業は3ステップ。

  1. タテ糸を準備して織り機に掛ける
  2. ヨコ糸を通して織る
  3. 織り終わりの糸を始末する

織り始める前に、機織り機に結ぶ糸を「経糸(タテ糸)」と呼びます。

最初のタテ糸を準備する工程が作業の7~8割と言われます。

必要な長さを測り、絡まないよう1本ずつ掛ける必要があるからです。

ヨコ糸の1本目がズレないよう、止めておくための糸も必要です。

機織りは糸を引っ張りながら織るので、織り機から外すと縮みます。

洗うとさらに縮むので、その分を見越して大きめに織るのがコツです。

【タテ糸を張る】



どんな織り機を使う場合でも、まず最初にするのが「タテ糸を張る」作業。

必要なタテ糸の長さを測って、必要な本数を揃える「整経(せいけい)」。

整経したタテ糸を、織り機にかける「機上げ(はたあげ)」。

2つの作業があります。

フレーム織りなら、上下のピンや溝に、糸をジグザグに引っ掛けるだけ。

タテ糸を張ったら、上下に糸で「鎖編み」を巻き付けておきます。

これはタテ糸の間隔を均等に揃えるためです。

上下に巻いた鎖編みの間が「布」。

鎖編みから外側が「房(フリンジ)」。

ですから仕上げたい布の長さに応じて鎖編みを付けておきます。

経糸1本おきに定規などを通し、鎖編みの糸を水平に整えたら準備完了。

ヨコ糸を通して織り始めることができます。

【ヨコ糸を通して織る】



タテ糸1本おき、交互に、ヨコ糸を通していきます。

そのためタテ糸の1本おきに定規など挟んでおくと作業が楽です。

端までヨコ糸を通したら「クシ」などでヨコ糸を引き下げて押さえます。

2段目は1段目とは上下を逆にしてタテ糸にヨコ糸を通します。

3段目は1段目と同じ位置でヨコ糸を通す、この繰り返しです。

【織り終わりの始末】



布が織れたら織り機から外して端を始末します。

手織り布は目が粗いので、ほつれやすいからです。

最も簡単なのは、タテ糸を2本ずつ縛って房(フリンジ)にする方法。

フリンジにしない場合は3つの方法があります。

  • 余ったタテ糸を1本ずつ布に「縫い込む」
  • 「ジグザグミシン」をかけてからタテ糸を切る
  • バイアステープでくるんでミシン縫いしておく



【お湯に通して仕上げる】



織りあがった布は「お湯に通す」と織り目が落ち着きます。

特にウールは洗って仕上げた方が風合いが良くなります。

湯通しの方法は、ぬるま湯に入れて「軽く押し洗い」するだけ。

ネットなどに広げ、日陰に干して乾かします。

生乾きのうちに「アイロン」をかけておくと仕上がりが綺麗です。

フレーム織りは、太い糸やリボンで、ざっくり織りあげるのに適しています。

大きめの布を織る場合や、細い糸で織る場合は、機織り機が便利です。

卓上で使える小さな機織り機でも、幅40~60cmくらいの布が織れます。

卓上機織り機

卓上手織り機

初心者でも簡単に使えるのが「咲きおり」という手織り機。

最も手間のかかるタテ糸を張る作業がグッと簡単にできます。

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細かな溝が付いたバーに経糸を引っ掛けるだけなので楽々。

ハンドルを回すと、自動的にタテ糸が1本ずつ上下に分かれます。

その間にヨコ糸を通していくと、布が織れるという仕組みです。

幅40cmと60cmがあり、卓上で使えるコンパクトな機織り機。

40cm幅の織り機で最大3.5m長さの布が織れます。

60cm幅の織り機なら4mまでの長さを織ることが可能です。


咲きおりの使い方を知ると、機織りの仕組みもよく分かります。

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足踏み式の機織り機

機織り機のある部屋

大きな布を織るなら、本格的な足踏み式の織り機が必要です。

経糸の本数も長さも多くなるため「整経台」に糸を掛けて準備します。

整経台は、木枠の周囲に短い棒が打ち込んであるだけのシンプルな道具。

ここに糸を掛けて長さを測り、本数を決めます。

ニュージーランド製の機織り機は、受注生産なので3カ月くらいかかります。

国産だと部品などを取り寄せる場合に便利。

こちらの↓オンラインショップで購入できます。

さをりの森

あると便利な道具でも、いつも使うわけじゃありません。

ご近所レンタル」では使っていない時にレンタルして収入を得ることができます。

また使う物なら売ってしまわずにレンタルしてみてはいかがでしょうか。

不要になれば販売することもできます。

買う前にレンタルで試してみてもいいかもしれません。

入門編としておすすめの本がこちら↓

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民族調の図案も織れると楽しい。

トルコでキリム織りを習得した著者による解説書。

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機織りをする現代の女性たちが登場する小説がこちら。

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糸紡ぎからやってみるのも面白そうです。

ペットの毛を紡いでセーターを編んでいる人もいます。

私は麻を育てて、リネンを織ってみたいと思っています。

ガーデニングと機織り 植物から作る 衣類と雑貨

【麻】植物の繊維から糸を作って布に織る方法

昔の主婦は「糸紡ぎ」や「機織り」を家事として日常的に行っていました。現在でも、趣味として糸紡ぎや機織りをする人がいます。黙々と手を動かすだけの単純作業をしている時は、まるで瞑想のような時間です。

のんびり、ゆったり、時間をかける、という趣味の世界。

単調な作業に没頭できるのは、贅沢な時間の使い方です。

それが実用的な物作り、というところにも喜びがあります。

当ブログの記事を整理して電子書籍と紙の書籍で出版しています。

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