ペットの毛を紡いで毛糸にすることができます
とはいえ動物の毛を集めて糸に紡ぐ時には、下準備が必要です
例えば犬の毛を使う場合なら、柔らかく細いアンダーコートが適しています
なぜならトップコートは太く硬いため、糸にしても毛が抜け出てしまうからです
そのため量は少ないけれど、細く柔らかい猫の毛のほうが糸紡ぎには適しています
[AD]当記事にはプロモーションが含まれます
集めたペットの毛を洗う
ペットの毛を集めて毛糸にするなら、大量に冬毛が抜ける春が最適です
まずはブラッシングのたびに少しずつ毛を集めておいて、洗います
この時に「ラノリン入り洗剤」を使うと、すすぎは不要です
ラノリン入り洗剤は、衣類の洗濯のほか、ペットのシャンプーとしても使えます
そのためペットの毛を漉いて糸にする場合には特に、おすすめです
【集めた毛の洗い方】
ラノリン入り洗剤がない場合は、ウール用の中性洗剤でもOKです
その場合は、しっかりすすぐ必要があります
ぬるま湯に洗剤を溶かし、水面に毛を浮かべてから沈め「上から水をかけない」のがコツです
なぜなら、水をかけると繊維がからまったり偏ったりするからです
ほとんどの汚れは毛の先端に集まるので、親指で優しくこすって取り除きます
中性洗剤を使った場合は、そっと絞って汚れた水を捨て、水を変えてすすぎます
洗い終えたら網などに乗せ、上から押して水けを切り、風通しの良い場所で乾かします
【毛に防水性を出す】
洗って乾かした毛に、薄めた「ラノリンオイル」をスプレーすると防水性が出ます
ラノリンとは動物の皮脂に含まれる蝋(ロウ)なので、糸の滑りも良くなります
市販の羊毛を使う場合も、ラノリンがコーティングされた「グリージーウール」がおすすめ
滑りが良く、早く、楽に糸紡ぎができます
まずラノリンを含んだハンドローション1:水5の割合で混ぜます
そして羊毛500~600gに対して1~2回スプレーして一晩おけばOKです
洗った毛をふわふわにする
動物の毛や綿花を糸にする前には、「カーディング」という作業をします
採取した綿花や動物の毛は、クネクネしていたり、ゴワゴワしているからです
繊維をふわふわにするだけでなく、色を混ぜたりもできます
金属製の犬用ブラシや髪の毛用ブラシで梳くこともできます
ただ分量が多い場合は専用のカーダーを使う方が楽です
カーダーは2つ一組になっています
片方に綿花や毛を乗せ、もう片方で撫でるように引っ張ります
すると繊維が均等に分散され、ふわふわになります
【綿花を糸にする】
植物から採れる綿花を糸に紡ぐ方法も同じです
綿花とは白くて丸い、ワタという植物の実です。そして、それを取り出して糸に紡ぎ、布に織ると、木綿生地になります。昔は、どこの家庭でも綿花を育て、機織りをして、衣服を自分で作っていました。現在では、糸紡ぎや機織りは「趣味」のひとつです。とはいえガーデニングの延長で、綿花も育てられます。ふわふわのコットンボールが、可愛らしい植物です。
【スピンドルでの糸紡ぎ】
できた繊維を手の平で転がして細長くしたら糸紡ぎの準備OKです
糸紡ぎのやり方は、とっても簡単。小さな「スピンドル」という道具でもでき、昔は家庭の主婦が糸を紡いでいました。上流階級の、裕福な家庭の女性たちの間で「糸紡ぎ」が流行していた時代もあったといいます。美しいデザインの道具をサロンに持って行き、おしゃべりしながらの糸紡ぎ。それは、ゆったりとした優雅な過ごし方だったようです。