糸紡ぎのやり方は、とっても簡単
小さな「スピンドル」という道具でもでき、昔は家庭の主婦が糸を紡いでいました
上流階級の、裕福な家庭の女性たちの間で「糸紡ぎ」が流行していた時代もあったといいます
美しいデザインの道具をサロンに持って行き、おしゃべりしながらの糸紡ぎ
それは、ゆったりとした優雅な過ごし方だったようです
スピンドルでの糸紡ぎ
シンプルなドロップスピンドルで糸紡ぎをすると、基本的なことが分かります
なぜなら糸紡ぎの基本は「繊維をねじって巻き付けながら繋げる」単純な作業だからです
スピンドルとは「コマ」のことで、糸を垂らしたスピンドルを回転させると、羊毛がねじれます
それをコマ上の棒に巻き付けていくと、1本の糸になります
丸いコマの部分が「ベース」で、長い棒は「シャフト」と呼びます
スピンドルはバッグに入るような小さなものですし、簡単な道具なので自作することもできます
【ドロップスピンドルの使い方】
まずは羊毛や綿花を手でねじり、糸にした部分をスピンドルのベース下に巻き付けます
その先の糸を上へと伸ばして、シャフトの先端に巻き付けます
次に親指と人差し指で糸を持ち、繊維をねじって糸にします
もう片方の手でスピンドルを回すと、糸がシャフトに巻き付いていきます
手に持った糸を巻き付け終わったら、その先の繊維をねじって糸にし、スピンドルを回して巻き付ける
あとは、その繰り返しです
ニュージーランド製アシュフォード
こちらの本には詳しく写真入りで解説してあります
【手作りスピンドル】
コマで紡ぐ「スピンドル」なら手作りもできます
材料は「ダンボール紙」「菜箸」「フック」だけです
まず菜箸の上部にフックかヒートンを差し込んでおきます
次に直径10cmくらいに切った段ボール紙の中心に穴を開け、菜箸を通します
そして菜箸の先から1/3くらいの場所で木工用ボンドで固定すればOK
固定する前に回転させてみて、安定して回ることを確認しておきます
糸紡ぎが手早くできる紡ぎ車
手早く効率よく、大量の糸を紡げるのが「紡ぎ車(糸車)」です
糸車は、撚り合わせて糸にした綿花や羊毛を車輪に沿わせながら巻き取っていきます
車輪の部分を手で回すシンプルな道具です
インドのガンジーが使っていた「チャルカ」と呼ばれる糸巻きは、折りたたんで持ち運べました
踏み板を足で踏んで車輪を回す大きな紡ぎ車もあります
手と足の動きを覚えるのに少し根気が要りますが、一度マスターしてしまえば簡単です
細い糸なども紡ぎやすく、作業に集中できます
そして足で踏む時の、ゆったりしたリズムも、紡ぎ手の楽しみのひとつです
折り畳み式の紡ぎ車はバッグも付いているので持ち運びに便利
折りたたむと厚み9cmほどなので収納場所にも困りません
幅41×奥行き42×高さ65cm
高い位置にフライヤーが付いた糸車は据え置き式
幅36×奥行き81×高さ84cm
糸を紡いだ後の「かせとり」
ボビンに巻かれている糸を大きな輪にするのが「かせとり」です
糸を引っ張って、ねじりを落ち着かせる効果があります
輪になった糸をねじったものが「糸かせ」
昔は糸かせの状態で売られていたそうです
そのほうが染色しやすいから
機織り機で布にする時にも、かせとりして「撚り止め」をします
撚り止めは、糸を引っ張って、よじれを止めるための作業
お湯で糸を煮てから、引っ張った状態で干して乾かします
ボビンに巻いた状態では煮るにも干すにも不便なので糸を「輪」にします
糸を巻きつける道具を「ニディノディ」と呼びます
ニディノディには様々なサイズがあります
少量の糸ならSサイズでも充分
大量の糸を紡いだなら、大きな輪にしたほうが便利です
くるくる回せるタイプもあります
手回し「ろくろ」を使う人もいます
糸巻が手早くできるのが「かせくり機」
折りたためて、大きさも変えられるタイプが便利
収納ケースもついてて使わない時はコンパクトに仕舞えます
玉巻き機もあると小さな毛糸玉に巻いておくことができます
1玉くらいなら手で巻いてもいいけれど、たくさんの毛糸なら玉巻き機が便利
ハンドルをくるくる回すだけなので簡単。あっという間に糸が巻けて時短になります
糸ができたら織り機で布を織ってみるのも面白そう
機織りも構造はシンプルです
機織りは、やり方を知ると非常にシンプル。額縁のような四角い「枠」だけでも布が織れます。
庭の植物から繊維を取って、布を織ってみたい
昔の主婦は「糸紡ぎ」や「機織り」を家事として日常的に行っていました。現在でも、趣味として糸紡ぎや機織りをする人がいます。黙々と手を動かすだけの単純作業をしている時は、まるで瞑想のような時間です。
ペットの毛、庭で育てた綿花や亜麻などを糸にする
セーターを編んだり、ラグなどを作ったり、機織り機で布にしたり
じっくり、のんびりした作業には、瞑想効果もあるような気がします
当ブログの記事を整理してアマゾンKindleの電子書籍と紙の書籍で出版しています
Unlimited会員なら無料でダウンロードできますので、よろしかったら覗いてみてください