布作り~天然素材の種類と布を自分で作る方法

布作りは昔、家庭の主婦が行っていた家事のひとつでした

なぜなら糸紡ぎや機織りは、編み物や縫物のような単純作業だからです

例えば、子供の世話をしたり、お話しをしながらでも布作りができます


ひとり黙々と手を動かすのも、心を落ち着かせてくれる静かな時間です


布作りの原料

綿花、麻糸、羊毛

それぞれの地域で採れる繊維を使い、気候に合った布作りが行われてきた歴史があります

例えば、日本の「麻」、インドの「綿」、中国の「絹」、北欧の「羊毛」といった天然素材です


麻と綿は植物から繊維を採り、絹は蚕のまゆ、羊毛は動物の毛を原料としています

中でも麻、綿、毛は、家庭でも布作りがしやすい素材です

ペットの毛を集めて、毛糸や布にすることもできます


【麻・綿・毛の違い】

繊維硬さ保湿性保温性
長いハリがある吸湿・速乾涼しい
綿短い柔らかい吸湿・保湿温かい
短い柔らかい撥水温かい

繊維が長い「麻」はハリがあり、繊維が短い「綿」や「毛」は柔らかな布になります

綿も麻も水分を吸収しますが、乾きが早い麻はサラっとして涼しい布です

毛の表面には油分があるため水をはじき、繊維の中に空気を含んで温かさを感じさせます


水分を吸収する綿と麻は、タオルや下着などに適した布です

一方ウールは水分を弾くため、毛布や外套などに適しています


どの素材でも、繊維が細いほど柔らかく、シワになりにくい布になります


【麻の特徴と種類】

繊維が長い麻を使うと、丈夫な布作りができます

中が空洞なので非常に通気性が良く、乾きが早いことが麻の特徴です

水分を吸い取って、すぐ乾くため、蒸し暑い夏の衣類、布巾やタオル、寝具などにも適しています


麻布は、使う原料によって「リネン」「ラミー」「ヘンプ」に分けられます

それぞれの原料は「科」も「原産地」も異なる植物です

麻布の種類と特徴~使う植物により風合いや柔らかさが違う

【麻】リネンの種類と作り方・綿との違いとは

麻は、植物から取り出した繊維を原料とした糸や布、原料となる植物の総称です。原料の植物には、主に「亜麻」「苧麻」「大麻」の3種類があります。それぞれ原産地も科も異なる別の植物です。そして糸や布にした場合も、使われる植物によって呼び名が異なります。


【コットンの特徴と種類】

綿花をほぐして糸にするコットンは、非常に柔らかい繊維です

吸い取った水分を保つ性質があるため、温かさもあります

乾きにくいことがデメリットですが、シワになりにくい点がメリットです


インド産「アジア綿花」、ペルー産「海島綿花」、メキシコ産「陸地綿花」などがあります

ふわふわ綿花 育てて、紡いで、布に織る 昔は皆やっていた家事

綿花を育てて糸を紡ぎコットンの布を織る方法

綿花とは白くて丸い、ワタという植物の実です。そして、それを取り出して糸に紡ぎ、布に織ると、木綿生地になります。昔は、どこの家庭でも綿花を育て、機織りをして、衣服を自分で作っていました。現在では、糸紡ぎや機織りは「趣味」のひとつです。とはいえガーデニングの延長で、綿花も育てられます。


【ウールの特徴と種類】

コットン同様、ウールは繊維が短いため、柔らかな風合いの布作りができます

ふわふわした繊維をねじって細い糸に紡ぐ方法も同じです


動物の毛にはアンゴラやヤギなど様々ありますが、羊毛が最も紡ぎやすいと言われます

あるいは犬の毛などを糸に紡いでいる人もいます

動物の毛を集めて糸に紡ぐ時には、下準備も必要です

犬や猫の毛 集めて毛糸に♪

ペットの毛で糸紡ぎ~集めた毛を準備する方法

ペットの毛を紡いで毛糸にすることができます。とはいえ動物の毛を集めて糸に紡ぐ時には、下準備が必要です。例えば犬の毛を使う場合なら、柔らかく細いアンダーコートが適しています。なぜならトップコートは太く硬いため、糸にしても毛が抜け出てしまうからです。そのため量は少ないけれど、細く柔らかい猫の毛のほうが糸紡ぎには適しています。


布作りの方法

麻糸と生地

綿花や動物の毛、あるいは麻の繊維を糸にすれば、そのまま編むこともできます

そして織機に縦糸を張り、横糸を交互に通していくのが機織りです


1本の糸を絡めていくのが編み物で、数本の糸を縦横に交差させるのが織物

編み物は伸縮性があり、途中で形や大きさを変えられます

それに対して織物は、伸縮性がなく、織機の幅の範囲内で、まっすぐな布にしてから裁断して使います


【糸つむぎ】

スピンドルと糸

糸紡ぎは、繊維を糸にする技術または工程のことです

主に以下のステップに分けられます


1.原料の準備

綿、羊毛、麻などの繊維を収集し、必要に応じて洗浄やほぐしを行います

これにより、不要な汚れや異物を取り除きます


2.カード掛け

繊維をほぐして平行に揃えるために、カードと呼ばれる道具を使用します

この工程は、糸の滑らかさと強度に影響を与えます


3.紡績

糸車やスピンドルを用いて、繊維を撚り合わせて糸にします

この時、撚りの強さや細さを調整することで、希望する種類の糸が作られます


4.仕上げ

出来上がった糸を蒸気や熱で処理し、安定させます

この工程で、糸はさらに強く、均一になります


現代では工場で大量生産されていますが、糸紡ぎは古代から続く技術です

そのため昔は手作業で行われていました

スピンドルでの糸紡ぎ リラックスできる 指先アート♪

【糸紡ぎ】やり方と繊維の準備~手紡ぎの基本

糸紡ぎのやり方は、とっても簡単。小さな「スピンドル」という道具でもでき、昔は家庭の主婦が糸を紡いでいました。上流階級の、裕福な家庭の女性たちの間で「糸紡ぎ」が流行していた時代もあったといいます。


【機織り】

機織り(はたおり)は、糸を使って布を作る技術のことを指します

この技術は、古くから世界中で行われてきた伝統的な手法です

基本的なプロセスは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交差させることで布を作ります


1.経糸(たていと)の準備

まず、たくさんの糸を縦方向に並べます

これが経糸です


2.緯糸(よこいと)の挿入

緯糸を経糸の間に通していきます

手動で行うことも、織機を使って自動的に行うこともあります


3.交差の固定

緯糸を1本通すごとに、経糸を上下に動かして緯糸をしっかりと固定します

この動作を繰り返すことで、しっかりとした布が出来上がります


4.完成と仕上げ

織り終わった布は、縁を整えたり、洗ったりして仕上げます


機織りは、単なる布を作る作業ではなく、芸術的なデザインや模様を織り込むことも可能です

この技術は、現代でもファッションやインテリアデザインにおいて重要な役割を果たしています

布を織るという楽しみ♪原始的な織り機でも織れる驚き

【機織り】やり方と織り機のシンプルな仕組み

機織りは、やり方を知ると非常にシンプル。昔は家庭の主婦がやっていたことなので難しくはありません。機織り機とは、たくさんのタテ糸を固定しておくためのものです。そのためタテ糸を結び付けるためのピンを、枠に打っただけの、原始的な織り機でも布は織れます。


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