丸太の製材をする場合、切る方向や、どの部分を使うかで品質に差が出ます
また薄い板にするか、角材として使うかで、木の選び方も違います
そして製材した木を乾燥させる時の処理法も大事です
製材する木の選び方と切り方

板や角材として切り出すなら「直径30cm以上」の、滑らかで、真っ直ぐな幹が適しています
屋根板など大きな板を切り出す場合には、きれいに割れるスギ、ナラ、ヒノキなどが最適です
まっすぐに木目が通っている60~120cm長さの部分を使用します
上の方にだけ枝があるような木は、節目が少なく、美しい木材が得られます

できるだけ木が倒れた場所で切断してから運び出すほうが労力が少なく済みます
そのため木を切る場所は、最初に藪や垂れ下がった枝などを取り除き、作業スペースを確保しておきます
そして使用目的に応じて、60cm~480cmくらいの長さに切ってから運び出します
丸太を切る際、曲がりや欠陥のある部分で切断すると、良質な木材が得られます

木を切るのに適した季節は冬。樹液が少なく、乾燥しているため、春夏より楽に木を切ることができます。地面の雑草も、木の葉も少ないので、作業がしやすい季節です。伐採は重労働ですが、冬なら汗だくにならずに済みますし、虫刺されの心配もありません。
木材の品質は、木のどの部分を採取するかによって異なります
最も内側の心材は比較的弱いため、重い木材や厚い板にのみ使用されます
最高の板が採れるのは、樹皮に近すぎない、外側の部分です
そして年輪に対して、垂直になるようにカットされた板は、反りにくくなります

製材して角材として使う場合

丸太の周囲を切り落とすだけで、柱や梁などに使える角材に加工できます
まずは余分な枝を斧やチェーンソーで切り落とします

次に切り込みのある薪などの上に丸太を乗せ、斧で側面を切り落としていきます
その際は「樹皮を付けたまま」のほうが、ざらざらしている面に斧が固定しやすくなります

チェーンソーの扱いに慣れていれば、より効率的です

製材して板にする方法

板にする場合、基本的な切り方には2種類あります
- 丸太の全直径をスライスする「プレーン製材」
- 丸太を1/4にカットしてからスライスする「クォーター製材」
プレーン製材は、最も幅の広い板が、最も多く取れます


クォーター製材では木材の生産量は少なくなりますが、高品質の板が取れます

【チェーンソーで製材する】
技術と経験が必要ですが、チェーンソーで丸太を板にすることもできます

刃の損傷や跳ね返りを避けるため、丸太は台などに置いて地面から持ち上げておきます

切断する部分にくさびを打ち付けておくと、刃が挟み込まれることを防げます

丸太の長さに沿って2×4材を釘付けしておくと、真っ直ぐ切断するためのガイドにできます
【丸太を割って板にする方法】

直径60cm以上の節のない、まっすぐな丸太を使用します
丸太は45~60cm、または75~120cm長さに切ります
杉の場合なら、丸太の外側部分を切り離して四角くしてから半分に割り、さらに半分に割っていきます
オーク材の場合は、丸太を1/4に分割してから「放射状」に切っていき、心と樹皮に近い部分は廃棄します
ヒノキやマツは、オーク同様に丸太を1/4に分割してから「年輪の接線」で木目に沿って分割します
フロエというのは、丸太に差し込んで割るための道具です
切り株の上に丸太を置き、重い木槌などでフロエの刃を丸太の上部に打ち込みます
そのままハンドルを手前に引いて刃をひねると、木が割れます
針葉樹と広葉樹では、無垢材の性質が異なります

DIY木工で使いやすいのが、スギやマツなど針葉樹の木材。柔らかいので切りやすく、素人でも加工が容易にできるからです。ケヤキなど広葉樹の木材は硬く、加工しにくいですが、丈夫で美しいため家具などに適しています。固い木材でも、電動工具を使えば加工は可能。曲木もできると美しい家具などが作れます。
製材した材木の処理法

切り出された板は、間に十分な空気の循環ができるようにして積み重ねておきます
湿気や強い日光などは反りの原因となるので、置き場所などにも注意が必要です
製材所などでは窯で乾燥させていますが、時間をかけて自然乾燥させた木材のほうが高品質になります
湿気による損傷に対して耐性が増し、季節的な湿度の変化に応じて収縮や膨張を調整するからです
強度が高まり、耐久性が向上するだけではなく、美しさも増します
自然乾燥されることで、ゆっくりと水分が失われて徐々に乾燥し、収縮して強化していきます
さらに樹液や天然油分が長期間木材の中に残り、硬化をさらに促進します
自分で切り出した無垢の木材は、様々な木工に使えます

DIY初心者でも扱いやすいのが木材です。薄い板ならノコギリやカッターでも切れます。けれど電動工具があれば、厚めの板や角材などを使った工作も可能。ネジ止めしたり、サンドペーパーをかけるのも楽で、仕上がりも綺麗。穴を開けたり、溝を掘ったりもできると、さらに色々な加工ができます。
製材で余った木の使い道

製材する際に切り落とした枝、板として使えない木にも、様々な使い道があります
薪や焚き付けにしたり、堆肥にするだけではありません
例えば、曲がった枝をドアの取っ手にしたり、木工に使ったり、使い道です
薪や焚き付けにしかならないのは、幹に穴や空洞がある場合です
心材が腐っていて、木材には適さないからです

枝の付け根は、フックにしたり、家具などの支柱として使えます

瘤になっている部分は切断できますし、丈夫で美しいので、ボウルなどに加工して使えます

製材した木材は、庭づくりの素材としても最適です

自然素材で作った庭は、解体して作り直したり、土に埋めたりできます。庭づくりは一度では完成しないので、後から作り直せるほうが便利です。例えば、年齢や家族構成の変化に応じて庭での過ごし方も変わります。自分の好みだって変化します。










