木を切るのに適した季節は冬
地面の雑草も、木の葉も少なく、作業がしやすいからです
樹液が少なく、乾燥しているため、春夏より楽に木を切ることができます
伐採は重労働ですが、冬なら汗だくにならずに済みますし、虫刺されの心配もありません
さらには地面に雪が積もっていれば、丸太を滑らせて運ぶことも可能です
木を切る道具
庭木が邪魔になったり、ストーブ用の薪を調達したり
自分で木を切ることができれば、伐採費用や薪代を節約できるはず
とはいえ木を切るには道具が必要ですし、伐採は危険な作業でもあります
長期的に必要でなければ、レンタルしたり業者に頼むほうが良いかもしれません
まずは必要な道具と方法を知ることが検討材料になるはずです
【細い幹や枝を切る道具】
高枝切りバサミは直径1.5cmくらいまでの枝が切れる道具
長さ1.8~3mまで伸びるので、3~4m程度の木なら充分に切れます
重さ900gと軽量なので作業も楽です
まずは練習がてら、手頃な価格の枝切りバサミで
邪魔な枝を整理しておけば、後の作業も楽になります
低い位置の枝を切るだけなら、手動のこぎりでも十分です
直径3~6cmくらいまでの枝を切ることができます
【太い幹を切る道具】
高枝切りチェーンソーがあれば8cmの木も切断が可能
高さ調節できるので最高3.5mの高さにある枝でも切れます
重さは4㎏です
少し高価ですが、こちらは10cmの枝まで切れ、2.3㎏と軽量
安全眼鏡と作業用手袋まで付いてます!
付属の電動チェーンソー、電動ハサミ、伸縮延長ポールで手元も高所も作業OK
バッテリーが2個ついているので交換しながら長時間の作業が可能です
充電器、取扱説明書、予備のチェーン、ドライバー2本が付属しています
土まみれの丸太を切ったりせず、チェーンソーの刃が地面に食い込まないようにすると切れ味が落ちません
木を切る方法
木を切る目的は主に3つあります
- 邪魔になった庭木を整理する
- ストーブ用の薪を調達する
- 板や柱などの建材を調達する
素人がDIYで切れるのは、直径30cm以下の若い木まで
チェーンソーの扱いにも、大きな木を切り倒すのにも、危険を伴います
まずは細い木や枝で練習し、道具の扱いに慣れることが大事です
【庭木の整理】
細い枝を取り払う程度なら素人でもできますが、大木を切り倒すにはコツが要ります
安全な場所へ倒れるよう、幹に2か所の切り込みを入れることが大事です
まずは、倒したい方向の幹に、水平の浅い切り込みを入れます
次に、水平の切込みより2~3cm上の部分から斜めに、三角形の切り込みを作ります
その後で反対側の幹に、三角の切り込みより上の部分で水平の切り込みを入れます
両方の切り込みの間に1~3cmほど繋がった部分を残しておきます
この残した幹の部分が蝶番の役割を果たして、ゆっくりと木を倒すことができます
ですから残す間隔は切る幹の太さによって変わります
細い幹なら1cmほどで十分ですし、広く残しすぎると木が倒れません
太い幹の場合は2~3cmほど残さないと、重みで勝手に倒れるので危険です
少しずつ切り込みを入れていくと、倒しやすい位置が見つけられるはずです
切り込みを入れると、思わぬ方向へ木が倒れることがあります
特に、木が腐っていたり、よじれていたりすると危険です
木が倒れてきた時に逃げられるよう、空いたスペースを確保しておくことが大事です
別の木に当たって跳ね返ってきたり、枝が頭上に落ちてくる危険もあります
木の重みでチェーンソーが引っかかる場合があります
鋸で木を切る場合にも、刃が挟まれて外れなくなることがあります
その場合は、くさびを打つと、刃が動けるようになります
くさびは、木製やプラスチック製の柔らかな素材の物を使うと刃を傷めずに済みます
くさびは、木を倒す時にも使えるので、数個を用意しておくと便利です
家の近くにある木を切り倒す場合、家に倒れてこないよう注意が必要です
幹の高いところに強いロープを取り付けて張力を加えると、安全な方向へ倒すことができます
少し離れたところからロープを引っ張ってもらうか、ロープを別の木に取り付けると張力がかかります
切断された木が地面に落ちずに、別の木にぶら下がってしまうこともあります
その場合は、それぞれの幹にロープを結んで引っぱり、抜き取る必要があります
【薪の調達】
伐採した木から枝を取り除く時は、枝とは反対側の幹の方に立つと安全に作業できます
枝を切り落とす時には、枝と幹の股の部分ではなく、枝の外側(下側)から切り込みます
幹の重みで圧力がかかると、木が飛び跳ねたり、突然倒れたりすることがあるからです
太い丸太を短くカットする時には、横になった丸太の上から半分くらいまで切込みを入れます
それから丸太を転がして反対側を切っていきます
一度に切ろうとすると、のこぎりの刃が木に挟まってしまうことがあります
ソーバックは、丸太を切るときに揺れたりずれたりしないように固定するものです
ソーバックは、使いやすい高さにしておくと作業が楽になります
●薪割り
薪にする時は、ピザのように放射状に割るのが一般的
ただし、ニレなど、ねじれた繊維質の木材の場合は、四角く切り出してから分割します
薪割りに使うのが斧です
太い丸太を割る時には、大きなハンマーとスチール製のくさびを使います
斧をクサビやハンマーとして使うと、斧をダメにしてしまいます
●薪小屋
薪小屋は、廃材からでも作れます
屋根を付けて雨や雪から保護し、内部の空気を十分に循環させて木材を乾燥させます
波板を地面を敷き、薪を地面から離すと、よく乾燥します
薪を積み上げた時に倒れないよう、ログハウス風に端から積み上げていく方法もあります
【製材】
木材の品質は、木のどの部分を採取するかによって異なります
最も内側の心材は比較的弱いため、重い木材や厚い板にのみ使用されます
最高の板が採れるのは、樹皮に近すぎない、外側の部分です
年輪に対して垂直になるようにカットされた板は反りにくくなります
板にする基本的な切り方には2種類あります
- 丸太の全直径をスライスする「プレーン製材」
- 丸太を 4 分の 1 にカットしてからスライスする「クォーター製材」
プレーン製材は、最も幅の広い板が、最も多く取れます
クォーター製材では木材の生産量は少なくなりますが、高品質の板が取れます
枝の付け根なども、フックにしたり、家具などの支柱として使える部材です
幹に穴や空洞がある場合は、心材が腐っていて、木材には適さないので、薪として利用します
瘤になっている部分は切断できますし、丈夫で美しいので、ボウルなどに加工して使えます
上の方にだけ枝があるような木は、節目が少なく、美しい木材が得られます
板や角材として切り出すなら、直径30cm以上の滑らかで真っ直ぐな幹が適しています
屋根板など大きな板を切り出す場合には、きれいに割れるスギ、ナラ、ヒノキなどが最適です
まっすぐに木目が通っている60~120cm長さの部分を使用します
できるだけ木が倒れた場所で切断してから運び出すほうが労力が少なく済みます
そのため木を切る場所は、最初に藪や垂れ下がった枝などを取り除き、作業スペースを確保しておきます
使用目的に応じて、60cm~480cmくらいの長さに切ってから運び出します
丸太を切る際、曲がりや欠陥のある部分で切断すると良質な木材が得られます
●丸太から角材に切り出す
丸太の周囲を切り落とすだけで、柱や梁などに使える角材に加工できます
その際は、樹皮を付けたままのほうが、ざらざらしている面に斧が固定しやすくなります
切り込みのある薪の上に丸太を乗せ、斧で側面を切り落としていきます
●丸太から板を切り出す
技術と経験が必要ですが、チェーンソーで丸太を板にすることもできます
丸太の長さに沿って2×4材を釘付けしておくと、真っ直ぐ切断するためのガイドにできます
刃の損傷や跳ね返りを避けるため、丸太は台などに置いて地面から持ち上げておきます
切断する部分にくさびを打ち付けておくと、刃が挟み込まれることを防げます
●丸太を割って板にする方法
直径60cm以上の節のない、まっすぐな丸太を使用します
丸太は45~60cm、または75~120cm長さに切ります
杉の場合なら、丸太の外側部分を切り離して四角くしてから半分に割り、さらに半分に割っていきます
オーク材の場合は、丸太を1/4に分割してから、放射状に切っていき、心と樹皮に近い部分は廃棄します
ヒノキやマツは、オーク同様に丸太を1/4に分割してから、年輪の接線で木目に沿って分割します
フロエというのは、丸太に差し込んで割るための道具です
切り株の上に丸太を置き、重い木槌などでフロエの刃を丸太の上部に打ち込みます
そのままハンドルを手前に引いて刃をひねると、木が割れます
●材木の乾燥
切り出された板は、間に十分な空気の循環ができるようにして積み重ねておきます
湿気や強い日光などは反りの原因となるので、置き場所などにも注意が必要です
製材所などでは窯で乾燥させていますが、時間をかけて自然乾燥させた木材のほうが高品質になります
湿気による損傷に対して耐性が増し、季節的な湿度の変化に応じて収縮や膨張を調整するからです
強度が高まり、耐久性が向上するだけではなく、美しさも増します
自然乾燥されることで、ゆっくりと水分が失われて徐々に乾燥し、収縮して強化していきます
さらに樹液や天然油分が長期間木材の中に残り、硬化をさらに促進します
自分で切り出した無垢の木材は、様々な木工に使えます
DIY初心者でも扱いやすいのが木材です。薄い板ならノコギリやカッターでも切れます。けれど電動工具があれば、厚めの板や角材などを使った工作も可能。ネジ止めしたり、サンドペーパーをかけるのも楽で、仕上がりも綺麗。穴を開けたり、溝を掘ったりもできると、さらに色々な加工ができます。
針葉樹と広葉樹では、無垢材の性質が異なります
DIY木工で使いやすいのが、スギやマツなど針葉樹の木材。柔らかいので切りやすく、素人でも加工が容易にできるからです。ケヤキなど広葉樹の木材は硬く、加工しにくいですが、丈夫で美しいため家具などに適しています。固い木材でも、電動工具を使えば加工は可能。曲木もできると美しい家具などが作れます。
自然素材の木材は、庭づくりの素材としても最適です
自然素材で作った庭は、解体して作り直したり、土に埋めたりできます。庭づくりは一度では完成しないので、後から作り直せるほうが便利です。例えば、年齢や家族構成の変化に応じて庭での過ごし方も変わります。自分の好みだって変化します。