麦の栽培方法と種まきから収穫時期までの管理

麦の栽培に適しているのは、水はけのよい土です

なぜなら麦類は加湿を嫌い、どちらかというと乾燥を好むからです


大麦は小麦よりも肥沃な土を好みますが、ライ麦や燕麦は、痩せた土でもよく育ちます

寒さに強いのは、ライ麦、小麦、大麦、燕麦、の順です

低温によって穂が枝分かれするため、秋に種まきし、冬に麦踏みすることで収量を増やします


麦の栽培法

ムギ栽培

麦を育てるには、年間の降水量500~1000mmが適した土地です

とはいえ麦の栽培は、年間の降水量100~1500mm以上の広い範囲で行われています

まず麦を植える時期は秋か春ですが、地域によって時期が異なります


【麦の種まき時期】

麦の種まきは、一般的に「最低気温3~5℃」の「10~11月」が適した時期です


  • 暖地なら「気温11~12℃」くらいの「11月上旬~下旬」くらい
  • 関東地方なら「気温13~14℃」の「10月下旬~11月上旬」くらい
  • 北海道・東北では「気温14~15℃」の「9月中旬~10月上旬」くらい


厳寒地では越冬できないため、5月上旬~中旬の春まきにします


麦は、種まきのタイミングを間違えると収穫できなくなってしまいます

なぜなら早く種まきすると、年内に大きくなって冬の寒さで枯れてしまうからです

逆に遅く種まきすると、翌春に分げつが遅れて収量が減ります

【麦の栽培時期】

麦は0~30℃で発芽しますが、最適なのは25℃です

ところが通常は気温13℃くらいの頃に種まきをします

なぜなら低温に当たることによって穂の数が増え、収量が増えるからです


実った麦の種子は、2~3か月ほど休眠しています

それが低温と水分によって休眠が破られ、発芽します


例えば5℃の場合で6時間ほどで休眠が破られます

そのため気温が下がる秋、雨が降り始める頃に発芽し、少しずつ成長しながら越冬します

そして4~5℃の低温が1か月くらい続くと、茎が枝分かれして、穂の数が増えます


春になると、日が長くなり、気温が上がって、穂が出始めます

すると開花して、気温が上がり乾燥する初夏には実が熟してきます


【麦の植え方】

麦の植え付けには、日当たりと風通しの良い場所が必要です

そのため幅60cmほどの畝を作り、10~12cmほど間隔を開けて種をまきます


麦の種まき方法は、まず深さ10cmくらい土を掘って肥料を入れ、土を乗せます

その土の上に板などですじを作り、その線に沿って種をまきます

麦の蒔き方は、1か所に「5~10粒」、よく肥えた土なら10粒、土作りの途中なら5粒です


【むぎの育て方】

麦は根から多くの酸素を吸収するため、土をよく耕して空気を含ませておくことが大事です

特に大麦は、土の水分量が多すぎると、酸素不足で枯れてしまいます

あるいは土を細かくしすぎても、酸素が不足します


麦の栽培では、冬の間に数回の「麦踏み」をします

霜で浮いた根を戻し、根張りを強くし、穂が付く茎の数を増やすためです

麦踏みによって土が固められるため、水はけのよい土にしておきます


麦踏みは、晴れた日に「株の上」を歩いていく、麦の栽培に特有の作業です

まずは葉が「3枚」出たら、麦踏みを始めます

そして12~2月に「30~45日」間隔で2~3回の麦踏みをしておきます


麦の収穫時期

麦の収穫時期

麦の収穫時期は、5月下旬~6月

穂が黄色くなって、実が硬くなる頃が適した時期です

まず「穂」を噛んでみて、カリっと音がするようになったら収穫します


収穫時期になったら、晴天の日に株元から刈り取って脱穀します

例えば小麦なら、金属製の桶やボウルに叩くと粒が落ちてきます

たくさんある場合は、ビニールシートの上などに広げ、麺棒などで叩くと脱穀できます


残った「茎」と「葉」は、敷き藁にするため地面に置いて乾燥させておきます


麦類は、緑肥としても使えます

緑肥としても使える麦~豆が作る養分で麦が育ち土がリセット

豆類の連作障害を防ぐ方法と麦類を植える効果

豆類の連作障害は、麦類と交互に植えることで防げます。あるいは毎年、違う種類の豆類を栽培することでも連作障害は防げます。同じ豆類でも違う属なら、同じ場所で栽培しても連作障害が起きにくいからです。例えば、大豆や小豆の後に、エンドウやソラマメを植えても大丈夫です。


大麦の育て方

大麦の栽培

大麦の栽培では、肥料の他に「石灰」も加えます

なぜなら大麦は酸性土壌を嫌うからです


大麦の栽培時期は、秋から冬で、種まきの時期は11月ころです

北陸なら9月下旬~10月下旬、東海から九州なら11月中旬~12月上旬ころ

5~6日で発芽するので、土に石灰をまいておきます


冬の間に麦踏みをしておきます

そして「4月下旬」になると、大麦の穂が出ます


【二条大麦の栽培方法】

二条大麦は、西アジア一帯に自生していた品種です

主にビール醸造や飼料として使われ、欧米で多く栽培されています

二条大麦の育て方は、大麦の栽培法と同じです


【六条大麦の栽培】

アジアで多く栽培されているのが六条大麦で、主に食用と飼料用にされています


六条大麦には皮麦と裸麦があり、耐寒性の強いのは皮麦のほうです

そのため東日本では皮麦、西日本では裸麦が栽培されています

皮麦は麦御飯や麦茶などに、裸麦は麦御飯や麦みそに使われます


六条大麦の種まき時期は秋です


【大麦の収穫時期】

大麦の収穫時期は、穂が出てから40日くらい経った頃

秋に種まきした場合だと、5月下旬から6月くらいです

梅雨の時期と重なる場合は、3日以上雨に当たらないうちに収穫してしまいます


二条大麦の収穫時期は、全体の8割くらい穂が垂れ下がってきた頃

六条大麦の収穫時期は、全体的に黄色くなって、穂が曲がり始めた頃です


大麦は穂を軍手でもんでも脱穀できます


小麦の栽培法

小麦の栽培

小麦の育て方は、生育期は14℃くらいの涼しさ、収穫期は20℃くらいの温かさが適しています

寒さや乾燥には強いですが、暑さと収穫期の雨に弱い点に注意が必要です

収穫期が梅雨に当たりやすいため、主に北海道で小麦の栽培が行われています


【小麦の栽培時期】

小麦の栽培時期は、秋に種まきして、冬に育てます

そして「5月上旬」になると小麦の穂が出てきます

小麦の種まき時期は、9~12月です


  • 北海道で9月中旬~下旬
  • 北東北で9月上旬~10月上旬
  • 南東北で9月下旬~10月下旬
  • 関東で11月上旬~下旬


水栽培して、スプラウトとして食べることもできます


【小麦の収穫時期】

小麦の収穫時期は、穂が出てから45日ほど経ったころ

全体の8割くらい穂の付け根が黄色くなって乾き、曲がってきた頃に収穫します



麦の栽培をして、脱穀、製粉までできたら、自家製パンも焼けます

生きている酵母菌!果物・穀物・植物には自然と付いている

【自家製】酵母の作り方と手作り天然酵母パン

天然酵母は身近な食材から簡単に作れます。酵母菌は、身の回りで自然に生きている微生物だからです。野菜や果物、花やハーブの表面には天然酵母が付いています。


小麦粉で簡単に作れるのがメキシコ料理のトルティーヤ

発酵なしでフライパンで焼ける薄いパンです

メキシコ料理で夏のホームパーティ!各自好みの具材を手巻き

自家製トルティーヤとサルサソースの作り方

簡単に作れて、冷凍保存できるサルサソースとトルティーヤ。サルサソースは材料を煮詰めるだけ。トルティーヤは小麦粉を練ってフライパンで焼くだけ。巻き寿司みたいに、トルティーヤに好きなトッピングを乗せて食べられます。



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