病害虫から植物を守るためとはいえ、家庭菜園や庭では薬品を使いたくありません
安心して食べられる野菜を作りたいし、子供やペットに安全な場所にしておきたいからです
そんな場合に使えるのが、食品を使ったスプレーや、薬剤を使わない対処法です
例えば、ニンニク、酢、薬草などで防虫スプレーを作ることができます
植物の手入れや庭の掃除も、病害虫の対策になります
病害虫を防ぐ食品スプレー

食品スプレーは、タイミングよく散布するのがコツです
虫を寄せ付けないよう予防するためのもので、殺すわけではないからです
例えば「病気や害虫が発生する少し前」が最適な時期です
- 涼しい「早朝」か「夕方」の時間帯
- 雨が降る前や雨が降った後の「葉が乾いている時」
- スプレーが吹き飛ばない「風が強くない日」
【ニンニクの虫除けスプレー】
虫が発生し始める春に効果的なのがニンニクのスプレーです
殺虫力はありませんが、虫が寄り付かなくなります
- ニンニク(1株)をよくすりつぶして水(1リットル)を加える
- 布で濾した液を5倍に薄めてスプレーする
さらに強力なのが「灯油」を加えたニンニクのスプレーです
害虫の成虫、幼虫、病気を予防できます
特にカミキリムシには、この液を浸した脱脂綿を穴に入れて置くと効果があります
- ニンニク(80g)を小さく刻み、灯油(小さじ2杯)を加えて24時間おく
- 水(1リットル)と石鹸(10g)を溶かして加え、よく混ぜてから布で濾す
- 水で100倍に薄めてから再び布で濾す
5日おきに3回くらい散布すると効果的です
【カビ菌を予防する酢】
植物がかかる病気の多くが、カビ菌によるものです
そのためカビ類を予防する食酢のスプレーが、病気の予防にもなります
病気が発生しやすい「梅雨時」などに、週1度くらいの頻度でスプレーしておけば安心です
とはいえ酢は殺菌力が強いので、そのままスプレーすると植物も弱ってしまいます
そのため必ず「酢は20倍に薄めて」から使うことが大事です
20倍に薄めた「酢(1リットル)」に「石鹸(5g)」を溶かすと付着しやすく効果が増します
【殺菌効果のある薬草スプレー】
殺菌効果の高い薬草が「スギナ」「オオバコ」「ドクダミ」「ネギ」「トウガラシ」「ビワの葉」です
- 煎じた液を「20倍に薄めた酢」に加えてスプレーする
- 薬草を「焼酎」に漬けておき、3倍に薄めてスプレーする
親である「蛾」や「蝶」を寄せ付けないことも予防策です
虫除け効果のあるハーブなどを植えることで追い払うことができます

庭や菜園に植えた植物によって、害虫を防ぐことができます。虫によって、植物の好き嫌いがあるからです。例えば、ハーブの強い香りを嫌う虫は多くいます。
病害虫への対処法

害虫が発生してしまった場合には、人の手で追い払うことも必要です
虫の性質に応じた対策をすれば、薬剤を散布しなくても駆除できます
【アブラムシ対策】

アブラムシは、ジョーロやホースで水をかけるだけでも逃げ出します
乾燥していると発生しやすいので、真夏に水切れさせないことが大事です
すぐにまた寄りついてくるので、死滅させる必要があります
効果的なのが「牛乳」や「米ぬか」で駆除する方法です
古くなった牛乳で構わないので、薄めずに霧吹きします
すると牛乳が乾いて膜が張り、アブラムシが窒息死してしまいます
特に「晴れた日の午前中」に吹きかけるのが効果的です
アブラムシに米ぬかを塗っても死滅します
米ぬかは植物の養分ともなるので安心して使えます
粘着面を表にした「ガムテープ」も効果的です
植物の茎や果樹の幹の下のほうに巻き付けておくだけでOK
アリが植物に登ってくるのも防げます
棒にガムテープの粘着面を表にして付けると、毛虫などを取る時にも使えます
【ナメクジ対策】
地面に容器を埋めてビールを入れ、引き寄せて溺れさせてしまう方法が効果的です
ただし落ちて溺れるだけの深さがないと逆効果になります
ナメクジは夜行性なので、夕方くらいに仕込んでおくのがポイントです
とはいえ見つけ次第、割り箸で取り除いて捕殺するのがベスト
ナメクジは歩いた跡がスジになって残るので、見逃さずに駆除するのが一番です
【毛虫イモムシ対策】
アオムシや毛虫を見つけたら、すぐに割り箸などで取って捨てます
放っておくと、旺盛な食欲で植物の葉を食べつくしてしまいます
毛虫類は、庭に「小鳥」を呼び込んで食べてもらうのが簡単です
- バードフィーダーやバードハウスを設置しておく
- ピーナツを糸で繋げたリースを木の枝に掛けておく
- ナンテンやナナカマドなど小さな実がなる木を植えておく
害虫を捕食する「カエル」や「肉食の昆虫」も庭のパトロール役になります

庭や家庭菜園を無農薬で栽培するなら、天敵を利用すると楽。小鳥などが、セッセと虫を食べてくれます。肉食の昆虫や爬虫類も、植物を食害せず虫を食べてくれます。
病害虫を寄せ付けない庭作り
虫や病気を防ぐには、庭を清潔に保つことが一番です
特に虫やカビ菌による病気が発生しやすい場所があります
- 葉が繁って湿気がこもる場所
- 乾燥しすぎている場所
- 地面から泥水などが跳ねる場所
- 雨が当たる場所
鉢植えは「雨が当たらない軒下などへ移動する」だけでも、かなり病害虫を防ぐことができます
まずは枝葉が密集しすぎないよう「通気性」を良くすることが大事です
そのためには植物の手入れが欠かせません
- 花が終わったら「花がら」を切り取る
- 土の上に落ちている葉を取り除く
- 枯葉や枯れ枝を早めに切って処分する
- 植物が休眠している冬の間に「剪定」をする
定期的に剪定するために、錆びにくく切れ味の良い剪定ばさみが必要です

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