時間をかけずに調理できるのが炒め物のメリット
フライパンを強火にかけて材料を入れ、サッと手軽に作れます
材料の下ごしらえを含めても20~30分で出来上がります
- チャーハン
- レバニラ炒め
- 麻婆豆腐
人気の中華料理のコツをプロに教えてもらいました
基本的な炒め物のコツ
炒め物を美味しく作るのは案外と難しいもの。
けれど中華料理店のプロに教わってみると、実に簡単なコツがありました。
プロでなければできないような難しい技術ではありません。
ほんの少し作り方を変えるだけでグッと美味しくなります。
炒め物は、基本的に「強火」にして「短時間」で仕上げる料理。
けれど強火でサッと炒めると、火が通っていないことがあります。
強火でも焦げ付かず、中まで火が通るコツは「調味料」「油」「水分」。
材料に油をからめ、水分を飛ばし、調味料は最後にサッと加えます。
【炒め物を美味しくする調味料の使い方】
野菜を炒める時に、最初から調味料を加えると、水分が染み出てベタベタします。
調味料は最初に混ぜておき、最後に手早く加えると余分な水分が出てきません。
季節によって野菜の水分量が違うので、調味料も変えるのがコツです。
例えば「春野菜」は水分量が多いので塩コショウだけでも充分。
水分量が少ない「冬野菜」には醤油やスープなどを加えて水分を補います。
水分を加えるためには、ただの水では旨味が出ません。
コンソメスープなどを使うほうが美味しくなります。
【炒め物を美味しくする油の使い方】
まずフライパンに油を入れて熱したら一度おろして冷ますのがコツ。
再びフライパンを熱してから油を入れると、鉄が油を吸収して馴染みます。
フライパンに油がよく馴染んでいると、焼きそばなども焦げ付かなくなります。
残った余分な油を捨ててから食材を入れると油っぽくなりません。
材料を入れたら、フライパンの中で材料を「よく混ぜる」ことが第二のポイント。
油をからめるようにすることで火が通るからです。
フライパンを「あおって」材料をひっくり返すと、上下が逆になります。
これだけだと中まで火は通りません。
あおりながら混ぜることで、しっかり中まで火が通ります。
【炒め物を美味しくする水分量】
根菜や硬い野菜を炒める時には、火を少し弱めてフタをします。
中まで火を通し、水分が飛びすぎないようにするためです。
この時に音で水分を判断します。
ジュージューという音が、最初は低音で、水分が減ってくると高音に変わります。
そうしたら蓋を開けて味付けします。
新玉ねぎや新キャベツは、炒め物よりサラダ向き。
水分が多いので、炒めると水っぽくなってしまうからです。
瑞々しい春野菜はサラダにしたほうが美味しいし、栄養価も失われません。
中華料理店では、あえて畑に長くおいた野菜を炒め物に使うそうです。
水っぽさがなく、シャキッとした野菜炒めにできるからです。
パラパラしっとりチャーハンのコツ
御飯に卵を混ぜておいてから炒めると、素人でも上手にチャーハンが作れます。
卵のタンパク質が米粒を包み込んで固まるのでパラパラになります。
とはいえパラパラにはなっても、パサパサになりがちです。
プロが作るチャーハンは、パラパラでありながら、しっとり柔らか。
そのコツが「卵」の使い方です。
【チャーハンが美味しくなる卵の使い方】
まず卵を溶きすぎないことがチャーハンのコツ。
卵の白身と黄身それぞれ、ほどよく残っているほうが美味しいからです。
器に割り入れた卵を「箸」でサッと崩す程度。
フライパンを熱して十分に油が馴染んだら火を止めます。
そこへ軽くほぐした卵を入れると、油の熱だけで半熟になります。
黄身と白身それぞれ別に固まった状態。
ここに御飯を加えてから火にかけます。
そこで混ぜると、御飯に卵がコーティングされます。
卵に火を通しすぎないことが、ふわっと仕上げるコツ。
タンパク質は加熱するほど固くなるからです。
【御飯をつぶさずに混ぜる】
御飯をフライパンに入れたら、米粒をつぶさないように混ぜます。
フライパンをあおりながら、「8の字」を描くように混ぜるのがコツ。
丸い米粒を転がすようにして炒めると、しっとりパラパラのチャーハンになります。
レバニラ炒めはレバーを柔らかく仕上げるのがコツ
レバニラ炒めは、レバーが固くなりがち。
しっかり火を通さなければと思って加熱しすぎるのが原因です。
フライパンを熱して油を敷き、十分に熱したら「火を止める」のがコツ。
フライパンで熱した油は300℃くらいの高温になっているからです。
火を止めた状態でレバーを入れても、十分に焼けて火が通ります。
レバーを急激に加熱すると、水分が蒸発して硬くなってしまいます。
【水分を飛ばしすぎないよう加熱する】
レバーの両面が焼けたら、野菜と調味料を加えて強火にかけます。
調味料を加えて火にかけると、どんどん野菜から水分が出てきます。
レバーと野菜を混ぜたら火を弱め、「木蓋」をして10秒くらい待ちます。
水分を飛ばしすぎないようにするためです。
こうしている間にもレバーに火が入るので、最初から火を通す必要がありません。
【残った野菜の水分を飛ばして仕上げる】
仕上げは蓋を外し、「強火」で全体を混ぜます。
今度は野菜から出てきた余分な水分を飛ばすためです。
この時には、フライパンをあおりながら材料を混ぜます。
レバーが固くならず、野菜がシャキッとして、とっても美味しく仕上がります。
麻婆豆腐は豆腐に味を浸み込ませるのがコツ
美味しい麻婆豆腐を作るポイントは、豆腐に味がしみていること。
そのためには豆腐を十分に加熱するのがコツです。
豆腐の中まで熱くならないと味が浸みないからです。
充分に熱して味を浸み込ませたら、とろみを付けるために水溶き片栗粉を加えます。
片栗粉は、ちょっぴりでOK。
素材の水分を飛ばしながら混ぜていくことで、とろみがつきます。
【片栗粉は水に溶いておく】
水溶き片栗粉は調理する前に準備しておきます。
それは片栗粉に十分な水を吸わせておくためです。
中華料理店では容器にたっぷり水溶き片栗粉を入れてあります。
家庭でも蓋つきビンなどに入れて冷蔵庫に常備しておくと便利。
とろみをつけたい時に、すぐ使えます。
使う時にビンを振ると、沈んでいた片栗粉が水に溶けます。
【豆腐は十分に加熱する】
麻婆豆腐を作る手順
- 「ひき肉」を炒める
- 「調味料」を加える
- 「豆腐」を入れて加熱する
熱したフライパンに油を馴染ませたら火を止め、ひき肉を炒めます。
それから豆腐と調味料を入れて強火で加熱。
豆腐から水分が出てくるので、水気を飛ばすようにしながら十分に火を通します。
豆腐の中まで熱くすることで味がしっかり浸みこむのです。
【あんが柔らかくなるのは唾液のせい⁉】
片栗粉を多く入れても、あんは食べているうちに柔らかくなってきます。
それは食べている時の唾液が混じるからだそうです。
ですから調理する時に入れる片栗粉は少しで充分。
多すぎると塊ができてしまいます。
「1人分」の麻婆豆腐なら、小さじ1杯くらいの水溶き片栗粉しか入れません。
プロが使ってる中華の道具
炒め物に最適なのが「鉄製」フライパン。
素早く熱することができるからです。
調理場では大きな片手鍋を使いますが、家庭用なら27cmくらいが適度。
2合くらいの米でチャーハンを作るのに丁度いいサイズです。
炒め物を煽る中華鍋は、持ち手が短い方が楽です。
お玉はチャーハンなどを混ぜる時に使います。
中華鍋の中で混ぜやすい形と大きさ。
セットで使うと炒め物がしやすいことに気づくはずです。
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