ピーマン類は「豆類」と一緒に育てると、よく育ちます
土を肥沃にする豆類が、ピーマン類に十分な養分を提供するからです
互いに害虫を寄せ付けない組み合わせでもあります
辛くない種類は小さい順にシシトウ、ピーマン、パプリカで、辛い種類がトウガラシ
シシトウとピーマンは「幼い果実」を収穫したもの
トウガラシとパプリカは「完熟した果実」を秋に収穫します
パプリカの育て方
パプリカの原産地は中南米の熱帯地域で、生育適温は15~30℃
肥料分が多すぎても少なすぎても上手く育ちません。
美味しく育てるには「ほどよい養分」と「水分」がある環境で栽培すること。
パプリカは水分が多いほど甘くなりますが、極端な過湿は嫌います。
根が浅いので、土の表面をマルチで覆うと保湿できます。
【土の準備】
パプリカを育てるには、植え付け「1カ月前」に土を準備。
植え穴の底に「完熟堆肥」を入れて土を埋め戻しておきます。
まだ土が出来ていない場合には、植え穴から離れた場所にも完熟堆肥を入れます。
シシトウは堆肥を入れなくても育てられます。
土が肥沃になると、ピーマンやパプリカも収穫できるようになります。
【パプリカの種まき】
パプリカの種まきは3~5月。
低温だと発芽しないので充分に温かくなってから種を蒔きます。
土を鉢に入れ、水やりして湿らせておきます。
種まき用土には「苦土石灰(一つまみ)」と「堆肥」を入れます。
直径9cmくらいの鉢なら「4粒」くらい種を蒔いて、薄く土をかけます。
過湿を嫌いますが、乾燥にも注意。
本葉3~4枚までに間引いて1本にします。
肉厚で大きく甘みのあるパプリカ。
黄色、オレンジ、赤、紫などもあるので料理の彩りに重宝します。
草丈40~50cmの小さなパプリカ。
支柱なしで、プランターでも育てられます。
秋植え用のピーマン。
タイ料理やメキシコ料理に使えるトウガラシ。
特に辛みが強い品種がこちら。
発芽させて苗に育てるまでの「温度管理」が難しいピーマン類は、苗を購入すると楽に栽培できます。
特に大きくなるパプリカは「養分」と「水分」の管理も大変です。
【苗の植え付け】
本葉5~6枚の若い苗を準備し、植え付けする場所は「50cm以上」の間隔を開けます。
充分に温かくなってから、支柱の「南側」に苗を植え付けします。
枝が細く風で折れやすいので、麻ひもなどで支柱に固定します。
苗の周囲にも4本の支柱を立て、ビニールなどで覆うと風よけになり幼い苗を守れます。
苗が大きくなってきたらビニールを外して支柱で支えます。
伸びてきた枝は支柱と支柱を繋げた紐に引っ掛けておきます。
【脇芽取りと整姿】
ピーマン類の栽培では「あまり葉を茂らせない」ことがコツです。
根が浅く、茎が細いため、折れたり倒れたりしないよう「整姿」して枝葉を少なくします。
花が咲き始めたら脇芽を取ります。
一つ目の花のすぐ下から出てくる脇芽は残して伸ばします。
それより下から出てくる脇芽は全て取り除きます。
最初の花にできた実は、親指くらいの大きさになったら収穫し、それ以降にできる果実を大きく育てます。
【草の管理と水やり】
根は乾燥に弱いので、しっかり「草マルチ」を敷きます。
地面を保湿して根を張らせ、丈夫に育てるためです。
特にパプリカは水切れに注意。
葉の外周「15cm」くらいの範囲は草を刈り取り、地面に敷いておきます。
草マルチの範囲は、株の成長に従って広くしていきます。
トウガラシを辛くしたい場合は、草マルチを厚くせず「乾燥ぎみ」に管理します。
【樹勢の診断】
「葉」や「花」の付き方で樹勢を診断します。
●樹勢が強い状態
- 葉が上向きで色つやが良い
- 茎が太い
- 花が大きく、色が濃い
- 雄蕊よりも雌しべが長い
- 開花した花の上に、つぼみが1~2個ついている
●樹勢が弱い状態
- 茎が細い
- 花が小さく色が薄い
- 雄蕊が雌しべより長い
- 開花した花の上に出てくる次の蕾が貧弱
樹勢が弱い場合には草マルチの上から「水やり」。
曇りの日や夕方、1株にバケツ1杯の水をジョウロに入れて葉の上からかけます。
株元だけでなく葉の先端に水が落ちることで、根が外へと伸びるからです。
- 水(7リットル)
- 酢(7ml)
- 木酢酢または竹酢液(7ml)
- 焼酎(7ml)
草マルチの上に「米ぬか(一握り)」をまきます。
【果実を摘み取って剪定】
8月下旬までは株に負担をかけないよう、若いうちに「実」を取ります。
8月15~25日の間は、ついている実を全て取って株を休ませます。
この時期に枝の重なり具合を見直します。
「混みあった枝」「内側に伸びている枝」は切り取ります。
周囲の草は刈り取り、地面に敷き、その上から「米ぬか」を一握りまいておきます。
【収穫と種取り】
8月までは「未熟な果実」を収穫。
9月に入ったら、果実を完熟させることができます。
パプリカやトウガラシは、しっかり色が付いてから収穫します。
シシトウ、ピーマン、パプリカは、袋に入れて保存。
日陰の常温で1週間くらい保存できます。
唐辛子は、雨の当たらない場所に吊るして保存できます。
長期保存する場合は「ピクルス」に。
酢や油に浸けておいても長期保存できます。
焼酎に浸けて抽出したエキスを水に混ぜてまくと虫よけになります。
種取り用の花は多めに、太い枝1本につき「2~4輪」くらい残しておきます。
種が充実していなかったり、果実に入っていないこともあるからです。
太い枝に付いた花を選ぶのがコツです。
トウガラシの種には辛み成分があるので「手袋」をして作業します。
パプリカのコンパニオンプランツ
パプリカやトウガラシのコンパニオンは「豆類」です。
根に付く根粒菌が、空気中の窒素を吸収して土の中に固定します。
すると土が肥沃になり、パプリカの生育を促進します。
パプリカとインゲン豆を混植すると、生育初期の乾燥を嫌うパプリカの株元をインゲンが覆います。
すると日陰を作って水分の蒸散を抑える働きもします。
「つるなしインゲン」は「シシトウ」と一緒に植えると良い組み合わせ。
栽培期間が短いので、シシトウが枝を広げるまでの間を利用できます。
「つるありインゲン」を支柱に誘引し一緒に「キュウリ」や「ゴーヤ」も育てられます。
どちらもネコブセンチュウを増やしやすい点には注意が必要です。
センチュウ害が発生している場所では混植や連作を避けます。
つるなしインゲンの原産地はアメリカ大陸、中南米で、生育適温は15~25℃。
未熟なさやごと収穫する品種と、完熟させて実を収穫する品種があります。
育て方のコツは「少し肥えた土」で栽培すること。
過湿には弱いので「水持ち」「水はけ」の良い土が適しています。
一か所に2~3粒まき、鳥に食べられないよう草やネットで覆っておきます。
開花期からは水をよく吸収します。
【混植の仕方】
広さ100×200cmのスペースなら、50cm間隔で4本の支柱を3列。
支柱を紐で繋げておくと、伸びてきた枝を紐に引っ掛けて支えられます。
中央には「パプリカ」「ピーマン」「シシトウ」「トウガラシ」を1本ずつ。
外側に「枝豆」、「トマト」と「バジル」を数本ずつ植えます。
あるいは中央に完熟させるパプリカとトウガラシ、外側に未熟なうちに収穫するシシトウでもOKです
【つるなしインゲンの育て方】
混植するインゲンは、パプリカの植え付けと同時に種まきします。
つるなしインゲンの種は、1か所に「2~3粒」くっつけて点まきに。
栽培期間は60~70日くらいです。
収穫期間は「1週間」くらい。
7月中旬~下旬、早めに一斉に収穫します。
長く収穫するには時期をずらして種まきします。
終わった株は切り取り、地面に敷いておきます。
【つるありインゲンの育て方】
つるありインゲンは、高さ「200cm」くらいの支柱を立てて誘引します。
1か所に「3~4粒」ずつ、間隔を「30~40cm」あけて種をまきます。
鳥に食べられないよう、刈り取った草を上に敷いておきます。
発芽したら、間引いて「2本」にします。
開花し始めるまでは、まめに草刈りして地面に敷いておきます。
さやで収穫する品種は、若いうちに収穫します。
長くさやを付けておくと、株が老化して早く終わってしまいます。
さやを折ってみて「ゼリー状の種」ができ始める頃が収穫の目安。
つるありインゲンは早めに収穫すると長く収穫できます。
完熟させて豆を取る場合は「晴れた日」に収穫。
1週間くらい乾燥させてから保存します。
【パプリカ、トウガラシの後に育てる野菜】
ピーマン類の収穫後には「ホウレンソウ」「小松菜」など葉菜類を育てられます。
特に「トウガラシ」は「白菜」との相性が良い組み合わせ。
9月に種をまくか、トウガラシの株元から30cmくらい離して苗を植え付けます。
トウガラシを収穫した後に白菜が結球するので、漬物やキムチ作りに最適です。
ナス科の野菜は連作障害の恐れがあるため、翌春以降は避けます。
豆類は麦類と交互に栽培しても良い組み合わせです。
豆類と麦類は、交互に植えると良く育ちます。麦類は余分な肥料分を吸い取るので、枝豆の蔓ボケを防ぐからです。連作障害も起きにくくなります。
「ニラ」や「バジル」もパプリカと良い組み合わせ。
「トマト」とも混植できます。
トマトとバジルは一緒に料理しても栽培しても良い組み合わせ。近くに植えると、互いに味を良くして風味を高めます。「ニラ」や「バジル」をトマトと一緒に植えると病害虫を抑えられます。
マメ科の「落花生」や「枝豆」は「ナス」とも混植できます。
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