庭や菜園を作る前には、まず「整地」をする必要があります。
そのままの地面では、表面が凸凹していたり、傾いていたりするからです。
ですから、まずは地中に埋まっている石やゴミを取り除き、表面の土を平らにならします。
ウッドデッキ、椅子、テーブルなどを置く場所なら「水平」にすることも大事です。
整地はシャベルだけでもできますが、便利な道具を使うと効率的に作業できます。
整地の目的

整地には2つの目的があります。
- 土の表面を「平らに」ならす
- 地面を「水平に」する
地表面に凹凸があると、水が溜まり、歩きにくくなります。
地面に傾斜があると、テーブルや棚が傾き、物が転がり落ちてしまいます。
そのため土を移動させて、地表面の高さを均一にするのが整地の目的です。
- 花壇や菜園に「植物」を植える場合
- レンガや砂利を敷いて「小道」を作る場合
- テーブルや椅子などを置く場合
- ウッドデッキなどを設置する場合
使用目的に応じて、まずは地面を整えることが庭づくりの基本です。
整地の手順

土は「30cm」くらい掘り起こし、邪魔になるものを地中から取り除きます。
例えば、大きめの「石」「雑草」「ゴミ」などです。
- 土を掘り起こす
- 雑草や小石を取り除く
- 凹みに土を戻して踏み固める
- 表面を平らにならす
庭の「奥」から始め「後ろへ下がりながら」掘り返していくと効率的です。
2~3cmくらいの小石なら構いませんが「5cm以上の石」は邪魔になります。
ビニールやプラスチックの破片など「土に戻らないゴミ」も取り除きます。
根ごと掘り返した「雑草」は、根を上に向けて枯らすと堆肥として使えます。
掘り起こした土を戻し、「板」を敷いて上に乗り、踏み固めれば平らになります。
植物を植えるのは、整地が終わってから数日後。
地表が平らな状態に落ち着くまで待ったほうが土が安定するからです。
整地に使う道具

整地には、目的に応じた道具が必要です。
- 土を掘り起こす道具
- 地表を平らにならす道具
- 水平を確認する道具
土を掘り起こす「シャベル」と、地面を平らにする「板」だけでも整地はできます。
ですが便利な道具を使うほうが効率よく、仕上がりも綺麗です。
例えば「レーキ」「ジョレン」「タンパー」「トンボ」。
あまり聞きなれない名前ですが、使い方を知ると、とっても便利です。
土を掘り起こす道具

土を掘り起こす時に使うのが「シャベル」や「クワ」です。
シャベルは「硬い地面」でも深く突き差して掘り起こせます。
あまり硬くない地面なら、クワでも耕せます。
この時に、土の中にある大きめの石やゴミを取り除いておきます。
【ショベル】地面に突き刺して土を掘り出す

ショベルの刃は「肩」の部分が平ら
ここに足を乗せて体重をかけます
地面に深く突き差すためです
持ち手を「手前下」へ押し下げる
すると土が掘り起こされ、そのまま別の場所へ出すことができます。
ショベルの形には2種類あります。
- 先がとがった「剣型ショベル」
- 先が四角い「角型ショベル」
固い地面を掘り返す時に使うのは、先が尖った「剣型ショベル」
刃先が平らな「角型ショベル」は、同じ深さで平らに地面を掘り返しやすい形。
石など取り除いた後の固くない地面で、たくさんの土を掘り出す時に便利です。

大きめの角型ショベルは雪はねにも重宝します。
【三角ホー】硬い土を掘り起こす
刃の部分が三角のクワが「三角ホー」で、固い土を掘り起こすのに便利。
草刈りに使う道具ですが、土を寄せたり、掘り起こしたり、いろいろ使えます。

畑作業のほとんどが三角ホーで間に合うと書いてある本もありました。
【クワ】あまり硬くない地面を掘り起こす

土を掘り出したり土寄せする道具
畝を作る時にも使えます
根菜を掘り起こす時にも便利
生えだした雑草とりもできます
最も使いやすいのが平らな「平鍬」と呼ばれるもの。
刃先にハガネが使われているクワは、雑草を掘り起こしながら硬い土も耕せます。

刃先が2種類になったものは根が深い雑草を取る時にも使えて便利。
クワには、刃先が尖ったもの、平らなもの、くし型のもの、様々な形状があります。
地表を平らにする道具

広い場所で地表面の凸凹を平らにならすには、道具が必要です。
地表面の土を移動させて平らにしたら、踏み固めて安定させます。
- 土を寄せて平らにならす→ジョレン、レーキ、トンボ
- 土を踏み固めて平らにならす→タンパー
物を置いたり、人が歩く場所なら、しっかり地面を踏み固めておきます。
【ジョレン】土を寄せて平らにならす

ジョレンとは小さなクワのような道具
クワより刃先が短く平ら
土を寄せる時に使います
地表の土だけ移動するときに便利です
石などを取り除いた、柔らかい土を寄せる時に使います。
シンプルなジョレンは、植物を植えた後に土を根元に寄せる時などにも使えます。
片側が少し立ち上がっているジョレンなら側溝の掃除などでも活躍します。

柄の部分が長いと作業が楽です。
【レーキ】硬い土をほぐしながら平らにならす

レーキは、金属製の熊手のような道具
先端がくし型です
硬い土をほぐしながらならします
地表の草取りにも便利
整地の仕上げには、レーキの平らな部分でならすと綺麗に整えられます。
アルミ製のレーキは軽くて持ち運びにも作業にも楽です。
↓ こちらは重さ1300g、長さ150cm、先端の幅50cm、と少し大きめ。
刃の上の部分に穴が開いていて、水田でも使えるタイプです。
地表面にある小石や落ち葉などを寄せ集めることもでき、熊手代わりに使えます。
【熊手】地表の軽いゴミを集める

熊手は落ち葉などを掻き集める道具
地表面の「軽いゴミ」だけ取り除きます
柔らかな土をならす時にも使えます
幅が広いので効率よく作業できます
ジョレンやレーキで土をならしたあとの仕上げに便利です。
柔らかいので、芝生に落ちた枯れ草などを集める時にも使えます。
狭い場所には幅の細いレーキがあると便利。
先端が丸くなっているので、地面を引っかきすぎません。
落ち葉の多い季節にも重宝するので、庭掃除のためにも1本あると重宝します。
【タンパー】土を踏み固める
タンパーは、土を踏み固める道具。
持ち手を掴んで、地面をトントン叩きつけるようにして固めます。
板に乗って踏み固めることもできるけれど、広い場所では板を移動させるのが大変。
地面に置いた板を、持ったり敷いたりするたびに腰をかがめるので疲れます。
そんな時に、立ったまま作業できるタンパーがあると楽に作業できます。
道路工事では、アスファルトをならす時に電動タンパーが使われています。
【トンボ】土の表面を綺麗に整える
トンボは、サッカー場や野球のグラウンドなどで使われる道具です。

石や雑草のない土を整えます。
先端に付いた細長い板で土をならします。
幅が広いので一気に土を寄せられます。
先端がレーキのような櫛形ではなく平らな板なので、綺麗にならすことができます。
地表を均一にならしたら、水をまいてから凸凹を整えると土が落ち着きます。
水平を確認する方法と便利な道具

地面に物を置く場合には、水平にすることも大切。
椅子が傾いていたら、座り心地が悪くなります。
テーブルが傾いては、上に置いた物が転がり落ちてしまいます。
ウッドデッキが傾いてしまったら危険です。
表面が平らに見えても、ちゃんと水平になっているかどうかは分かりません。
きちんと測ることが大事です。
【水平の測り方】
地面が水平かどうかは「水」を使うと簡単に確かめられます。
容器に入った水は、必ず地面に対して水平になるからです。

透明なペットボトルが使えます。
水を入れて地面に置くだけ。
水平線を書いておくと目印になります。
小さくて見ずらいですが「透明の100円ライター」でも代用できます。
広い範囲の水平を確かめる時には、まっすぐで曲がらない「角材」を置きます。
上に水を入れたペットボトルを置いてみると水平が確かめられます。
安価な「水平器」という便利な道具も市販されています。

レンガを積み上げて「花壇」や「バーベキューコンロ」を作る場合にも水平の確認は大事です。
一段ずつ水平を確かめると仕上がりが綺麗で安定します。
【傾斜地での水平の測り方】
斜面にウッドデッキを設置する場合は、傾斜に沿って脚の長さを変える必要があります。
そんな時には「透明のホース」を使います。

デッキ部分の4隅に角材などを立てて
2本の角材にホースを縛り付けます
片側から水を注ぎます
すると反対側の同じ高さで水が止まります
その同じ高さに印を付け、それを結んだ線が「水平」です。
ウッドデッキの脚なら、印より上の部分を切り落とせば上面が水平になります。
あると便利な道具でも、いつも使うわけじゃありません。
「 ご近所レンタル」では使っていない時にレンタルして収入を得ることができます。
また使う物なら売ってしまわずにレンタルしてみてはいかがでしょうか。


不要になれば販売することもできます。
買う前にレンタルで試してみてもいいかもしれません。
庭の整地ができたら、レンガや砂利など敷石を使った「通路」も作れます。
雑草も生えてこなくなるので、庭の手入れ作業が楽です。

雑草を抑えるなら「敷石」「レンガ」「砂利」を敷くのが簡単。コンクリートやモルタルを使わなければ、素人でも施工できます。例えば「砂」でレンガを固定する方法です。
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