【製本】ハードカバーの表紙を作る方法と材料

美しい装丁の本は、インテリアのアイテム

お気に入りの本、自作のアルバムや旅行記など、綺麗に装丁すると素敵です

ハードカバーの本は、丈夫で壊れにくく、保存性に優れています

詩集、画集、写真集など、何度も開いて眺める本には最適

紙の本は、電子書籍やオーディオブックとは違い、パラパラめくって見れる良さがあります

ハードカバーの表紙を作る工程と材料

手製本のノート

ハードカバーの表紙を作るには、以下のような工程が必要です。

  1. 「表紙」「背表紙」「裏表紙」全体を1枚の紙や布に配置する
  2. 「厚紙」を「表紙」「背表紙」「裏表紙」の大きさに切って貼り付ける
  3. 出来上がった表紙を製本した本体につなげる

「表紙」「背表紙」「裏表紙」全体を配置する紙や布は大きめに。

本を見開きにした時のサイズに、周囲5cmくらいプラスしたサイズが必要です。

布張りの表紙にする場合には、布に「裏打ち」して補強します。

これは布に薄紙を貼って、ピンとさせる作業です。

先に刺繍文字を縫い込んでおくか、後からタイトル文字を書き込みます。

紙で表紙を作る場合なら、パソコンで作ってプリントアウトできます。

コラージュしたり、手描きのイラストを描いたり、自由なデザインが可能。

ただし紙の表紙は擦り切れてくるため、布張りほど長持ちしません。

【紙で作った表紙】

紙で作った表紙

A3の色紙に切り貼りした表紙

本のサイズはA5ですが、A4サイズの紙では小さすぎます

コンビニでカラーコピーしましたが、手作り感いっぱい

本のタイトルや画像もパソコンで作れば、もっと綺麗に仕上がるはず

文庫本サイズやハガキ大の本ならA4の紙に印刷して作れます

【布で作った表紙】

布で作った表紙

タイトル文字などは刺繍糸で縫い付けました



黒い布は汚れが目立つのが難点

時々コロコロでゴミを取っています

シルクや化繊ならゴミが付きにくく、毛羽立ちません

文字やイラストは「消しゴムはんこ」や市販の「スタンプ」でも付けられます

背表紙に文字を書くのは難しいので、先に書いておいたほうが楽です

布の表紙に本のタイトルなどを付けるには、いくつか方法があります

  • 刺繍糸で縫い込む
  • アクリル絵の具などで書く
  • 油性マジックで書く
  • スタンプを押す

絵具やマジックなら、本にしてから書くことも可能

ただし失敗した時には修正がききません

裏打ちする前に仕上げておいたほうが、失敗しても作り直しが簡単です

布の裏打ちの仕方

裏打ちした布をベニヤ板から剥がす

裏打ちは、布に「薄紙」を貼り付ける作業。

布がシワにならず、伸びたり縮んだりするのも防げます。

【裏打ちに使うもの】

  • 薄紙(和紙など)
  • ベニヤ板
  • タオル
  • 刷毛

使用する「布」は本を開いたサイズの4辺それぞれに5cmくらいプラスしたサイズ。

例えばA5サイズの本(横15×縦21cm)を作る場合なら「横41~42cm」「縦31cm」。

  • 横15cm×2(表と裏)+左右5cm=40cm
  • 縦21cm+上下に5cm=31cm

布に貼る「薄紙」は、布より周囲2cmほど大きめにしておきます。

ですからA5サイズの本なら、横45~46、縦35cmくらい。

障子用の和紙などが大きくて使いやすいです。

「糊」は「木工用ボンド1:工作のり1:水1.5」の割合で混ぜ、ざるで濾しておきます。

この糊を混ぜる作業が面倒だったので、私はスティック糊で貼り付けました。

【裏打ちの手順】

  1. 布を濡らして板などに広げる
  2. 薄紙に糊を薄く塗る
  3. 布に、糊を付けた薄紙を乗せて貼り付ける
  4. 空気を抜いてから乾燥させる
  5. 余分な部分をカッターで切り落とす

まずボウルなどに水を入れて布を浸し、十分に濡らします。

濡らした布を板に広げる

ベニヤ板に布を広げます

布は裏面を上に

タオルで余分な水分を拭き取ります

中心部から外側へと拭いて

布をピンと伸ばします

和紙に糊を付ける



不要な紙の上に「和紙」を裏返して広げます

毛先が短く幅広の「のり刷毛」に「糊」を付け

和紙全体にムラなく塗ります

和紙を布に乗せる

手で和紙を持ち上げるとシワになるので

和紙の片端に「定規」など付けて持ち上げます

糊が付いているほうを下にして

和紙を布の上に重ねます

多少なら曲がっても大丈夫

ここは一気に手早く作業するのがコツです。

何度もやり直すと紙も布もシワシワになってしまいます。

刷毛で空気を抜く



和紙と布を馴染ませるため

乾いた刷毛で和紙の表面をなでます

刷毛で垂直に叩くと、空気が抜けます

そのまま1日置いて乾かします

裏打ちした布をベニヤ板から剥がす

布が完全に乾いたらカット

カッターの刃先を布とベニヤ板の間に差し込みんで

布を一気に剥がします

これで裏打ちした布の完成です

ハードカバーの表紙を作る方法

本の表紙を作る

表紙に必要なのは「おもて表紙」「うら表紙」「背表紙」の3枚。

本体より「5mm」くらい大きくしておきます。

表紙を厚紙で作る

「背表紙」はハガキくらいの厚さの紙でOK

横幅は「本の厚み」

高さは「本の高さ+5mm」

3枚の厚紙は、あらかじめ繋げておきます

背表紙の両端に5~6mmのスペースを開けて貼ります。

表紙をつなぐ

この時に使う糊はスティック糊が使いやすいです

つなぎ用の紙は、幅10~20cmくらいでOK

糊が乾いたら、つなぎ用の紙は手で剥ぎ取ります

手で剥ぎ取るのは、紙の厚みによる「段差」をなくすため

段差がある場合はサンドペーパーで軽くこすります。

【厚紙を表紙に貼り付ける】

裏打ちした布に印を付ける



裏打ちした布は、一回り大きく

本を開いた時のサイズ+周囲2~5cm

裏打ちした布を裏返して広げ

裏面全体に刷毛で糊を付け

その上に繋げた厚紙を乗せます

刷毛で空気を抜くようにすると綺麗に貼れます。

裏打ちした布に厚紙を貼る

周囲2cmくらいの位置に線を引いて

はみ出した部分をカッターで切り取ります

角は厚紙より5mm外側で斜めに切っておきます

裏打ちした布を折り曲げる

下にクラフト紙を敷いて

はみだしている天地左右を内側に折ります

紙と一緒に布を折ると作業が楽です

折った布の端はコルクなどを使ってこすり

しっかり糊で張り付けます

裏打ちした布の角を押さえる

角の部分はヘラなどで押さえながら

こうして折ると、きれいに仕上がります

布の段差を埋める

折り曲げた布の厚み分だけ段差ができています

背表紙の部分が凹んだ状態

そこに紙を貼って段差を埋めます

細長く切ったクラフト紙などでOKです



おもて表紙、うら表紙の段差は、そのままで構いません。

後から「見返し」を付けると、隠れて段差が目立たなくなるからです。

【表紙と本を繋ぎ合わせる準備】

青い本の見返し

綴じた本体と表紙を繋げるには、いくつかの準備が必要です。

  • 「見返し」を作る
  • 「背表紙」を補強する
  • 「花ぎれ」を作って背表紙に付ける
  • 「クータ」を作って背表紙に付ける



表紙と本体を繋ぎ合わせるのが「見返し」部分。

「表紙の内側」と「本の1ページ目」になります。

表紙と本体を繋ぐ部分なので「厚みのある紙」が適しています。

見返しを作る

見返しは本のデザインを決める部分

本のイメージに合った色つき画用紙を使うと綺麗



二つ折りした時に、本より1~2mm大きめの紙

それを2枚用意します

おもて表紙、うら表紙に糊付けします

見返しを貼る

折ったほうを「背表紙がわ」にピッタリ合わせて

木工用ボンドを5mmくらいの幅で塗り

背表紙がわの本体と見返しの間を繋げます

紙の中央から塗り始め

上下へと筆を動かすときれいに塗れます

見返しを切る

背以外の3片は、見返しが本より大きい状態

はみだした部分をカッターで切りそろえます

本の2ページ目くらいに定規を差し込んで

定規に沿って、はみだしている部分をカット

本と見返しの4辺が同じ大きさに揃った状態にします



本がバラバラにならないために大事な部分が「背表紙」です。

背表紙に「薄紙」を貼って、本がバラバラにならないよう補強しておきます。

寒冷紗を貼る

薄紙は「トレーシングペーパー」など

本の高さより4~5mm「短く」

背表紙より4~5cm「広い」大きさのものを用意

本の背表紙に木工用ボンドをたっぷりと塗り

薄紙を背表紙の中央にまっすぐのせ、上から指で押さえて貼り付けます。

この薄紙を貼る時に、しおりの紐を挟むこともできます。

手製本

背表紙の上下に付ける「花ぎれ」

背表紙の内側にある小さな部分で、

背表紙の補強部分を隠すものです。

花ぎれは、裏打ちした布で作ります。

表紙用の余り部分で十分

10×2.5cmくらいあれば間に合います。

花ぎれを作る

1.長辺の端から1cmくらいに線を引く

2.線に沿ってヘラでなぞって折り目をつける

3.折り目に木工用ボンドを塗る

4.線の上に「水引」を乗せる

この花ぎれを二つ折りします。

花ぎれに窪みを付ける

6.ヘラで水引の線をなぞる

7.木工用ボンドを乾かす

8.花ぎれを「背表紙の厚み」と同じ幅に切る

花ぎれは背表紙の上下に付けるもの

ですから2つ用意します

花ぎれに丸みをつける

9.コルクなどを当て

花ぎれに丸みをつける

丸みを付けるのは、本を閉じた時のため

背表紙のふくらみに沿う形にしておきます

花ぎれができたら、本の背表紙の上下に木工用ボンドで貼り付けます。

中に折り込んだ「水引」が背表紙の上の部分に当たります。

花ぎれが少し本の端から出るくらいの位置です。

花ぎれの段差を埋める

背表紙に段差ができてしまうので

花ぎれの厚み分を厚紙で調整

細長く切った「クラフト紙」などを貼り重ねます

背表紙に沿うよう馴染ませ、糊を乾かしてから「クータ」を取り付けます。

クータは、本を開きやすくするためのもの。

厚みのある本は、クータがないと開きにくく本が傷む原因になります。

そのクータを隠す役割をするのが「花ぎれ」です。



本を開いた時に「隙間」があることで、紙がバラバラになるのが防げます。

そのためクータは、紙を「筒状」にして作ります。

クータを作る

丈夫な「クラフト紙」などを三つ折りします

幅は背表紙の厚みと同じに

三つ折りの左右は中央より2mmくらい細く

それを筒状になるよう貼り合わせます。

糊が乾いてから箸などを入れて、筒になっていることを確認しておきます。

クータを付ける

クータの片面に木工用ボンドを塗り

本の背表紙に、まっすぐ貼り付けます

花ぎれが少し出ている状態

クータもヘラで背表紙に馴染ませます

ボンドが完全に乾いてから、本を開いてみると、補強されていることが確かめられます。

【本に表紙を付ける方法】



表紙に本を挟んでみて、位置を調整したら表紙と本を糊付けします。

表紙の位置を調整する

「背表紙」部分に木工用ボンドを薄く塗り

本体の背表紙に貼り付け

表紙を閉じて本体の位置を確認

背表紙のボンドを乾かしてから、つなぎ目部分に「溝」を付けます。

溝をつけることで、本を開いた時に表紙がきれいに開くからです。

背表紙との境目に溝を付ける

ヘラなどを当てて

背表紙も、しっかり固定

本を閉じ、上に重石を置きます

背表紙の糊が完全に乾くまで、5分くらいおいて馴染ませます。

しっかり背表紙が固定出来たら、おもて表紙とうら表紙を貼り付けます。

見返しに糊を付ける

表紙を手で押さえ

90度以上開かないよう斜めに開き

見返しの紙に刷毛で糊を塗ります

刷毛は本の背表紙から外側へ動かして。

均等に糊を塗ったら、見返しと表紙を貼り付けます。

本をひっくり返し、反対側の表紙も同じようにして見返しに貼り付けます。

表紙を閉じ、重い本などを乗せて1日くらい置き、完全に乾かしたらできあがりです。

製本するための道具

手製本

紙を綴じて製本する道具には「ホチキス」「ホットメルトや糊」「製本機」があります。

  • 厚みがない本 → ホチキスで綴じる
  • 厚みのある本 → ホットメルトで綴じる
  • たくさん製本する場合 → 製本機を使う

【糸で綴じる製本】



紙10枚くらいのアルバムなら、紐で綴じるだけでも製本できます。

厚紙で作った表紙にキリなどで穴を開け、紐で綴じるだけ。

手作りアルバム

これは親戚が作ってくれたアルバム

厚紙、和紙、針金、麻糸の表紙です

>中の写真はコピーしたもの

切り張りして厚紙にコラージュしてあります

初心者にも分かりやすく、おしゃれな製本が紹介されている本が参考になります。

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製本屋さんの本に、和綴じなど紐で綴じた製本が紹介されています。


 

【厚みのない本ならホチキス止めで製本】



厚みが1cmくらいまで、100枚くらいの本なら、大きなホチキスで止められます。



【たくさん本を作るなら製本機】



たくさんの本を作るなら「製本機」を使うのが簡単で仕上がりも綺麗。

こちら↓の製本機は最大で24mmの厚さまで綴じることができます。

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製本機は綴じた本をバラす時にも使えます。

分厚い本の背の部分を閉じている糊付けを溶かすことができます。

必要なページだけスキャンしてデータ保存する時に便利。


【厚みのある本はホットメルトや糊で製本】



ホチキス止めできない厚さの場合には「ホットメルト」で背の部分を止め付けます。

ホットメルトで接着すると糊が凸凹になるのが難点。

クッキングシートなどワックスペーパーを当ててアイロンをかけるときれいになります。

「木工用ボンド」を使ったほうが仕上がりはきれいですが、乾くまでに時間がかかります

紙がずれないよう、きっちり揃えてから糊付け。

糊付けしない3片をクリップでしっかり押さえておくと、ずれません。

厚みのある本なら「Fクランプ」があると便利。

紙の束を2枚の板ではさんでから両端を押さえると固定できます。

2個のクランプで押さえるとズレる心配がありません。



オンデマンド印刷を利用すれば、1冊でも数冊でも本を作れます。

例えば「ペンタロー」という会社では同人誌などを格安で作ってくれます。

手づくり製本した本は記念に取ってありますが、現在はアマゾンを利用。



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