【洋裁】自分で服を作る方法と必要な裁縫道具

服作りは、基本を覚えると、どんどん応用していけます

例えば家庭科の授業で習った「パジャマ」

シャツとパンツなので長さや幅をアレンジして室内着などが作れます

ファスナー、ポケット、ボタンホール、裏地、襟や袖の形など

テクニックを身に付けるごとにバリエーションも増えます

洋服を縫う手順と方法

洋裁の布

洋服作りの工程は大きく分けて3つ。

  1. 型紙を用意する
  2. 生地を裁断する
  3. 布を仮止めして縫う

手縫いでも、ミシン縫いでも、基本的な手順は同じです。

綺麗に仕上げるコツが「アイロン使い」と「道具選び」。

道具は、手縫い用、ミシン用、用途に応じて使い分けます。

【型紙を用意する】

洋裁の型紙

一つの型紙から様々な洋服を作ることができます。

同じ型紙でも「布」を変えるだけで、全く別の洋服になります。

袖や裾の「長さ」を変えることもできます。

ブラウスの袖丈、ジャケットの着丈、スカートの裾丈など。

ただし「幅」を変えるには「型紙補正」が必要なので、初心者には無理です。

大人用の型紙を縮小コピーしても、子供服の型紙としては使えません。

●型紙の種類

洋服の型紙には「拡大コピー」する型紙と「原寸大」の型紙があります。

使いやすいのは原寸大の型紙。

サイズごとの線が重ねて描かれています。

作りたいサイズの線を赤ペンなどで目立たせておくと切り間違いを防げます。

長袖、長ズボンの線で切っておくと、後で「半袖」「半ズボン」に応用できます。

単純に型紙を折るだけでOK。

ハトロン紙に描き写したものを切って使えば、元の型紙は何度でも使えます。

サイズや襟の形など、アレンジして作る場合に便利です。

描き写す時には、「中心線」や「合い印」なども書き入れておきます

【生地を裁断する】



生地を用意して、裁断するのが、最も緊張する部分。

切ってしまった布は、やり直しがきかないからです。

縫ってしまった後でも、糸をほどいて縫い直すことができます。

ですが間違って布を切ってしまったら、繋げるのは無理。

「布は多めに用意」して、「大きめに切っておく」のが、失敗しないコツです。

●必要な分量の布を用意する

用意する布の分量は、「110cm幅」の布を使う場合で、以下が目安です。

  • 「スカート」は丈の2倍+20cm
  • 「ワンピース」は着丈の2倍+30cm
  • 「シャツ」は着丈の2倍+袖丈+30cm
  • 「パンツ」は丈の2倍+20cm

市販の型紙には、必要な布の分量が記載されていることがあります。

切った型紙を並べてみて、端まで布を使いきれる配置にすると無駄なく使えます。

「ギャザー」の多いスカート、「タック」を寄せるワンピースなどは多めの布が必要です。

「チェック柄」や「ストライプ柄」などは、繋ぎ目の「柄」がズレると変。

柄合わせは初心者だと難しく、使う布の分量も多くなります。

最初は無地の布を使うほうが楽です。

●生地に型紙とおりの線を描く

布の印付け

型紙を切り取ったら、広げた布の上に置いて「チャコペン」で型紙どおりに線を引きます。

線を引く前に「布をアイロンがけ」しておくと、布目が整って綺麗に仕上がります。

型紙の周囲には「縫い代」として1~2cmの余裕が必要です。


シャツの後ろ見頃などは「わ」と書いてあり、半分だけ描いてある場合があります。

ここは片側を布に描いてから「わ」を中心に型紙を反転させて置き、左右対称に描きます。

中心線は上下だけ書いておいてもOKです。

「袖」や「ズボン」など同じ型紙で2枚ずつ裁断する部分もあります。

布を2枚重ねて切った場合には、もう一枚のほうにも型紙を当てて線を引いておきます。

●縫いしろの付け方

型紙には、縫いしろが描いてあるものと描いてないものがあります。

どちらにしても「出来上がり線」と「縫い代」の線の両方が必要です。

できあがり線と平行に、1~2cm幅の縫いしろ線を描きます。

この時に便利なのが「透明の方眼定規」です。

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縫いしろは広めにしておいたほうが、失敗した時に修正がききます。

折りたい幅のラインに合わせてアイロンをかけられる定規が非常に便利。

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ミシン縫いしてから、余分な縫いしろを切り揃えると綺麗な仕上がりにもなります。

●注意が必要な縫い代の部分

斜めになった「ダーツ」部分に縫い代をつける場合。

ダーツ線に合わせて「布を折った状態」にしてから縫いしろ線を描くと綺麗に仕上がります。

「袖口」や「ズボンの裾」も出来上がり線で折り返してから縫いしろを付けます。

特に裾がすぼまったデザインの場合。

縫いしろを斜めラインに合わせておかないと足りなくなります。

●接着芯は裁断前に貼っておく

シャツの「襟」「前立て」「ポケット口」などには、接着芯を付けると仕上がりが良くなります。

ハリがでてきれいですし、洗濯をしても型崩れしにくくなります。

型紙通りに線を布に描き込んだら、アイロンで接着芯を貼り、布と一緒に切ると楽です。

●布を裁断するコツ

布を裁断する時には「ハサミの使い方」がポイントです。

布の裁断

布切ハサミは「持ち手」部分と「刃のつなぎ目」に窪みが付いています。

ここに人差し指を当てて支えにすると、安定して、まっすぐ切れます。

大きいほうの穴には「中指、薬指、小指の3本だけ」入れます。

裁断をする時には、「布を持ち上げない」ようにして切ると綺麗に切れます。

作業台に布を置いたまま、ハサミのほうを前進させるのがコツです。

途中までハサミを閉じたら、開き直し、ハサミを前進させてから切り進みます。

ハサミの刃先まで使うと布の切り口がガタガタになります。

布切りハサミは布専用にして、他のものを切らないようにすると切れ味が落ちません。

【布を仮止めして縫う】



2枚の布を重ねて縫う部分には、「まち針」で仮止めしておきます。

特に型紙の「合印」の部分は、きっちりと合わせて止めておくことが大事です。

まち針は布の「端から内側へ」向けて「まっすぐ」「縫い目と垂直」に差します。

まち針を斜めに差すと布がずれるので、必ず垂直に刺します。

縫い目に沿って平行に針を刺すと、指に刺さったり、縫い進んだ時に邪魔です。

ざっくり「しつけ糸」で縫い上げてみて、試着すると出来上がりをイメージできます。

縫い代の範囲内であれば、サイズ変更も可能です。

●きれいに仕上げるためのアイロン使い

1か所を縫うたびに「縫いしろ」にアイロンをかけておくのがコツです。

次の部分が縫いやすく、仕上がりがグッと綺麗になります。

2枚の布を縫い合わせたら、縫いしろを「割る」「倒す」「折る」といった始末をします。

●縫い代を「割る」

縫い合わせた2枚の布を裏返し、縫いしろ部分を両側に開いてアイロンをかけます。

縫いしろ同士が重なりません。

「厚手の生地」を縫う時の「見頃」や「袖下」に適しています。

●縫い代を「倒す」

縫い合わせた2枚の布を重ね、縫い目の部分で縫いしろを片側に折ってアイロンをかけます。

布を開いてから同じ部分にアイロンをかけて仕上げます。

2枚の布の片側に2枚の縫いしろが重なるので厚みが出ます。

縫い目が開かないので「薄手の生地」を縫う時に適しています。

●縫い代を「折る」

スカートやズボンの「裾」などに。

縫いしろ部分を二つ折りか三つ折りしてアイロンをかけます。

●縫い代にバイヤステープを使う

布の端をバイヤステープでくるんで処理する場合。

まずバイヤステープの片端をミシンで縫い、反対側へテープを折ってアイロンをかけます。

縫いやすく、仕上がりも綺麗に出来ます。

用途に応じた裁縫道具の選び方

洋裁の道具


服を作るのに最低でも必要なのは「ハサミ」「糸」「針」。

時間はかかりますが、手縫いで洋服作りも可能です。

例えば布を切って2枚を重ね、両端を縫っただけのスカート。

小さな子供用なら簡単に作れます。

形が複雑な犬用の服などは、手縫いの方が細かな部分も縫いやすいこともあります。

【布切ハサミ】



刃の部分が長く、切れ味がよいのが布切りハサミ。

紙などを切るハサミより切れ味が良いので布を綺麗に切れます。

切れ味の悪いハサミで切ると、布の切り口がほつれやすくなります。

切りやすいのは「24cm」くらいの長さがある大きめの布切はさみです。

左利きの人は左利き用のハサミを使うとストレスなく裁断できます。

布切はさみは、片側が水平になっています。

それは台に布を置いたまま滑らせるようにして切るため。

直線を切る場合なら「刃の間に布を挟んだまま」一気に端まで滑らせると綺麗に切れます。

【手縫い用の針と糸】



「ボタン付け」などに使うのが手縫い糸と針。

縫う布の種類によって使い分けると縫いやすく、仕上がりも綺麗にできます。

ミシン糸で手縫いすると糸が絡まりやすくなります。

それはミシン用と手縫い用では糸を撚る方向が逆だからです。

手縫い用の糸は2種類あります。

  • 筒に巻かれた「スパン手縫い糸」
  • 平たい厚紙に巻かれた「絹糸」「穴糸」

綿など普通の生地を縫うには筒状の「スパン手縫い糸」が適しています。

ポリエステル糸は、糸が細いので薄手の生地にも使えます。

なめらかに縫え、丈夫で色の種類も豊富です。

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厚紙に巻かれた「絹糸」は、光沢が綺麗なので縫い目が表に出る部分にも使えます。

「穴糸」はボタン付けに適した太く丈夫な糸です。

スーツやコートなど厚手の生地で、ボタンの開け閉めを頻繁にする衣類の場合。

穴糸でしっかり縫っておいたほうが長持ちします。

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一般的に売られている手縫い用の針は、アメリカから導入された「メリケン針」。

サイズは4~9番があり、番号が大きいほど細い針です。

薄い布地には細い針を使うと縫い目が目立たず綺麗に仕上がります。

ウールやデニムなど厚手の生地を縫う時には、太い針で。

針が細いと折れたり曲がったりしてしまいます。

長短セットでケース入りの針なら収納しやすく、パッと開いて選びやすいので便利です。

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日本で古来から使われていた「和針」は糸を通す穴が丸いのに対し、メリケン針は楕円形

糸通しの穴が小さく丸い和針は「縫い目が目立たない」のがメリット。

楕円形のメリケン針は「糸を通すのが楽」です。

針に糸を通すときに、あると絶対に便利なのが「糸通し」。

小さな針の穴に糸を通す時イライラせずにスッと通せます。



【ミシン縫い用の針と糸】



ミシン針は太さによって号数があります。

針と糸の太さが合っていないと、糸がからみやすくなります。

布が引きつれたり、糸や針が折れてしまうこともあります。

●薄い生地を縫う場合

ガーゼ、ジョーゼット、リネンボイルワッシャー、ローン、オーガンジー。

薄手の生地には、細い「9号」くらいのミシン針と、「90番」くらいのポリエステル糸で。

縫い目が歪みやすく、生地が引きつりやすいので「しつけ糸」で縫い合わせておいたほうが失敗しません。

●普通の生地を縫う場合

綿ブロード地、シーチング、ダンガリーなど、ワイシャツやブラウス程度の厚さ生地。

「11号」くらいのミシン針、「60番」くらいのポリエステル糸が適しています。

縫いやすい厚さなので、マチバリで止めただけでもスムーズに作業できます。

●厚手の生地を縫う場合

ジーンズ、キルト、麻、厚手のウール、帆布。

厚みのある生地には「14号」くらいの太いミシン針と「30番」くらいのポリエステル糸で。

ジーンズの裾上げなどでステッチする場合には、ジーンズ用の太い糸が必要です。

細い針のまま厚手の生地を縫うと針が折れてしまうことがあります。

糸も細いと切れてしまいます。

あると便利な道具類

トルソー

「まち針」は布を重ねて縫う時に、ずれないよう止めておく針。

「しつけ糸」で仮縫いすると、着てみてサイズ補正などできます。

裁縫をしている時には切った糸の端など小さなゴミが出やすいもの。

すぐに片づけられるよう「ゴミ箱」を用意しておくと作業台が散らかりません。

「ガムテープ」などに小さな糸くずをくっつけておくと楽です。

他にも専用の道具を使うと作業効率が良く、仕上がりも綺麗にできます。

【チャコペン】



チャコペンは、布に型紙の線を描き写す時に使います。

エンピツで代用できますが、柔らかいチャコペンは描きやすく、洗えば線が消えます。

水で消せる水性が使いやすく、消しペンもあると描き間違えをサッと消して直せます。



【方眼定規】

方眼定規は、長さと幅の線が付いている透明の定規。

同じ幅で線を引きたい「縫いしろ」部分を描く時に便利です。

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【アイロン台】



アイロン台の「うま」は洋服の「袖」や「筒状」の袋などを作る時に使います。

普段のアイロンがけでも、うまが付いたアイロン台を使うと洋服のアイロンがけが楽。

洋裁を始める時に買っておくと重宝します。

脚付きのアイロン台なら、ミシン台の横に置いて作業台としても使えるので便利です。



【ミシン】



大人用の服を作る場合なら、やっぱり「ミシン」があると便利。

薄手のコットンなどで子供服やスカートを作るくらいなら、軽くて小さなミシンでも充分。

けれどコンパクトなミシンでは縫えない場合もあります。

  • デニムやウールのような厚地を縫う場合
  • 布が大きいワンピースを縫う場合

こんな場合は、少し重量があるミシンの方が安定して縫えます。

安価なミシンは厚手の生地を縫うには不向きです。

1万円以下の安いミシンで縫えるのは、薄い生地や子供服など。

試しに5,000円くらいのコンパクト電動ミシンを買ってみました。

薄手のリネンガーゼで夏用の室内着を作るくらいなら充分。

使い勝手が良いとは言えませんが、ミシン操作に慣れていれば使えます。


厚みのある生地や大人の洋服を縫う場合。

安くても1~2万円くらいのコンピュータミシンを選んだほうが使いやすいはず。

ワイドテーブルが付いていると、大きなものを縫う時に便利です。

初心者が高機能のミシンを買っても使いこなせないことがあります。

例えばステッチの種類が多くても、どう使っていいか分かりません。

高額の家庭用ミシンを買うより、手ごろな価格の職業用ミシンのほうが使いやすいことがあります。

職業用ミシンは「直線縫い」だけでき、縫い目が綺麗に縫えるミシンです。

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縫い代を既製品のように仕上げたい場合にはロックミシンを使います。

伸縮素材も縫えるなど、ロックミシンがあるとバリエーションが広がります。

例えば、「袖口にゴムを縫い付ける」場合などです。

他にも「パイピング」など様々な飾り縫いができます。


●付属品をチェック

洋服を縫う場合には「ボタンホール縫い」ができるミシンが便利。

ボタンホールを縫うなら「押さえ」も付属しているほうがまっすぐ綺麗に縫えます。

安いミシンの場合、ボタンホール縫い用の「押さえ」がついていないことがあります。

ミシン付属品←ボタンホール縫い用の押さえ

「ファスナー」をつける場合にも、専用の押さえがあるほうがきれいに縫えます。

【リッパー】



縫い間違って糸をほどく時に使う「リッパー」。

針のようにとがった先端を縫い糸の下に通し、V字部分についた刃で糸を切ります。

古い着物や洋服をほどいてリメイクする時などにも使えます。

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しつけ糸を引き抜く「ピンセット」も用意しておくと作業がスムーズにできます。

【トルソー】



洋服の仮縫いに使うのが人型のトルソー。

ハンドメイドの洋服をフリマなどのサイトに出品する時の撮影にも使えます。



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