鍋の焦げ落とし素材別の注意点と洗い方のコツ

鍋を焦げ付かせてしまった時は、素材に合った対処法が必要

傷が付きやすい素材や、温度差に弱い素材があるからです

例えばホーロー鍋に傷がつくと、サビたり、ひび割れしてしまいます

表面のコーティングが剥がれてしまったら修復は不可能

熱い土鍋に水を入れると、ヒビが入り割れてしまうこともあります

基本的な焦げ落としの方法

ステンレス鍋

鍋の焦げ落としには「時間をかける」のがコツ。

最も楽で綺麗に仕上げられます。

どんな素材の鍋でも、焦げ落としの基本は3つ。

  1. お湯に浸ける
  2. 木ベラで焦げをこすり落とす
  3. 洗って乾かす

焦げ付いた鍋やフライパンに「40℃以上のお湯」を溜めて焦げを柔らかく緩めます。

外側の焦げは、大きなボウルなどにお湯を入れて鍋を浸けておきます。

これを火にかけると、さらに落ちやすくなります。

鍋やフライパンの焦げ付きは、食品の水分が失われて炭化した状態。

水分を補って「熱が加わる前の状態」に戻し、焦げを柔らかくすることで落ちやすくなります。

いきなり強くこすると傷がつきます。

素材を傷つけない「木製のへら」などで、少しずつ焦げを取るのがコツ。

傷が付いた鍋は熱が均一に伝わらなくなり、さらに焦げ付きやすくなります。

落ちにくい場合には、そのまま火にかけると取れてきます。

焦げが落ちたら「食器用洗剤」と「ぬるま湯」で洗います。

すすいで水気を切り、布巾で水分を拭き取ってから乾かします。

素材別の焦げ落とし方法と注意点

土鍋

鍋を浸けるお湯に「重曹」や「酢」を加えると焦げが落ちやすくなります。

ただし素材によって加えるものが異なります。

  • ホウロウとステンレスの鍋には「重曹」
  • アルミ鍋には「酢」

鍋の素材によっても扱い方が異なるので注意が必要です。

【土鍋の焦げ落とし方法】



土鍋が熱いうちは決して水に入れないことが肝心。

急激な温度変化に弱く、割れることがあるからです。

焦げ付いた場合には「お湯」を入れて焦げを柔らかくします。

土鍋は汚れがしみ込みやすい素材です。

ですから早めにゴムベラやキッチンペーパーなどで汚れを拭き取っておきます。

お湯に浸けて汚れを浮かせたら、食器洗剤をつけたスポンジで洗います。

使い始めに「米のとぎ汁」と「塩」ひとつまみを入れて煮ると汚れにくくなります。

これは目が詰まって汚れがしみ込みにくくなるからです。

中火にかけて30分くらい煮ればOK

使い始める前に「お粥」を炊くと、ご飯のデンプンが出てひび割れを防ぎます。

ひび割れができた場合でも、小さなうちなら、お粥を炊くと塞がります。

【ホーロー鍋の焦げ落とし方法】



ホーロー鍋に金属タワシや硬いヘラは厳禁。

表面のコーティングが傷つきやすいからです。

焦げ付いた時でも「柔らかなスポンジ」で洗います。

急激な温度変化にも弱いので、熱が冷めてから「ぬるま湯」に浸けます。

ぬるま湯に「重曹」を入れると焦げが柔らかくなります。

スポンジでは落ちない場合は火にかけます。

焦げを柔らかくして、傷がつかないよう洗うのがポイント。

付いてしまった傷は修復できません。

【ステンレス鍋の焦げ落とし方法】



ステンレスはサビにくく、温度変化に強く、傷がつきにくい素材。

焦げ付いた場合には金タワシなどでこすっても大丈夫です。

ただし光沢は失われます。

ピカピカの状態を保つなら「お湯」に浸けて焦げを柔らかくしてから。

柔らかいスポンジで洗えば光沢を保てます。

【鉄鍋の焦げ落とし方法】



鉄はサビやすい素材なので、洗剤を使わず「お湯」で洗います。

焦げ付いた場合には「金タワシ」などで強くこすっても大丈夫です。

洗った後に火にかけて水分を完全に飛ばし、熱いうちに油を薄く塗っておきます。

もしサビがついてしまっても、スチールタワシでこすれば落ちます。

お湯で洗ってから火にかけて水気を飛ばし、油を塗っておけば復活します。

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ステンレス、鉄鍋専用です。


フライパンや鍋の洗い方と手入れ法

鍋を洗う時は「柔らかいスポンジ」を使うのが基本です。

硬いスポンジを使うと傷がついて焦げ付きやすくなります。

  1. 油を拭き取る
  2. ぬるま湯で洗う
  3. 水気を取り除く

鉄鍋などは洗剤を使うとサビやすくなります。

キッチンペーパーなどで油を拭き取れば洗剤は不要です。

【油を拭き取る】



揚げ物や炒め物で残った余分な油は、冷めきらないうちに処理。

紙に吸わせたり、キッチンペーパーで拭き取ったりしておけばOKです。

【ぬるま湯で洗う】



30℃くらいのぬるま湯に浸けながら、スポンジに食器洗剤をつけて洗います。

水で洗うと油が固まって落ちにくくなるからです。

サビやすい鉄製の鍋やフライパンは、ぬるま湯で洗うだけで十分です。

食器洗剤を使うのは、油汚れを落とす場合だけ。

野菜を塩茹でしただけなら洗剤は不要です。

【水気を取り除く】



洗った鍋やフライパンは、逆さまにして水気を切っておくだけでもOK

ただし鉄製の場合だけは火にかけて水分を完全に飛ばします。

熱いうちに油を薄く塗っておくとサビません。


注意が必要な素材の手入れ法

ホーロー鍋

鉄製、銅製、アルミ製、フッ素樹脂加工は注意が必要な素材です。

  • 鉄と銅はサビやすい
  • アルミは黒ずみやすい
  • フッ素樹脂加工は剥がれると修復できない

サビや黒ずみは後から落とせますが、剥がれたコーティングは修復できません。

【鉄の手入れ法】



スキレット(skllet)は小さなフライパンのこと。

鉄製のものは手入れが欠かせません。

新品の鉄鍋は、使い始める前に食器洗剤とスポンジで洗います。

コーティングに使われる錆止め剤を落とすためです。

そのままでは必ずさびるので、火にかけて水気を飛ばします。

熱いうちに油を薄く塗っておくとサビません。

油を塗ってから濡れ布巾に乗せて冷まします。

冷ますことで油が馴染むからです。

調理する時も、油を熱してから冷ますと焦げ付きにくくなります。

特に鋳鉄(cask iron)は焦げ付きやすい素材。

使う前に十分に熱し、油を敷いてから冷まし、油を馴染ませることが大事です。

火にかけて水気を飛ばしてから油を薄く塗る工程を「シーズニング」と呼びます。

シーズニングとは「慣らす」という意味。

あらかじめシーズニングされていても、購入後に再度シーズニングすると焦げ付きにくくなります。

【銅の手入れ法】



銅は焦げ付きにくいですが、サビつきやすく傷がつきやすい素材。

サビを金属タワシなどでこすると傷だらけになってしまいます。

ですから柔らかなスポンジで洗い、しっかり布巾で拭いて乾燥させることが大切です。

黒ずみは「レモンの皮」でこすると落ちます。

【アルミの手入れ法】



アルミは、使い始める前に「米のとぎ汁」を入れて15分くらい火にかけます。

被膜ができて黒ずみにくくなります。

黒ずんでしまった場合には「お湯」と「レモンの輪切り」を入れて煮ると色が薄くなります。

焦げ付いた場合には、金タワシなどでこすっても大丈夫。

ただし表面に細かな傷がつくので光沢は失われます。

【フッ素樹脂加工の手入れ法】



フッ素樹脂加工をしてある鍋やフライパンは焦げ付きにくい素材です。

焦げ付いてしまった場合は「ぬるま湯」を入れて焦げを柔らかくします。

スポンジで落ちない場合は火にかけ、焦げが落ちやすくなるまで、特にゆっくり時間をかけます。

注意点は「急激な温度変化に弱い」こと。

ですから火から降ろしてすぐ水を入れないようにします。

熱が冷めてから「ぬるま湯」と「柔らかいスポンジ」で洗います。

スチールタワシ、硬いヘラ、研磨剤が入ったクレンザーなどを使わないように。

表面の樹脂が剥がれてしまうからです。

空焚きも厳禁です。

素材の熱伝導に差があるので、空焚きすると傷んでしまいます。



洗った後は、逆さまにして水気を切ります。


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