バラを庭のメインにするなら、よく見える場所に、たくさん咲いてほしい
そのため「切る位置」によって「花が咲く場所」をコントロールするのが剪定の目的です
バラは思い切って「枝を短く切り戻す」ことが花を咲かせるポイントです
枝や花の数を減らすと水分や養分が枝先まで行きわたります
日がよく当たり、風通しが良くなるので病害虫も付きにくくなります
バラを剪定しないとどうなる?
全く剪定しなくとも、バラが枯れたり、花が咲かなくなるわけではありません
花が少なくなったり、思い通りの場所に咲かなくなったりするだけです
例えば、枝が増えすぎると「日当たり」や「風通し」が悪くなり、花が減ります
混みあった枝には「病害虫」が付きやすく、生育状態が悪くなります
花は「枝先」に咲くので、伸びた枝の途中は花がない状態です
枝が古くなるにつれ花が少なく小さくなります
新しい枝を残して古い枝を切り、更新すると大きな花がたくさん咲きます
バラ剪定の時期
バラは関東地方なら春剪定は「5月」、夏剪定は「9月」。
秋剪定は「11月」、冬剪定は「1~2月」。
どの時期も「病害虫が付いた枝」「枯れ枝」は全て切り落とします。
春しか咲かない一季咲きバラの剪定は春だけです。
花が咲き終わると枝がどんどん伸びていきます。
ですから伸びすぎた枝を2/3くらいまで切り詰めておきます。
一季咲きバラの場合は細い枝にも花が咲くことがあるので、必ずしも切る必要はありません。
「春」「夏」「秋」「冬」時期によって剪定の目的が異なります。
【春の剪定】
3月くらいから新芽が出始めます。
勢いよく伸びてきた枝は「新芽の上」で切り戻しておきます。
すると春に花が咲きやすくなります。
3月になっても芽が付いていない枝には花が咲きません。
ですから付け根から切り落として構いません。
【初夏の剪定】
5月の剪定は「花が咲いている枝」を切って、新しい芽を伸ばすために行います。
花が咲いている枝の中で「葉が5枚の部分の1cmくらい上」で切ります。
5枚葉の近くから新しい芽ができるので、その部分を切り取らないことがポイントです。
【秋の剪定】
9月に「伸びすぎた枝」を切って整理します。
養分を蓄えさせて秋に花を咲かせるため、思いきり枝を切って形を整えても大丈夫です。
全体が 2/3 くらいになるよう枝を短くし、養分を蓄えられるようにします。
病害虫が付いている枝は全て切り落として処分します。
【冬の剪定】
11月の花が咲き終わった時期に「伸びすぎた枝」を切り詰め、形を整えます。
剪定の仕方は春と同様です。
「葉が5枚付いている部分」で「1cm くらい枝を残して切る」と芽が付きやすくなります。
「細い枝」「内側に向かって伸びている枝」は付け根から切り落として構いません。
細い枝には芽がつきませんし、内向きの枝は病害虫が付きやすいからです。
バラは気温が「4℃以下」になると休眠します。
ですから冬の剪定なら枝を切ってもダメージを少なくできます。
冬の剪定では1~2週間前に葉を全て取り除き、休眠させておくのがコツです。
全体的に1/2~1/3 まで切り詰め、枝を短く低くして日当たりと風通しを良くします。
切る枝、残す枝の見極め
大きくなりすぎたバラを剪定する時には「切る枝」「残す枝」の見極めが大事です。
邪魔な枝をただ切ってしまうと、花芽まで切ってしまうことになります。
【残す枝】
四季咲きバラに共通しているのは「春に初めて花が咲いた枝は残す」ことです。
最初の花が咲いたら目印を付けておくと忘れずに済みます。
昨年に伸びた「新しい枝」にも花が付くので残します。
大輪の花が咲くハイブリッドティーは「鉛筆より太い枝」にしか花が咲きません。
太い枝でも「2年以上経った古い枝」は中心の1本だけ残して他は切り落とします。
中輪の花が咲くフロリパンダは「鉛筆より細い枝」も残します。
株元から勢いよく出てくるのが「シュート」と呼ばれる枝です。
植え付けしたばかりの若いバラの場合、最初の数年は切らずに残します。
新しいシュートが春にグングン伸びて立派な花を咲かせるからです。
【切る枝】
中心が茶色くなった「枯れ枝」は、茶色い部分を「5mm」くらい残して全て切ります。
大輪の花が咲くハイブリッドティーは「鉛筆より細い枝」は切り落として構いません。
「枯れ枝」「交差している枝」「柔らかい枝」も付け根から切り落とします。
中輪の花が咲くフロリパンダは「割り箸より細い枝」を切ります。
花が小さなミニバラは、病気の枝や枯れ枝を取り除き、形を整える程度で充分です。
咲き終わった花がらを摘み取るだけで次々と咲き続けます。
植えつけて数年経ち、増えすぎたシュートは切って数を減らします。
シュート剪定の目的は「花付きを良くする」ことと「樹形を整える」ことです。
特に大きくなった「ハイブリッドティー」 や「フロリパンダ」にはシュート剪定が欠かせません。
「花が咲いた後」にシュートを根本から切り落として小さくし、樹形を整えます。
根元からシュートがたくさん出ている場合は、古いシュートを付け根から切り落とします。
【枝を切る位置】
枝先を切る時には「芽が外向きに付いている部分」で。
切った先を「5mm~1cm」くらい残して切ります。
芽を残すことで、そこから枝が伸びて花が咲きます。
つるばらの誘引
12 月に、つるバラは枝を整理して誘因をしておきます。
つるバラは「枝の先端」に花が咲きます。
ですから切らないと長い枝の途中には花がなくなってしまいます。
さらに「水平方向の枝に花がたくさん咲く」という性質があります。
そのためフェンスや手すりに誘引すると花つきが良くなります。
誘引したい場所に「しっかり麻ヒモなどで縛り付ける」のが花付きを良くするコツです。
つるバラの剪定・誘引の適期は12~1月。
寒くなる2月になると枝が硬く曲げにくくなります。
誘引する前に葉を全て取り除き、枝を整理しておきます。
2~3月、葉が落ちたつるばらは古い枝を切って全体を 2/3 くらいに切り詰めます。
これは新しい芽を伸ばし、春に花を咲かせるためです。
「3~4年経っている古い枝」を切ります。
「枯れ枝」 「弱った枝」は全て付け根から切り落とします。
古い枝から出ている小枝は「1~2芽を残して5~10cm くらい」に切ります。
つるバラの誘引は「枝が混みあいすぎない」ことがポイントです。
全体に日が当たることで芽が十分に付きます。
最初は太くて長い枝から誘引します。
枝が交差しても構わないので 「枝と枝の間隔は7~15cm」くらい開けます。
花が小さめのバラや枝が細いバラは新しく太く元気な枝があまり出ません。
ですから「古い枝から出ている小枝」をメインにします。
まず2年くらい経っている古い枝を誘引します。
そこから出ている枝の1~2芽を残して5~10cmに切ります。
次に新しい枝の中から太く勢いのある枝だけ残し、水平になるように曲げて誘引します。
新しい枝がたくさん出るバラは、新しい枝をメインに誘引できます。
新しく出た太く勢いのある枝には、たくさんの芽が出て大きな花が咲きます。
古い枝は2~3本だけ残して水平に誘引します。
残すのは古い枝から勢いよく出ている長く新しい枝です。
そこから先の古い枝は切り落とし、新しい枝を水平に曲げて誘引していきます。
使い勝手が良く、サビにくい剪定ばさみが1つあると、バラ管理に重宝します。
バラの花がたくさん咲いたら、花びらをポプリやハーブティなどに使えます。
バラを切り花で愉しんだ後は、香りを保存すると長く楽しめます。「リラックス」と「リフレッシュ」二種類の効果があるのがバラの香り特性。朝と夜で香りを使い分けることができます。
当ブログの記事を整理して電子書籍と紙の本で出版しています。
Unlimited会員なら無料でダウンロードできますので、よろしかったら覗いてみてください。