薬草は、西洋医学が発達している欧米でも、民間療法として使われます
医薬品の代わりにはなりませんが、不快な症状を和らげる効果はあるからです
そして食品なら、安心して口にできるというメリットもあります
身近に生えている薬草もありますが、よく似た毒草には注意が必要です
ハーブや食品であっても、使い方によっては逆効果になる場合もあります
薬草を使った民間療法

民間療法に使われる薬草には、ハーブや野菜など様々なものがあります
例えばアロエ、生姜、ニンニク、高麗人参、酢など
【シワとハゲ予防のアロエ】
南西部のネイティブアメリカンは、シワとハゲ予防にアロエを使用したそうです
葉を切ると出るジェル状の液は、軽い火傷や虫刺されのかゆみを和らげます
そのため市販のクリームなどにも使われる薬草として広く知られています
【健康増進のニンニク】
ニンニクは、古代エジプト時代から世界中で使われている薬草です
例えば耳の痛み、低血圧、下痢などを治すとされ、防腐作用や覚醒作用もあると言われます
【若々しく長寿の高麗人参】
東洋では、若さを保ち長寿を叶える媚薬と考えられているのが高麗人参です
あるいは食欲を増進させるなど、刺激剤としても広く使われます

【元気になるリンゴ酢】
リンゴ酢は、古くからエネルギーを高め、睡眠を助けると言われます
そして、お風呂の湯に入れると肌のかゆみを和らげる効果があります
【骨折に効くコンフリー】
骨折を治すと言われているのがコンフリーです
例えば、クリームや湿布にして、患部を癒すために使われました
【口臭を予防するクローブ】
中国人は、クローブを口臭予防のために使うと言われます
さらに歯痛や吐き気を和らげる効果もあると言われます
そしてクローブオイルには防腐作用と麻酔作用があります
カーネーションのような可愛い花が咲きます
不快な症状を緩和するため、または病気予防として、知っておくと役立つはずです
咳と風邪に効く薬草

のどの痛み、咳止め、頭痛など軽い風邪の症状や、禁煙に役立つ薬草があります
たとえ治療効果はなくても、つらい症状を和らげるには効果的です
【軽い風邪にはクランベリースープ】
軽い風邪の時に良い「クランベリースープ」は、フィンランドの伝統的なドリンクです
体を温め、ビタミンCを補給することができます
<材料>
- クランベリー(1カップ)
- 水(2カップ)
- 片栗粉(大さじ1)+水(大さじ2)
- クランベリージュース
- 砂糖または蜂蜜
- 生クリーム
<作り方>
- 材料を鍋に入れて沸騰寸前まで加熱し、クランベリーの皮が開くまで煮る
- 火からおろし、水溶き片栗粉を加える
- クランベリージュースを加え、かき混ぜ、火にかける
- 沸騰させ、とろみがつくまでかき混ぜる
- 砂糖と生クリームを加える
【のどの痛みに効くドリンク】
のどが痛い時には、ネギ、大根などが効くと言われます
あるいは薬草を入れた温かなドリンクも、のどの痛みを和らげてくれます
<材料>
- コンフリーの根
- カモミール
- ローズマリー
- 蜂蜜
- レモン
鍋に入れて弱火で煮込み、濾してから飲みます
あるいは温かい「湯(カップ1)」に「酢(大さじ1)」を入れて飲んでも効果的です
【咳止めシロップ】
咳止めに効果があると言われるのが、グリセリンとレモンのシロップです
グリセリンは、ステビアの葉から抽出されたエキス
食品の保存料やカロリーゼロの甘味料として使われ、料理にも使えます

材料
- レモン(1個)
- グリセリン(大さじ2)
- ハチミツ(大さじ2)
レモンを水に浸けて10分ほど煮てから果汁を絞り、グリセリンとハチミツを加えます
【頭痛を和らげるクローブ】
ドライハーブ各大さじ4と「クローブ」数個を布の袋に入れて、香りを吸い込みます
- ラベンダー
- マジョラム
- ベトニー
- バラ
ベトニーは和名「カッコウチョロギ」というシソ科のハーブです
あるいは環境や状況を変えてみることで頭痛が治まる場合もあります
例えば、日向にいたなら日陰に移動して、冷たい濡れタオルを額に当てます
疲れていたら、何か食べてエネルギーを補給します
そして今していることを中断して、深呼吸するのも効果的です
片頭痛は、その場でのジョギングなど、少し強めの運動をすると和らぐことがあります
【禁煙ハーブ】
カモミールには喫煙の欲求を抑える効果があると言われています
そのため煙草を吸いたくなったら「カモミールの花」を噛みます
疲労感や足の痛みに効く薬草

疲れた時に効くのが「ハチミツ酢」
コップ1杯の水に「酢(大さじ1)」と「ハチミツ(大さじ1)」を入れたものです
一日1回飲むだけで疲労を回復させてくれます
あるいは、お風呂の湯に「酢」や「レモン」を入れても元気が出ます
そして酢やレモンの入浴には、肌のかゆみを和らげる効果もあります
【筋肉痛や腰痛に効く薬草】
筋肉痛や腰痛のマッサージに効果的と言われる「ウィッチヘーゼル」
ウィッチヘーゼルはネイティブアメリカンが使っていた落葉樹です
さらに毛穴の黒ずみを取り、引き締める効果もあると言われます
葉や樹皮からエキスを抽出します

ウィッチヘーゼルのエキス(1カップ)+消毒用アルコール(1/4カップ)
これで優しくマッサージすると疲れた筋肉の痛みを和らげます
1カップなら100ml入り2本が必要です

樹皮の状態でも市販されています
食用にはできないので、フットバスやマッサージ用に

ただしハーブティとしては使えません
【足の疲れを取る薬草】
ぬるま湯にラベンダーオイルを数滴ほど入れて足湯すると疲れが早く取れます
田舎道などを歩いていて足が疲れた時に使えるのが「シダ」
靴の中に入れておくと足の疲れや痛みが和らぐと言います
【水虫に効く薬草】
酢は皮膚の表面にある抗酸化菌を回復させると言われます
熱い「リンゴ酢」に「セージ」と「アグリモニー」を入れて足湯
1日3回ほど、30分くらい足を付けておきます
アグリモニーはバラ科の多年草です
黄色い綺麗な花が咲き、ハチミツの香りがすると言います
消化不良や胃の不調に効く薬草

ネイティブアメリカンが消化不良の改善に飲んでいたのが「ミントティ」
ペパーミントティやパパイヤミントティが胃の不快感を和らげます

吐き気を抑えるのが「クローブティ」
急に吐き気を感じた時に飲むと改善できます
消化液の分泌を促すためには、食前のフルーツが効果的です
ドライフルーツを食べたり、フルーツジュースを飲むだけでOK
前菜などにフルーツを使うのも良い方法です
【胃酸を抑える】
胃酸を抑えるのが「重曹」と「レモン汁」
ぬるま湯(カップ1/2)に重曹(小さじ1/2)と数滴のレモン汁を入れて飲みます
吐き気がする時には重曹を入れた水で口をすすぎ、残りを飲みます
【腸の不調を改善する】
腸の不調を改善するのが「ニンニク」
消化を促進する働きもあります
胃もたれする時には料理にニンニク1~2片を入れると効果的です
口臭を抑えるためには、ニンニクを食べた後「生のパセリ」を食べます
【ガスやしゃっくりを止める】
ガスが溜まりやすい時に良いとされるのは
- ショウガ
- フェンネル
- キャラウェイ
- ディル
食後に砂糖漬けのショウガを食べるのも効果があると言われます
フェンネル、キャラウェイ、ディルは、種を噛みます
しゃっくりを止めるには、小さじ1杯の「ピーナツバター」を食べると良いそうです
皮膚の炎症、火傷、虫刺されに効く薬草

肌の保湿に効果的なのが「ハチミツ」と「ローズウォーター」
ハチミツもローズウォーターも皮膚の新陳代謝を助けると言われます
保湿効果があるハチミツが乾燥した肌に潤いを与えてくれます
ハチミツ(大さじ1)にローズウォーター(数滴)を加えます
リップクリームやハンドクリームとして塗ると効果的です
グリセリンとローズウォーターを混ぜてもリップクリームにできます
ひび割れた唇を保湿する効果があります
蒸留器があれば自家製ローズウォーターを作ることも可能です

【日焼けした肌をいたわる】
日焼けで肌がヒリヒリしている時に皮膚のほてりを鎮めるのが「ティーバッグ」
お風呂に2~3袋を入れて入浴します
これは、お茶に含まれるタンニンが肌の熱を取り去るためです
お茶を濃い目に入れて肌に塗ったり、濡れたティーバッグを肌に当ててもOK
お風呂に煎じた「コンフリーの根」を入れても効果があると言います
【日焼け止め】
日焼け止めに使えるのが「酢」です
水(カップ1/2)に酢(大さじ2)を混ぜて肌に塗ります
酢1:オリーブ油1を混ぜたものでも効果的です
オイルは他の植物油でも構いません
【軽い火傷の手当て】
軽い火傷に効くとされるのが「マシュマロ」と「コンフリー」
肌を癒す効果が高い組み合わせです
マシュマロ(大さじ2)と、つぶしたコンフリーの根(大さじ2)を鍋に入れます
オリーブ油(カップ1)とワイン(カップ1)を加えて30分ほど加熱
冷まして濾したものを肌に塗ります
アロエの樹液も火傷、皮膚炎、虫刺され、ウルシかぶれに効くとされます
大きめの葉を切ってゼリー状の樹液を皮膚に塗るだけ
葉はラップをして冷蔵庫で保存できます
ハーブの使い方における注意点

薬草は医療の代わりにはなりません
何らかの疾病がある時や妊娠中は、必ず医師に確認することが大事です
天然だからといって過信するのは禁物です
人によってはアレルギー反応が出る場合があります
初めて使う時には必ず微量でテストし、3日ほどおいて反応が出ないことを確認します
食用と明記されたもの以外は、口に入れたり肌に付けたりしないほうが安全です
園芸用の苗には農薬が使われているので、食用や薬用には使えません
ハーブティとして売られているものなら安心して使えます
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