中秋の名月とは~お月見に飾る秋の七草の種類

2024年は、9月17日が中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)

秋の美しい満月を眺める「お月見」の行事が行われる日です


旧暦では7月から9月が秋に当たるため、8月15日が秋の真ん中という意味で「中秋」です

この日は、月が地平線に対して高い角度にあり、澄んだ秋の夜空に美しく浮かび上がります

太陽暦では9月中旬から10月上旬の満月です


中秋の名月の由来

満月

元は中国から伝わった風習で、旧暦の8月15日に月を愛でる行事が行われてきました

中国の「中秋節」に由来しており、豊作を祈り、月に感謝する行事でした


それが日本に伝わると、平安時代の貴族たちが催すようになったのが「月見の宴」です

宴の席で、詩を詠みながら月を鑑賞する文化が定着しました

そして中秋の名月を祝うための風習や行事が、日本各地で行われるようになっていったものです


中秋の名月の行事や風習

月見団子とススキの穂

一般的なのが月見で、縁側などに「すすき」を飾って美しい満月を観賞します

そして中秋の名月に供えるのが「月見団子」です

これは丸い形が満月を象徴し、月に感謝の意を示すという意味が込められています


ススキは月の神様を迎える目印として飾られ、秋の豊作を祈る象徴です

昔は秋の収穫の時期でもあり、農作物の豊作に感謝する意味も含まれていました


中秋の名月に飾られる秋の七草

秋の七草

お月見の時に飾るのは、ススキを含めた秋の七草です

秋の七草は「ハギ」「オバナ」「クズ」「ナデシコ」「オミナエシ」「フジバカマ」「キキョウ」

それぞれ薬効があり食べられますが、秋の七草は主に鑑賞用です

【ハギ】

ハギの花

マメ科ハギ属の植物で、8月から10月頃に、ピンク、紫、白の花が咲く、落葉低木または多年草です

秋を象徴する草花の一つで、古くから日本の文化や風習に深く関わっています

例えば、和歌や俳句にも、よく詠まれる植物です


すすきと並べて月見の飾りに使われることがあります


花の形は小さく蝶のようで、枝にたくさんの花をつけます

とはいえ控えめで優雅な美しさがあり、風にそよぐ姿が特徴的です

そして萩は、古くから「物思い」や「優美さ」を象徴する花とされています


【ススキ】

ススキ

イネ科ススキ属の多年草で、日本の秋を象徴する植物の一つです

特に秋の風物詩として広く親しまれ、月見や秋の行事に使われます

また、ススキの柔らかい銀色の穂が秋風に揺れる姿が美しく、自然風景も楽しめます


通常は1~2メートルですが、3メートルほどに成長することもあります

縁が鋭い細長い葉を持ち、しなやかに風になびく姿が特徴的です


秋になると、ススキの長い茎の先に銀色の花穂をつけます

そのため稲穂に見立てられ、豊作を祈る意味を込めて月見の際に飾られました


さらにススキは、観賞用だけでなく実用的にも使われてきた植物です

例えば、乾燥させて束にし、茅葺き屋根の材料として使われます

そして茅葺は、断熱性や防水性に優れた屋根です


【クズ】

クズ

マメ科クズ属のつる性植物で、日本を含む東アジアや東南アジアに広く分布しています

8月から10月頃にかけて、紫色や赤紫色の美しい花を咲かせます

小さな蝶の形をした花が、穂状に集まって咲くのが特徴です


日本では秋の七草の一つとして知られ、古くから食用や薬用、繊維材料として利用されてきました

葛の根からは、食材として重要な「葛粉(くずこ)」が作られ、料理や和菓子に広く使用されています


葛の根から採れる澱粉(でんぷん)を精製したものが「葛粉」です

非常に粘り強く、透明感があるため、料理や和菓子に使われます

特に「葛餅」や「葛切り」などが有名です


葛粉は消化が良く、昔から胃腸に優しい食材として知られてきました

また、体を温める作用があるとされ、寒い季節には「葛湯」として飲まれています


あるいは葛のつるから繊維が取れ、昔から織物の材料として使われてきました

この繊維で作られた布を「葛布」と呼び、丈夫で涼しげな織物として利用されます

特に夏の着物や帯などに用いられました


【ナデシコ】

ナデシコ

ナデシコ科の多年草で、カーネーションの元型です

4~8月に開花し、様々な品種があります

食用にもでき、むくみ、高血圧に効果的と言われます

【オミナエシ】

オミナエシ

オミナエシ科の多年草で、草丈60~100cm

8~10月に開花し、切り花として使われます

漢方にも用いられ、消炎、膿の排出に効果的と言われます

【フジバカマ】

フジバカマ

キク科の多年草で、草丈100~150cm、8~9月に開花します

日当たりの良い場所に生え、やや湿った土を好みます

漢方にも使われ、糖尿病、体のかゆみに効果的と言われます

【キキョウ】

キキョウ

キキョウ科の多年草で、草丈50~100cm

6~9月に開花します

根を漢方に使い、咳止め、去痰、のどの痛みに効果的とされています


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