自然素材で作った庭は、解体して作り直したり、土に埋めたりできます
庭づくりは一度では完成しないので、後から作り直せるほうが便利です
例えば、年齢や家族構成の変化に応じて庭での過ごし方も変わります
自分の好みだって変化します
そのため自然素材で作っておけば、後で解体して再利用することも可能です
自然素材を使った地面の舗装
レンガの「小道」や「花壇」を作る場合、セメントで固めてしまう必要はありません
建物を建てたり、車が通ったりする場所ではないからです
例えば、地面に置く低い構造物なら「漆喰」などで固定しておくだけで充分
むしろ壊して作り直せるほうが生活の変化にも対応できます
そのうえ特別な道具や重機などは不要なので、自分で手作りできます
ところがコンクリートやモルタルで固めてしまうと、解体するのも大変
しかも大量の廃棄物として処理するしかありません
自然素材の良さは、劣化が「風合い」に変わることです
たとえコケがついたり色が変わったりしても、植物や風景に馴染んでいきます
一方で、劣化したプラスチックや金属は、ただのゴミになってしまいます
【たたきの作り方】
昔ながらの「たたき」は自分で簡単に作れ、解体して再利用もできます
なぜなら「土」を「石灰」で固めてあるだけだからです
しかも水はけが良く、崩せば土に戻せます
- 材料を混ぜて、手で握った時に固まるくらいにする
- 厚さ3cmくらい地面に敷き詰める
- 板などを置いて平らにならし、足で踏み固め、木づちで叩く
- 3~4回くりかえしたら、レンガゴテで表面を平らに仕上げる
- 3日くらいおいてから表面をタワシでこすって滑らかにする
材料は「砂5:消石灰1」に、粗塩(1%)を水で溶いたものを加えます
「ふのり」や「つのまた」を粘着剤として加えると、より固まりやすくなります
「つのまた」は刺身のツマなどに使われる海藻で、漆喰などの粘着剤として使われてきたものです
セメントを入れると早く固まりますが、入れなくても固まります
ただ1~2カ月ほど時間がかかるだけ
公道を作るわけではないのだから、急ぐ必要はありません
昔は、土間や軒下などの舗装として一般家庭で使われていた手法です
【レンガや自然石の通路】
人が歩く通路には「レンガ」や「石」を敷いておくと水はけが良くなります
さらには雑草を抑える役割も果たします
植物のグリーンとコントラストがついて庭のアクセントにもなります
地面に敷き詰めるレンガなら、「砂」だけでも固定できます
目地の間に砂を入れておくだけなので、通路の場所や形を変更するのも簡単です
砂は土に混じっても構いませんし、丁寧に集めれば再利用もできます
他には、地面に敷くだけの「砂利」も施工が簡単
水はけが良くなるので、外水栓の周囲とか雨水が落ちる軒下などに適します
ただしホウキで掃くと砂利が移動してしまいます。
ですから大量に落ち葉が溜まる落葉樹の下などに、砂利は向きません
砂利は少しずつ減るので、数年後には足す必要も出てきます
雑草を抑えるなら「敷石」「レンガ」「砂利」を敷くのが簡単。コンクリートやモルタルを使わなければ、素人でも施工できます。例えば「砂」でレンガを固定する方法です。
自然素材の構造物
庭の「通路」や「フェンス」なども自然素材を使うとリサイクルできます
例えばレンガや自然石を敷いた通路や、板や竹を組んだフェンス
場所を変えたり、サイズを変えたり、後からリメイクもできます
庭木や宿根草が大きく育った時など、通路など構造物の位置を変更できるのは便利です
【木や竹のフェンス】
敷地の周囲に巡らす「フェンス」も木や竹なら再利用できて便利
木や竹ならナタやノコギリで切断できるので、素人でも楽に解体できます
フェンスに使った木や竹も、古くなったら取り替えられます
植物の支柱として使ったり、バーベキューの時などの薪にしたりして使えます
燃やした後の灰も肥料として使えます
細い木や竹を組んで作るフェンスやトレリスなら、クギやネジも不要
麻紐などで縛っておくだけでも充分ですし、そのまま捨てても土に還ります
フェンスに「蔓バラ」を這わせておくと、野生動物の侵入などを防げます
コンクリートのブロック塀などは地震で倒れた場合など危険です
形を変えたり場所を変えたりもできません
【漆喰の使い方】
壁塗りの素材として使われる「漆喰」は、レンガを積み上げる時の接着剤としても使えます
消石灰の原料はサンゴ礁から採れる石灰石です
それを焼いて水を加えたものが消石灰
海苔などの乾燥剤としても使われています
漆喰の材料も、たたきとほぼ同じ
「細かな砂2:消石灰1」の割合で混ぜます
少しずつ水を加えて耳たぶくらいの硬さになるまで練ります
しっかり漆喰が固まるまでには1カ月くらいかかります
モルタルほど強く固まらないので、あまり高く積み上げると危険
けれどレンガ2~3段くらいの花壇なら漆喰で十分です
【モルタルの材料と使い方】
モルタルとは「セメント1:砂2~3」を混ぜてから「水」を加えて練ったもの
これに「砂利」も加えるとコンクリートになります
どちらもセメントの比率を多くするほど強度が増します
セメントの原料は「石灰石」「粘土」「けい石」「酸化鉄」「石膏」など
70~80%が石灰石です
強度があるだけに壊すのも大変です
モルタルやコンクリートを作る場合も「耳たぶ」くらいの硬さが適度
柔らかい方が施工しやすいですが、乾くまでに時間がかかります
【漆喰やモルタルで施工する方法】
漆喰やモルタルを使った作業は「晴天の日」が適しています
曇りの日は空気が湿っていて固まりにくいため、乾くのに時間がかかってしまいます
ただし作業に慣れないうちは曇りの日が良いかもしれません
時間をかけて作業したほうが落ち着いて進められるからです
漆喰やモルタルが乾く前なら多少の変更もできます
【漆喰やモルタルを使う時の道具】
材料を練るための「容器」が必要です
平たいバットのような形が使いやすく、ネコトイレなどでも代用できます。
材料を練る時、レンガに塗る時には、レンガ積み専用の「レンガコテ」が便利
先端が尖っているので、隅の部分など細かな調整ができます
並べたレンガを叩いて平らにする時には「ゴムハンマー」を使います
ゴムなのでレンガを傷つける心配なく作業ができるからです
ゴム部分が白いハンマーなら素材にゴムの色が移る心配がありません
木工や手芸にも使えるので、あると便利です
レンガとレンガの間は「目地ゴテ」を使うと仕上がりが綺麗
細いコテに合わせて目地を整えれば、一定の間隔に揃えられます
目地コテにはサイズの種類があるので、目地の幅を広くしたり狭くしたりもできます
「リサイクルできる庭」というアイディアを得た本が『川口豊のエコガーデン』
エコガーデンのキーワードは「頑丈すぎない」「リサイクルできる」
『川口豊のエコガーデン』より
時間をかけて作り上げていくのが庭
その時々で好きなテイストも変化するかもしれません
壊して作り直せる庭なら、いつでも新鮮です
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