衣類に着いた汚れは早めに落とすことが肝心。
しみを放置するほど酸化して落ちにくくなるからです。
外出先でシミがついてしまった場合には応急処置だけでもしておきます。
「洗濯する前に」シミ抜きを済ませておくことも大事。
シミが付いたまま洗濯すると取れにくくなります。
決してこすらず、シミが広がらないよう「上からたたく」のがコツです。
シミの応急処置

とりあえずは当て布をしてから色素を「吸い取る」のがコツ。
ティッシュやおしぼりなどでこするとシミが広がります。
そして繊維の中に汚れが沁み込んで、取れにくくなります。
表面の「液体」や「固形物」だけ取り除き、後から染み抜きをします。
1.当て布をする
まずはシミの下にティッシュやハンカチなど当て布を置きます。
液体はティッシュで「吸い取り」ます。
固形物はそっと「つまんで」取り除きます。
2.色素を吸い取る
水溶性のシミなら下に布を敷いて「乾いたティッシュ」で上からトントン叩きます。
下に敷いた布に、水分と色素を移して吸い取らせるように。
外出先でのシミ落としに便利なのが携帯用の染み抜き剤。
応急処置をしておくとシミが取れやすくなるので、カバンに1本あると安心です。
このシミ抜き剤「スポっとる」はクリーニング屋さんが作ったもの。
酵素の力でガンコなシミも綺麗に落とせると評判の商品です。
応急処置では完全にシミは取れません。
色が薄くなっても、繊維の中まで色素がしみ込んでしまうからです。
特に油性や不溶性のシミは叩いただけでは落ちないので、帰宅してから染み抜きをします。
●スポっとる使ってみました!
メーカーからサンプルを頂けることになり、さっそく試してみました。

10年くらい着ているノースリーブ。
脇の下に汗じみが残ってました。
漂白剤で薄くなったものの、うっすら黄色い。
スポっとるを試すと目立たなくはなりました。
でも、よく見ると、まだ残ってます。

説明書を読むと「2~3回」繰り返すと書いてありました。
3回目でスッキリ真っ白に!
インナーとして着ていたブラウス。
今年はアウターとして着られそう。
真夏にはノースリーブが重宝します。
説明書をジックリ読んでみると、なるほど!と思うポイントが2点。
- 洗浄力が弱いので生地を傷めない
- 弱い洗浄力で、時間をかけて汚れを「分解」させる
スポっとるを塗ってから「24時間」放置すると書いてあります。
汚れを分解させるためには時間が必要だからです。
洗浄力の強い洗剤を長く着けておくと、生地が傷んでしまいます。
じっくり汚れを分解させるためには、洗浄力が弱いほうが良いということです。
洗浄力が弱いのは「中性」で、酸化してしまったシミ、色柄ものにも使えます。
ドラッグストアなどで買えるシミ取り剤は、洗浄力の強い「弱アルカリ性」です。
公式サイトから購入すると安いし、使い方ガイドブックも付いてきます。

お試し用に使った5mlは550円で、携帯用としても使えます。
しみ抜きの方法

シミは大きく分けると「水溶性」「油溶性」「水油性」「不溶性」の4種類です。
家庭でも簡単に落とせるのは「水溶性」と「油溶性」のシミ。
多くの料理は、水溶性と油溶性の食品が混ざっている「水油性」。
何度か染み抜きを繰り返すことで落ちることがあります。
水にも油にも溶けない「不溶性」のシミは家庭でのシミ抜きは無理なのでクリーニングに出します。
不溶性のシミとは「鉄さび」「墨汁」「花粉」などです。
【水溶性のシミ落とし法】
水に溶ける「ジュース」「コーヒー」「お茶」などの液体が水溶性のシミ。
水で落とすことができます。
時間が経つほど、酸化して落ちにくくなるので、早めの対処がポイントです。
コーヒーや醤油のシミは、当て布を下に敷いてから濡れタオルなどで叩きます。
色素を当て布に移してから洗剤で洗えばたいてい落ちます。
液体でもワインの染み抜きは難しく、赤ワインの色素は落ちにくいもの。
応急処置として白ワインを塗っておくと落ちやすくなります。
「泥はね」ならば、乾かして裏から叩き、土を落とすと取れます。
泥汚れに強いのが「ウタマロ石鹸」。
野球のユニフォームとセットで売られていることもある固形石鹸です。
シミの部分に直接つけてモミ洗いすると汚れが良く落ちます。
布巾のシミも漂白剤なしで、かなり落ちました。
デリケートな繊維には使えませんが、コットンや麻など丈夫な素材ならゴシゴシ洗えます。
たいていのドラッグストアで売ってます。
【油溶性のシミ落とし法】
「ファンデーション」「口紅」「マヨネーズ」「バター」「ボールペン」
油溶性の染み抜きには「ベンジン」を使います。
【水と油のシミ落とし法】
「カレー」「ミートソース」「牛乳」「ドレッシング」
多くの料理や食品は水溶性のものと油溶性のものが混じった水油性。
酸化すると落ちなくなるので、特に早めの対処が大事です。
ついてすぐなら水と「食器用洗剤」で落とせますが、落ちない場合にはシミ抜き剤を使います。
白い服を洗濯しみ抜きで真っ白に保つ

コットンは白さを保ちやすい素材です。
綿は「熱」にも「摩擦」にも強く、どんな漂白剤も使えるからです。
白い衣類ならアルカリ洗剤が効果的。
アルカリ度が高いほど色落ちしますが、汚れ落ちが良いからです。
アルカリ洗剤とは「重曹」「住居用洗剤」「漂白剤」など。
ゴシゴシもみ洗いできるコットン。
固形石鹸を塗りつけてから洗濯板で洗うと真っ白に洗いあがります。
すすぎを十分にしてから日に当てて干しても白さが際立ちます。
【デリケートなレースの洗濯】

レースはデリケートなので「強い洗剤」「熱いお湯」「もみ洗い」は厳禁。
人肌くらいの「ぬるま湯」に浸けて洗います。
食器洗剤などの「中性洗剤」を「スプレー」して少し時間をおきます。
シミがついてしまった場合はシミの部分に洗剤をスプレー。
ガンコなシミの場合には、液体洗剤ではなく「粉洗剤」を振りかけて。
裏返してタオルなどに乗せ、少し時間を置き、裏側から歯ブラシなどでトントンと叩きます。
決して「絞らない」ようザルやカゴで水気を切ります。
しっかり洗剤分を落とさないと黄ばみます。
テーブルクロスや衣類など大きな物ならネットに入れて「弱流」の洗濯機ですすぎます。
【白いウールのシミ抜き】
ウールやニットは「中性洗剤」を使い「ぬるま湯」で「押し洗い」が基本。
ウールは熱いお湯に浸けると縮んで繊維が硬くなってしまいます。
こすれると毛玉ができるので、もみ洗いも厳禁。
アルカリ性や酸性の洗剤を使うと生地が傷みます。
ウールやニットは特に「こすらない」ように注意します。
粉洗剤や固形石鹸は汚れ落ちが良いですが、繊維の中に残りやすいので注意。
しっかり溶かしてから使うか、液体洗剤を使います。
「ウール」や「シルク」に効果的なのが「蛍光剤入り洗剤」で、真っ白に仕上がります。
注意が必要なのは、染み抜きした後に蛍光剤入り洗剤で洗うとムラになること。
染み抜きをした後には蛍光剤が入っていない洗剤で洗います。
普段の洗濯の時だけ蛍光剤入り洗剤を使うようにします。
蛍光剤入り洗剤はコットンやリネンにも使えますが、ポリエステルには効果がありません。
ウールやニットのシミ抜きをする場合は、食器洗剤など「中性洗剤」を使います。
タオルの上に乗せて裏から叩くようにして汚れを追い出し、よくすすぎます。
それでもシミや汚れが取れない場合には、クリーニングに出してプロに任せたほうが安心です。
【白いコットンの黄ばみを取る方】
ガンコな汗じみや黄ばみがついてしまった場合。
「台所洗剤」と「漂白剤」でキレイに取れることがあります。
- 台所洗剤をシミの部分に直接つけ、歯ブラシなどでこするか、手でもみ洗い
- ぬるま湯ですすぎ
- 漂白剤をシミの部分に塗り、お湯に浸けるかドライヤーなどで温める
- そのまま洗濯機に入れて衣類洗剤で洗う
黄ばんでしまった白い衣類に使えるのが「還元タイプ」の漂白剤。
色が抜けるので、還元タイプの漂白剤は白いものにしか使えません。
酸性やアルカリ性の漂白剤で落ちなかったシミや黄ばみ、鉄さびなどもよく落ちます。
塩素系の漂白剤は、すすぎが不十分だと黄ばみやすくなります。
日に当てると特に黄ばみが取れにくくなります。
そんな黄ばみを取るのが還元タイプの漂白剤です。
全体的に黄ばんでしまった洋服でも、いきなり漂白剤に漬けないこと。
お湯と洗剤で洗って、汚れを落としてから漂白するのが基本です。
洗剤が少しでも残っていると黄ばむので「すすぎ」を十分にすることが大事です。
日光にも漂白作用があり、コットンやリネンは日に当てて干すと真っ白に仕上がります。
漂白剤やアルカリ性の洗剤は生地を傷めてしまいます。
部分的なシミなら、たいていのものに使えるのがスポっとる。
クリーニング屋さんが作ったシミ抜き剤です。

時間をかけてシミを落とすので、衣替えシーズンなど「すぐ着ない」衣類に。
シミ抜きしないで収納すると、ますます落ちなくなってしまいます。

家庭で洗濯する時に気を付けたいのが、洗剤の使い分け。洗剤が繊維を痛めたり、黄ばみの原因となったりするからです。










