手づくりコスメは準備に時間と手間がかかり、保存性はよくありません。
メリットは新鮮で自然な素材を使えること。
色々な材料を試して自分に合うものを見つけられます。
とはいえ肌質などに合わないと逆効果になることもあります。
初めて使う素材は、使用前にアレルギーテストをしておきましょう。
腕の内側に少し塗って24~48時間おき、発疹など現れなければOKです。
フェイシャル

手づくりコスメでよく使われるのが食品を使ったフェイシャルマスク。
十分に洗顔した後に、目の周りを避けて顔全体になじませます。
30分ほどおいて乾かし、ぬるま湯で洗い流し、冷たい水で毛穴を閉じて終了。
肌に刺激を感じる場合は、すぐに洗い流して使用を中止しましょう。
乾燥肌、脂性肌、混合肌、と肌タイプは人それぞれ。
けれど、どんな肌タイプにも使える素材もあります。
例えば「トマト」や「キュウリ」のスライス。
フェイシャルマスクに使う素材は酸性度と肌質で選びます。
- 弱酸性(乾燥肌の保湿に適している):人参、レタス、メロン、アボカド
- やや酸性(普通肌に使える):バナナ、柿、、スイカ、ピーマン、きゅうり
- 酸性(多くの肌質に使える): 種なしブドウ、桃、アプリコット、トマト
- 強い酸性(脂性肌のみ適量を使用):レモン、ライム、グレープフルーツ、イチゴ、リンゴ、ブドウ
果物や野菜をブレンドして、つなぎ素材を組み合わせることもできます。
- 乾燥肌に良いつなぎ素材は「ラノリン」「サワークリーム」「ハチミツ」「卵黄」
- 脂性肌には「ヨーグルト」と「卵白」をつなぎに使います
- 普通肌であれば「全卵」や「牛乳」も使えます
保湿剤として使える「液体レシチン」も少し加えると効果的です。
手づくりコスメの乳化剤として売られているのが「水酸化レシチン」。

レシチンとは卵黄から発見された成分。
生体膜の主要成分で、代謝を良くする機能があります。
レシチンは脳の栄養でもあり、サプリメントなどにも使われています。

【桃のマッサージクリーム】
よく熟した「桃(1個)」をつぶして「生クリーム」に混ぜます。
1日1回マッサージに使うと肌を柔らかく滑らかにします。
冷蔵庫で保存できます。
【顔色を良くするビール酵母】
くすんだ顔色を明るくしてくれるのが「ビール酵母」。
血行を良くするビタミンB群が豊富だからです。
小さじ2~3杯のビール酵母をジュースやミルクに入れて飲むと効果的。
週1~2回のフェイスマスクは脂性肌にも乾燥肌にも使えます。
粉末イーストを水で練って柔らかなペースト状にするだけ。
顔全体に塗り、乾かし、ぬるま湯で洗い流します。
ビタミンBが皮脂の分泌を規則正しく整え、肌の汚れを浮き出します。

乾燥が気になる場合は「小麦胚芽」や「卵黄」を大さじ1杯ほど加えます。
【角質を取り除くピーラー】
季節の変わり目になるとカサカサする肌。
そんな時に古い角質を素早く取り除くのが「パパイヤ」です。
新鮮なパパイヤの果肉を肌に乗せ、1~2分おいてからタオルで拭き取ります。
冷たい水で毛穴を閉じて仕上げ。
パパイヤは肌を乾燥させやすいので、保湿剤を塗っておきます。
マイルドに角質を落とせるのが「パパイヤ・ミント・ティ」。
ハーブティを淹れる要領で熱湯をかけ、濾したものです。

無農薬栽培した乾燥パパイヤは、そのままでも食べられます。

フェイスタオルをパパイヤミントティに浸して顔に塗ってから洗い流します。
【脂性肌のクレンジングマスク】
肌を清潔にして柔らかくするマスク。
このフェイスマスクは血行を促進する効果もあります。
ただし肌を乾燥させがちなので、あまり頻繁に使わないほうがいいようです。
- 「蜜蝋(7g)」と「ラノリン(57g)」を湯銭で溶かす
- 鍋をかき混ぜながら「ローズウォーター(1/2カップ)を加える
- 火からおろして「フラーズアース(227g)」を入れる
肌に塗って15分ほどおいてから洗い流します。
洗い流した後には軽く保湿クリームを塗っておきましょう。
少量のフラーズアースに水を加えて乳液状にしただけでも使えます。
フラーズアースは土の一種で、皮脂や毛穴汚れを吸着する、パックに使うクレイのようなものです。
上野・アメ横にある「カワチヤ食品」さんで購入できます。
蜜蝋はキャンドル作りなんかにも使われる自然素材。

ラノリンは羊毛の油脂を精製したもので、乳化剤として使います。

ローズウォーターはバラの花びらを蒸留したもので、引き締め効果があります。
蒸留器があれば、自家製ローズウォーターが作れます。

【マヨネーズ・クリーム】
ナイトクリームとして使えるのが「卵」「植物油」「酢」だけのマヨネーズ。
マッサージするようにして肌に塗るだけです。
- ボウルに「卵黄(2個分)」「酢(大さじ2)」を入れて泡だて器で混ぜる
- もったりしてきたら「植物油(1カップ)」を少しずつ加えて混ぜる
- 白っぽいクリーム状になったらできあがり
サラダ油、オリーブ油など材料を変えて作れます。
【シワとりクリーム】
肌の弾力を保つうえで効果的なのが「コンフリー」。
コンフリーの葉または根(大さじ1)にお湯を注いで茶こしで濾します。
これをフェイスマスクや牛乳に加えて肌に塗って数分おきます。
シワに効果的なのが「アーモンドオイル」。
肌の保水力を高め、シワをふっくらさせます。
- 「ラノリン(大さじ1)」と「アーモンドオイル(大さじ1)」を湯銭で溶かす
- 「水(大さじ1)」を加えて冷やす
- 「タラ肝油(大さじ1)」を加える
タラ肝油は健康食品として摂取もできます。

ラノリンだけでも肌の保湿に使えます。

アーモンドオイルは浸透しやすく保湿性が高いオイルです。
ヘアケア

食品で作れるシャンプー、ヘアダイ、セットローション。
ドライヘアとオイリーヘアで材料が少し違います。
季節や髪の状態によって使い分けると良いでしょう。
【ドライヘア用シャンプー】
乾燥しがちな髪には「全卵」を使います。
- 卵(2個)を泡立てて頭皮になじませる
- 数分ほど放置してから、ぬるま湯で洗い流す
- ぬるま湯に以下を入れて髪を浸し、洗い流す
- ダークカラーの髪には「酢(大さじ2~3)」
- ライトカラーの髪には「レモン汁(1/2個分)」
お湯が熱いと卵が固まってしまうので、必ず「ぬるま湯」を使います。
フケを予防する効果があるのが「ヨーグルト」。
頭皮と髪に馴染ませ、1時間おいてからシャンプーするだけです。
【オイリーヘア用シャンプー】
髪がベタつく時には「ラム酒」と「ローズウォーター」を加えた卵シャンプー。
- 卵(3個)、ラム酒(3/4カップ)、ローズウォーター(3/4カップ)を混ぜる
- 頭皮と髪に付け、よくマッサージする
- ぬるま湯で洗い流し、仕上げに以下を入れてすすぐ
- ダークカラーの髪には「酢」または「ビール」
- ライトカラーの髪には「レモン汁(1/2個分)」
【ヘアコンディショナー】
手づくり「マヨネーズ」はヘアコンディショナーとしても使えます。
- ボウルに「卵黄(2個分)」「酢(大さじ2)」を入れて泡だて器で混ぜる
- もったりしてきたら「植物油(1カップ)」を少しずつ加えて混ぜる
- 白っぽいクリーム状になったらできあがり
シャンプー後の髪に付けてマッサージ。
30分ほど放置してから洗い流します。
最後のすすぎ水には「ローズマリーの煎じ液」または「レモン汁」や「酢」をプラス。
ローズマリーは黒髪に艶を与えるヘアケアには万能のハーブ。
すすぎの仕上げに使うと髪がまとまりセットしやすくなります。
さらにフケを抑える効果もあると言われます。
【ヘアカラー】
ブロンドの髪をより明るい色にするのが「ルバーブ」と「カモミール」。
- ルバーブの根(大さじ3)を水(2カップ)に入れ、15分煮る
- 一晩おいてから濾す
- ボウルで受けながら髪に数回かける

カモミールの浸出液ですすぐとライトニング効果が高まります。
- カモミールの花(1カップ)と熱湯(2カップ)を鍋に入れる
- 沸騰させないよう弱火で30分ほど煮る
- 数時間おいてから濾す
- ボウルで受けながら髪に数回かける
- 日光に当てて髪を乾かす
ハーブを煎じる時はアルミ製の鍋は使わず、ホーロー鍋が最適です。

白髪を黒く染めるのが「セージ」。
シャンプーに濃い目に煎じたセージを加えるだけです。
乾燥したセージの葉(1/2カップ)に熱湯(1カップ)を注ぎます。
洗い終えた髪にコットンで塗っても効果的です。

長持ちさせるには「ベイラム」と「グリセリン」を加えます。
ベイラム(1カップ):グリセリン(14g):セージ液(1カップ)
ベイラムとは、ベイリーフをラム酒に漬けて濾したもの。
ヘアトニックやアフターシェーブローションとして使われます。
髪にハイライトをつけるのが「ヘナ」。
髪の色素によって仕上がりが異なります。
金髪や白髪に使うと赤みが強く出るので注意が必要です。
茶髪にハイライトを入れる場合に適した染料です。
ヘナには乾燥作用があるので、頭皮に「植物油」を薄く塗っておきます。
ヘナパウダーとセージの煎じ液を混ぜてペースト状にし、リンゴ酢を数滴加えます。
くしでペーストを髪にとかし付け、蒸しタオルとビニールキャップで髪を包みます。
15~30分ほどおいてから、ぬるま湯ですすぎます。

柔らかな色にするなら「カモミールの煎じ液3:ヘナペースト1」 で。
ボディケア

入浴剤の効果は肌の乾燥を防ぐこと。
「牛乳」や「日本酒」などを入れると肌に優しくなります。
「ハーブ」を加えると香りによってリラックス効果も高まります。
リラックス効果と洗浄効果が高いのは「カモミール」。

若返りのハーブと言われるのが「コンフリー」。
デオドランド効果があるのは「ロベジ」。

肌荒れに効果的なのは「レディースマントル」。

香りを楽しむなら「ラベンダー」や「ミント」など好みに応じて。
濃い目に煎じてお湯に入れるか、ドライハーブを布の袋に入れて浮かべます。
【オートミールのスクラブ】
スクラブ効果のあるのがオートミール。
乾いたオートミールをタオルで包んで体をこすります。

乾燥肌には「アーモンドパウダー」を使うと保湿力が高まります。

【ハンドケア】
手荒れに効くのが「ふすま水」。
食器洗いの後などに1日3~4回手につけるだけ。
ふすま(1/2カップ)に熱湯(1カップ)を注ぎます。
15分おいて濾したものをシンク脇などに用意。
冷蔵庫で保存もできます。

オートミールも手荒れに効果があります。
2~3倍の水で柔らかく煮込んだオートミール。
濾して容器に入れておき、手につけます。

乾燥した手に効果的なのが「ハチミツ」と「アーモンド」のクリーム。
- ハチミツ(50g)を湯銭で溶かす
- ラノリン(100g)を混ぜる
- 火からおろして冷ます
- スイートアーモンドオイル(50g)を加えて混ぜる
ラノリンは羊毛の油脂で保湿効果があります。

スイートアーモンドオイルはマッサージにも使えます。

【デオドラント】
体臭予防に効果的なのは「緑黄色野菜」を食べること。
クロロフィルが汗による体臭を軽減します。
簡単なデオドラントは「ラベンダーオイル」を数滴たらした水。
シャワー後などに脇の下に塗ります。

濃い目に煎じた「ロベジ」や「セージ」も効果的。
脇の下に塗るか、浴槽に入れて入浴します。
つぶした葉を塗っても効果があります。
ロベジ(Lovage)は「ラベージ」「ロベッジ」などとも表記されています。

水で薄めた「リンゴ酢」で脇の下を拭いても汗のにおいを消します。
酢の匂いは数分で消えます。
【マウスケア】
歯磨き粉として使えるのが「塩」と「重曹」。
単体でもブレンドしても使えます。
重曹(30g)+塩(10g)+グリセリン(小さじ3)水を加えてペースト状にします。
数滴「ペパーミントオイル」を加えるとサッパリ感が増します。
歯の黄ばみを取るには「レモンの皮」でこすって、よくすすぎます。
新鮮な「イチゴ」を歯にこすりつけると葉の隙間までキレイになります。
口臭予防に効果的なのは「パセリ」や「クレソン」を食べること。
原液の「ローズウォーター」はマウスウォッシュとして使えます。

バラを切り花で愉しんだ後は、香りを保存すると長く楽しめます。「リラックス」と「リフレッシュ」二種類の効果があるのがバラの香り特性。朝と夜で香りを使い分けることができます。
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